平成25年  2月 定例月議会 - 02月22日−03号
1.平成25年度当初予算について
(1)任期中最終予算編成にあたってのこれまでの総括的思いと考え方について
(2)国からの給与削減要請への対応について
2.公共事業予算の確保について
3.アジア・国際戦略について
(1)中国・韓国・東南アジアとの経済・文化的・人的交流 について
4.世界遺産登録について
(1)登録へ向けた今後の手続と対応について
5.新行財政改革プランについて
(1)現業業務の見直しについて
6.水産業の振興について
(1)もうかる水産業の振興について
(2)赤潮対策について
7.長崎県歯・口腔の健康づくり推進条例について
(1)市町への協力要請について
8.その他

◆42番(溝口芙美雄君) (拍手)〔登壇〕皆さん、こんにちは。
 昼から大変眠たい時間になると思いますけれども、どうぞご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 自由民主党の溝口芙美雄でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 1、平成25年度当初予算について。
 (1) 任期中、最終予算編成に当たってのこれまでの総括的思いと考え方について。
 本県の雇用・所得環境は、有効求人倍率が0.65倍と相変わらず低い水準となっているなど厳しい状況が続いており、県民の皆様からは、暮らしや雇用の不安を何とか払拭し、地域の活性化につながる取組を期待されているところであります。
 これまで中村知事におかれては、「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く長崎県」の実現を目指し、一人当たりの県民所得の低迷や人口減少など、山積する県政の諸課題に対し正面から向き合い、職員の総合力を発揮しながらその解決に取り組んでいることは十分承知しており、評価しているところであります。
 このような中、先日、総額6,812億6,822万円となる平成25年度当初予算案が発表され、本定例月議会に予算案として提出されたところであります。
 この当初予算の中身について、資料を拝見いたしますと、人を大切にする県政を推進するためのきめ細かな支援、一人当たり県民所得の低迷改善、地域発の地域づくり、アジアとの交流促進などを大きな柱としているように見受けられます。
 中村知事におかれましては、今回の当初予算は、任期4年目、最後の年の予算編成となるわけであります。まさに1期目の集大成、総括的な予算編成と言える今回の当初予算において、知事は、どのような思いを込められたのか、今回の予算のどのあたりに中村カラーを出しているのか、お尋ねいたします。
 (2) 国からの給与削減要請への対応について。
 国、地方とともに厳しい財政状況の中で、現在の最大の課題である「日本再生」、「地域の元気」のために国を挙げて経済対策を進めている中、国・地方の公務員が身を削るべきとして、今回、政府より、国家公務員の給与減額支給措置を踏まえ、平成25年度における地方公務員の給与について、速やかに国家公務員と同様に給与を引き下げるよう要請があっているところと思います。
 本県におかれましては、これまでも行財政改革に取り組み、自主的に職員の定員削減、給与削減を実施してきたところでございますが、県における安定した財源の確保は大きな課題の一つだと思います。
 今回の当初予算で、3基金の取崩しによって財源調整基金の残高は46億円まで減少いたしました。自主財源の少ない本県におきましては、これからも行財政改革を行い、財源確保に努力していかなければいけません。
 そこで、知事は、この要請に対してどのように対応しようと考えているのか、お尋ねいたします。 
 (知事答弁)

 2、公共事業予算の確保について。

 民主党政権時代は、「コンクリートから人へ」の考えのもと、国の公共事業予算は、平成21年度の7兆700億円から平成24年度の4兆5,000億円と大幅に削減されてきたところであり、本県の公共事業予算についても、平成21年度当初予算の1,008億円から平成24年度当初予算の914億円と、同様に減額されてきた経緯があります。
 しかしながら、昨年末、自・公連立政権に交代し、国においては日本経済再生に向けた緊急経済対策を決定し、いわゆる15カ月予算の考え方のもと、平成24年度補正予算と一体的なものとして平成25年度予算編成が提示され、公共事業費の大幅な増加が図られているところであります。
 本県においても、この国の緊急経済対策に対応して、本定例月議会において、公共事業費311億円を中心とする総額328億円の経済対策補正予算案が上程され、県議会においても早期発注を促進するため、去る20日の本会議において、他の議案に先行する形で議決したところであります。
 また、県におかれては、この補正予算の311億円と平成25年度当初予算の818億円を合わせて、今回、総額1,129億円の公共事業費の確保が図られています。
 インフラ整備がまだまだ遅れている本県においては、自・公連立政権のもと、今後も公共事業費の予算が期待される中、このような動きをしっかりと捉え、さらに積極的に公共事業費予算の確保に努力していかなければならないと考えているところであります。
 今後、県として、公共事業費の予算確保に向けどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
(知事答弁)

 3、アジア・国際戦略について。

 (1) 中国・韓国・東南アジアとの経済・文化的・人的交流について。
 本県は、アジアと最も近くに位置する。このことを活かし、成長を続けるアジアとの交流を深め、本県の経済の成長につなげていくことは大切なことであると思っています。
