平成24年  8月定例月議会 農水経済委員会 - 09月27日−04号

平成24年  8月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成24年9月27日
       自  午前9時30分
       至  午後4時30分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長)  山田博司君
    副委員長(副会長)  前田哲也君
    委員        加藤寛治君
     〃        馬込 彰君
     〃        野本三雄君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        高比良末男君
     〃        中島廣義君
     〃        徳永達也君
     〃        陣内八郎君
     〃        高見 健君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    水産部長            荒川敏久君
    水産部政策監          下山満寛君
    水産部参事監          田中郁也君
    漁政課長            山田芳則君
    資源管理課長          柳村智彦君
    漁業取締室長          長嶋寛治君
    水産振興課総括課長補佐     山下隆広君
    水産加工・流通室長       増本正幸君
    漁港漁場課長          壱岐雅夫君
    総合水産試験場長        田添 伸君
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6、参考人の氏名
    長崎魚類仲卸協同組合代表理事  山内一弘君
    長崎鮮魚小売商協同組合理事長  堺  宏君
    長崎鮮魚小売商協同組合専務理事 武次富士男君
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7、審査の経過次のとおり
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     −午前9時30分 開議−
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○山田[博]委員長 おはようございます。
 ただいまより、委員会及び分科会を再開いたします。
 昨日、委員の皆様にお話をさせていただいておりました諫早湾干拓の国の公共測量に対して、今後どのように取り組んでいくかということですが、昨日、私と副委員長が議長と話をいたしまして、地元の方々と連携しながら、国もしくは九州農政局に再び抗議活動を行いたいということでお話をしましたら、そのようにしていただきたいと。あとはどういった形でするか、またメンバーをどのようにするか、日程等については委員会で協議させていただきたいとお話しましたら、議長の了解を得ましたので、報告させていただきます。
 その後、諫早湾干拓課と地元の方と協議をした上で、委員の皆さん方に方向性をお話させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 なお、今の意見に対して、皆さん方から何かご意見はございませんか。その方向でよろしいですか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 それでは、そのように対応いたします。
 なお、五島水産振興課長から療養中により、本委員会に出席できないため、代理として山下総括課長補佐が出席する旨の届けが出ておりますので、ご了承をお願いいたします。
 この際、先般の県の人事異動による新任幹部職員の紹介を受けることといたします。
◎荒川水産部長 先般の人事異動による幹部職員を紹介させていただきます。
      〔各幹部職員紹介〕
 以上でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○山田[博]委員長 これより、水産部関係の審査を行います。
○山田[博]分科会長 まず、分科会による審査を行います。
 予算議案を議題といたします。
 水産部長より、予算議案説明をお願いします。
◎荒川水産部長 水産部関係の議案についてご説明をさせていただきます。
 予算決算委員会農水経済分科会関係議案説明資料の水産部のところをお開きください。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第94号議案「平成24年度長崎県一般会計補正予算(第2号)」のうち関係部分であります。
 歳入歳出予算は、それぞれ記載のとおりであります。
 また、補正予算の内容につきましては、漁場水産基盤整備費、県営漁港水産基盤整備費及び市町村営漁港水産基盤整備費で、記載のとおりであります。
 以上をもちまして、水産部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○山田[博]分科会長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより予算議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 それでは、中身を少し説明してもらえますか。
◎壱岐漁港漁場課長 中身を説明させていただきます。
 今回の補正につきましては、水産環境整備事業におきまして、補正予算で7億7,786万1,000円ということで、漁場の整備事業につきましては対馬地区、壱岐地区、五島地区において、魚礁の整備を追加しております。
 水産流通基盤整備事業におきましては、本土地区におきまして、松浦市の阿翁浦漁港、五島市の荒川漁港、対馬市の伊奈漁港につきまして、補正予算を2億7,142万5,000円計上しております。
 水産生産基盤整備事業におきましては、小値賀町の小値賀漁港、平戸市の度島漁港、五島市の奥浦漁港、五島市の三井楽漁港、新上五島町の奈摩漁港、壱岐市の大島漁港の6漁港、5億3,080万円を計上しております。
 以上でございます。
○山田[博]分科会長 今、説明をいただいたわけですが、これは地域もありますから、漁港漁場課長、箇所の一覧表みたいなものがあるんですか。あるのであれば資料をいただけませんか。
 しばらく休憩します。
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     −午前9時37分 休憩−
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     −午前9時37分 再開−
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○山田[博]分科会長 分科会を再開いたします。
◆馬込委員 私が質問している間にコピーしてきてください。
 魚礁の問題については幾らの予算措置をされているのかわからないんだけれども、今回、水産部から出ている政策等決定過程における透明性等の資料も見て、関連するから質問したいんですが、魚礁をつくる、あるいは藻場造成する。今の長崎県だけではなくて、日本の漁業のあり方、大体魚を捕り尽くすオリンピック方式の傾向が強いんだけれども、資源管理型漁業を定着させない限り、魚礁投入とか、藻場の造成を幾らやっても、その結果がどういうふうな結果であれ、要は次の世代が育っていくような漁業環境をつくるということが、先ほどの漁港の整備等にもつながっていく話だと思うんですけれども、資源管理については基本的にどういう考えを持って、また漁連、あるいは単協等関係者とどういう話し合いをされているのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。
◎柳村資源管理課長 資源管理について、大きな意味では東シナ海の日中韓の資源管理がまずもって必要だと思いますけれども、国内に限って言えば、7魚種のTAC、それから資源管理所得補償対策、これによりまして県が資源管理方針というものを立てまして、この方針に基づいて県内の漁業者がそれぞれ自主的な資源管理計画をつくっていくということを今やっております。
 そのほかにも、これまでずっと行われておりました藻場が非常に少なくはなっているんですけれども、特に根付け資源について、漁業調整規則以上の定めを、自分たちで禁漁期とか、禁漁区とかを設けてこれまでやっております。
 したがいまして、こういう国の対策、それから漁業者の自主的な対策、こういうもので今後も資源管理をしていきたい。
 大もととして日中韓の資源管理というのが当然その前提としてなければいけませんけれども、そういうものでやっていきたいと考えております。
◆馬込委員 資源管理型漁業の中で根付け資源は、非常に管理しやすい。しかし、それだけでは漁民の所得は向上しない。
 放流事業も盛んにやられているんだけれども、放流しっぱなしではどうにもこうにもならない。資源管理のあり方、これから取り組むという話ではなくて、漁民の所得がなぜ上がらないのか。なぜ後継者ができないのか。
 例えば、広島のカキ養殖なんかは、後継者が常に不足することはない。青森のホタテ貝も資源管理が行き届いて後継者は常に育っているというようなこと。それから見ると、漁民所得を安定させる、魅力あるものにする、そういうところは、後継者はしっかり育っているわけですよ。
 では、回遊魚に対する資源管理のあり方については、どういうふうにされているのか。今始まった話じゃないですよ。資源管理課長、これはもう40年前から言われている。将来の漁業の姿がどういうふうになるだろうということは、数字を出して明確に指摘もされてきた。今始まった話じゃない。
 その回転を、方向性を逆方向に向けさせるには、資源管理をどこまで腹を据えてやりきれるか。現場の皆さん方でオリンピック方式でいいじゃないかと、我々もサイズをしっかり見ながら、小さいのは捕っていないと言っているけれども、そういう話はもう数十年前から言っている。そして結果は、年ごとに悪くなってきている。そういうことをわかった上で予算措置し、事業を計画されている。結果、なかなかうまくいかないということについては、資源管理をどこまでしっかりやれるかというところに尽きるんじゃないかというふうに思うんだけれども、そのことについてはどうなのかな。現場との話し合い、そういうのがどこまで行き届いているか、私にはそういうのがさっぱり見えない。ただ、毎年毎年予算計上して、例年の事業予算をつくって消化すればいいと、そういう時期はもうとうに過ぎてしまっていると思うんだけれども、それでも今回補正で上げた。あるいは新年度予算にはどういう事業予算を組み込もうとしているのかわからないけれども、補正で上げるのだったら、それなりの説明がなければならない。とりあえず、今回の補正における魚礁の分についての説明だけを聞かせてもらいたい。
◎田中水産部参事監 馬込委員からご指摘のありました点でございますが、まず、今回の補正で計上した事業費につきましては、離島における漁港、あるいは漁場整備を加速するということで、4月に国から示されました予算の配分、これが県の当初予算を上回っていたために、この事業の国の方針を踏まえまして事業の加速を図るために、離島の事業を中心に計上したものでございます。
 また、漁場整備と資源管理、それがより機能して漁獲が増えるようにというご指摘は全くそのとおりでございます。
 漁場整備においては、今次漁港漁場整備長期計画でも定めました増殖場の整備などを重点的にやってまいりますが、そういう着定基質として、藻が生えるような基盤を入れるだけではなくて、それが藻場としてより機能するために、ウニの駆除とか、そういった活動も併せてやることによって増殖場の機能を高めるといったことも整備の考え方として新たに取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 いずれにしましても、今回、補正計上させていただきましたものについては、離島における水産業の振興に資するものとしてこの事業の促進を図る必要があると考え、補正要求させていただいたものでございます。
◆馬込委員 そうやって予算の説明を聞いて、まあいいんじゃないかというようなことでずっとそれを可決して、その流れで水産業の事業を追認してきている。しかし、結果としてよくなっていない。
 予算が思っていた以上に来たから、どこに予算を貼り付けてやるかと。本来ならば、税の使い道について明確な説明がなければならない。
 私は、帰るたびにしまの漁港が寂れていく姿を見ていて、どこに責任があるんだろうかと。県議会議員には一人ひとり全く責任がないのかと。全体で予算を通してやってきている以上は我々にも責任がある。もう少しチェック機能を高めなければならなかったというのは、反省として私は強く感じている。
 いいですか。税を集めてやる。国が、県が予定している以上に金をよこしてくれたからやる、そんな話じゃないと私は思うんだ。少なくとも受け手の長崎県としては、それを有効活用するというような説明をしっかりと我々に対してしていただかなければならない。税を納めなかったら強制執行するんですよ。財産もなんも競売で叩き売られるんです。そうやって税は集めているんですよ。それを活かすということは、漁民の生活が豊かになるという前提があって、海に投資をされている。豊かになってないから私は言っているんだけれども、参事監、明確な説明がなされなければならない。魚礁を今回初めて入れるんだったらわかるよ、様子を見ないといけないのは。市町村から国から魚礁を投入しているわけですよ、小型から、大型から、並型魚礁から何から。その結果が出てこなければならない。魚礁を追跡調査したら魚が泳いでいますよと。その魚も今捕らないとどこに流れていくかわからないと。目の前にいる魚を捕ってしまえというのが今の姿なんですよ。だから、漁民は一つも豊かにならないし、後継者は育たない。
 そういう現実を見て、今後、どうあるべきなのかということは、当然分析した中で事業を計画し、予算化し、そして実施されているものだと思うんだけれども、今、振り返ってみて、長崎県の水産業、どういうふうな問題点が解決されないままいっているのか。あるいは、どういうふうに分析されて、新たな再生を目指そうとされているのか、そこら辺の考えをしっかり持っていただいて、説明していただかなければ、そんないいころかげんな説明で「ああそうですか」というような話にはならない。それは水産部だけじゃない、産業労働部、みんなそうだ。全て県の予算については、それは言えている、水産部だけの問題じゃない。そのことについてはどうですか。今後の漁業復活のための投資予算だと私は無理してでも考えたいんだけれども、そうなっていただかなければならない。過去を振り返ってみて、今回の補正に対する、もう少し突っ込んだ考えを聞かせていただきたい。
◎田中水産部参事監 委員からご指摘のありました漁場整備については、まずこの昭和51年から漁場整備開発事業というのはスタートしております。その中でかなり長期間にわたり整備をしてきているのは、まさに委員ご指摘のとおりだと思います。
 それに対して漁業生産量が思うように上がっているのかといえば、全体的な水産資源の動向とか、気象、海象条件の変化、そういった要因等もあわせた中で、沿岸漁業の生産量というのは横ばいからやや減少ぎみというのが傾向であろうとはとらえております。
 ただ、この漁場整備、例えば水産物を効率的に漁獲するための魚礁とか、資源の再生産を進めるための増殖場の整備、こういったものをあわせてやることによりまして、沿岸漁業の生産の下支えをしているというふうには考えているところでございます。
 そのようなことから、今回、補正計上しました事業につきましては、今後10年間でどのような形で漁場整備を進めるかというのを地域の漁業者とよく話し合った上でまとめた事業計画に基づく事業を加速するために今回要求をさせていただいているものでございます。
 したがって、地域の漁業の生産の下支え、そういったものについては十分効果を発揮していけるものではないかというふうに考えてございます。
◆馬込委員 今のような抽象的な説明をずっと受けてきているんですよ。
 もうそろそろ長崎県が、本当に水産というのはこうあるべきだというようなものを全国に向けて発信していただかないと、このままだったら、しまの漁業は全滅しますよ。しまだけではなくて本土の漁業も。
 私は、漁業が全滅したらしまの人口はなくなる。市役所や役場だけで存在できるわけないんだから。住民がいなかったら、役場も市役所も要らない。県の出先も要らない。無人島になってしまうよ。無人島になるか、ならないかの瀬戸際の話なんですよ、しまにとっての漁業というのは。
 たがら、補正で8億円の金を出してきているけれども、8億円の金の話じゃない。水産業全体に対するあなた方の考え方を問われているというように私は思っているんです。私も県議会議員になってからそういう説明をずっと聞いてきた。よくならないんじゃないかと言ったけれども、「いや、だからこういう事業をやってよくしようとしているんですよ」と、それを18年前から聞いてきているんですよ。よくなったところはどこもない。目の前から漁船の数が減っていった。
 正組合員は、県内の漁協全てが減少に転じている。合併しなければ漁協の経営そのものがやっていけなくなるところまできてしまった。組合員が合併することについて、好き嫌いの話じゃない、もう通り越してしまっている。そういうところまできているんですよ。今の長崎県の漁協の経営状況を見ると、半分ですよ。今の半分でもやっていけるのかというような状況ですよ。
 そういうのを考えた時に、資源管理に取り組む姿勢というものについては、私はもう少し明確にすべきだ。何のために金の高い取締船を、燃油も高いのを真っ昼間から走り回らせているんですか。根付け漁業の密漁を取り締まるために何十億円もかけて、燃料代を何千万円もかけて海を走らせまわっているんじゃないんですよ。あくまでも資源管理を充実させる。漁民の所得を上げる。そういうのが前提で今回の補正も組まれているはずですよ。
 だから、漁港漁場の問題だけじゃない。全てにかかわっているんですよ、漁業全体をどうやって支えていくのか、復活させていくのかということが。本来なら、全部の課長に聞きたいぐらいだ。どういう考えで今回の補正を見ているのかと。隣の課の仕事だから知らないという感覚でやってもらっていては大ごとするよ。後で、議案外でこういうことについては質問するけれども、新年度の予算は腹くくって出してくださいよ、いいですか。
○山田[博]分科会長 ほかに質疑はありませんか。
◆溝口委員 農山漁村地域整備交付金が918万7,000円、国の方に返すけれども、概算要求をしていて一応事業費が確定したということですけれども、何か事業をしようとした部分を断念せざるを得なかった部分があるのかどうか、その辺について聞かせていただきたいと思います。
◎田中水産部参事監 溝口委員からご指摘のありました農山漁村地域整備交付金の返納の件につきましては、平成22年度にかかる工事としまして、入札の差金として生じた金額でございます。これが事業の完了に伴ってその使途、他に使う必要がなくなったということから、今回、返納のための措置をさせていただくということでございます。
◆溝口委員 わかりました。それでは、入札価格が当初の計画より、それぞれの事業で下がってきたので、この918万円を返さざるを得なくなったということですけれども、もしほかの事業に使われる分があったら、大体この918万円の国からの補助があったら、仕事的には県としてどのくらいの仕事量ができるんですか。それぞれあるかもしれませんけれども、県が出してしたら、2,000〜3,000万円の仕事ができるんですか。
◎壱岐漁港漁場課長 補助率が、本土ですと2分の1ですので、大体倍の工事ができます。今回の場合は、佐世保市の工事でございますけれども、ちょうど計画が終わって、その予算の事業が終わってしまったということで、ほかの事業に回せなかったということで不用額として返納しているところでございます。
 一般には、工事が長期計画の中に入っていれば、その分執行残を有効に活用して事業の促進を図っているところでございますが、今回の分は、その事業が完全に完成したということで不用額として返しているという状況でございます。
◆溝口委員 きれいに完成してしまったということですけれども、例えば漁港整備ですから防風網をつくったり、いろいろな形でお願いしているところが結構あると思うんですけれども、そういうものには全然使うことはできなかったのですか。
◎壱岐漁港漁場課長 この部分が交付金事業の中で配分されておりまして、その事業がちょうど終わってしまったと。漁港の整備はまた違う事業で整備を行っております。
◆溝口委員 わかりました。それぞれ国がコンクリートから人へということの中では、せっかく予算獲得をしたという部分では使われる部分があったらできる限り、整備するところはまだたくさんありますのでしてほしいなと思ったんですけれども、関係する予算が事業的にほかに回すことができない部分だったということで、それはそれとして認めていきたいと思っております。
 ただ、この漁場整備ですか、それぞれ対馬、壱岐、五島の方で予算化をされているんですけれども、これは1〜2年前とか、そういう地区の方々が積極的に魚礁をつくってくださいというお願いがあってしているものと私は理解しているんですけれども、その辺について漁協関係が地域の方々が望んでいることだと思うんですけれども、その辺についてはどのような形でこの事業を実施しようとしているのか、聞かせていただければと思います。
◎田中水産部参事監 漁港の工事、そして漁場の工事、これはいずれも今回補正で要求させていただいておりますのは、今後の漁港の整備、あるいは漁場の整備の計画として地域からご要望をいただいた内容をもとにまとめた事業の計画に即してその事業を促進するものでございます。そういった意味から地元の意向に沿った内容になっていると考えているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。やはり漁業関係者の方々は、漁場をつくっていただきたいという強い要望があると私は思っています。
 しかしながら、ある意味では、今、地区的にいろんな問題が起きてきているんですけれども、やっぱりコンクリートで漁場をつくっても、コンクリートのあくで今度は反対に海が汚染されるのではないかという意見も出ていることは確かなんですね。だから、この漁場をつくる場合に、この材料というのが今から問題になってくるのではないかと感じているんですけれども、その辺についての考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎田中水産部参事監 漁場整備を行う場合にどのような材料、例えば石を使うのか、ブロックを使うのか、いろいろな考え方があろうかと思います。漁場施設もいろんな形がございます。例えば、今回集中審査をしていただきますマウンドのような構造物を形をつくって湧昇流を起こさせるようなものというのは、その形をつくるということが非常に重要になってまいります。
 他方で、沿岸域の浅いところでは藻場をつくる。そうした時にはやはり太陽光が届くところまでに地盤を整えて海藻の生えやすい状態をつくってやる。他方で、真ん中の水深帯にあるようなところには魚のすみかとなるようなものをつくる。そういった時には空隙といいましょうか、こういう魚が入る空間というものが必要になってくるということで、求められる魚礁、漁場施設の形なりに応じて、どういった材料を使うのかというのは今考えて検討されているというのが現状でございます。
◆溝口委員 わかりました。できる限り地域の方々、特に漁協関係、組合員の方々の望むところに漁場をぜひつくっていただきたいと私は思っております。よろしくお願いします。
○山田[博]分科会長 ほかにありませんか。
 なければ、分科会長を交代します。
○前田副会長 山田(博)分科会長。
◆山田[博]分科会長 今回、補正予算が上がっているわけですが、その前に、先般の台風15号、16号が来ましたが、その被害総額を示していただいて、それから予算について質問していきたいと思いますので、被害総額を把握されていると思いますので、示していただけますか。
◎山田漁政課長 今回の台風16号によります水産関係の被害状況でございますけれども、9月26日現在におきまして水産業施設の関係の被害が6,900万円ほど、それから、水産物の被害が900万円ほど、漁港施設の被害が4億6,200万円ほどでございまして、合計して約5億4,000万円ほどでございます。
◆山田[博]分科会長 これは今回の16号台風でしょう。その前の台風被害はなかったんですか。それも併せて教えてください。
○前田副会長 暫時休憩いたします。
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     −午前10時2分 休憩−
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     −午前10時10分 再開−
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○前田副会長 分科会を再開いたします。
◎壱岐漁港漁場課長 台風15号におきましては、漁港の事業で1件、五島市の黒瀬漁港において防波堤の消波ブロックの被災があり、40メートルが被災を受けて、5,000万円上がっております。それが、今度の16号台風で10メートル被災しまして、今回の被害額については、先ほど漁政課長が申しました中に、その分も含めて入っております。
◆山田[博]分科会長 そうすると、今回、長崎県を襲った3つの台風がありましたが、それを合わせたら16号台風も含めて約5億4,000万円あるということですね。間違いないですね。それだけ確認します。
◎山田漁政課長 今回の台風によります被害は約5億4,000万円ということで間違いございません。
◆山田[博]分科会長 そうしたら、約5億4,000万円の被害がありましたと。そうすると、今回の補正予算が上がっていますね。対応できるところ、対応できないところといろいろあったと思うんですが、この約5億4,000万円の被害総額で、今回の補正予算でどこまで対応できたのか。できているのか、できていないのか。できているのだったら、全体の何%の割合ができているのか、わかりますか。
◎壱岐漁港漁場課長 この漁港の防波堤等の漁港の災害につきましては、査定が終わってから予算措置をやっておりますので、今のところまだ調査をしているような状況でございます。
◆山田[博]分科会長 それで、今、査定をしているということなんですね。(「今からです」と呼ぶ者あり)わかりました。
 では、お尋ねしますけれども、今回の予算に漁港とか、魚礁とかありますけれども、まず漁港についてお尋ねしますけれども、特に台風災害の船の避難港というのが一番問題になるわけですよ。地域を回っていると、船を避難するところがどこになっているのかわからないというわけです。例えば奈留島なら奈留島、岐宿なら岐宿、漁船の避難港というのはどういう位置付けをしているか。その位置付けに基づいた整備を今までやられているのか、やられていないのか、この予算も含めてね。それはどうですか、お答えください。
◎田中水産部参事監 漁港の整備につきましては、まず一つは漁港の基本的な役割ということで、漁港の種別というもので定めております。1種から4種まであります。4種と言われるのが全国に101漁港ございまして、これが避難港というふうに言われております。
 ただ、沿岸漁業の拠点となっています1種漁港、あるいは2種漁港がございますが、こういった中には台風等のしけの時に、やはりそこには漁船がとめられない、波が高くなってとめられないという状況もございますので、その場合には、より奥の、あるいはこの港のこの泊地だったら、この向きの風の時にしのぐことができるというところが大体その地域にあって、そういったところに荒天、台風の時とかには避難をされているというのが実態でございます。
◆山田[博]分科会長 だから、避難港として第1種、第2種とあるわけでしょう。今まで何年もかけて整備してきたわけでしょう。そうすると、こういった避難港みたいな整備をまた改めてやるようになっているわけですか。
◎田中水産部参事監 今回の補正で計上させていただいております事業の中で、第4種と言われる避難港の整備としては、対馬の伊奈漁港と五島の荒川漁港が避難港という形になってございます。
 また、台風時等の避難に利用するということでありましたら、こういった避難港というのは、もっぱらほかから来る船に対しても避難の場所を提供するという意味での漁港の役割でございますが、地元の漁港、それ以外の漁港も台風時等の荒天時の対策としてやれるような整備というのは、他の漁港でも併せて進めているところであります。
◆山田[博]分科会長 そうすると、これは参事監、避難港としての港の整備というのは、もうほとんど1種、2種は終わっているんですね。終わっていて、新たな整備をするということですか。
 例えば、今回、漁港工事の中で伊奈漁港と荒川漁港を今度されるわけでしょう。今回、漁港の整備として、確認ですけれども、伊奈と荒川は避難港としての整備は終わっていて、別な形の整備をすると理解していいんですか。
◎田中水産部参事監 それぞれ避難港としての4種漁港、伊奈、あるいは荒川の整備というのはまだ整備途上でございます。例えば、今回の補正で要求しております伊奈漁港にあっては、これは4種漁港ということでありますが、第一線となる防波堤がかなり老朽化しております。そういった非常に危ない状況になっているので、その防波堤の改良工事などを加速する、進めるための事業を今回要求させていただいております。
◆山田[博]分科会長 そうしたら、今、この漁港整備というのは、よろしいですか、その避難港が老朽化しているから、長期計画に基づいて順次やっていく上での第一歩ということで理解していいんですか。
◎田中水産部参事監 今回の4種漁港の整備については、いずれも避難港としての機能を高めるための防波堤の改良とか、あるいは安全な係留を可能とするための防風フェンスの設置とか、そういったものが内容として考えてございます。
◆山田[博]分科会長 わかりました。
 それでは、先ほど溝口委員から話があった漁場の整備でお尋ねしたいと思います。これは魚礁を設置してくださいという要望が挙がりますね。そうしたら、例えば材質とかをコンクリートにしてくれとか、溝口委員からコンクリートは非難が出ているという話もありましたけれども、そういった要望というのはどういった形で反映されているのか、それを答えていただけますか。
◎田中水産部参事監 まず、漁場施設については、まず地域でどのような施設が必要か。例えば藻場だとか、稚魚を育てるための増殖場だとかをつくってほしいという要望があれば、それに対応した形で、例えば自然石を敷き詰めて、その上に藻場を形成するようなブロックを置くというようなものを施設の形として選んでおります。
 他方で魚礁を入れてほしいという要望があれば、それは先ほどの説明と重なりますが、魚のすみかというか、集まる場所をつくるというのが目的となります。そこで釣りとか、そういったことをやることになりますので、そういった場合には魚礁のブロックを投入するという形になります。
 したがって、その地域でどういう漁場施設が必要なのかという要望を聞き取った上で、そういった材料といいましょうか、そういうものも決まってくるということでございます。
◆山田[博]分科会長 そうしたら、参事監、確認ですけれども、これは議事録にきちんと残しておかないといけませんから。あくまでも漁場の設置の場所と、材質や工法はこういうふうにしてもらいたいというのは、地元の漁業者なりの意見を踏まえた上でやると、それが第一だということで理解していいんですね。それが第一だと。
◎田中水産部参事監 それぞれ事業の目的と地域の要望がございまして、増殖場と言われる浅いところに藻場など魚のすみかをつくってほしいという要望があれば、それを尊重して計画に位置付けた上で整備をしてまいります。
 魚礁が必要だということであれば、その魚礁を入れるという工事を計画に位置付けるということでありますので、どういうものを整備すればいいのかという意向をよく地元の意向を踏まえて今事業を進めているという状況でございます。
◆山田[博]分科会長 その方向でぜひ進めていただきたいと思うんですね。
 時々工法とかなんかで地元の誤解を招いて、一度ストップしかけた時もありましたから、そういったことがあったので質問させていただきました。終わります。
○前田副会長 分科会長を交代します。
○山田[博]分科会長 前田副会長、どうぞ。
◆前田副会長 また、後ほど説明があると思うんですが、今回、資料−2として「繰越事業の原因分析およびその対応について」という資料をいただいています。それと見比べていたんですけれども、今回の漁港工事と漁場工事で上げている補正予算というものは、この補正予算が通ったら発注という形になると思うんですが、やはりこのうちの何割かは繰越するという、この時点でどの程度繰越するというのがあらかたお考えがあるんですか。それとも極力年度内完成ということでやっていくということで理解していいんですか。
◎壱岐漁港漁場課長 今回、補正に上げた部分につきましては、今、議会で承認をいただきましても、どうしても発注が12月近くになってしまいます。十分な工期がとれないということで、この部分については繰越になる公算が高いと思います。できる限り、我々も年度内にできるように努めておりますが、どうしても安全な工事をするためには工期が必要ですので、この分についてはできる限り繰越は削減していきますけれども、どうしても繰越にならざるを得ないという状況でございます。
◆前田副会長 繰越によって年間の発注工事額が平準化されるとか、そういうメリットがあるような説明も後ほどあると思うんですけれども、そうしたら、今回、例えば漁港工事などで離島の伊奈とか、奥浦とか、大きな金額というのは、仮に12月になったとして、その際にはもう一括しての入札に多分なると思うんですけれども、部分的に年度内に少しでも仕事を出そうというような発注の工夫というのはされるんですか。それとも、出す時はもう一本で出して、繰越みたいな形になるんですか。
◎壱岐漁港漁場課長 繰越につきましては、後で説明しますけれども、こういう補正についてはできるだけ年度内に発注していく。ということは発注していくと前払金が出ますので、建設業の方には、前払金が4割出ますので、その分が市中に出ていくということで、できるだけ繰越についても、新たに測量とか、調査がない部分については年度内に発注をしていくということで繰越額の縮減と経済効果を考えて発注しております。
○山田[博]分科会長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 なければ、先ほど台風16号の水産関連施設の被害の最終的な取りまとめを後で配ってもらえませんか。用意できますか。手配していただけませんか。
 ほかに質疑がないようですので、これもって質疑を終了いたします。
 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 予算議案に対する質疑・討論が終了いたしましたので、採決を行います。
 第94号議案のうち関係部分は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 ご異議なしと認めます。
 よって、予算議案は、原案のとおり可決すべきものと決定されました。
○山田[博]委員長 次に、委員会による審査を行います。
 議案を議題といたします。
 それでは、水産部長より総括説明をお願いいたします。
◎荒川水産部長 水産部関係の議案についてご説明をいたします。
 まず、農水経済委員会関係議案説明資料、並びに追加1の2つをご覧いただきたいと思います。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第100号議案「長崎県地方卸売市場長崎魚市場条例の一部を改正する条例」で、内容は記載のとおりであります。
 続きまして、水産部関係の所管事項についてご説明いたします。
 今回、ご報告いたしますのは、(漁協合併について)(漁業調整委員会の委員改選について)(第8回中西部太平洋まぐろ類委員会北小委員会の開催について)(有明海等における流木等の漂流・漂着について)(中・小型まき網漁業許可の一斉更新について)(ながさき水産業大賞について)(外国漁船による養殖マグロ被害について)(赤潮による養殖魚の被害について)(長崎空港農水産物アンテナショップの設置について)(平成「長崎俵物」の認定状況について)(水産物の販売促進について)(「長崎県の魚愛用店」認定について)(漁業取締船の竣工及び夜間取締について)(総合水産試験場における試験研究等の取組について)(長崎県公共事業評価監視委員会の意見書について)(長崎魚市場特別会計の資金不足比率について)(綱紀の保持について)で、その内容は記載のとおりでございますが、綱紀の保持についてご説明をさせていただきます。
 去る8月15日に資源管理課職員が酒気帯び運転を行い、9月4日付で書類送検されるという不祥事件が発生しました。
 常日頃から、所属職員に対しては、飲酒運転の禁止をはじめ、服務規律の確保に万全を期すよう周知徹底を図っていたにもかかわらず、このような不祥事件が生じましたことは、誠に申し訳なく、県議会並びに県民の皆様に対しまして、改めて深くおわび申し上げます。
 当該職員に対しては、9月6日付で懲戒免職という厳正な処分が行われたほか、管理監督者である水産部長及び資源管理課長についても、戒告処分を受けたところであります。
 今後は、県民の皆様の信頼を回復すべく、さらに職員個々人に対し公務員としての自覚を促すとともに、一層の綱紀の保持と再発防止に全力を尽くしてまいります。
 なお、長崎県公共事業評価監視委員会の意見書につきましては、補足説明資料を配付させていただいております。
 以上をもちまして、水産部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、水産部参事監より、補足説明をお願いします。
◎田中水産部参事監 お手元に配っております資料1、農水経済委員会補足説明資料としておりますが、長崎県公共事業評価監視委員会の意見書について、補足説明をさせていただきます。
 お手元の資料の2ページをご覧ください。
 今回、意見としまして、県全体でございますが、再評価対象として23事業、事後評価対象として4事業について、いずれも対応方針どおり、原案どおり認めるというような答申をいただいたところでございます。
 この中には、水産関係公共事業の市町村営事業として8事業が再評価の対象として含まれております。
 3ページをご覧ください。審議の経過でございますが、第1回委員会としまして、平成24年6月4日、そして第2回委員会として現地調査を8月2日、3日、そして8月10日に第3回委員会が開かれ、8月23日にこの答申をいただいたところでございます。
 4ページが、県全体の再評価対象事業数一覧ということでございまして、一番上段の水産部の関係で市町村事業の8件が再評価の対象として審議がされたということでございまして、その具体的な地区が5ページ記載してございます。壱岐市、対馬市、佐世保市にかかわります漁港の整備、あるいは漁業集落の整備が対象となりまして、これは事業が採択されてから10年が経って、現時点でまだ継続している、事業が完了していないところということで評価の対象となり、審議がされたということです。結果としまして、ここにございますように継続、あるいは見直し・継続というような形での結果をいただいたということでございます。
 6ページはその位置図でございます。
 7ページ以降には、それぞれの評価後の計画の図面などを添付させていただいております。
 また、2ページに戻っていただきますが、審議過程における意見という形でちょうだいしてございます。対馬の漁港整備に関しましては、漁業情勢の変化などを踏まえ、思い切った計画の見直しを行っている。あるいは当初計画の見通しが違ったという理由についてはよく検証して、今後の事業に活かすことを期待する。あるいは、担い手の支援につながることから、整備促進を図るようにといったご意見をいただいております。
 また、漁業集落排水施設の整備を行う壱岐の瀬戸・芦辺地区につきましては、今回、人口の一部減少が見られたということで、その部分を集落排水施設から合併浄化槽に転換するということの計画の見直しをしておりますが、これについての規模については妥当である。あるいは今回、合併浄化槽の対象になる地域については負担の公平さや完成時期等に大きな差がないように配慮をするようにというご意見をいただいております。
 これらを踏まえまして、県といたしましても、この答申に基づいて公共事業の効率的・効果的な執行に努めるとともに、市町に対して適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。
○山田[博]委員長 ありがとうござました。
 次に、提出のあった政策等決定過程の透明性等の確保に関する資料について、漁政課長から説明をお願いします。
◎山田漁政課長 「政策等決定過程の透明性等の確保及び県議会・議員との協議等の拡充に関する決議」に基づき本委員会に提出いたしました水産部関係の資料についてご説明いたします。
 お手元にお配りしております農水経済委員会提出資料をご覧ください。
 まず1つ目の補助金内示一覧表につきましてですが、本年6月から8月までの直接補助金の実績は、資料1ページから5ページにかけて記載のとおり、新生水産県ながさき総合支援事業費補助金など計51件、また間接補助金の実績は資料6ページに記載のとおり14件となっております。
 次に、1,000万円以上の契約状況につきましてですが、本年6月から8月までの実績は、資料7ページに記載しております建設工事以外が6件、10ページに記載の建設工事が10件、それから26ページに記載の建設工事にかかる委託が6件となっております。
 なお、このうち入札に付したものにつきましては、入札結果一覧表を添付しております。
 3つ目の陳情・要望に対する対応状況につきまして、知事及び部局長に対する陳情・要望のうち、県議会議長あてにも同様の要望が行われたものにつきましては、島原市ほか4団体となっておりまして、これに対する県の対応は、資料32ページから46ページに記載のとおりでございます。