 今回、九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)が武雄南−長崎までフル規格で建設することが決定し、9年後には完成する予定でございます。
 これを活かし、アジアにつなげ、人やものの流れを生み出すため、今まで以上に中国、韓国、東南アジアとの交流を積極的に取り組んでいく必要があると考えています。
 中国とは長年の友好関係から、県産物展示等による県産物の輸出、「孫文・梅屋庄吉」の取組による歴史・文化交流等、長崎−上海航路の復活と順調に進んできましたが、今回の尖閣諸島問題で長崎−上海航路は大きな赤字を抱えて長期運休が決定されたところであり、長崎県として一つの大きな戦略が挫折したところです。
 尖閣諸島問題は、国が解決することですが、本県として大きな課題であり、早く中国との友好を取り戻さなければ、アジア・国際戦略が頓挫してしまうのではと懸念しています。これからどのように対応していこうと考えているのか、お尋ねいたします。
 また、本県には、韓国と数十キロメートル離れたところに対馬市があり、韓国との新たな人、ものの流れをつくり出し、観光客の誘致や経済交流を図り、相乗効果により本県の雇用、経済の活性化につなげていくものと期待しています。
 今回、数年ぶりに平成25年度からソウル事務所を開設することを決めたようですが、事務所の体制と役割をどのように講じていくのか、お尋ねいたします。
 私は常々、これから発展していく可能性のある東南アジアとの交流を深め、県内企業等の進出やビジネス促進に力を入れる必要があるのではないかと考えていました。
 知事におかれましても、今回の施策に掲げているようですが、どのような取組を検討しているのか、お尋ねいたします。
 アジアと長崎の歴史、文化に関係する人物等を市町と連携して発信し、より多くの国内外に知っていただくために、国立博物館に展示するなど考えられないのか、お尋ねいたします。
(知事答弁)(部長答弁)

 4、世界遺産登録について。
 (1) 登録へ向けた今後の手続と対応について。
 平成19年に「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が世界遺産登録暫定リストに登録されて、議会といたしましても特別委員会を設置して、行政と一緒に、平成26年度に世界遺産登録を目指して努力してきたところであります。
 しかし、昨年6月に推薦書原案を文化庁に提出しましたが、国の文化審議会世界文化遺産特別委員会で審議されましたが、残念ながら富岡製糸に先を越されてしまいました。
 平成25年度中にユネスコへ推薦書を提出していただかなければ、平成27年の「信徒発見」150周年に合わせることができません。この年に世界遺産登録することによって、多くのキリスト教に関係する外国の人たちが来ていただけると期待できます。このことが観光振興につながります。
 知事は、県民の所得向上をこれからの3年間、数値目標を掲げて努力していく約束をしています。そのためにも失敗は許されません。確実に世界遺産登録できるよう手続をすることは責務でございます。
 県として、これからどのように対応していくのか、お尋ねいたします。
(知事答弁)

 5、新行財政改革プランについて。
 (1) 現業業務の見直しについて。
 昨年、2月定例会の一般質問で私も質問しましたが、平成23年度から取り組まれている「新行財政改革プラン」において、知事部局等の職員数を平成28年度までに120名削減することとしています。
 その削減手法の1つとして、「現業業務などの外部化」が掲げられています。特に、現業業務については、全国的にも典型的な業務については外部化をはじめとした見直しが進められている中、本県においてもこれまで見直しが行われてきたと伺っています。
 そこで、これまでの見直し状況と、今後どのような取組を実施しようとしているのか、お尋ねいたします。
(部長答弁)

 6、水産業の振興について。
 (1) もうかる水産業の振興について。
 長崎県の水産業界は、水揚げの減少、円安の影響による燃油の高騰、漁業就業者の高齢化による担い手不足、温暖化による漁場環境の変化など、大変厳しい状況でございます。
 県におきましては、もうかる水産業を目指し、これまで漁港の整備、漁場の造成、担い手の確保のための技術取得のための支援等、中古船の購入支援等、フグ、クロマグロ養殖の技術開発、漁船漁業への支援と、水産県としてこれまでさまざまな施策に力を注いできましたが、なかなかその成果が上がってまいりません。
 特に、養殖漁業は、新魚種の養殖が成功して数年は高値で売れますが、養殖業者が多くなると同時に、現在は近隣のアジア諸国で養殖するようになり、魚価安になるなど養殖漁業関係者の経営は大変厳しい環境になってまいりました。
 県では、「力強く豊かな水産業を育てる〜もうかる水産業をめざして〜」を基本理念とする「長崎県水産業振興基本計画」を策定し、平成23年度から種々の施策を実施していることは認めます。
 今後、漁業者の所得向上に向けて具体的にどのような対策を講じていくのか、お尋ねいたします。
 (2) 赤潮対策について。
 養殖漁業は、ハマチの養殖が昭和40年代には盛んになり、養殖業者も多くなってまいりました。同時に、出稼ぎに行っていた若者がUターンして養殖漁業を営むようになり、もうかる水産業の大きな柱の一つとして、主たる養殖魚をハマチからタイ、カンパチ、フグ、クロマグロ等に変えながら発展し、経営してまいりました。
 しかし、近年、クロマグロ以外は魚価安が続き厳しい経営を続けている状況の中で、養殖漁場では赤潮被害が絶えず、養殖業者は常に不安を抱えており、特に、ここ数年間はどこかの養殖漁場で赤潮が発生しています。昨年も伊万里湾、佐世保港、平戸市薄香湾などで大きな被害が発生しています。