 最後に、附属機関等会議結果報告につきましてですが、本年6月から8月までの実績は、長崎県漁業経営改善計画認定審査委員会など5件となっており、その内容につきましては、資料47ページから52ページにかけて記載のとおりでございます。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、先の6月定例月議会の分科会において報告を求めておりました繰越経緯の分析及びその対応に関して漁港漁場課長から報告を求めます。
◎壱岐漁港漁場課長 前回、6月定例月議会農水経済分科会において、次回の定例月議会までに繰越の理由の分析と、その対応について報告を求められておりましたので、ここでご報告いたします。
 まず、資料−2の農水経済委員会説明資料の1ページ目をお開きください。
 これはさきの6月定例月議会の分科会において報告しておりました繰越事業理由別調書でございます。
 繰越の理由につきましては、1ページの表の左側にありますように、@事業決定の遅れ、A計画・設計及び工法の変更による遅れ、B用地補償交渉の遅れ、C地元との調整に日数を要したものなどの4つに分類しておりましたが、この理由では非常にわかりづらいということで、もう少し詳細な分析をしております。
 2ページをご覧ください。
 これは近年、5年間の繰越の推移をグラフ−1にあらわしたものでございます。補正予算等の多少の変動がありますけれども、平成19年度には68億円の繰越に対して、平成23年度には37.2億円の繰越額となっています。赤い色が予算額、青色が繰越額となっておりまして、黄色の線がこの割合を示したグラフになっております。最近5年間の繰越の割合は、平均で32%になっております。
 次の下のグラフをご覧ください。
 この部分につきましては、各県の繰越の推移を同じように比べたものでございますが、九州各県においては漁港漁場事業が少ないところがございますので、同じ海の事業をやっておりました港湾事業を含めたグラフにしております。各県の平均は、平成23年度においては30%でありますが、長崎県については25%になっております。
 また、右下の鹿児島県を見てもらいますと、これにつきましては長崎県と同じような事業をやっておりまして、この部分について鹿児島県においては平成23年度では28%の繰越になっているということで、各県についても長崎県と同様な状況があるということがうかがえます。
 続いて3ページをご覧ください。
 平成21年から平成23年までの繰越を理由別に分けた件数でございます。左側の部分につきましては、先ほど1ページで提示しました@番からC番の分類に分けておりまして、特に、A番の計画・設計及び工法変更による遅れ、C番の地元調整による遅れが大半を占め、84%ございます。その部分を詳細に分類したものが真ん中の10分類のものになります。
 その中で、先ほども説明しましたが、非常に繰越削減が難しい部分がございまして、この分につきましては、先ほど申しましたように補正予算などが12%、Gの執行残金の活用による前倒しで事業の進捗及び整備計画の早期実現を図る部分がございます。これにつきましては、物理的に発注時期が遅くなりまして、十分な工期がとれないということが繰越の原因になっているところです。また、Hの用地補償交渉の難航によって工事が遅延するということで、なかなか繰越削減が難しい部分ではないかと考えております。
 その中で、BとCの中で、実施にともなう綿密な協議ということが84%のうち53%を占めておりまして、その原因を分けております。1つは他の事業などの影響を受ける外的要因、それ以外の内的要因に分類しております。
 下の表−2を見ますと、実施にともなう綿密な協議の中でもさまざまな理由がございますが、下の方のコからスにつきましては、工事発注前に事前協議や調整を行っておっても、他の事業の進捗や状況によって工期の制約を受けながら、十分な工期がとれないというのがある部分がこの外的要因ということで分類しておりまして、この部分が20%ございます。
 これらの分析から考えますと、補正予算などよるものが12%、執行残金の活用によるものが12%、他の事業の外的要因になるものが20%などの物理的に十分工期がとれないものが44%、それと用地交渉の難航によって工期が遅れるものが4%ございまして、合計で48%、約5割につきまして非常に繰越削減が難しいものだと考えております。
 続いて4ページをご覧ください。
 4ページにつきましては、もう一つ繰越の大きな要因として挙げられる発注時期の問題を整理したものでございます。
 工事の内容や規模に応じて、適正な工期が違いますけれども、これまで述べたように発注時期が遅れると年度内の完成が困難になり、繰越が多くなる状況にあります。
 それで、上半期の9月までに発注を行うと、ほぼ91%が年度内に完成しているような状況になっております。
 続いて、発注工事の年度別、月別状況についてでございますが、グラフ−5、最近の県発注の漁港・漁場工事に対して、年度別、月別の請負工事者が契約している金額を示したものでございます。その部分を色分けしておりますけれども、平成18年度の繰越事業から平成23年度の事業までを年度内請負業者が保有している金額を示したものでございます。
 これを見ますと、毎月の発注額が平均で60%程度になっておりまして、例年当初予算の発注が始まるのが、青色のグラフを見てもらいますと、大体6月、7月頃から始まっております。これは工事発注に必要な国の補助金の交付申請や、また工事にかかる設計書の作成や工事の入札事務に対して一定の時間を要するために、6月、7月からしか始まっていかないというような状況になっております。
 続いて、その下のグラフ−6、グラフ−7については、漁場別、漁港別に状況をあらわしたものでございます。
 グラフ−6につきましては、漁場事業でございますが、当該年度で大部分の発注が終わっているというのがわかります。
 右側のグラフ−7については、漁港事業でございますが、翌年度にかけて徐々に発注量が増えてきています。これは漁場事業のほとんどが工期も6箇月程度で完成しますけれども、漁港事業につきましては、施設がほぼ継続で行われておりまして、前年度の工事が終了しないと次の工事に着手できないという理由からこういった山が2つあるようなグラフになっているところでございます。
 また、グラフ−8、グラフ−9につきましては、平成22年度の事業の状況をグラフにあらわしているのがグラフ−8でございます。それに赤色で平成21年度の繰越事業、そして黄色の平成23年度の事業を重ねたものがグラフ−9でございます。年度当初の工事量が少ない部分を前年度の繰越予算が補って、結果的には平準化で60億円ぐらいの工事が発注になっているというような状況がうかがえます。
 続きまして、その他の要因ということで5ページをご覧ください。
 実施に伴い発生するさまざまな協議や調整は、事業の進捗に大きな影響をしています。これらの協議や調整を円滑に図るためには、これらを行う職員が事業に関する知識や技術力及び豊富な経験を持っているのが非常に大切だと考えております。
 特に、最近、団塊の世代に生まれた職員の多くが退職期を迎え、若手職員に入れ替わり、技術力や現場経験の少なさが調整能力の不足につながっているという一面もうかがえ、繰越発生の要因の一つになっているとも考えられます。
 また、繰り越したものの中には補正予算や執行残金の活用で長期計画に基づく施設整備を定められた期間内に確実に早期実現できるよう繰越制度の活用を必要に応じて、次年度の予算を確保して、工事の前倒しを行って事業の進捗を図ったものがございます。
 また、近年、漁港整備については、防波堤などの外郭施設の整備が概ね終わって、施設の中には岸壁や道路などの陸に近い部分や既存施設の延命化などの機能保全事業など、施設整備費用が縮小する反面、設計や地元調整が煩雑になり、年度内の工期が十分にとられない場合が多くなってきております。
 また、このような中、毎年発生する繰越工事が次年度の繰越を招いている状態が影響しているということもございます。
 その中で、予算は会計年度独立の原則のもとに年度内に使わなければならないという原則がございます。しかしながら、予算の経済的、効果的な執行の観点から積極的に繰越を活用することというのが、平成23年度の国の閣議決定でされております。今後も、繰越制度の趣旨をはき違えることなく、予算の効率化を図る観点から活用できる部分は有効に活用していきたいとも考えております。
 最後に、繰越縮減に対しての取組でございますが、以上の分析の結果から、今後はこれまで行ってきた管理体制の強化や、本工事着手までの測地完了などに加えて、次のように取組を強化していきたいと考えております。
 1番目には調査・設計の前倒し。長期計画に基づく施設については可能な限り調査・設計の前倒しを行い、速やかな工事発注ができるように準備をしておく。
 2番目、実施にともなう地元関係者との十分な協議・調整。工事の前倒し分を見据えた上で、各種協議や調整を行い、問題点の早期解決を図っていきたい。
 3番目には、工事の早期発注。漁港・漁場工事におきましては、海上施工が主でありますので、1月から3月までの荒天時期を避け、安全な工事ができるように一層の早期発注に努めてまいりたいと思います。
 4番目につきましては、職員の技術力の向上。現場での速やかな対応や、構造・設計のよしあしを見る目や、また地元関係者との円滑な調整など、近年の若い技術者の技術力低下に対して、若手技術者の研修会や指導強化を行って、技術力の向上を図ってまいりたいと思います。
 これについては、「港湾漁港関係若手技術者研修会」を一人3年サイクルで完成して、いろんな調査から工事発注までとか、現場からできるように3年サイクルで研修会を行っております。
 また、昨年度からは班のマネジメントと若手職員の育成のために、港湾漁港の各地方機関の班長、班員をまとめて速やかに発注等ができるように班長の研修なども行っております。
 5番目になりますが、長期計画の改定時の円滑な発注ということでございます。
 今年度のような長期計画の改定時期には、前年度の計画決定が未了のために調査・設計の前倒しができません。したがって、同一年度に調査・設計から本工事まで行うことになり、繰越が増える要因となっております。このような長期計画の改定時期におきましても、工事着手の遅れを改善するため、今後、国と調整を図りながら、この改善にも努めていきたいと思います。
 今後も本来の趣旨を理解した上で、これらの取組を強化して、繰越の縮減を図りたいと思っております。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 以上で説明及び報告が終わりましたので、これより議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
◆馬込委員 最近、連日、北九州市の暴力団排除条例のステッカーを貼っている店が、ことごとく今やられています。昨日もやられている。今朝も報道がされているんだけれども、長崎県も暴力団排除条例に基づいていろんな関係条例が改正されているけれども、長崎県はどうなっているんですか。ステッカーを貼るようになっているんですか。わからないですか。(発言する者あり)
 これだけ北九州市が全国的な関心を持たれているわけですよ。1件じゃない。今、店がステッカーを外しにかかっている、責任を負いきれないということで。
 それで、北九州市の市長がそういうことをするなと、それが暴力団排除なんだということで、市長は一生懸命やっているけれども、そこら辺を、これだけ騒がれているけど、魚市だったらどこにステッカーを貼るのかなと思っていたわけです。それがわかったら教えてください。
◆溝口委員 改正の内容の条項の中で、一応今までは、暴力団員等が買受人又は関連業者の従業員等になることを防止する規定を追加するということですけれども、前回の場合、この部分が入っていなかったということになるんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 委員ご指摘のとおり、従来まで買受人、それと関連業者については規定がございませんでした。
◆溝口委員 関連業者といったら、かなりいろいろ出てくると思うんですけれども、その関連業者の範囲は、例えば運送会社とか、いろいろあると思うんですけれども、その範囲をどこまで規定しているのか、聞かせていただきたいと思います。
◎山下水産振興課総括課長補佐 基本的に知事が許認可する部分に関係しますので、箱を仕入れる業者とか、飲食業者とか、そういう施設を利用する者に限られてきます。
◆溝口委員 それで、魚市場の中に入ってくる、関連する業者は全てということになってくるんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 今申し上げましたのは、許認可にかかるものでございまして、一般の小売さん等々の買出人については、制限は設けておりません。
◆溝口委員 わかりました。小売人として入ってくる人たち、そこまで規定しているのかなと思ったんですけれども、小売人関係も結構そこら辺はあるんじゃないですか。大丈夫なんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 業界のご意見でございますけれども、一応暴力団が来ているという情報はいただいていませんので、大丈夫と思っております。
◆高見委員 ここに暴力団等という定義として、これは暴力団員でなくなって5年を経過していない者を暴力団員等と呼ぶようになっています。そのように定義をされていますけれども、この定義というのは、県条例だけでの定義なのか。それとも全国的に5年というものが一つの基準となっておって定義されているのかどうか、その辺について聞きたいと思います。
◎山下水産振興課総括課長補佐 今、高見委員の質問でございますが、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」というのがございます。その3条で暴力団の指定についての規定がございます。その内容は、指定の基準としましては、その組織において犯罪経歴保有者の比率がございます。犯罪経歴保有者の規定の一つには、「暴力団員、不当行為等による罰金以下の刑に処せられた者であって、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過していない者」となっていることがございまして、一応その5年を用いているわけでございます。
◆高見委員 わかりました。
 いま一つはこの経過措置ですが、新たに条例で範囲を拡大されます。そうした場合に、新しい条例では、経過措置として、その前の条例で制限しているものはどうなるのか。新しい条例が発効してから、この範囲の拡大については適用する。経過期間を設けて以前の分については次の申請とか、あるいは契約の更新とか、そういった時から新しい条例が適用されるということになるわけですね。
 そうした場合に、この経過措置の期間はどれくらいになるのかなと思うんです。
○山田[博]委員長 しばらく休憩いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午前10時55分 休憩−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午前11時1分 再開−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
◎山下水産振興課総括課長補佐 高見委員のご質問でございますけれども、一斉切り替えの平成26年9月ということでございます。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 なければ、委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 まず、各委員の質問の中で、水産振興課総括課長補佐がいきなり来て間もないところ大変申しわけございませんけれども、先ほど小売り業者には暴力団の対象者はないのかと言ったら、業界に聞いたらないと言われたので、「ああそうですか」と言って対象外にするというのは、これはちょっとね。「あなたは暴力団ですか」と言われたら、「はい、私は暴力団ではありませんよ」というのと一緒で、そんなに言う人はいないんだから、ここはきちんと厳正に、いるか、いないかは別として、対象だから、市場の中に暴力団の規定の対象にして、適正なる対応をしていかないといけないのではないかと思うんです。その見解を聞かせていただけますか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 今回、買受人の規制についてでございますけれども、買出人についてはその競りに参加しないということもございまして、今回の規制の対象外としております。
◆山田[博]委員長 競りに参加しないと。競りに参加しなくても、競りに参加している人がいるでしょう。その人に後ろからああしなさい、こうしなさいと言った場合はどうするんですか。私が言っていることがわかりますか。競りに参加しないだけではなくて、例えば競り人がいるでしょう。競り人がおって、競り人の後ろで競り人に指導している人が暴力団関係者だった場合にはどうなるのかと言っているんです。
◎山下水産振興課総括課長補佐 競りにおいては、公平公正な取り扱いをしなければいけないことと存じておりますので、そういうことがあってはならないと思っております。
◆山田[博]委員長 あってはならないから、そういったものも対象にするのか、しないのかと私は言っているわけですよ。どうですか。
 だから、山下総括、私が言いたいことは、今ずっと議論を聞いていたら、なるほどそれも含まれているから、そういったものが適用されていなかったら、抜け道になってしまうから、そこをちゃんとしないといけないんじゃないかと私は言っているわけですよ。それは大体入っていないんでしょう。今の答弁では入っていないんでしょう。そういった人も入れるようにしないと、公平な競りはできないわけですよ。競り人に対して、後ろからこれを買え、あれを買えと暴力団が言っても、それは対象になりませんというのでは、何のための適用かわからないわけですよ。これは政策監、答えてください。
◎下山水産部政策監 今回の条例の規定の中で知事が許可する業者等に対する適用を今回規定させてもらっているわけでございますが、買出人等につきましては、法律の規定等々が別途ありますので、その辺との対応を考えないといけないだろうとは思っておりますが、具体的な事例等々がどういうものが想定されるかわかりませんけれども、そういうことがあれば警察当局とも十分連絡をとりながら対応していくということにしてまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 政策監、私がいろいろ調べたら、今回、条例を適用するとなったら、はっきり申し上げて、これは私から話をさせてもらったんです。皆さん方もちょうどしないといけないというタイミングがあったということでなったわけですね。
 そうしたら、今のお話では、この暴力団、私がなんで言うかというと、福江の魚市でも実はあったんです。あったから私は言っているんです。そうしたら、県警は、県のこういった市場の条例でやらないとできませんと言ったんですよ。市場の中のことだから適用されないというわけですよ。だから、警察当局という問題じゃないんですよ。警察当局は、法に基づいてやるわけだから。今のここが抜けているというのであれば、そこはきちんとカバーするような条例の要綱か何かで網羅するようにしないといけないのじゃないかと思うんですよ。これは大切なところなんですよ。委員の皆さん方とのやりとりを聞いていたら、小売りにはいませんからと言いますが、そういったケースも考えられるわけですから、そこをこの際何らかの方法できちんと網羅するようにしないといけないと思うんですよ。これはしっかり答えていただけませんか。
◎下山水産部政策監 小売りの関係に対しては、いないから規制をしませんということではなくて、県の権限はどこまで及ぼすことができるかということで、今回は規定をしてないということでございます。
 ただ、委員長がご指摘の点について、ちょっと内部でも研究を進めてみたいと思っております。
◆山田[博]委員長 研究ですか。検討じゃないですか。(「まずは研究させてください」と呼ぶ者あり)研究させてくれと。
 では、もう一つ研究ということで、先ほど馬込委員から話があった北九州市では暴力団排除のステッカーを貼ったと言っていましたけれども、今回、この排除条例をつくった場合に、私たちはきちんと適正にやっていますよということが明らかにわかるような目印か何かを、この条例とまた別に要綱を今からつくられるわけでしょうから、そういったものを予定しているのか、していないのか、それをお答えいただけますか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 今回の条例改正につきましては、そういうステッカーの貼付等々の検討はしておりません。
◆山田[博]委員長 検討していない。
 では、政策監にお尋ねしますけれども、今、北九州市でそういう問題があって、市場で今度つくるとなった時に、そういったことまで踏み込んでやるのか、やらないのか、そこまで考えていないのか、考えを聞かせていただけますか。今この委員会で言われて、なるほどなということで、今から研究するのか、どうするのか、研究と検討はどう違うのかよくわからないけれども、ちょっと聞かせていただけますか。
◎下山水産部政策監 ただいま、委員長から指摘がありました件も含めて、研究をさせていただきたいと思います。