 県においては、赤潮被害を受けた場合、新たな中間種苗の確保を支援する制度を創設するなど被害対策には力を入れているが、養殖業者が安心して漁場を利用し経営を維持していくためには、赤潮の発生原因の究明が最も重要であると考えています。
 赤潮発生の仕組みは複雑でほとんど解明されていないと聞いているが、県では、これまで原因究明や被害軽減策についてどのような取組を行ってきたのか、お尋ねいたします。
 また、赤潮対策は県だけの取組には限界があることから、国の研究機関や大学との連携、民間が持っている技術の活用などにより赤潮対策に関する調査・研究体制の充実・強化を図ることが望まれています。
 これまで県が国等と連携して取り組んできた調査研究の状況と今後の取組をお尋ねいたします。
(部長答弁)

 7、長崎県歯・口腔の健康づくり推進条例について。
 (1) 市町への協力要請について。
 「8020運動」の施策を掲げ、実現するためさまざまな取組が実施されてきました。
 県議会は、この施策をより実現するため条例が必要であるとの歯科医師会からの強い要望もあり、県当局の理解の中、「長崎県歯・口腔の健康づくり推進条例」を制定し、平成22年6月に施行されたところであります。
 私は、歯と口腔の健康が、高齢になってから元気で健康な老後を過ごすことができること、医療費の削減につながること、歯科医師会の先生方から、この条例の勉強会を通じて教えていただきました。
 「8020運動」の推進は、健康な老後を楽しむことを考え、県内歯科保健対策を一層促進していくことは急務であり、市町での推進体制の強化促進が必要と考えますが、市町での条例制定など、推進体制の強化に努めていただきたい。県の見解をお尋ねいたします。
 知事は、平成25年度から県内の保育所、幼稚園、小学校でのフッ化物洗口の実施を行うということを明らかにしました。幼い時から虫歯にならないように予防することが、大人になって丈夫な歯を維持することにつながり、フッ化物洗口を幼い時から実施することは、虫歯にならない予防の最も有効な方法と聞いています。
 これから実施に当たっての市町の協力体制が不可欠であります。市町に対して、フッ化物洗口の実施が促進されるよう協力要請をどのように行ってきたのか、お尋ねいたします。
(部長答弁)

 以上で、壇上からの質問を終了し、再質問を対面演壇席からさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

◎知事(中村法道君) 〔登壇〕溝口議員のご質問にお答えをいたします。
 まず、今回の当初予算編成にどうした思いを込めたのかとのお尋ねでございます。
 平成25年度は、5年間を実施期間といたします長崎県総合計画の3年目に当たる折り返しの地点であります。
 そういった意味で、少しでも県民の皆様方に具体的な成果をお示しすることができるよう、これまでの各種施策をさらに前進、発展させてまいりますとともに、県民所得の向上といったような長年にわたる県政の課題に対しましても、まずは挑戦してみようと、職員とともに課題を正面に据えて一歩を踏み出してみようとの思いで予算を編成したところでございます。
 このため、例えば県政運営の基軸に据えました「人を大切にする県政の推進」のため、障害者の方々に対する医療費助成制度の拡充をはじめ、地域医療体制の整備や仕事を持つ女性の方々の子育て支援などにきめ細かに取り組んでまいりますとともに、グローバル社会を迎えて小・中・高校を通じた英語教育の強化にも力を注ぐこととしたところであります。
 一方、長年にわたり低迷している一人当たり県民所得の向上対策につきましては、改善に向けた道筋を少しでも明らかにし、県民の皆様方と一緒になって取り組んでいきたいとの思いから、今回はじめて具体的な数値目標をお示しした上で、新たな政策群を構築したところであります。
 具体的には、新たな大規模工業団地の整備促進、製造業における県内中堅企業の受注拡大の中小企業への着実な波及、収益性の高い農林水産業の育成、環境エネルギー分野における新産業の創出などに関して、より幅広い視点に立って、これまでにない施策を講じることといたしました。
 また、地域活力の低下が大きな課題となる中で、特に、離島地域については、人口減少や雇用の場の不足といった現状に対する危機感を強くしているところであり、輸送経費への支援や「しまとく通貨」の発行など、豊かな地域資源を活かした「しまは日本の宝」戦略を着実に推進してまいりたいと考えております。
 さらに、女性や高齢者の社会参加を促し、NPOとの連携を深めるなど、県民の皆様方とともに地域の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
 加えて、アジアとの交流につきましては、本県独自の歴史的・地理的な優位性をしっかりと活かしながら、成長著しいアジアの活力を取り込み、本県の活性化へつなげたいとの思いから、県ソウル事務所を10年ぶりに復活するなど、「アジア・国際戦略」を積極的に展開し、また、東南アジア諸国に対しても実利の創出に向けた取組を広げていくことといたしております。
 こうした思いを盛り込んだ新年度予算に全職員一丸となって取り組み、「人、産業、地域が輝く長崎県」の実現を目指してまいりたいと考えております。
 次に、国からの給与削減要請へどう対応するのかとのお尋ねでございます。
 今回、地方公務員の給与について、国の給与カットに準じて必要な措置を要請するとの閣議決定がなされまして、総務大臣からの要請をお受けしたところであります。
 本来、地方の行政運営に関する事項は地方自らの判断で決定していくべきものであり、国が給与カットをしているから地方も行うべきであるとの理由で同様の措置を求め、また、それに見合うような交付税を削減するということは、本来あってはならないと考えております。
 一方、本県におきましては、厳しい財政状況の中で、これまでも給与カットという時限的な見直しではなくて、永続的に人件費の削減効果が続くよう組織の見直しなどにより職員数の削減を進めてきたところであり、その結果、この10年で職員給与総額は15%程度削減されているところであります。
 そうした中、現実的な問題といたしまして、交付税を含めた関係財源が大幅に削減されるということになってまいりますと、財政構造が極めて脆弱な本県においては、これからの財政運営に重大な影響を来すこともまた事実であります。
 したがいまして、今後の対応につきましては十分慎重に検討をし、今後の方向性を見定めていく必要があるものと考えているところであります。
 次に、公共事業費の予算確保にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。
 全国の公共事業関係予算が大きく減少していく中で、本県においては、これまでも国の経済対策予算も活用しながら、地域経済を下支えする公共事業の確保に積極的に取り組んできたところであります。
 今回の予算編成に当たりましても、厳しい雇用・所得環境が続いていることを踏まえ、国と同様にいわゆる「15カ月予算」の考え方で、平成24年度から平成25年度にかけて切れ目のない経済対策に取り組むこととしております。
 このため公共事業費につきましても国の補正予算を積極的に活用することで、議員ご案内のとおり、平成24年2月補正予算において311億円、平成25年度当初予算においても、国の関係予算が前年度並みとなる中、平成24年度の国の当初内示を上回る818億円を計上し、総額で1,129億円と、平成17年度当初予算以来となる1,100億円台の公共事業予算を確保したところであります。
 多くの離島・半島を有し、社会資本の整備が十分でない本県においては、産業の振興や観光交流の拡大につながる幹線道路の整備、あるいは農林水産業を支える基盤整備などに引き続き力を注いでいく必要があると考えております。本来であれば、必要な社会資本の整備は計画的に推進されるべきものであると考えております。
 今後とも、国に対し本県の現状や事業の必要性等を十分説明しながら、必要な予算の獲得に積極的に対応してまいりたいと考えております。
(再質問)
 次に、アジア・国際戦略のこれからの取組についてのお尋ねでございます。
 新年度のアジア・国際戦略は、中国との地域間交流の推進、韓国に対する取組の前進、新たなチャレンジによる戦略展開の3つの観点で推進してまいりたいと考えております。
 まず、1点目の中国との関係につきましては、日中交流の歴史の中で大変重要な役割を果たしてきた本県として、引き続き積極的に地域間交流を進め、国家間の関係改善につながるような本県ならではの役割を果たしていきたいと考えております。
 長崎県日中親善協議会設立40周年を記念した訪中団の派遣や、孫文と梅屋庄吉に関するさまざまな交流事業、中国国家旅游局とタイアップした文化交流など、友好交流の促進と人脈強化につながる取組を進めてまいりたいと考えております。
 あわせて長崎−上海航空路線の週3便化定着支援や長崎−上海航路再開に向けた取組など、中国との間の人流、物流の構築を図るための施策にも力を注いでまいりたいと考えております。
 2点目の韓国につきましては、10年ぶりとなりますソウル事務所の復活を通して、観光誘客や県産品輸出など、本県の実利につながる取組にこれまで以上に力を注いでいきたいと考えており、自治体国際化協会のソウル事務所に長崎県ソウル事務所長として駐在員を1名配置し、現地アドバイザーの活用、長崎市及び対馬市の釜山事務所との連携などによりまして、県内市町や民間の取組をきめ細かにサポートする拠点を構築してまいりたいと考えております。
 3点目の新たなチャレンジによる戦略展開として、ご指摘の東南アジアについては、国の施策の動きや日系企業の進出状況なども踏まえながら、本県との歴史的なつながりや本県の強みを活かして戦略的な展開を図ってまいります。
 具体的には、本県企業の現地展開を支援するためのビジネスサポートデスクの設置、福岡との間に直行便が就航しておりますシンガポール、タイ、フィリピンからの誘客促進、タイへの長崎和牛の輸出、シンガポールを中心として周辺諸国までを視野に入れた陶磁器の輸出拡大など、各国の実情や特性を十分踏まえた取組を進めていきたいと思っております。
 以上のような取組を通して戦略に厚みと幅を持たせることで、その時々の国際情勢の影響をできるだけ最小化しながら各種の施策展開を図り、本県経済の活性化に結びつけてまいりたいと考えております。(部長答弁)
 次に、世界遺産登録に向けた今後の手続と対応についてのお尋ねでございます。
 「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録につきましては、昨年の文化審議会における指摘事項等も踏まえ、文化庁や国内専門家のご指導もいただきながら、市町と一体となって原案の熟度を高めてまいりました。
 その結果、構成資産の万全の保護措置に一定のめどをつけることができたことから、去る1月22日に熊本県知事及び関係市町長とともに、文部科学大臣に推薦書原案を提出したところであります。
 その際には、大臣から「暫定一覧表に記載されている資産の中で、推薦準備が最も順調に推移している」とのお言葉もいただいたところであります。
 また、文化審議会から指摘のあった「資産全体の価値について、全国での理解、周知が不足しているのではないか」といった課題に対処するため、昨年10月には、行政や経済団体、大学など県内の154団体からなる「世界遺産登録推進県民会議」を立ち上げ、行政と民間が一体となってさまざまな手法を総動員し、県内外の周知啓発に全力を挙げて取り組んできているところであります。