◆山田[博]委員長 これは政策監、北九州市のああいうふうな問題があったものだから、あなたも私もいつ襲われるかわからないから気を付けないといけないのじゃないかと思うんです、政策監。あなたの場合は行政マンだから、私は声が大きい分だけすぐ発見されて、あそこに山田博司がおるぞと言って袋だたきにあうんじゃないかと思って、そのために私は日々体を鍛えているわけですよ。
 政策監、条例が改正されるわけですね。ある程度いつからするかということをやっていかないといけないのじゃないか。だって、これでされたらもう元も子もないわけだから。この施行はいつですか。11月でしたか。予定はいつですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 議決を経た上で10月施行予定でございます。
◆山田[博]委員長 そうしたら、政策監、ここでやっぱり今まで言った2点の大きな問題があったわけですね。そこを一緒にするのか、先行させるのか、しっかりと答えていただきたいと思います。先にするんですか。施行だけ先にして、さっきの件は後追いでやるのか。難しいですね。政策監、頑張ってください。
◎下山水産部政策監 委員長から指摘があった件等については、正直言いまして、我々は想定していなかったものですから、まずはこの条例の施行をした上で、現場の皆さんとも十分話し合いをしながら研究をしてまいりたいと思っております。
◆山田[博]委員長 この条例を施行するに当たって、とりあえず先にやるんだということですね。
 ちなみに、この長崎魚市には暴力団対策の県警のOBとか入っているんですか。この条例に関して大切なことですので、お聞きしたいと思います。
◎山下水産振興課総括課長補佐 警察のOBの方が就職されている情報は持ち得ません。ただし、緊急雇用等で競りの適正化ということで警察OBの方を指導員として雇用して、先ほど言ったような競りの適正化とか、そういう取組をしたことはございます。なお、松浦市とか、そういうところではOBの方がいらっしゃると伺っております。
◆山田[博]委員長 松浦とか、あっちはいるけれども、この長崎県で一番大きい市場に暴力団対策の警察のOBとかがいないとなれば、(発言する者あり)野本委員はいると言われているじゃないですか。部長、どうなんですか。部長は長崎魚市の取締役でしょう。野本委員は、地元だから詳しいわけですよ。今、怒りの声が、「いるよ」と言っているじゃないですか。私が聞いたらいないと言うし、いると言う人もいるし、どっちなんですか。取締役の水産部長が答えるのか、政策監が答えるのか、どちらかでもいいです。(「ちょっと休憩していただいていいですか」と呼ぶ者あり)
○前田副委員長 暫時休憩いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午前11時13分 休憩−
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     −午前11時14分 再開−
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○前田副委員長 委員会を再開します。
◎荒川水産部長 取締役として回答しろということでございまして、申しわけございませんでした。長崎魚市株式会社の職員に県警のOBがいるか、いないかということについては存じ上げておりませんでした。このことにつきましては、体制がどのようになっているのか、魚市株式会社の方に確認した上で、後ほどお答えをさせていただきたいと考えます。
◆山田[博]委員長 これは水産部長、確かに長崎魚市にはたくさん職員がおって、幾ら取締役でもなかなかわからないと。確かに水産部長も、先の職員の不祥事のこともあって、全部の職員を把握できないというのはわからんでもないんですよ。しかし、今回の魚市の暴力団対策条例の中で、それに対して魚市としてどういった体制でやっているのかとか、所管課としては、魚市のそういった体制はどうなっているかというのは、きちんと把握しないといけませんよ。山下総括は、私からこういった資料請求とかあって、目も充血して、これ以上資料請求をしたら倒れるのではないかと思って、総括課長補佐まで倒れたら、今度はどういう対応をしたらいいかわからなくなってきているからですね。
 いずれにしても、そういったところを、今、対応しないといけなかったわけですよ。そこはやっぱりもっと気を引き締めて、これはやっていただきたいと思います。私もはっきり言って、地元の福江の魚市の関係者は大変注目しているんですよ。長崎県で初めてやるわけだから、そこでどういった対応をされているのかというのが注目されていますので、政策監、いろいろと大変かもしれませんけれども、ぜひお願いしたいと思います。
 終わります。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかに質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質疑がないようですので、これをもって質疑を終了したいと思いますが、念のため水産部長にお話しておきますけれども、先ほど私から質問した2点、そこを十分研究してやっていただきたいと。これは一刻も早く施行しないといけないわけですから、研究が必要な点が若干見られましたけれども、そういったことでぜひお願いしたいと思います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決を行います。
 議案第100号は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ご異議なしと認めます。
 よって、第100号議案は、原案のとおり可決すべきものと決定されました。
 それでは、お手元に配付いたしております陳情書一覧表のとおり陳情書の送付を受けておりますので、ご覧願います。
 まず、陳情書の60番と67番以外の審査を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 陳情番号62番、人工海底山脈が現在、国の直轄でやられているんですけれども、また新たに要望が挙がっております。
 こういったものが今まであったのかどうか聞かせてもらいたいのと、今、国は人工海底山脈にどのように取り組んでいるのか、国の動向を聞かせていただけますか。
◎田中水産部参事監 まず、このような形で人工海底山脈の造成事業に関しまして、具体的にこのような形で要望書をこれまでいただいていたかどうかは、確認をした上でお答えをさせていただきたいと思います。
 国の動向に関しましては、現在、今回の議会で集中審査をいただきます五島西方沖の国直轄の漁場整備、これが国事業として取り組んでいる唯一の事例でございます。国直轄事業としてやっているのは唯一の事例です。それ以外に、地方公共団体によります人工海底山脈の事業というのは、これまで私が承知している限り静岡県、宮崎県、鹿児島県、そして長崎県で人工海底山脈造成事業を地方公共団体の国の補助事業として実施した事例がございます。
 近年の動向としましては、平成25年度の概算要求が9月7日にされたところでございますが、こういった事業については積極的に推進するという国の考え方のもとで、たしか対前年比で1.7倍程度の概算要求をしているという状況であったかと承知しております。
◆山田[博]委員長 そうすると、人工海底山脈というのは、国としては積極的に取り組んでいこうという姿勢があるわけですね。実際、こういった要望が挙がってきているわけですけれども、この要望というのは、現段階でどうなのか、国に対して実際にもう要望を挙げていますから、県としても積極的に働きかけていきたいという姿勢は変わりないということですか。
 そうした場合に、今、県として要望しているわけだから、どういったところを想定しているのか、あるのであれば聞かせていただけますか。
◎田中水産部参事監 委員長からご指摘がありましたように、平成25年度の政府施策要望におきましては、現在進めております五島西方沖の事業の促進ということで、ここは平成26年度までの工期、計画期間になっていますので、まずはそれが順調に進捗するよう事業の推進を要望しますとともに、新たな候補地の検討の具体化ということで国に対して要望しているところでございます。
◆山田[博]委員長 確認ですけれども、平成25年度の概算要求では、五島沖の促進と、新たにまた要望しているということですね。その要望の中に、新たな概算の中に特段入っているというわけではないんですね。調査費とか組まれて新たな取り組みというか、着手しようという動きまではないわけですね。これは今回出たわけですけれども、県としてはもう要望を挙げているので、実際にそういったものがあるのであれば聞かせていただけますか。
◎田中水産部参事監 国の平成25年度の概算要求につきましては、直轄の漁場整備としまして、平成19年度から進めております日本海西方沖、これは兵庫県と鳥取県、島根県の沖合でカニとカレイの保護礁というものを進めております、それの事業の推進。そして平成22年度から取り組んでおります五島西方沖の人工海底山脈造成事業の推進。そして、新たに日本海の隠岐海峡の周辺で人工海底山脈造成工事を要望していくということを国として今概算要求を、そこを含めて出している状況だと承知しております。
◆山田[博]委員長 では、まだ長崎県の海域というのは今のところないということですね。わかりました。ほかの人も質問があるでしょうから、一旦終わりたいと思います。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆馬込委員 藻場造成、藻場再生について町村会と平戸市から出ています。こういう国に働きかけてほしいとか、あるいは県に対する要望とかいろいろ出てくるんだけれども、その漁港整備にしても集落環境整備事業にしてもそうですけれども、漁村を活性化させる、水産業を活発にさせるということについては取組を強化してもらいたいというのはあるんだけれども、やっぱり藻場をつくっても、泳いできた魚をごそっと捕ってしまったら、もう元も子もない。ウニとか、アワビとか、サザエとか、根付けのものなら管理ができる。しかし、先ほどから言っているように、高速の取締船を幾ら導入しても、平戸市の陳情には載っているけれども、密漁する側がものすごく情報豊富なんですよ。私も今回、県の取締船が高速化してどうなのだろうかということで、実際に漁業を一生懸命やっている方々から苦情を何度も言われた。どこを密漁の取り締まりをしているのかと、我々漁民は燃油が高くて簡単に出漁もできないのに、我々の目の前を高速で昼間走って回っているけれども、何をそんなに急いで密漁対策をしているのかということをよく言われるんですよ。
 密漁の対策の効果はどうかと言ったら、取り締まられる側の方が無線の通信機器も完備していて、取締船の位置情報も一発でみんなわかっていると。本当に効果ある仕事をしているのかと。船の中で遊んでいるんじゃないかということまで私は言われている。
 こういう陳情とか、要望をされる関係団体、市町をひっくるめて、資源管理についてどう考えているんですか。本当に水産業に携わる人たちが豊かな生活ができて、後継者が心配なく育つというようなことを真剣に考えているのか。そこら辺をどう思っていますか。どう思ってこういうのを水産部は受けているのか、また、これまで受けてきたんですか。
◎柳村資源管理課長 資源管理が非常に重要だということは、総論的に漁業者の皆さんも自覚をしているところでございます。ただし、この資源管理を我々が進めていく上で、どうしても回遊魚というものは本県だけにとどまらない。日中韓、それから日本周辺にまたがっていくものですから、本県だけの資源管理というのはなかなかしにくい面があります。そういう意味でまき網の団体さん、これが九州管内持っているとか、そういうところと国、県入って、資源回復計画というのをこれまでつくってきたというところはあります。
 確かにウニとか、アワビとか、地域にとどまる、もしくは集落の目の前にあるものについては、かつてから、ずっと以前から自主的な取り組みというのをやってきましたけれども、それに加えて、例えば海域、県内のある海域ですね、例えば大村湾、それから有明海、橘湾、こういったところにとどまる、ある程度のお魚というものは、その地域地域の漁業者、漁業団体が一致団結して、連携してこういう資源回復を取り組む魚種をどうしても小さく定めなければいけない。その部分で一月に何日休む、もしくは漁具の目あいを大きくする。そういう取り組みしかできていないというのが現状でございます。
 馬込委員がおっしゃるように、全部の魚種で、全部の漁業者が入って、資源管理を例えば1箇月、2箇月本当に休む、そういうものができていけば、ある程度もう少し資源にやさしい、もしくは資源が今後増えるというものが考えられるんですけれども、なかなか各論に至ると、そこまで漁業者も納得していただけない。1箇月、2箇月漁業を休むと、どうしても生活ができないというところにつながってくるので、なかなか難しいところがあります。
 したがって、地域でできる魚種、地域でまとまれるものについて、地道に資源管理をやっていくしかないと考えております。
◆馬込委員 そういうことを言っていたら、10年後にはしまの水産業は全滅してしまう。例えば、日韓漁業協定にしても、200海里の問題、EEZの問題にしても、資源管理を長崎県だけやったところで、資源管理の効果が出てこないのは誰が考えてもわかっている話。だから、日中韓の問題、台湾が尖閣に来て、領土問題よりは漁場の問題というようなことを言っているけれども、そういう管理の方法をどうやってやるのかと。
 例えば日本の国そのものを考えた時に、やっぱりこういう各地から出てくる問題を効果あるものにするためには、水産部としても、やっぱり水産庁とじっくり話をする。太平洋側と対馬暖流の流れているところというのは、海域が全然違うわけだから、資源管理のやり方についてもですよ。
 今みたいに、一発どこかがどかんとやったら戦争状態に入ろうかと言っているようなシナ海の資源管理の状態と、まだ復興はしてないけれども、三陸のあの三大漁場と言われている漁場の管理の仕方というのは全然違うわけですよ。日本が独自に管理できるところと、日本だけが管理したって、韓国、中国がそれに協力しなかったら全く効果が出ない。その影響を受けるのは、九州の対馬暖流に面しているところの漁民がもろにその影響を受けるわけですよ。
 そうしたら、今、資源管理課長が言われたようなことを今までずっと私も聞いてきた。しかし、そういうことをよしとしていたら、五島だけではなくて、壱岐も対馬も漁師は全部バンザイしてしまうよ。
 対馬に行った時に、対馬の漁民からいろんな話を聞かされたけれども、本当に資源管理の問題についてどう考えているのかと。結局、5マイルにしろ、8マイルにしろという中型のまき網の問題、これも資源管理にかかわっている問題ですよ。飯を食うためにどうするかというような話。まき網はまき網で、漁場を制約されている中で出ていけと言われたって、自分たちの飯の食いぶちがない。じゃ、どこに行けばいいのか。だから、国の方もなかなかその調整をできないでいる。これが現実問題ですよ。
 そうしたら、10年、20年後の水産業のことを考えた時に、こういう陳情が毎年毎年来ているわけでしょう。今までずっときている。そして、同じようにそれを我々は聞き置く程度でいいんじゃないかということでずっと流していっている。しかし、こういうことばかりやっていると、もう完全に水産業は絶滅してしまう。水産物の魚介類の自給率も上げないといけないわけでしょう。
 陸上養殖の予算もちょっと出てきていたけれども、これからのそういう藻場の造成にしても、漁港の整備にしても、資源管理のあり方について、水産庁長官が先頭に立って、全国の漁連会長を集めて、徹底的に動き出さないと、水産庁の流す予算は海の中に捨てるだけだ。
 今までやってきた漁港整備の姿を見ていて、どこの漁港で船が増えてきているのか。そういうことを考えた時に、長崎県だけの問題じゃないんですよ。水産業全体の抱える問題であって、水産部のある長崎県が旗を振って、水産庁長官に日本の漁業制度を設計し直せというぐらいのことを言わないと、こういう陳情、要望を毎年毎年受けている長崎県議会としては、こういうのを今までどおり、みすみす目の前を通過させるわけにはいかなくなっているよ。
 そのぐらい厳しくなっているというのは、水産部も同じように共有していると私は思っているんだけれども、部長は議会が終わったら、水産庁長官と1日かけてでもいいから、何なら我々委員会があなたと水産庁長官がお会いする水産庁室に入っていって、我々が入るぐらいの広さはありますから、私も何度か一人で陳情に水産庁長官室には行っていますからわかっています。そのぐらいのことをやってもらわないと、こういうのが全く生きてこない。死んでしまう。そして、こういうことに基づく予算も生きてこない。
 部長、もう伸るか反るかのところまできているんだから、水産庁長官を缶詰めにしてでも、日本のあるべき水産の制度設計をやり直せというぐらいのことを言う気はないですか。
◎荒川水産部長 ただいま、非常に厳しいご意見をいただいておりまして、私ども事業をやっておって、それで魚が増えたのか、漁業者が増えたのか、漁船が増えたのかということを言われますと、この十数年そういうことにはなっておらないというのが現状でございます。
 資源管理が水産業を守る上で非常に根幹になるというのは、これは水産部の職員全部同じ思いを持っております。
 先ほど資源管理課長が申しましたように、まず、資源管理というのは、どうしても対外国を含めた資源管理をしなければならないところ、それから長崎県だけではなくて、関係県を含めた資源管理をしなければならないところ、そして根付け資源のように、県内で資源管理の方策をつくられるところがございまして、前段の対外国を含めないといけないところとか、ほかの県を含めないといけないところについては、私ども長崎県だけの実力ではできないというのが現状でございまして、これについてどうしたいかということは、政府施策要望等におきましても国に要望したこともございます。
 また、私ども水産部の職員もこのようなことについて、それぞれ個々に水産庁の各担当課とも話し合いをさせていただいているところでございますけれども、冒頭申しましたように、魚が増えているか、漁民が増えているか、漁船が増えているかというところにつきましては反省すべき点が多々あると思いますので、どうしたらいいかということについて、まず水産部の中で十分検討した上で、国にもいろんなチャンネルを通じて話し合いをしてまいりたいと存じます。
◆馬込委員 参事監、大日本水産会ですか、あれは何をしているのか。国会議員も行って勉強会をしている。白須長官の時からいろいろ話を聞いているけれども、国会議員が集まって何の勉強をしているのか。漁業は年々衰退しているけど、予算を取るための応援団をつくるだけの水産会の勉強をしているのかなと、私はつくづくそう思うんです。どこを見て議論しているのか。机上の議論ばっかりやっているんじゃないかという感じさえするんです。時々、水産庁長官とか、あるいはそういう団体からの報告書というか、そういうのも読んだりするけれども、本当に真剣に考えているのかと思うんですよ。
 部長、そんな遠慮にするなって、国会議員が全然仕事をしないんだから。国会議員が何名そういう勉強会に出席しているかというのは、私は名前も把握している。一向によくならない。だから、現場を統括している水産部長が動くしかない。北海道、宮城県、一生懸命やっている島根県とか、そういうところの担当部長と実務者協議をやって、日本の水産業の制度設計を地方から動かしていこうかというぐらいことをしないと、長崎県の水産部もなくなるよ。遠慮するな。私は何回も行って水産庁長官室に入って話はしてきたんだから。ましてFRPの話も出ている。そういう問題をどうするのか。水産庁が動かないと何もできないよ。今から何千隻と処分しなければならないFRPの漁船、遊漁船もひっくるめて出てくるんですよ。遊漁船なんてもっと大変ですよ。どこに放置するのかわからないけれども。
 そういうものは一自治体では解決できない。物理的にオーバーしている。そういう問題を解決していかなかったら、明日の水産業というのはあり得ないんですから、部長は遠慮しなくていい。あなたが知事より水産のことは詳しいんだから、知事が水産庁長官室に行っても何を話せますか。あなたが行って、がんがん水産庁長官と話してもらわないと、水産の復活はない。水産の復活は長崎県からと私は思っているんですから。そこら辺、さっきみたいに遠慮するような答弁をしないで、もうちょっと気合いの入った答弁をしてください。
◎荒川水産部長 私ども長崎県の水産の現場を預かっている人間として、私というよりも水産部、水産関係職員はみんな現場からいろんな声を聞いておりまして、今のご意見についても全くそのとおりだと思っております。正直な話、いきなり水産庁長官室に入るというのは、さすがにできないかもしれませんけれども、さまざまなチャンネルを通じて、私どももどのようにすればいいのかというアイデアを持って、これで水産庁、関係部局いろんなチャンネルを通じて話し合いをしてまいりたいと思います。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 なければ、委員長を交代します。
○前田副委員長 委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 先ほど中途半端だったし、ほかの委員から質問がないということですのでお尋ねします。