 今年度から文化遺産の国内推薦枠が1件となり、ますます競争が激しくなると思われますけれども、議員ご指摘のとおり、平成27年は、大浦天主堂における「信徒発見」から150周年というキリスト教界における重要な節目の年となっており、この年に世界遺産登録が実現することが、最も資産の価値を高め、広く世界に認知していただくことにつながると考えております。来年度の推薦決定に向けて全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 残余のご質問につきましては、関係部局長の方からお答えをさせていただきます。
◎文化観光物産局長(坂越健一君) アジアと長崎の歴史、文化の情報発信についてのお尋ねでございます。
 世界に誇れる本県ならではの歴史・文化遺産につきましては、これまでも孫文・梅屋事業につきまして、東京国立博物館での展示や中国主要都市5カ所での企画展示を行うなど、国内外での顕彰に努めてまいりました。
 また、朝鮮通信使につきましては、今年度、九州国立博物館で企画展示が行われ、来年度からは日韓合作による企画展示を長崎歴史文化博物館と釜山博物館で巡回開催するとともに、東京、京都、福岡等での県外講座を開催することにより、広く情報発信を行うこととしております。
 長崎県とアジアの深い交流を示す歴史、文化や関連人物を国内外に広く顕彰することは、長崎の認知度向上と交流人口拡大に大きく寄与することから、国立博物館での展示も含めまして、市町とも連携して、今後とも国内外での幅広い顕彰に努めてまいります。
 以上でございます。
(再質問)

◎総務部長(池松誠二君) 現業業務の見直しについて、これまでの状況と今後の取組についてのお尋ねでございます。
 現業業務につきましては、平成17年度に抜本的な見直しを行うなど、「民間にできるものは民間に委ねる」という考え方のもと、民間委託や非常勤職員の活用などによる見直しを進めているところであります。
 具体的には、現業職18職種のうち10職種を廃止することとし、退職不補充や現業職から一般事務職への任用替えにより、職員数は、平成17年度の464名を、平成24年度時点では約3分の1の171名まで削減しているところであります。
 また、行財政改革懇話会や県議会におけるご意見を踏まえ、新行財政改革プランの中で「現業業務などの外部化」等を掲げまして職員数の削減を図っていくこととしております。
 今後とも、現業業務全体について、行政サービスを維持することを念頭におきまして、引き続き正規職員が担うべき業務かどうかなど、業務の実態や費用対効果を踏まえた上で、関係者とも協議を重ねながら、さらなる見直しに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
(再質問)

◎水産部長(荒川敏久君) 3点ご質問を頂戴いたしました。
 まず、もうかる水産業の振興について、漁業者の所得向上に向け、具体的にどのような対策を講じていくのかとのお尋ねでございます。
 本県の水産業生産額は全国第2位でありますが、一経営体当たりの所得は、海面漁業で16位、養殖業で10位、水産業全体では17位と中位にとどまっております。
 このため従来の取組に加え、来年度新たな取組を実施し、漁家所得の向上を図ってまいりたいと考えております。
 海面漁業対策では、資源の維持・回復を促進するため、水産資源の管理を強化することに加え、稚仔魚の育成場である藻場の再生に向け、現在実施している西海市に加えまして小値賀町をモデル地区に追加し、県で開発した藻場の回復技術の実証に取り組みます。
 また、沿岸漁業者が取り組むカキなど、餌をやる必要がない養殖の導入を支援してまいります。
 養殖業対策では、本県産養殖マグロの高品質化を図るための基準づくりや、高品質な真珠を生産するための取組を進め、他県にない競争力を持った養殖業を目指してまいります。
 加工・流通・販売対策では、産地から販売先への研修派遣や量販店等の販売担当者からの助言による商品開発等を行い、人的関係の構築による本県水産物の販売の拡大を図ります。
 さらに、東南アジア諸国やアメリカ等、新たな輸出先を開拓するための調査を行うなど輸出拡大にも積極的に取り組んでまいります。
 次に、赤潮対策につきまして、県では原因究明や被害軽減策についてどのような取組を行ってきたのかとのお尋ねでございます。
 赤潮は、海域にタネが存在し、栄養塩、太陽の光が十分にあることで発生するとされております。
 しかしながら、複数の条件が複雑に関与しているため、発生した赤潮の原因を具体的に究明することや、どの種類の赤潮がどこで、いつ発生するかを予測することは困難であります。
 県では、赤潮被害の軽減を図るため、赤潮プランクトンの発生から終息まで観察を行い、その結果を関係者に情報提供し、注意を喚起するとともに、養殖魚の餌止めや養殖生けすの移動等の指導を行っております。
 また、過去、赤潮で大きな被害が発生している橘湾等において、国の事業を活用いたしまして赤潮のタネであるシストの発芽を抑えるための覆砂試験を行うとともに、観測機器整備による24時間の観測体制を構築しているところであります。
 しかしながら、赤潮発生の予測や予防対策の開発等につきましては、人的、財政的に本県単独では限界があることから、引き続き国に要望してまいりたいと考えております。
 3点目に、同じく赤潮対策について、県が国等と連携して取り組んできた調査研究の状況と今後の取組についてのお尋ねでございます。
 県は、国等と連携し、有明海や橘湾におけるシャットネラ赤潮のモニタリング調査等を実施しており、その結果を漁業関係者に提供しております。これらの情報は関係者に活用されており、「対象となる赤潮の種類を増やし、県内の他海域でも実施してほしい」との要望が寄せられております。そのため養殖魚に被害を及ぼすカレニア赤潮を新たに追加するとともに、隣接する他県の情報も加えて、本県漁業者がより利用しやすい情報発信に努めてまいります。
 特に、昨年赤潮の被害が大きかった県北部海域におきましては、国や佐賀県とも連携しながら監視体制を強化してまいります。
 養殖魚への被害軽減対策としましては、赤潮プランクトンが生けすに入り込むのを防ぐ技術開発を行っているところであり、引き続き赤潮の被害軽減に取り組んでまいります。
 以上でございます。
◎福祉保健部長(濱本磨毅穂君) 県内の歯科保健対策を促進するため、市町での条例制定など推進体制の強化を図ること、また、小学校でのフッ化物洗口の実施に向け、市町への協力要請を行うこととのご質問でございますけれども、県条例第9条で、「市町には、歯科保健の効果的な推進のため、市町歯・口腔の健康づくり推進計画の策定に努めること」とされており、現在策定・計画中を含め18市町で推進が図られているところでございますが、全市町で歯科保健計画を策定していただくよう引き続き技術的支援に努めてまいります。
 なお、現在県内では佐世保市のみですが、歯科保健に関する条例が制定をされています。
 次に、フッ化物洗口については、5年間で全部の保育所、幼稚園、小学校での実施に向け、昨年11月のスクラムミーティングで、各市長・町長に対して協力を要請し、12月21日には、市町・保健所歯科保健担当課長会議及び市町、各教育委員会、県歯科医師会、県薬剤師会などが一堂に会した推進協議会を開催し、県内全体での取組について共通認識が図られたと考えております。
 さらに、保育所、幼稚園、小学校の関係先に対しては、各所管課から直接フッ化物洗口の導入について働きかけを行っているところでございます。
 なお、実施に当たっては、保護者等への説明と同意など、インフォームドコンセントにも十分配慮しながら行うこととし、市町とともに丁寧に推進をしてまいりたいと考えております。
 以上です。
(再質問)

◆42番(溝口芙美雄君) どうもありがとうございました。
 それぞれ丁寧な説明をいただきまして、前向きな答弁が多かったのではないかと思って喜んでおります。
 ただ、今回知事が、先ほど県民の所得向上ということで話がありましたけれども、それぞれ所得向上の中に4種ですか、製造業や農業、水産業、観光業ということで779億円の増加数値目標を立てているんですけれども、これを決断するのにはやはり大変な思いがあったんじゃないかなと、そういう思いがしております。
 この数値目標を掲げてでもやろうと思った、その知事の思いというのは、どのようなものだったのでしょうか、お尋ねいたします。
◎知事(中村法道君) 私が知事に就任をさせていただき、3年が経過いたしました。
 知事選の選挙当時は、いわゆるリーマンショックの後でありまして、地域の方々とお話をすると、皆様異口同音に県内には働く場がないと、子どもを呼び返したいんだけど、本当に厳しい状況であると、まずは働く場を何とかしてくれないかというようなお話がありましたし、また、地域によっては人がいなくなっていると、家庭の中においては介護のために大変な状況になっているんだと、そういった非常に深刻なお話を数多くお聞きしました。
 それで、やはり県政の最重要課題は、経済・雇用対策であるという思いもありまして、国のさまざまな施策も活用しながら取り組んできたところでありますけれども、先ほどご指摘もいただきましたように、有効求人倍率は相変わらず0.65倍、県下の高校の卒業生の4割が県外に出ていってしまっているという厳しい現状があるわけであります。
 これはやはり何としても働く場を県内に増やさないといけない。そうすることが、県民の皆様方が安心してこの地域に住み続けていただく源になるという思いがございまして、まずは産業の振興、雇用の場の創出、確保を図っていきたいということで、その結果的な成果として地域に所得を残していく、一人当たり県民所得を上げていくという目標を掲げさせていただこうと思ったところであります。
◆42番(溝口芙美雄君) ありがとうございました。
 今回の779億円の中身を見てみますと、製造業が508億円ということで、製造業の方に大変力を入れていると思うんですけれども、先ほどの雇用という形の中では大変有効な施策の一つではないかと思っております。
 その中で、それぞれ市町に対して工業団地の整備を行っているんですけれども、整備はしたものの企業誘致がもしできなかったということであれば、やはりこれは大変なことでありまして、佐世保の方でも今、平成25年度をめどに整備が完成するということになっているんですけれども、その企業誘致に向けてどのような働きかけをしているのか、お尋ねをしたいと思います。
◎産業労働部長(山田伸裕君) 佐世保の工業団地に関しましての企業誘致の状況でございますけれども、佐世保の工業団地につきましては、現在17ヘクタールの団地開発でございます。この17ヘクタールにつきまして、できれば1社単位で販売ができないかという方向で取組を進めております。対象の業種としましては、自動車関連産業等々につきまして、佐世保市と産業振興財団が役割分担をしながら積極的に企業誘致に取り組んでいるところでございます。
◆42番(溝口芙美雄君) 佐世保の方が平成25年ですから、今年度なんですよね。だから、それについて少し早目に企業誘致をしていかなければいけないと思っておりますので、その辺については格段の努力を佐世保市とともにしていただければと思っております。