 62番の人工海底山脈は、水産部としては積極的に取り組む姿勢があるかどうかだけ確認させていただきたいと思います。
◎田中水産部参事監 現在、人工海底山脈の造成工事に関しましては、五島西方沖で進められている事業が1件、それと今、長崎県として対馬において造成工事1基分を進めているところでございます。これらについては、それぞれの事業計画に基づきまして早期の完成、予定どおりの完成が図られるように必要な予算を確保しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆山田[博]委員長 ここには、福江島南西沖と書いてあります。これをどういうふうな姿勢で取り組んでいこうとしているのか、その辺を聞かせていただきたいと思います。
◎田中水産部参事監 委員長ご指摘の次期のフロンティア事業の実施に関しましては、今年度の政府施策要望におきまして、そのことを国に対して検討の具体化をお願いするということで施策提案にも位置付けられたところでございますので、あらゆる機会を通じてそういったことを国に働きかけをしていきたいと考えております。
◆山田[博]委員長 積極的に働きかけたいということであれば、参事監、今ここに具体的に3つの組合から出ているんですけれども、場所等を検討して、地元の漁業者と協議しながらここでどうですかという話をしながら、国に具体的場所を提示してやっていくという形で取り組まれるのかどうかを聞かせていただけますか。
◎田中水産部参事監 現在、公共事業に関しましては、非常に全体の予算の状況も大変厳しくなっております。そういった中で、まずは現在、平成26年までに完成させるということで事業を進めております五島の西方沖、これがまだ金額ベースで約半分程度の進捗状況でございます。したがいまして、そういったところを予定どおり事業が進むように、まずはその予算の確保というのを働きかけをしていきたい、お願いしていくということがございます。
 また、その次期フロンティアにつきましては、なかなか国の直轄での漁場整備というものに関しては、平成19年度から始まって、先ほど概算要求の中で申しました3例目がやっと平成25年度の概算要求に位置付けられたというような状況でございますので、なかなか国としても事業を起こすという意味での難しさ、困難さというのはあるのではないかと推察をしております。
 そういった中で、私どもとしてはその次の事業というのが具体化されるように、とにかく国に対してそこの要請をしていきたいと考えているところであります。
◆山田[博]委員長 参事監、要請といっても、地元の協力なしではできないわけだから、五島沖でやっている人工海底山脈は、相当な準備期間がかかったわけですね。長崎県の水産業の振興の一環として、公共事業予算の確保も含めて、切れ目ない対応をしないといけないわけですね、これは。
 先ほど馬込委員が言われたように、水産部として、もっとしっかりと後継者対策とか、漁業のためにやらないといけないわけだから、そこの中で切れ目のない政策をやっていかないといけないわけですよ。平成26年度までやりました。次は何ですかといった時に、また同じ陳情が来たらどうするんですか。だから、切れ目ない対応をするべきであって、準備期間もあるわけだから、さっき言ったように長崎県として積極的に取り組む姿勢が必要ではないかと。だから、時間がかかるわけでしょう、準備期間というのは。いきなり言ってぱっとできるわけないんだから。そういった点では国に働きかけますだけでお茶を濁したような答弁では私は納得できないわけです。私はわかっているわけです。準備期間がどれだけかかるかというのがわかっているんだから、そういった中で「要望します」と言われて、「はい、わかりました」と納得すると思ったら大間違いですよ。
 参事監は、実際にそれだけのプロフェッショナルなんだから、わかっていらっしゃるでしょう。あなたが事務屋でわからなかったら、私は何もそこまで言いませんけれども、あなたはそのために長崎県に来たんだから、そうでしょう。どうぞお答えください。
◎田中水産部参事監 委員長ご指摘のとおり、この排他的経済水域での漁場整備をここの場所でやっていくというのを、地域の漁業関係者の合意を得て、かつその事業計画として立案して、例えば費用対効果であるとか、そういった効果を検証して概算要求という形で国がそれを具体化するというプロセスがございます。したがいまして、そこに時間がかかるというのは委員長のご指摘のとおりだというふうには考えております。
 ただ、この事業に関しましては、やはり国が事業主体となって取り組むということでございますので、まず国がそこの部分について主導していくというのがまず必要だろうと考えておりますので、まずは国のそういった考え方をこちらに向けるように、そのための努力というのは県としてもしっかりやっていきたいと考えております。
◆山田[博]委員長 だから、受けるに当たっては、地元の同意とか調査しないといけないわけでしょう。はっきり言って国がやりましたから、長崎県がお金を出すというわけじゃないんでしょう、これは。地元から要望があって、一緒にやっていくということでやっていくわけだから、参事監、これは積極的にしっかりやっていただきたいんですよ。もう一度最後に決意だけお答えください。
◎田中水産部参事監 まさに政府施策要望でこのように書いたということもございます。そして、何よりもこういった形で、地域に要望があるということは非常に重要なことでありますので、しっかりとそれを受け止めた上で、県としてしかるべく対応をしていきたいと考えております。
◆山田[博]委員長 最後の質問は48番、49番です。
 まず、長崎県の自然石は、ピーク時はどれぐらい採用されて、現在はどれぐらいなのか、それをお答えください。
◎壱岐漁港漁場課長 ピーク時についてははっきり覚えておりませんけれども、現在、平成24年度の石材の実施量については、漁港漁場におきましては約10万立米で、事業は平成10年から3分の1に減っていますので、自然石の量も大幅に減っているとは考えられます。
◆山田[博]委員長 こういった要望が来たのは、ただ単に事業が減って必然的に少なくなったのか、意図的に使わなくなったのか、どっちですか。
◎壱岐漁港漁場課長 基本的には事業が減って石材の方が減ってきたということでございます。
 先ほど申しましたけれども、漁港の整備においても、多く石材を使う外郭施設がほぼ終了してきておりますので、その部分で多く石材が減ってきているという状況でございます。
◆山田[博]委員長 今、いろいろとバランス感覚もそうですけれども、長期計画の中には、こういった自然石の団体から要望が来ていますけれども、こういった要望をされた上の対応をなされているのか、なされていないのか、それを答えていただけますか。
◎壱岐漁港漁場課長 要望を受けまして、石材仕様についても、先ほど参事監が申しましたが、浅いところで行う増殖場については、藻場の造成等における基礎の石材となる部分とか、岸壁等の基礎となる石材等、あらゆる場面で適材適所に応じて材料も選んでいきたいとは考えております。
◆山田[博]委員長 適材適所で、人間じゃあるまいし、適材適所じゃなくて、要するに積極的に使うということなんですか。言葉の意味がよくわからなかったですね。
◎壱岐漁港漁場課長 要望も踏まえ、積極的に取り入れていきたいとは考えております。
◆山田[博]委員長 水産部長、この前、この業界の方々から資料をいただいたんですけれども、部長の耳に入っているかどうか確認の意味でお聞きしたいんです。今、東日本大震災の復興事業がこれだけあっているわけですね。石材は供給できるような体制は十分あるわけです。そうしたら、内航海運法に基づいて物を運ぶ船が、不景気でもともと船舶が少なくなっていたんですね。それが復興事業で、現在ほとんど傭船として東日本に流れているわけですよ。今、こういった状況になれば、逆に長崎県としては公共事業をしたくても、復興事業に持って行かれて工期が遅れてくるわけです。繰越への影響もどんどん出てくるし、なおかつ設計単価も上がってくるわけですよ。
 私は何が言いたいかというと、東日本大震災の影響で長崎県の公共事業の工期が遅れる場合もあるし、単価もまたはね返ってきて、コンスタントにやっていかないと大変なことになるというわけです。ある時はある、ない時はないというように山とか谷があったらいけないわけですね。そういうことです。水産部長は、そういった状況を漁港漁場課長から聞いておられますか。そういう状況であるという報告はあっていませんか。参事監はご存じですか。
◎荒川水産部長 本県の公共事業に用いる船が不足しているという情報は、申しわけございませんが、存じておりませんでした。
◆山田[博]委員長 漁港漁場課長は、この前勉強会に参加してもらったわけですから、そういったことは参事監とか、部長にきちんと報告しないといけませんよ。あなたは確かに優秀な方ですけれども、宝の持ち腐れではなくて、そういったことはきちんと報告してもらいたい。なぜかというと、そういった状況というのは水産部全体として把握しておかないといけないわけですよ、その場限りで、あなただけが持っているんじゃなくてですね。
 部長、これは今、大変なことになっているんです。私はそれで今回、例えば48番の魚礁の設計単価とかにもこれはかかわってくるわけです。石はあっても運ぶ船がないわけですよ。こうすると、結果的には公共事業をしたくても繰越がどんどん、どんどん増えてくるわけですよ。漁港漁場課長、その原因となるのは間違いございませんね。お答えください。
◎壱岐漁港漁場課長 その部分は間違いございません。
◆山田[博]委員長 そうすると、漁港漁場課長、今回、今の分析とかの中に新たな要因というのが増えてくるわけですね。だから、水産部長、ここは後から漁港漁場課長に十分そういった状況を聞いて、しっかりと把握して、政策監じゃありませんけれども、研究していただきたいと思うんですよ。ぜひお願いしたいと思います。
 漁港漁場課長、先ほど来、要するに石材の運搬船も含めて設計単価とか、繰越に影響が出ないように取り組んでいただきたいと思います。それだけしっかりと見解を聞かせていただけませんか。
◎壱岐漁港漁場課長 単価については、この間の意見交換会で、土木部と毎年、単価の見直しも今まで年に1回とか、2回とかしかしていなかった部分を積極的にやっていって、適正な単価になるようにということで一緒にお話したところでございます。
 また、繰越についても、いろんな工夫をしながら、縮減をしてまいりたいと考えております。
◆山田[博]委員長 そういうことで漁港漁場課長、しっかりとお願いしたいと思います。
 水産部長、今のこういった船舶の状況というのは、大変な喫緊の課題になりつつありますので、しっかりと調査して検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 先ほど野本委員から長崎魚市の職員の件で1名と、山田(博)委員長から指摘があった件でございますけれども、長崎魚市場に照会しましたところ、元警察官が1名いらっしゃるということでございます。40歳の男性でございまして、魚市場において、前歴に注目しての採用ではございませんというご意見でございました。すみませんでした。
○山田[博]委員長 わかりました。
 午前中の審査をここまでにとどめ、午後は1時30分から行います。
 しばらく休憩いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午前11時57分 休憩−
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     −午後1時32分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 お手元に配付いたしております陳情書一覧表のとおり陳情書の送付を受けておりますので、ご覧願います。
 まず、昨日、ご決定いただいたとおり、陳情書の67番の参考人として、長崎魚類仲卸協同組合代表理事 山内一弘氏、長崎鮮魚小売商協同組合理事長 堺 宏氏、同じく長崎鮮魚小売商協同組合専務理事 武次富士男氏にご出席いただいております。
 理事者の出席範囲を含め、お手元に配付しております配席表のとおり決定したいと存じますので、ご了承をお願いいたします。
 本日、ご出席いただいた皆様には、地方自治法第109条第6項の規定により、当委員会へご出席いただいている関係で、「参考人」という言葉を使わせていただきますので、ご了承をお願いします。
 ここで、参考人の方へ念のために申し上げますが、発言される際は、挙手の上、委員長が指名した後、ご発言いただきますようよろしくお願いいたします。
 また、ご発言は、委員からの質問に対し、簡明に、案件の範囲を超えることなくお答えいただきますようお願いいたします。
 なお、参考人は、委員に対しての質問ができないこととなっておりますので、ご了承をお願いします。
 それでは、陳情書67番、「高度衛生処理対象の魚種(水産物)の見直し等の要望書」に関する審査を行います。
 各参考人より陳情書の内容についての説明をお願いします。
◎山内参考人 長崎魚類仲卸協同組合の山内でございます。
 今回、1年ぐらい前から、長崎魚市場施設整備の中で、高度衛生化という問題で、県の水産振興課の方を主体として進めている事業でございます。これについて、私ども仲卸としても、いろんな見直しとか、検討という意見を今回述べさせていただきたいと思います。
 まず、高度衛生処理対象の魚種の見直しということで、当初、高度衛生化対象魚種というのは、長崎魚市場で水揚げされた魚だけに限るというようなことをお聞きして、今長崎魚市の入荷の中にはトラック輸送で来る魚が多くあります。そういう魚に関しては、高度衛生化には属さないということだったので、これは将来的に考えると、長崎魚市に入荷する魚の中で高度衛生化と高度衛生化じゃないという差別化の部類に属するんじゃないかと。ましてや漁協の鮮魚、県外からの鮮魚ということになれば、やはり漁協も県外の生産者の方も、長崎魚市場に送るのをやめて、よその魚市場にでも送ろうかというような、魚市の取扱量の減少につながるのではないかと。まして、近海で捕れた各漁業者の鮮魚あたりはなおさら、鮮度がいい魚がいっぱいあるのに対して、そういう差別化じゃないけれども、この高度衛生化という一つのことに対して、そういう区別がなされるということはちょっと検討していただきたいと、見直していただきたいということでここに項目を一つ上げました。
 2番目に、長崎魚市における仲卸販売棟の衛生処理整備ということで、今回は国の補助で長崎魚市場の鮮魚荷捌所を建て直すという計画が今進められている状態ですけれども、仲卸販売棟も建って24年になります。もうかなり老朽化して、衛生面で言えば24年前の衛生管理をしているという状態です。ここにおいて魚市場が高度衛生化になるということは、競り場も仲卸売り場も同時に高度衛生化の施設が要るのではないかと。これは小売りにおいてもしかり、よその量販店のバイヤーが来てもしかり、こんな不衛生なところで魚を捌いているんですかというような意見も聞いたことがあります。
 今回、国の予算で競り場の高度衛生化ということで今一生懸命頑張っておられるんですけれども、同時に仲卸販売棟の高度衛生化もひとつ考えていただけないでしょうかということで今回挙げました。
 3番目に、長崎魚市場の競り時間を早める検討ということで、これは今、県外への発送仲買いは、特に福岡魚市、県外の魚市場と比較してみると、やっぱり長崎魚市は競りが朝の5時から開始されると。県外、福岡あたりは3時半からの競りと。今は交通網も発展して、福岡からの直送便という形でいけば、長崎にはもう1時間半ぐらいで魚が届きます。福岡、北九州あたりの量販店も長崎の中心地に出店を計画されて、何社か今出店されているところでありますけれども、こういう量販店が福岡の魚市から、朝から先取りしてでも魚が届くんですよと。長崎の魚市は競りが遅いねとかいう声を多々聞きます。
 それと、長崎魚市の発送仲買人においては、競りの時間を30分なり、1時間なり早めることで地方発送の時間的な余裕が出ると。運送屋もしかり、今頃の交通事情もそうですけれども、高速道路の90キロ規制とか何とか、いろんな諸条件がたくさんあって無理もできない。昔の20年、30年前の輸送と比べたら、今は無理もできないということで、この競りの時間の見直しということも一つ項目として挙げております。
 4番目に、新しい施設整備に対する空調施設の検討結果の開示です。このことは新しい高度衛生化においての荷捌所は、屋根の高さが5.5メートルで一応計画しております。その中で、魚を並べて競ることに関して、氷を打つもので、下の方の空気の温度が低いと。当然、暖かい空気は上昇して上に上がるだろうと。5.5メートルの屋根の高さを設けて、上から吹き出し口をつければ自然に空調ができるとは、前担当の方から説明を受けて、当然冷たい空気が下に行く、温かい空気が上に行くということで、空調設備をつけずにやろうというような計画で今進められているんですけれども、これではちょっとかんかん照りの真夏とか、湿度が多い梅雨時とかは、湿気対策などを考えれば、ぜひとも空調設備が要るんじゃないかという意見が現場ではいっぱい出たので、これもひとつ検討をしていただければと思って挙げております。
 5番目に、工事期間中、仮設水揚げ、競り並びに立替場の整備ということで、この件に関しては長崎魚市の中の流通仲卸協同組合の方からの要望で、大体主に地方発送をする仲買人の要望です。やっぱり工事期間中、長崎魚市の今の施設の中で工事をするに当たって、大まかに4分割する計画で、2年、2年という計画で4分の1、4分の1の工事をすると。それにつきまして、工事期間中のその場所の仮の水揚げ、競り場は、大分検討しておられたんですけれども、ちょっと今のところ場所がないということで、魚というのは水物であり、捕れない時にはいいんですけれども、捕れてどかんと水揚げされた時の処理する整備がまだ計画がなされていないということで、これは流通組合の方からの問題点として一つ挙げております。
 CBボックスの件は外させていただいて、今の5項目の中で、いろいろ将来的に、8年後に、一生懸命になって県の方々も計画なされて、今少しずつ着実に進まれていっているんですけれども、働く私たちにとってはいろんな不安面とか、不透明な面というのがいっぱいあるような感じがします。
 各業界、仲卸協同組合、小売商協同組合、運送組合の方、製氷組合の方、そこに携わるみんな、おのおの大なり小なりいっぱい問題があり過ぎますので、少しずつでも私たちの意見を聞いていただきながら、今も県の方々と検討委員会、作業部会において、いろんな会議をされて進んでいっている途中なんですけれども、やっぱりいろんなことをくだけた、ざっくばらんな意見をお聞きしていただける場の提供ということで、この協議会を何とか立ち上げたいと思っています。
○山田[博]委員長 補足等がありましたら、参考人の方からお願いします。
 特段なければ進めますが、ありますか。
◎武次参考人 補足という部分でいけば、仲卸販売棟の衛生処理の整備というここのところをもう少し突っ込んで話しますと、現状の仲卸の販売棟の状況では、正直言って保健所の許可は絶対に下りない状況です。その中でこれが外されているというのが問題だと思います。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより質問を行うことといたします。
 ご質問はありませんか。
 委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 今回、要望書が出てきております。このお三方から来ているんですけれども、まず最初に数字的な確認をしますと、長崎魚市で、今水揚げしているものと陸揚げしているものの割合というのは大体幾らぐらいですか。大体で結構ですから、わかりますか。お願いします。
◎山下水産振興課総括課長補佐 業態別の取扱い数量でございますけれども、平成23年で底びき物が7,000トン、まき網物が6万トン、近海物が1万トンでございます。それと冷凍物とありまして、合計で12万9,000トンでございます。
 割合については、ちょっと計算します。
○前田副委員長 水揚げと、陸送物という質問だったんです。
◆山田[博]委員長 この質問が出ているんだから、山下さんは総括ですから答えるのは大変だと思いますので、政策監幾らですか。陳情というのは前から上がってきているわけだから、ずっと議論しているわけだから、要するに市場で水揚げされる場合と陸送の割合を、パーセントでもいいですから、それをしっかりと答弁してもらいたいと思うんですよ。わかりませんか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 その数字については把握しておりません。
◆山田[博]委員長 政策監、いいですか。この大事な陳情が来ているのにもかかわらず、こういった割合がどれくらいというのがわからないというのは、いかがなものかとなりますよ。陳情で来ているわけだから。おのずと、普通これは、私はなんでこれを今聞いたかというと、魚市におきましてどれだけのウェートを占めていて、この問題を重視しないといけないから私は質問したわけだよ。参考人の方がさっき言ったでしょう、県の職員が一生懸命やってもらっていると。しかし、背に腹はかえられないから今日来たわけだよ。開始早々こういった答えが来ないというのはどういうことかと言いたいぐらいですよ、私ははっきり申し上げて。
 結果的に、これは要望して、当初私もいろいろ聞いたら、この水産部の見直しというのは、陸上というのは、水産庁の方は二の足を踏んでいたと言っていましたけれども、再度こういった要望が事前に挙がってきて、県の方からどれだけ国に対して話をしたのか。見解をちょっと聞かせていただけませんか。これが9月の上旬に挙がっているんだけれども、国に対して要望した時、どういった回答というか、見解が来ているか、それをお答えください。
◎山下水産振興課総括課長補佐 まず、陸送物の割合でございますけれども、長崎魚市場に聞いた限りでは3〜4割程度ということです。正確な数値は後ほど調べさせていただきたいと思っております。
 まず、高度衛生の魚種については見直しということで、陸送物でございますが、国との協議をする中でございまして、水産物高度化衛生管理検討委員会におきまして、陸送物は当初そのような取扱いをするという話はございましたけれども、その後、国と協議する中で、卸売業者から産地情報をしっかりと把握して確認しているものであれば、高度衛生化商品として取り扱ってもよいということに変更となっております。私もそのように了解しております。
◆山田[博]委員長 山内参考人、そういった話があって、それでどうですか。その産地というのは、なかなか牛の肉みたいにバーコードがあればいいけれども、バーコードがないからですね。要するに紙に書いた、よく市場で出しているとか、産地はどうやってわかるか、表示するというのはなかなか難しいと思うんですよ。今の回答で、参考人の見解を聞かせていただけますか。
◎山内参考人 今おっしゃられたとおり、産地というんですか、魚の場合漁協の管轄になるわけですね、トラック物というのは。例えば三重の漁協とか、戸石漁協、橘湾とか、いろいろ漁協があるもので、漁協が持ってくる、出荷する魚に関してはもう生産者がぴしゃっとわかっております。これは今、総括課長補佐がおっしゃったとおり、それで十分答えになっていると思います。
 ただ、個人の人たちが個人の船で持ってくる分に関しては、これから先はどうだろうかなというようなことは、今ちょっと思ったんですけれども。この問題もやっぱりあるんじゃないかなと思います。細かく言えばですね。
◆山田[博]委員長 山内参考人、そうすると、実際、魚市に個人の船で直接持って来る人もいらっしゃるわけですか。私の五島でも、持って来る人がいますもんね。そういったのもひっかかってくるわけですね。(「そうですね。そういう人たちも解決してやらんといかんですね」と呼ぶ者あり)
 水産振興課総括課長補佐、これはどうですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 今説明しましたように、その漁船のところの陸揚げされたものでも、きっちりと産地がわかるような形であれば対象となると、そういう理解をしております。
◆山田[博]委員長 これは山内参考人、産地というのは、要するに協同組合というのは公的機関だからいいけれども、個人というのはどこまでそれを認めてくれるかということですけれども、はっきり言ってそれでできるというふうに、大丈夫でしょうかね。協同組合からすると、ある程度しっかり認識してくれるけれども、個人だったら、山田博司というのは声が大きいし、態度がでかいから、あの人が言うのはわからんから、どうかなというふうに疑われてはねられたら困るからですね。そういったこともなきにしもあらずと思ったんです、私は。どうでしょうか。
◎山内参考人 今、お聞きした内容で、国の方の基準というのが、産地さえはっきりしていればということだったので、個人の船というのは99%長崎県の近海で捕る人たちばかりで、それは間違いないと思います。それは納得します。
◆山田[博]委員長 この問題一つとっても、この高度衛生処理というのは、国の初めての取組といっても、はっきり言って高度衛生処理という概念というか、基本理念というのが定まっていないんですね、はっきり言えば。はっきり言って、もうこの一つだけでわかるんだよ。
 私がなんでこれを最初から、今日は委員の皆さんのご理解いただいてしたのかというと、これは国の事業といえども、これは日本で最初の高度衛生処理でしょう、水産部長。日本で最初なんだよ。
 それで、もうちょっと、この概念が定まっていないということで、次の2番目なんです。今、山内参考人や武次参考人からお聞きしたけれども、要するに今の仲卸販売棟の高度衛生処理ができないとなったら、要するに高度衛生処理は片手落ち。もう一つ言えば絵に描いた餅ということで理解していいんですね。どうですか、代表してどなたか。
◎武次参考人 現状だと、正直な話、全くの高度衛生化処理に関しての条件というのは一つも満たさない。だから、全く意味がない、今の現状は。
◆山田[博]委員長 だから、要するに最終的にこの魚市場から出る時には、競り場から仲卸に行くわけですね。仲卸に行くわけですよ、皆さんね。仲卸に行った時は全く高度衛生処理していないから、市場から出る時は仲卸を通って出るわけですね。そうしたら、競りはよくても仲卸が全然高度衛生処理されていないわけです。
 ということは、この時点でもはっきり言って高度衛生処理する意味がないわけですね、これは。見解を聞かせてください。
◎武次参考人 高度衛生の処理は、今の状況では全く意味がないと思います。
◆山田[博]委員長 そうすると、この問題をすると、仲卸棟を、これは県当局として見解をまとめたのか、まとめてないのか。取り組んだ結果、なんでここができなかったのか。この平面図においては、それは入っていませんものね。それを含めて答えていただけますか。どうぞ。
◎山下水産振興課総括課長補佐 仲卸棟の整備については、高度衛生化事業が始まった当初検討しております。
 今回の事業は漁港の事業であったということで、整備の対象から外されております。
 しかしながら、仲卸棟の高度衛生化の整備は必要と考えておりますので、現行整備事業の対象となるように政府施策要望等で要望しているところでございます。
◆山田[博]委員長 これは県当局にお尋ねしますけれども、今の状態でこれは基本設計はできているんですね。私も建設会社におったからわかるわけですよ。
 この中に仲卸棟の高度衛生処理ができていないから、今から実施設計が始まるわけでしょう。そうすると、実施設計というのは基本設計をやっているところを実施設計するわけだよ、細かい設計をね。この仲卸棟は入っていないから、じゃ、これが後追いでできるかどうかですよ。
 ちょっと参考人にお尋ねしますけれども、平面図がきておりますね。今の状態で、例えば後からスタートして、競り場と仲卸棟の間には道路が走っているんですね。
 それで、後からしますと言ったって、道路があるんだから、この道路をふさいでできるかというと、できないわけですね。
 私が言いたいのは、参考人どうですか。もう今のうちに一体となって、それを含んだ上の設計をやらないと、もう後でといったら事が遅くなるんじゃないかと思うんですよ。それはどうですか、見解を聞かせてください。
◎武次参考人 私自身も全く今の意見に賛成なんです。というのは、やはり競り場から仲卸販売棟、それから屋根付き駐車場と一体化したような造りでないと、そこに道路をはさんだら雨の日はびしょぬれ、炎天下を通る、そういう問題からいくと、高度衛生化としてはいかがなものかというのが考えられます。
◆山田[博]委員長 それでね、県当局にお尋ねしますけれども、仲卸棟に魚を運ぶわけですね。その時に例えば後から後追いになったって、これは時期が、道路があるから私は言っているわけです。道路をはさんでいるから。その道路をはさまずに一体化なるように今から計画をつくっていかないと、予算は別としても、少なくとも計画としてはそういった計画をつくっていかないと、これは後から予算がついて、国から出ましたと言ったって、できなかったら一緒なんですよ、これ。それについて見解を聞かせていただけませんか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 先ほど説明しましたように、現状では仲卸棟の整備に利用できる国のメニューはございません。単独で事業を立ち上げることも考えられますが、その場合は地元業者等の経費負担の増大を招くこととなります。
 事業費をいかに手当てするかが課題でございますけれども、今ご指摘の魚類仲卸さんとか、小売りさんたちの意見集約も踏まえまして、前向きに検討していくことになると思います。
◆山田[博]委員長 前向きに取り組んでいくということであれば、今私がお聞きしているのは、基本設計が終わって、今から実施設計に入るわけですよ。そうしたら、実施設計というのは、さっき言ったように、基本設計の中の詳細だから、仲卸棟と分担された状態で設計が進んだら意味がないわけですね。それはどうですか、参考人。
◎武次参考人 私も今の基本設計ができ上がって、これを見せていただきましたけれども、本来はこの設計ももう一回見直す必要があろうかと。その方が私としては、現状、まだ工事に入っていません、実施設計もできてない。基本設計の段階で、いま一度見直しをお願いしたいなというのが我々の意見でございます。
◆山田[博]委員長 ほかの参考人の方はどうですか。
◎山内参考人 私もそう思います。
◎堺参考人 私も思います。
◆山田[博]委員長 そこで、もう基本設計が終わって、実施設計に入る時に、今の予算の段取りは時間がかかるとしても、そこの意向を踏まえた上でやっていかないと、絵に描いた餅だし、後追いで、これは逆にお金がかかったりして、極端に言うと動線も考えないといけないわけだから。これは山下総括課長補佐、要はこの前、地元の方と意見交換会をした時に、県当局ではいろいろと苦労されて頑張ったんだけれども、予算の手当てがなくて、それができなかったんだと。できなかったものだから、今の状態としてはこれが精一杯だったと。しかし、私たちも議員として、やはりこのままでいいかというと許される状況じゃないので、そこはやはりお互いに認識を共有して、じゃ、これをどういうふうにしていくかと。このままでずっと継続していったらいけないわけだから、要するに日本で初めての高度衛生処理といったって絵に描いた餅なんだから。もっと言うと片手落ちになるわけですからね。これをしっかりと見直しをしてやっていかないといけないんだから、その分では、まず少なくともスタートとしてはこの設計を大幅に見直さないといけないというわけですよ、これは。
 それはどうですか、見解を聞かせてもらえませんか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 これまで基本設計の完成に至るまでは、平成23年6月でございますけれども、市場関係者と県市で、長崎魚市場高度衛生化設備検討委員会を立ち上げまして、実務者で組織する作業部会等々で鋭意検討してきたところでございます。
 平成23年度おいては検討会を3回、作業部会を8回、平成24年度では検討会を2回、作業部会を5回やっているところでございますが、こういう経緯も踏まえまして、今後、仲卸棟の追加的な整備については変更等も含めまして、前向きに検討していくことになると思います。
◆山田[博]委員長 これは部長、ここが高度衛生処理の中で一番のポイントなんですね。これは前向きに取り組むと、要は、今上がっている基本設計をもう一回見直して、仲卸棟も含めた高度衛生処理をしていくということで理解していいんですか。
◎荒川水産部長 基本設計につきましては、検討会、作業部会の方で了解を得て、もう完成しているものでございますので、これをまた一からやり直すということには、する時には皆様方、今まで決定してきていただいた方々の全員の了解が要るものと思います。
 ただし、それとは別に、今後、仲卸棟の衛生処理、高度衛生化、これについてどうするかというところにつきましては、今のままの形でできるかどうかというところは検討してまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 これは山下総括課長補佐、水産振興課として、はっきり言って、何度もさっき議論したとおり、部長、まだ部長も十分理解していただいていないみたいですからね。今の状態では、これは仲卸棟が高度衛生処理の対象になっていないから、要するにここを魚が通るわけです。魚が通るんだけれども、そこをやっぱりしないといかんというふうに考えたけれども、国の予算が認められていない。長崎県としてもそこまでの財源はどうするかということで、対象から外したわけです。当初、水産振興課としては認めていたわけですよ。認めたけれども、お金がなかったからしなかっただけなんです、これは。かといってそれだけで済まされることかとなるんですよ。あえてここでまた議論されて、私たち議員も、少なくとも私の地元の五島からも長崎魚市に運ばせてもらっているんですよ。そうしたら、高度衛生処理ということで、これは長崎県の魚が1円でも高く売れるような方法ということで大変喜んでいたら、ふたを開けてみたらそうじゃなかったということがわかったわけですよ。これを黙って見過ごすか、見過ごさないかの問題なんです。
 今、実際、実務担当の課としてはそれを認めていたわけだよ。それを何とかしないといかんということで、今、あえて陳情が挙がってきたから、今、改めて議論されているわけですよ。ここはどこかから降ってわいたのではなくて、これはもともとあった問題なんだよ。この問題をクローズアップするか、しないかの問題だったんだよ。これは問題があったのをずっとほったらかしていたわけですよ。
 これは部長、荒川部長も部長になって間もないけれども、こういった問題が確かにいろいろ議論されたけれども、今まで予算がない、予算がないとか言って、黙って済まされる問題じゃないということで皆さん方が立ちあがったわけですよ。皆さん、はっきり言って部下の中に役員もいたけど、言いたくてもそういった予算が、今、山下総括が言われたことがあったら、しぶしぶ黙っていたけれども、今、実際だんだん、だんだん自分たちの後継者のことを、将来のことを考えたら、これは問題があるということで立ち上がったんでしょう。参考人、どうぞお答えください。
◎山内参考人 当初、話が持ち上がった時、仲卸販売棟も何とか高度衛生化で一緒にやってくれという意見が大分出たんですよね。その当時、やっぱり一緒に足並みを揃えないと高度衛生化の意味がないと。それは最初から言っていたんですね。
 それで、県の方々の回答としては、いや、これは別個の問題であると。競り場と売り場は別個の問題ですよと。この別個の問題というか、いえば国の予算と県の予算で別個の問題ということだろうと思って、これは最初からできないということだったので、みんな諦めムードというんですか、諦めていたような風潮でずっと話が進んでいたと思います。
 小売さんとも話した中で、それでは競り場よりも売り場の方を先にしないとだめじゃないかという意見がいっぱい出てきたわけですよ。あと委員長がおっしゃるとおり、後継者のことも考え、今後のことを考えれば、やっぱり何と言っても私たちは一生懸命商売をしている仲卸販売棟をきれいにしないことには、どこから見たっておかしいねと。不衛生で、今でさえカラスが飛んできて、カラスがふんをして魚にくっつくとか、魚を運んでいたら、カラスが盗るとか、それは輸送中にそういうことが現にあっているわけですね。
 最初からこの話を持ち上げた時に、無理だ、だめだということで諦めていたというのが現状なんですよ。
◆山田[博]委員長 だから、冗談じゃないよ、これはね。私は県の担当者の方も救いがあったのは、やっぱり必要だと認めていたんだと、担当課としては。しかし、県の財政当局とか、国の方から補助金を出してくれないかと言っても出してくれない。県当局の財政に頼んだらだめだと蹴ったくられたから、そうしたら県の水産部、この農水経済委員会でクローズアップして議論して、これを吸い上げるんですよ。これは午前中にも議論があったじゃないですか。離島の魚、漁業者が減少している、またこれに輪をかけるようなものなんだよ、これは。これを取り上げない議員というのは出てきてもらいたいよ。これに賛同しない議員がいるのかと言いたいぐらいだよ。
 これは水産部長として、もう一度お尋ねしますけれども、これは担当課として問題意識を持ってやってきたんだよ。しかしながら財政当局から蹴ったくられたから、大変苦労した中でやっていたんだよ。極端に言うと、板挟みだったんだ、つらい思いをしていたと思うよ。それを水産部長がね、もうちょっと前向きな答弁をしていただきたいよ、私は。どうぞ。
◎荒川水産部長 私は今、水産部長ですけれども、昨年度まではこの検討会の座長もやらせていただいておりまして、この経過についても存じております。その中で予算の状況等をお話しいたしまして、とにかく水揚場のところの基本設計をこういう形でやりたいということでご了承をいただいて基本設計しております。ですので、この基本設計そのものを否定するという立場には立たないんですけれども、仲卸棟の衛生化、これが必要だということは、当初から私どもも考えておりまして、それについてどういう方策があるかというところは検討しなければならないと思っております。
◆山田[博]委員長 水産部長、その座長とかなんかというのは、私もそれはわからんでもないけれども、座長だからといって、この基本設計を否定するものじゃないとか、やっぱり時代が変われば見直さないといけないところがあるわけだから。それはあなたの立場はわからんでもないですよ、立場としてはね。これを苦しい状況の中でまとめたというのはわかるよ。しかし、そういった状態じゃないということなんだよ、もう。せっぱ詰まってここまできたんだから。ここをこうやって見直しをしてやっていかないといかん。全部否定するというわけじゃないんだから。もう一度部長。
◎荒川水産部長 全部否定するわけではないというお言葉をいただきました。要するに、基本設計は皆様方全員のご了解のもとにスタートしたと思っております。
 その上で、また仲卸棟の衛生管理が必要だというところについては水産部としても同じ思いでございますので、検討してまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 部長としては、座長をしていたから気持ちはわからんでもないですよ。今さら何で出てくるのかと言っていたけれども。しかし、わかっていただきたいのは、やむにやまれず、自分たちの将来のことを思ったら、これはいかんと思って立ち上がったということは理解してもらわないといかんよ。あなたの立場はわかっているんだから。基本設計を了承したんだから、今さら来てもらったら困るとかいわんばっかりのことは、気持ちはわからんでもないけど、そういったのはこちらの立場もわかってほしいと思いますよ、それはね。これは衛生処理に対応するということで。
 もう一個確認ですけれども、そうしたら、今度実施設計に入るでしょう。実施設計に入る中で、今のを含んだ上で着手していくということで理解していいんですか。どうぞ。今から実施設計に入っていくでしょう。実施設計に入る中に、そういったのを含めて考えていくのか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 実施設計については、詳細設計の中で第1回目の入札等を行って、既に着工している部分がございます。今後は全体の計画の中の見直しという中で、どう展開していくかということを検討してまいりたいと思っております。
◆山田[博]委員長 そういうふうにぜひやっていただきたいと思うんですよ。
 参考人の方はどうですか、今の答弁でですね、わかってもらいたいのは、お互いの立場があって苦しい立場ではあるんですけど、いい機会だから、お互いに言いたいことはどんどん言ってもらった方がいいと私は思うんですよ、もうすっきりしてですね。部長も立場があってああいった答弁とかあるんですけど、それで参考人に皆さん方の見解を聞かせていただけませんか。
◎武次参考人 今、部長の方から了解のもとで基本設計ができ上がってきたというようなことを言われたんですけれども、はっきり言って私たちが作業部会とかいろいろ出ている間に、こういうふうになりましたからこういうふうになりますというような意見しか聞いていないんですよ。はっきり言って、私たちも部会に出ていて、どこまでがどうなっていくのか、はっきり言ったら基本設計の段階においてこういうふうになっていきますと聞いて、100%納得しているというのはほとんどいなかったと思います。私自身も納得はしてなかった、はっきり言って。だから、ここのところがよくわからんということで、私たちが実際作業に携わっている人たちが話した時にこれではいかんよねと、正直な話、作業動線も長過ぎる。私たちも仲卸さんの仕事ぶりを見ていますけれども、トラックに積み込むところは、夏場は炎天下です。雨が降るとどしゃぶりの中でやっているわけです。これでは、はっきり言ったら、魚市場の機能として本当に成り立たないなと。
 そういうことから含めて考えてきたことが、他県の市場なんかを見ると、やはり競り場と仲卸の販売棟と駐車場と屋根付きで一体化になっていると。そういう部分からいくと長崎の魚市そのものは全くだめだなと、これが根本的に我々が考えていることなんですよ。だから、それを言う機会もなかなかなかったということで、とにかくこういうことで何とか要望をしていこうということがこの中で決まっていったことなんです、我々の意見として。その中から要望書を出していこうという形になりましたので、そこのところを酌み取っていただければと思います。