 それから、製造業の企業誘致だけではなかなか雇用関係が多く生まれてこないと思うんですけれども、午前中の答弁の中で、企業誘致だけではなく、中小企業が前向きに設備投資、あるいは雇用拡大をしていくところには積極的な支援をしていこうと、そういうお話があったと思うんですけれども、その辺の積極的な支援ということに対して、今までになかった施策を考えているのか、お尋ねをしたいと思います。
◎産業労働部長(山田伸裕君) 元気なものづくり企業成長応援事業のことと存じます。
 この事業につきましては、とにかく県外から仕事をとってくるということに主眼を置きまして、本県の中堅企業を中心に、これら企業の営業力、技術開発力、商品開発力を高めて、県外の企業と堂々とわたり合って仕事をとってくるような環境をまずつくっていきたいと。
 こうしてとってきました仕事を、外注する部分につきましてはしっかりと県内企業に受注していただくということで、中堅企業並びに中小企業についてもあわせて底上げを図っていこうという事業でございます。
 これまでと特に異なるところといいますのは、中堅企業にも光を当てたということと、もう一つは、そういう中堅企業につきまして認定制度を導入したいというように思ってございます。
 例えば私どもが考えておりますのは、売上高と従業員数などに焦点を絞って対象企業の基準を定めまして、その企業群から計画を出していただくと。その計画の内容に応じて認定を行い集中的な支援を行う。この支援につきましては、海外展開向けの支援とか、人材育成向けの支援、技術力を向上させるための支援等々に使えるというふうな助成金を準備していきたいというふうに考えてございます。
◆42番(溝口芙美雄君) この県民所得の向上は779億円ということで、平成27年度までということで大変大きな目標とは思うんですけれども、今、経済対策の中で少しずつ上がっている形の中では、先ほど知事が、「順位が上がるか、上がらないかはまだはっきりしたことは言えない」と、そういう答弁があったと思うんです。
 私としては、景気がよくなってきた段階の中では、この数値目標も見直していかなければいけないのではないかと、このように考えておりますけれども、この辺についてどのような考え方を持っているのか、お尋ねをいたします。
◎企画振興部長(永川重幸君) 今回、779億円という形で目標数値を挙げさせていただいております。この目標数値につきましては、4つの分野がございます。したがいまして、ほかの分野についても取り組む必要がありますので、そこについては当然今後、追加的に検討していかないといけないという要素が一つございます。
 それともう一つは、今、国の方では成長戦略、あるいは国土強靱化法などのさまざまな動きがあっております。そういった動きもしっかり捉えていきながら対策を練っていくということが必要でございますので、目標数値は、その時にまた検討する必要が出てくるものと思っております。
◆42番(溝口芙美雄君) ありがとうございました。
 今回、知事は最終年度に当たって、思い切った県民所得向上ということで挙げているんですけれども、知事はもう来年が最終年になるわけで、あと1年ということですけれども、この目標が平成27年度までなんですね。知事が思いをかければ、やはり自分の責任として2期目も目指そうと、そういう気持ちになっているんじゃないかという気がしてならないんですけれども、その辺についての知事の考え方をお聞かせください。
◎知事(中村法道君) 私は、行政というのは継続していくべきものであり、今、県も総合計画は5年計画でその実践、達成を目指しているわけでありまして、当然ながら、一政治家としての任期を越えていく形になっているわけであります。
 そういう現時点での課題を踏まえた思いを政策に反映させたところでありまして、それは行政としての継続性の中でしっかり取り組んでいただけるのではないかと考えているところでございます。
◆42番(溝口芙美雄君) わかりました。
 継続性というのは私もわかっているんですよ。でも、県民所得向上というのは、今までの知事は数値目標として挙げたことはなかったんです。今回挙げてきたということは、職員も一体となってこの目標に向かって進んでいこうと、そういう気概を感じております。
 だから、知事、気持ちはわかりますけれども、やはり自分の思いというものを早く出していただいて、2期目をぜひ狙っていただきたいと、このように私は期待をしている次第でございます。これについては終わりたいと思います。
 それから、アジア・国際戦略についてです。
 先ほど、このことについての施策がいろいろと述べられましたけれども、私としては、この国際戦略の9つの項目がある中で、長崎−上海航路が長期運休を決定したんですけれども、その中で今回、HTBクルーズが中国の定期航路登録申請を取り下げまして更新の申請を見送ったとの発表が19日にあっております。
 このことについて県当局としては、一つのプロジェクトが挫折をしたという形になってくるんですけれども、このことについて県としてどのように考え、そしてまた、HTBクルーズの方から報告を受けたのか、県の方の考え方を教えていただきたいと思います。
◎文化観光物産局長(坂越健一君) 免許更新を取り下げる旨の報告は、HTBクルーズから2月中旬にいただいておりました。
 船舶運航管理会社との契約を解除したため、中国当局から更新を得られる見込みがなくなったので取り下げたということで、航路を再開する際には再び申請すると聞いております。
 いずれにしましても、長崎−上海航路も含めまして、韓国も含めてですが、アジアとの人流、物流の構築、これが長崎県の将来にとっては非常に重要だと思っております。そういう一環として、長崎−上海航路の再開も含めまして、中国、韓国とのアクセス強化にさまざまな面で力を入れていく必要があると考えております。