◎山内参考人 今、武次参考人が言われたとおり、やっぱり会議の中で、検討委員会、作業部会の中で各部門の方々が会議に出られていたんですけれども、会議の内容がやはり結果報告がメインの話であって、その中に今おっしゃったとおり、十分な意見を出すチャンスがないと言えばないような会議なんですよね。実際、ここの部分はこうなりました、ここの部分はこうなりました、前回の質問に対してこう回答しますというような会議の流れであって、あまりくだけた会議というのを話す機会がなかったので、こんなふうになっていったのかなと私は思います。
 現に、魚市場全体を見れば、本当に仲卸売り場と競り場と小売りさんが駐車場で積み込みする場所、それら全体を考えての高度衛生化というのは、この時期本当に必要じゃないかと思います。競り場だけの高度衛生化だったら、逆にほかの部分が際だって目立ち過ぎて、高度衛生化は逆効果じゃないかと思います。
○前田副委員長 堺参考人、何かございますか。
◎堺参考人 今、武次参考人が言ったように、やっぱり荷揚場と競り場と駐車場を一体化した設計をやってもらいたいと。
 小売りとしては、あらゆる整備費用が、管理費用が、今度できてからの費用もですけれども、全部魚に負担がかかってくると、魚の値段にですね。そうした場合に、小売りとしてはひどく苦しいんじゃないかと。ほかから入ってきたスーパーとか、量販店あたりに負けるわけですよ。そういう点をひどく懸念しているわけです。
 それで、高度衛生化で立派になるのはいいんですけれども、私たちはまず仲卸売り場をきれいにしてもらいたいと。さかな祭りとか、いろいろな問題で消費者の方が来られた場合に、もうちょっとどうかならんかなと。
 もちろん荷揚場も大事ですよ。しかし、ひどくぴんぴんした、きれいな魚を揚げるところですから。それよりも仲卸売り場をよくしてもらいたいと。これから先の負担自体が、魚に転嫁されるんじゃないかと。今もって魚がだんだん、だんだん少なくなってくる現状で、果たして10年先、15年先どうなるんじゃろうかと、そういう懸念が、いろいろと話を聞きます。
◆山田[博]委員長 最後の項目、私はこの3つ目のだけで一旦終わりたいと思います。
 競り場の時間帯というのは、これはやっぱり今から、先ほどの事例がありましたけれども、この事例に基づいて長崎の魚市の条例を見ましたら、一応条例の中には午前零時から午後5時までということであります。ただし、知事が必要あると認める時にはこれを変更することができるということです。要するに皆さん方の中で、実際、いろいろと早めたら人員とかなんか増えると思います、確かにね。しかし、一番問題なのはこれですね、魚の価格が1円でも高く売れるかどうかが一番問題だと思うんです。そうすると、競りを例えば30分とか1時間とか早めたらどうですか。その価格というのは、先物取りして向こうが早いわけだから、福岡とか何かがね。そこを買ってしまって、要するに競り負けるわけでしょう。どうですか。早くした方が結果的には生産者に対してプラスになるかならないか、それをお答えいただけますか。
◎山内参考人 さっき、私が発言の中で言ったんですけれども、1時間の差ということで、1時間で魚を福岡までも運ばれる。1時間半、1時間ということで。ということは、やはりよその市場との価格の比較というのは魚を競る人たちは問題にするわけですね。早く競りが始まるということは、その値段を基準にして長崎の相場が決まると言われているんですよ。やっぱりよその市場に対抗してでも、早く魚を競って、その市場なりの値段、価格を決めた方が、よそに競り勝ちするという面で、全然違うという理解をしています。
◆山田[博]委員長 理事者にちょっとお尋ねします。福岡の市場と松浦とか佐世保があるでしょう。長崎は今、5時ですね。県内のほかの主な松浦の西日本魚市と佐世保魚市と、時間を教えてもらえますか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 競りの開始時間ということでございますけれども、長崎魚市場が5時から17時、佐世保魚市場でございますが、4時半から15時、松浦魚市場ですが、5時から17時、それと九州内の福岡中央が3時から15時でございます。
◆山田[博]委員長 それで、参考人の方にお尋ねしますけれども、この佐世保は30分早めたそうですね。早めた理由をご存じでしたら教えてもらえませんか。
◎山内参考人 やっぱり先に佐世保の相場を見て長崎の相場を決めるということで、やっぱり後手に回るわけですね。そういう関連があって30分早めたんじゃないでしょうかね。
◆山田[博]委員長 これは水産振興課で、こういったのは、要するに一番は生産者の所得向上でしょう。県民所得が昨日からずっと出ていますけれども、県民所得の向上のためにいかなる施策を取り組んでいくかという中で、これは水産振興課、これは魚市の所管をしているのは水産振興課ですね。この魚市の開始時間も、一番は生産者だから。生産者にプラスになるような開始時間というのを検討してもらいたいんですけれども、いかがですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 県は、開場の時間について条例等で定めているところでございます。卸売り場において、競り時間を決めるという形でございますが、卸の考え方をお披露目したいと思いますけれども、一応生産者の立場からすればメリット・デメリットあると思います。例えば離島の方だと、フェリーの便とか、トラックの便があって、その時間に間に合わないという意見もありましたけれども、まずは状況を調べてみたいと、そういう話でございます。
 協会の中に取引検討委員会なるものがありますので、今後、そういう時間の変更等々について、十分協議していく必要があると思います。
◆山田[博]委員長 そういうことでお願いしたいと思います。
 私は一旦終わります。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆溝口委員 先ほどから陸上輸送の魚は取り扱わないということになっているんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 陸送物も同様に取り扱うということです。ただ、産地、陸揚げ場所がわかるように管理するということでございますので、対象になります。
◆溝口委員 例えば、長崎なら長崎の範囲で捕れた魚については、完全に取扱うということでいいわけですけれども、例えば先ほど言っていた福岡に揚がった魚をそれぞれの魚市場に持ってきて販売しているという部分もあるんですけれども、その辺についてはどのように考えているんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 同様に、原理原則としましては、その産地が明確であれば、わかるように管理していただけば結構ということでございます。対象となると思います。
◆溝口委員 わかりました。そうしたら、ほとんどの魚が大体産地がわかれば取り扱うということで理解はしておいていいわけですね。
 先ほど来、時間とかを言っていましたけれども、空調施設の検討結果の開示ですか、新しい施設整備に対する空調施設の検討結果の開示ということですけれども、これは何か秘密にしなければいけないような部分があったんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 卸売り場の空調につきましては、市場の関係者から懸念の声があることは承知しております。現在、長崎大学の専門家にシミュレーションによります検証をお願いする予定でございます。その結果がわかり次第、作業部会等々で報告させていただきます。
 何らかの措置等が必要となった場合、今後、予定される詳細設計の中で検討していくという形になると思います。
◆溝口委員 ちょっとわかりにくかったんですけれども、開示するまでの結果が出てないということで、今、長崎大学等でいろいろ話し合いをしているという段階なんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 実際、力学的な検証がわかりづらいということでございますので、科学的な検証を明確にしまして、皆様のご理解をいただくようなデータを提供すると、そういうことでございます。
◆溝口委員 参考人に聞きますけれども、その空調施設というのは、ぜひしていかないといけないという考え方があるんですよね。その中で、この検討結果を開示していただかないと、もし、それがだめとなった場合には、参考人としてはやはりそれではおかしいということになってくるわけですか。
◎山内参考人 現状、長崎魚市場の中の低温売り場というところが今新たにできて実際使っているんです。ここに空調があるんですけれども、やっぱり空調を入れない時は、梅雨の時期はカビが生えるんですね。湿度がとにかく高くなって、カビが生えます。そういうことを私たちは目の当たりにしてきて、どう考えたって空調は要るだろうと。じめじめして湿気があるところで、閉鎖型の施設ということで、密封された中で魚が並ぶということになったら、菌の発生とかというのもなおさら危険性があるのではないかと想定されるので、私どもはぜひとも要るということかなと思いました。
◆溝口委員 わかりました。そうしたら、仲卸しの皆さん方は絶対に空調は要るんだということです。県の方としてはまだ検討していくということなんですけれども、この辺を検討する余地がなんであるのかなという気が、すべての人がやっていかないといけないという、もし梅雨なんかにカビが生えたら、魚は高度衛生処理ということにはならないんじゃないかという気がするわけですけれども、絶対に必要と言っている仲卸さん方の意見は、ちゃんと大学の検討委員会の方には伝えているんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 6月に基本設計なるものを公表いたしたところでございますけれども、その中では専門家の意見といいますか、その基本設計の中では空調が大丈夫であるということで要らないということの結論に至っております。ただし、市場関係者の皆様はそうう懸念があるということでございますので、その検証を含めて大学等に実証試験等とシミュレーションをしていただくということでございます。
◆溝口委員 ただ、現場で働いている方々が、どうしても懸念があるということを、やはり大学の方にも伝えていかないと、そのことが検討の中に入ってこないとおかしな結果が出てくるんじゃないかと私は懸念するわけですけれども、その辺は参考人たちはもうちゃんと県の方を通じて言っているんですか。それとも、大学の検討委員というのがわかっていて、その大学の検討委員の方には参考人の人たちは何も言っていないんですか。
◎山内参考人 県の担当の方には言っています。大学の方には言っていません。
◆溝口委員 そうしたら、大学の方ではどういう検討というか、何人ぐらいで検討をするんですか。その専門家たちが何人かおって検討していくんですか。その検討委員会かなんか立ち上げているんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 長崎大学の工学部の先生にお願いするということでございまして、今後、皆様のご意見については伝えたいと思っております。
◆溝口委員 ぜひ、その工学部の先生方に伝えていただいて、現場の声というのを大切に伝えていかないと、変な格好に進んでいくと私は思うんですよ。だから、その辺についてはしっかりと、今後、参考人の皆さん方の意見を聞いて、ぜひ工学部の先生方に伝えていただきたいと、このように思っております。
 先ほど、委員長の方もいろいろ質問をしていましたけれども、やはり高度衛生処理については仲卸販売棟も高度衛生処理をしていかないと、日本で初めての高度衛生処理をする魚市場ができてくるわけでしょう。初めてでしょう。
◎田中水産部参事監 日本の中で高度衛生管理型荷捌所というのは、この前、例えば静岡県の沼津とか、新潟県の新潟港などに既にできている施設はございます。ただ、これらはいずれも比較的、長崎魚市に比べると規模の小さなものでございまして、日本で初めてと申し上げていますのは、特定第三種漁港という全国に13ある漁港の中で、平成23年度から港全体の荷捌所の高度衛生化に取り組んでいるという意味では初めての事例だと申し上げているところでございます。
◆溝口委員 今言われた2箇所については、先ほど言う荷揚場と仲卸販売棟については高度衛生処理をするような形にはなっていないんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 現在、陸揚げされる卸売棟が、いわゆる高度衛生化になっておりまして、これを小売りの方にお分けする仲卸棟については、今対象とはなっておりません。
◆溝口委員 今、静岡県の沼津と新潟にある2箇所の問題ですよ。そちらの方はどのようになっているんですかと聞いているんですよ。
○山田[博]委員長 しばらく休憩いたします。
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     −午後2時31分 休憩−
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     −午後2時38分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開します。
◎山下水産振興課総括課長補佐 卸売棟と仲卸棟が一体型になっているところは、沼津に1件あるということを承知しているところでございます。
◆溝口委員 今回の事業については、やはりこの衛生処理ができている場所に行って、ちゃんと見てやっていってくださいということと、それから現場の仲卸の皆さん方や生産者の方など、現場の方々の意見を吸い上げてやってくださいということを、前回、魚市場に視察に行った時に言っていたと思うんです。その中で沼津の方が仲卸販売棟もちゃんとした衛生管理をしてやっているということですけれども、一体的にやっていかないと、長崎から国民、あるいは県民に安全・安心な魚を送るという形の中では、やっぱり販売棟の方もちゃんとしたものにして、それからしっかりしていくという形をとっていかないと、私はおかしいんじゃないかと思うんですけれども、部長、そこら辺については国の方に強く言って、これを一体的な衛生処理ができるような施設に組み入れていかないといけないと思うんですけれども、このことについての考え方をお聞かせください。
◎田中水産部参事監 溝口委員からご指摘がありました仲卸の売り場も一体的にやっていかないと、まさに漁港の高度衛生管理というのはなし得ないのではないかという点については、今、ご議論がござましたように、そのようには思います。ただ、現状の高度衛生管理対策としてする国庫補助のメニューという観点では、現状、岸壁の直背にあります荷捌所の部分については国庫補助の対象になっておりますが、この仲卸売り場については現在の事業の中では国庫補助の対象になっていないという現状がございます。したがいまして、これに対して必要な整備の事業費を確保していくには、そういったところに位置付けをしていただくとか、そういった形での制度の改正なども必要になるのではないかと思います。
 そのようなことから、仲卸棟の整備の必要性というものが、関係者の合意も含めて整理ができたということであれば、国にそういった観点での事業メニューの拡充とかを要望していくということではないかと考えております。
◆溝口委員 わかりました。ただ、制度の改正ということになれば、かなり時間がかかってくると思うんです。やはり魚市場と仲卸の皆さん方と一体になって、このことについて訴えて、その辺については県が国に強く申し込んでいかないと、この制度に乗らないと思うんです。今後、国がこういう高度衛生処理の魚市場を建設していく上では、特定第三種、大きな魚市場としては初めてですから、今後につなげるためにも、ぜひそこら辺については力強く訴えていただきたいと思いますが、その辺についての覚悟というものをもう一回聞かせていただきたいと思います。
◎田中水産部参事監 今、委員からご指摘がありましたように、衛生管理、荷捌所、そして仲卸も含めて、必要性についてはご指摘を十分に賜ったところでありますので、長崎漁港の高度衛生管理が確実なものとなるように、必要な取組といいましょうか、制度の改正も含めて要望はしてまいりたいと考えております。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◎武次参考人 先ほどの空調施設の件で補足します。我々が懸念しているのは、この空調が必要ないようにするために天井の高さを5.5メートルにするという話でした。冷たい空気は下におりて、暖かい空気は上に上がると。それはそれで納得できるんですけれども、もしそこで、やはり空調が要るとなった時のランニングコストというのは莫大なものになるということが一つ懸念されるんです。そうした時にその費用が発生したらどうなっていくのかという部分も皆さんが懸念しているところなんです。後でやっぱり空調が要るとなった時、それはコストが全然違います。そこは慎重に専門家の先生たちとしっかり策を練ってやっていただければというのが我々の要望です。そういうことです。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
◆野本委員 先ほど来、要望等についての話を賜りましたけれども、その前に、今年の6月25日に長崎魚市場高度衛生化施設整備検討委員会が開かれて、その審議事項という中で、全部読みませんけれども、「質疑応答があり、審議の結果、基本設計案を原案のとおり承認された」とか、あるいはまた、「事務局から、配付資料に沿って公表の時期、方法、内容にかかわる事務局案を説明したところ、異議なく承認された」と。また、3番目には、「事務局から、配付資料に沿って高度衛生管理推進体制の必要性、枠組み等に関する事務局案を説明し、今後、作業部会において事務局案をたたき台として推進体制を協議していくことを確認された」と、こういうことが報告されているわけですね。
 だから、先ほどの部長の答弁と参考人の皆さん方と少しミスマッチがあるような感じがしたものですから。過去は過去でそういうことがあったにしても、しかし、今ここに7項目の要望がなされています。この要望について、著しく基本設計と、あるいはもともとの国の予算のマニュアルに問題が生じて、とてもじゃないけれども、全部ご破算になるよということに発展するのかどうか。そういうことになってはいかんわけですが、この辺の整理をしていって、当然国の方にも、生産者の皆さんが言っていることはそのまま生活にかかわる話ですから、これをそのまま今の話だけで終わってしまうと、これは大きな禍根を残すんじゃないかと思いますので、せっかくこういうことで要望されたことについては、我々も真摯にこの要望を聞いて、そして行政側にもこの問題について、できるものとできないものとあるかもしれませんけれども、これはやっぱり協議をもう少し詰めてやってもらわなければ、今のままですっといってしまうとおかしい形になるんじゃないかと思います。今言ったように、何かしても全部コストにはね返ってくるぞと。その金は誰が持つかと。要するに消費者が払うとなってくれば、売る方の問題だって出てくるわけですからね。この問題については、スパンも10年という形でありますし、中身については一つひとつ精査していくというよりも、検討しながら方向性を出していかなければ、私はせっかくのこれだけのものをやろうとして意気込んでおられるものが、結果的に違った方向で事が進むんじゃないかと思うんです。これはもう我々もこの委員会の委員として責任を感じますので、どうぞひとつ行政当局はもう一回、今日の話をよく聞かれたと思いますので、この辺もよく内容を精査して、そしてできるもの、できないものについての話をきちっとしなければ先に進まないと思いますので、その辺は要望しておきたいと思います。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆高比良[末]委員 感想だけ、意見だけ申し上げておきますが、いろいろお話を聞きましたけれども、この高度衛生化事業ですね、国の予算に伴って局部的にやられていますよね。しかし、一体的にやるのがベターなんですね。だから、このまま国の予算だけで考えて、中途半端に一部だけやれば、結果的に長崎県が笑われますね。何を考えているのかと、高度衛生化の意味を全然わかっていないというような最終的な姿になりそうな気がしますので、水産部長としても気持ちは聞きました。やっぱり完成した時には今参考人の皆さんが言われたような形になるように努力をしないと禍根を残すのではないかと思っておりますので、意見として申し上げておきたいと思います。
◎荒川水産部長 今、ご意見いただいたとおりでございまして、私どもも全く同じ思いでございます。この平成25年の農林水産行政に関する提案要望書、これは知事と議長、両方で国に対して要望させていただいた中にも「長崎漁港の仲卸棟の高度衛生化についても国の補助事業とすること」ということで要望させていただいているところでございます。今のところ県でとは考えておりませんで、国の方に制度を改正していただきたいということでもう既に動いておりますので、国に理解いただけるよう今後とも引き続き要望を続けてまいりたいと考えているところでございます。
◆前田副委員長 もう繰り返しはしませんけれども、具体的なスケジュールだけ確認したいんですが、現在の高度衛生化の計画というのは、今基本設計ですよね。この後、実施設計がどれくらいでできて、着工はどの時期からで、完成がいつなのか、以前資料をいただいていますが、もう一度確認のためにお知らせいただきたいと思います。