 しかしながら、一方で、現在の中国関係の状況とか、長崎−上海航路の長期運休というような状況もございますので、まずは韓国との物流、人流の部分を強化するとともに、国際クルーズなど成長著しい部分に力を注ぎ込むことによりまして、あわせて結果的には長崎港全体の魅力が向上して、将来的には上海も含めました中国との物流、人流の構築にもつながっていくものと考えております。
◆42番(溝口芙美雄君) ありがとうございました。
 ただ、今回この長崎−上海航路が頓挫というか挫折したということは、今まで県議会としても、このことについての支援ということでは協力をしてきた段階ですけれども、県議会からも本当に大丈夫なのかといういろんな指摘があっていたと思うんですよね。だから、そのことについて県としてどのように考えていき、また、今後の取組についてどのようにしていこうと考えているのか、お尋ねをしたいと思います。
◎文化観光物産局長(坂越健一君) 上海航路につきましては、人流の平均乗船者数を増やすためにさまざまな施策を講じてまいりました。一定の効果も実際に上がってきておりました。なかなかその認知度を普及させるためには時間がかかるという要素もありましたが、いろんな施策を打つ中で大型団体客の誘致とか、現地の在留邦人を狙い撃ちした事業とか、提携した旅行会社の拡大も見込む中、今後可能性があったところでありましたが、尖閣問題もありまして長期運休に至ってしまったわけでございますけれど、この日中間の関係が一定程度回復していくこと、それから個人ビザとか、個人客の中国からの訪日も増えていくことが将来見込めますので、また環境変化も変わってくると思いますので、そういうような状況をとらまえながら、将来的にはまた再開を目指していきたいと考えております。
◎知事(中村法道君) すみません、私から少し、思いの部分を含めてお話をさせていただきたいと思います。
 確かに今回長崎−上海航路を就航いたしまして、この間、エンジントラブルとか、改修、改装のための運休期間があったりということで立ち上がりに苦労したところがありましたけれども、私は、中期的な動きを考える場合には、中国から間違いなく多くのお客様が動きはじめるだろうと。これは、これから間違いない大きな市場になってくるだろうと、こう思っているわけであります。
 そういった中で、航路がどうかという話の中でHTBクルーズでは、旅客としてはなかなか難しい。したがって貨物も含めて組み合わせて検討する必要があるのではないかというような話もあったところであります。
 例えば貨物を組み合わせるという際に、いわゆるコンテナ船ではありませんので、旅客、貨物同時に扱う船、フェリー等が就航する形になると思います。例えば、今まで難しかったシームレス物流という物流の形態も、今回、長崎の方で特区の申請をいたしました海洋環境業務拠点特区、この中には実はシームレス物流の項目も盛り込まれております。
 そういう可能性があるわけですので、両国関係の改善が進んでいきまして市場が期待できるような状況になれば、また可能性は模索できるのではないかと期待をいたしているところでございます。
◆42番(溝口芙美雄君) ありがとうございました。
 それでは、時間がありませんので、新行財政改革プランの現業業務について、質問したいと思います。
 今、18種類から8種類、職種で残していくということで、その中の運転手の見直しですけれども、大分いろいろと削減されて改善はされてきたんですけれども、まだまだ職員が公用車で運転手をつけて、便利といったらおかしいですけれども、やっているものが見えるんです。効率的なものもあるかと思いますけれども、民間の方は、役員の一部の方々だけが運転手つきで、あとはみんな社員が運転して仕事をしているという状態でございます。
 本県といたしましても、運転手つきの公用車というのは、余り多くてもおかしいのではないかと私は思いますし、今後、その見直しについてやはり民間同様、また、市町と同じような形で見直していかなければいけないと思っているんですけれども、このことについての県の考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎総務部長(池松誠二君) 先ほどご答弁申し上げましたとおり、現業業務全般について見直しを進めてくる中で、ご指摘がございました運転業務につきましても、福祉保健機関等における県民搬送や来賓等の送迎などの特定の業務を除き、職員の搬送のための専任運転手の配置は原則廃止をするということで、平成17年度に191名であった運転士の数を平成24年度時点では67名まで削減をしております。
 しかしながら、運転業務については、ただいまのようなご指摘を県議会をはじめ県民の皆様からいただいておりますので、県民目線の面から、公共交通機関の利用や公用車の職員自身での運転等を進めまして、時代の要請で民間に任せられるものは民間に任せるという視点に立って、業務のあり方についても引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えております。
◆42番(溝口芙美雄君) 7番目の長崎県歯・口腔の健康づくり推進条例ですけれども、小学校、あるいは幼稚園、保育所、それぞれ5年間で計画をすることになっていると思うんです。
 小学生については、市町教育委員会とのいろいろな調整が必要ではないかと思っているんですけれども、私は、この5年間の間にもし順調に計画どおりいったならば、中学生の方にも進めていく必要があると思うんです。
 だから、4年目、5年目ぐらいには中学生に対しても指導していく必要があるのではないかと、このように考えているんですけれども、市町の教育委員会との連携はどのようになっているのか、聞かせていただきたいと思います。
◎教育長(渡辺敏則君) 県・市町の教育長で構成しますスクラムミーティングでも意見交換し、お願いをしております。担当者会議でも要請をしているところでございます。
 以上です。