◎山下水産振興課総括課長補佐 平成23年に測量設計を始めまして、今年、一部入札に着手しているところです。西棟の魚かん倉庫でございます。
 そして、平成25年に荷捌所の仮移設の設置に着手し、平成32年中の完成ということで、随時東棟、西棟、相互に解体と建設を繰り返しながらやっていくということでございます。
 別途長崎魚市場のスケジュールということでお示ししておりますので、こういう形で進めさせていただきます。
◆前田副委員長 実施設計はどの時期になるんですか。もう終わっているんですか。今からでしょう。それはいつでき上がるんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 実施設計は建築課の方でしていただきまして、今、魚かん置き場、西棟の先端部分でございますけれども、それについてはもう入札が終わって着手しているところです。随時、西棟、東棟、工区に分けて着手するところでございます。
◆前田副委員長 今日の委員長を中心としたやりとりの中で、結局委員も含めて、仲卸販売棟の整備がとにかく必要だという認識には立ったと思うんです。だから、今、国に対する要望は要望として、先ほど補助メニューの創設をお願いする作業は、当然これからも引き続きやっていかなければいけないと思いますが、今のタイムスケジュールを聞く中で、やっぱりある程度のところで線を引いて、じゃ、県としてメニューにつくのか、つかないのかは別としながらも、どこが財源を持つのか別としても、どの時期までにどういうものを仕上げていくかという見通しを立てないと、出戻りになったり、さっき基本計画から見直すべきではないかという委員長の質疑もありましたけれども、この計画はこの計画で多分生きていくわけでしょうから、そうした時に次回の議会ぐらいまでには全体の、どこでお金を持つかは別としながらも、今求められているような物の整備が必要という前提に立った時に、どれぐらいの財源が必要なのかということと、それに対して設計とか、実施設計、本体の方に影響がないような形で、どこまでにどういう作業を詰めなければいけないかというのは、次の議会ぐらいまでに提出をいただければと思いますけれども、それは可能ですか。水産部長にお伺いします。
◎荒川水産部長 次の議会という期限を切っていただいたわけですけれども、それまでに魚市に勤められている方の同意を取ったり、ご意見を聞かなければならないと思いますので、少し時間がかかると思います。
 ただし、総合的にどういうものが必要なのかというところの検討作業には入らせていただきたいと思います。
◆前田副委員長 今日、やりとりを聞かせていただいて驚いたのは、やはり計画を立てる検討委員会があって、その中でこういう課題なり要望があったのが、なかなか反映されてなかったというのが、非常に問題というか、どうしてそうなったのかなという気はいたしております。
 そうする中で、片方の計画はずっと進んでいくわけですから、やっぱりそういう意味では要望されている方がいらっしゃいますので、そしてまた理事者も委員も含めて、そこは一体的に整備すべきだという認識が共通であるならば、粗々でも結構なので、早い時期に現場の方に安心していただくためも含めて、もしかするとその中でまた新たに有意義な提案が出るかもしれませんので、粗々のものをできる限り早急にという形で提示をしていただきたいということを要望したいと思います。
◆高見委員 私も要望にしたいと思いますが、野本委員も先ほど言われました。検討委員会の会議の中身、そしてまた、まとめ、実は今、見てみますと、検討委員会は平成23年度に3回、平成24年度に2回、作業部会に至っては平成23年度に8回、平成24年度に4回と、これだけの回数を重ねられて今日に至っているわけですね。
 しかし、今日の陳情にもありますように、協議会の設置を含めてありますから、この中で十分に議論が尽くせなかった。あるいはまた、要望事項が反映できなかった結果だと思いますから、ぜひ中身についてはもっと十分に意思疎通ができて、やっぱり要望事項に対してきちんと見える形でまとめることができれば一番なのかなというふうに思っています。そういうことで、ぜひそうした気持ちに立っていただいてこれから進めていただきたい、このことを要望したいと思います。
◆陣内委員 私の方からも要望という形で述べさせていただきたいと思うんですが、高比良(末)委員からの話がありましたように、これはやっぱり高度衛生という形でいきますと、一体化して整備をしていかないといけないだろうと、それはもう本当のことでございます。
 だから、基本設計の段階で本来はそれが十分審議をされなければいけなかったんでしょうが、補助事業の制度等でなかなか話が出なかったんだろうと思います。
 今後は委員会としても、ぜひ継続して集中審査もしていただいて、そして補助制度に乗るようなバックアップをこの委員会からもできるような体制で臨んでいただきたいということを希望して、私の意見とさせていただきます。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 なければ、委員長を交代します。
○前田副委員長 委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 今日は、参考人の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、来ていただいたわけでございますが、皆様方の意見と理事者の話をお聞きして一つ今回明らかになったのは、理事者としてもいろいろやりたかったんだけれども、国の方に要望してやってきたと。決して皆さん方のご意見を無視したわけじゃないんだけれども、財政的な縛りとスケジュールがあってこういう結果になったということです。こうせざるを得なかったということをご理解いただきたいと。決して無視したわけじゃないんだと、やむにやまれずこういった状況に陥ったということがわかりました。
 しかしながら、このままの状態で基本設計が進んでいくと、これは委員の皆さん方もご理解いただいたと思うんですけれども、高度衛生処理というのが絵に描いた餅、片手落ちになってしまいますから、今後は理事者も国に要望して予算の獲得を目指し、また、県当局も自己財源を模索しながらいきたいと。しかし、その一方で、この基本設計というのは守りつつ、仲卸棟ですか、それも高度衛生の対象になるよう今から進めていくということでご理解いただければと思うんです。参考人の皆さん、そういったことです。
 これは今後も、次の議会でも経過報告をお聞きして、場合によってはまた集中審査をしていただきたいという要望もありましたので、そういった形をとっていきたいと思います。これについてはそういうまとめになるんじゃないかと思うんですけれども、理事者の方と参考人の皆さんから何かご意見がありましらお聞かせいただきたいと思います。
◎山内参考人 今日、いろいろ問題点を審査していただいたんですけれども、やっぱり基本的には本当に長崎県の水産物ということで、全国でも有数な水産県長崎、この長崎の魚市場を何とかみんなでいい方向にという基本的な考えのもとで、私たちはそこに携わる仲卸として、また小売りとしてのいろんな意見を発言させていただき、こういう公の場で審査していだたきました。見ていますと、年々、本当に水産業がどんどん衰退している中で、やっぱり長崎県は水産で全国でも有名であると、そういう魚屋魂ということを忘れないように私たちも一生懸命頑張っていきたいと思います。
 特に、今回、高度衛生化という一大事業の中で、全国でも初めてということで、よその市場の見本となるような市場を皆さんのお力でつくっていただければ、中で働く私たちも一生懸命、今以上努力して魚を販売する、そして魚の値段を幾らかでも保てる、末端の一般市民の方々の食卓にもおいしい、いい魚を届けるということを目標に頑張っていきたいと思います。
 今日は本当にありがとうございました。
◎荒川水産部長 長崎県が水産県であるという自負を持ちまして、一生懸命よいものができるように努力してまいりたいと考えます。
○前田副委員長 委員長を交代いたします。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、本件についての意見聴取は終了いたします。
 参考人の皆様方におかれましては、大変お疲れさまでした。ご協力ありがとうございました。
 それでは、参考人にはご退室いただきたいと存じます。
 しばらく休憩いたします。
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     −午後3時0分 休憩−
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     −午後3時11分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 60番以外の陳情書について、何かご質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、60番以外の陳情書につきましては承っておくことといたします。
 これより、議案外の所管事務一般に対する質問を行うことといたします。
 まず、「政策等決定過程の透明性等の確保に関する資料」について、委員長判断として通告外でも質問を許可したいと思いますが、よろしいでしょうか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 質問はありませんか。
 委員長を交代いたします。
○前田副委員長 山田(博)委員長、どうぞ。
◆山田[博]委員長 今、入札の結果を見ましたら、結構失格が多いんですね。私がいろいろお聞きしたら、建設会社が単なる低価格で失格した場合と、それ以外の設計の積算価格が違った場合と多々あるわけです。
 今回出ているもので、18ページに失格者がたくさん出ているんですけれども、こういった失格の原因というのはそれぞれ調査されているのか、されてないのか、それをまず答えていただけますか。
◎壱岐漁港漁場課長 この失格の原因については、入札のあった時に、そのランダム範囲にあるのかとか、いろんな条件を見ながら落札者を決めております。
◆山田[博]委員長 そうじゃなくて、私が言っているのは、失格が多い時は単なる設計ミスなのか、それとも単に価格競争でこうなっているのか、そういったことをちゃんと調べているか、調べていないか、答えてください。
◎壱岐漁港漁場課長 この委員長のご質問ですけれども、入札会場において、例えば全員失格した場合については、一回保留をかけまして、その設計書が正しいのかどうかとか、この18ページの事例については、ランダムの範囲に入っているのかをその場で判断しながら落札者等を公正に判断しているところでございます。
◆山田[博]委員長 そしたら、一応調査はしているんですね。(「はい」と呼ぶ者あり)調査した上で落札者を決めているわけですね。
 11ページに指名取消とありますね。これはなんで指名取消になったんですか。
◎壱岐漁港漁場課長 この部分におきましては、長崎港で事故がありまして、水産部の指名後に指名停止になったということで、指名が取り消しになっております。
◆山田[博]委員長 指名停止になったので、指名取消にしたということですね。
 では、参考までに教えてもらいたいんですけれども、落札が決まったとするじゃないですか。落札が決まっていても取り消しになるわけですか。
◎壱岐漁港漁場課長 落札日が、指名停止期間でなければ落札にはなります。落札後に指名停止が来た場合については、そのまま落札になります。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 ほかに質問がないようですので、次に、議案外所管事務一般について、事前通告に基づき進めさせていただきたいと思います。
 事前通告された委員の方で質問はありませんか。
◆高見委員 簡潔に終わりますので、1番バッターでさせていただきます。
 まず、説明資料の4ページ、長崎空港農水産物アンテナショップの設置についてということです。この委員会で県外視察に行く折に、長崎空港で開店のセレモニーにも立ち会わせていただきました。
 私がお伺いしたいのは、ここに書いていますように8月1日から今日まで、例えば8月の1箇月間、どんな売上状況であったのかを教えていただきたいと思います。
◎増本水産加工・流通室長 8月の長崎県農水産物アンテナショップの売上、販売額につきましては366万7,000円でございます。これは前年同月比91%になっております。その内訳としまして、水産物は258万円、これは以前の俵物空港ショップの前年比96%になります。
◆高見委員 前年比よりはちょっと売上が伸びていないという報告ですね。
 夏休みの期間中ということで、空港利用者は結構多かったのではないかと思いますが、その報告を受けてちょっとがっかりしたような感じもございます。皆さん方に馴染んでいただければ利用も増えるのではなかろうかなという期待を込めまして、この分は終わります。
 問題なのは、どれくらいをこのアンテナショップで売上、あるいはまた販路拡大につながるようにと思われているのか、その目標があればお聞かせいただきたいと思います。
◎増本水産加工・流通室長 先ほどの売上につきましては、8月はオープニングセールということで10%オフでやっておりまして、それで一部へこみまして、9月につきましては23日段階で、俵物については前年比8%の増となっております。
 それと目標につきましては、俵物ショップにつきましては平成15年から空港に設置しておりまして、今日までずっとアンテナショップとして販売を続けているんですが、売上につきましては平均で3,000万円を超えていたんですが、平成19年度には4,000万円近く、3,900万円ぐらいまで販売額が伸びまして、前年度までは3,000万円を切るような状況、途中で販売額が落ちております。理由といたしましては、従前の俵物の空港ショップにつきましてはエスカレーター横の人通りの多いところにあり、その時期には売上等がかなり伸びていたんですが、その後空港の改修等で奥まった場所に移転しまして、その後、売上が減少しております。
 それで、今回、農産物の直売所のショップ、臨時店舗があったんですが、そこと一緒になりまして、平成24年8月1日からオープンということで今動いているところでございます。
 そういった状況の中で、水産部といたしましては、平成19年度の3,900万円というのを大きな目標として、この額を目指して頑張っていきたいと思っております。
◆高見委員 10%割引を換算すれば、昨年よりはちょっと伸びたという格好になるんですね。
 次に、3ページ、これは追加1の方に長崎俵物の認定状況ということで、新たに追加をされたという報告も載っています。私の質問は、これが新聞に記事として載った時に、売上は6億円でしたか、コメントとして、「順調に伸びています」というコメントがあったものですから、ちょっとかちんときたといいますか、どこが順調に伸びているのかと疑問に思ったものですから、これは嫌がらせの質問になったかと思います。
 私の感覚からすれば、俵物という制度をつくって取り組み始めてから、必ずしも順調に売上が伸びたという感想がないものですから、こんな質問といいましょうか、本当に順調にいっているという感覚で皆さん方も認めているんですかというふうに聞きたかったのですが、最初に言いましたように、これは嫌がらせですから、これはやめます。
 委員長、お願いがあるんですが、実は先だって、漁業取締船ながさきの竣工披露式がございました。本来ならば、委員会ですから質問通告をしなければいけないんですが、竣工披露式の方が質問通告の締め切りの後であったということで、質問させていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○山田[博]委員長 しばらく休憩いたします。
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     −午後3時22分 休憩−
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     −午後3時22分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 高見委員、取締船というのは今回できたので、委員の皆さんから今回だけということですが、いいですか。(発言する者あり)
○山田[博]委員長 しばらく休憩いたします。
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     −午後3時23分 休憩−
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     −午後3時23分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
◆高見委員 竣工披露式に行かれた方は、取締船を見られて多分思われたと思うんですよ。
 水面上に見えるところでボディが波打っていたということでございました。いわゆるJVであの船の建造を手がけていらっしゃったということですが、私が思ったのは、地元業者と県外業者と一緒になってのJVなんですが、私どもが議会の中で地元業者も入れてほしいというふうに要望しているのは、いわゆる仕事を地元業者に流すということが一つですね。もちろん、それに伴って請負の工事費も県内に残るという考え方からです。
 いま一つは、県外の業者の優れた技術力を、一緒に取り組んでいただくことによって養っていただくということがあろうかと思いますし、その先にはやっぱり地元業者が技術力を養ったあげくに県外にも出ていって、そうした主要な仕事を受注をしてほしいという願いがあって、議会としても、議員としてもそんなお願いをずっとしてきたのでした。ところが、今回はそういうことで波打ち現場を見まして、非常に落胆をしたというか、むしろ今言いましたような内容を理事者側にご理解いただいているとすれば、もう少し竣工披露式までの間に手直しなどできたのではなかろうか。なぜこういう状態で納品を受けたのかというところが疑問として残ったわけでございます。
 今後の取組等も含めて、何かあれば、もちろん質問通告しておりませんので、十分なご回答がいただけるとは思っておりませんけれども、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
◎長嶋漁業取締室長 実は、新船「ながさき」につきましては、8月24日に竣工引き渡しを受けております。私もその日に現場に参りまして船を見た時に、デッキの方に多少の凹凸があるということで、すぐに現場で自分でも触ってみて状況は確認いたしております。
 ただ、造船所の担当ともすぐに話をいたしましたけれども、光の関係でかなり凹凸が見えるけれども、実際に触ってみますと、そんなに激しい状態ではないというお話もいただきましたし、施工監理の設計業者もそこにおりましたので、確認いたしましたところ、安全上の問題とかは全くないということもありまして、その場では竣工引き渡しを受けております。
 今後、この状態がどうなるかというのは注視してまいりたいと思っておりますので、半年ごとの点検のたびにそこは確認して、安全上、それから運航上の支障のあるなしについては確認してまいりたいと思っております。
◆高見委員 漁業取締室長からお答えをいただきました。私が仮に発注をする側だとすれば、これはなんだと、6億円の船なんか私は発注できませんけれども、例えば100万円の自動車を買おうとした時に、表面がでこぼこ波打っていたら、「これはちょっとどうにかしないと、おれは買えない」と、多分言うだろうと思います。そういう意味で、私が先ほど言いましたようなそんな気持ちを受け止めていただいて、今後に活かしていただくようにお願いして終わります。
◆高比良[末]委員 4点ほど質問通告しております。
 まず、1点目は、離島における水産業の振興について。その中の水産物の安定した流通ルートの確保対策ということで通告をしております。
 先般、五島の方に視察に行きまして、水産関係者といろいろ話をしました。県に望むことがいろいろありましたが、一つは今、流通コスト軽減に支援をしていますね。そういうことをしてもらっているが、我々はそういう問題じゃなくて、安定した流通ルートの確保を望んでいると。これは何を言いたいかと言えば、飛行機を利用しているけれども、しょっちゅう故障していると。台風が来るとか、こういう時は事前にわかりますが、故障していつ飛行機が飛ばなくなるか、非常に不安定であると。もうここが一番困っているということでありました。
 しかし、なかなか代替もありませんが、かなり経済的な損失もあるやに私は感じました。特に、水産物は鮮度を売りにするものですから、その日がだめなら、もう次はだめとか、そういうこともありまして、その辺について実態を水産部としてどのように把握されているのか、お答えいただけますか。
◎増本水産加工・流通室長 先日、私も高比良(末)委員と一緒に五島の方に行かせていただきました。
 その時に加工業者のご意見だったのですが、今おっしゃったとおり、例えば航空便の貨物の積載量の限界がありますとか、搭乗客の割合によっては予定数量の荷物を運べないとか、あと荷物の受け取りの締め切り時間が早くて、とても水産物を飛行場まで持っていっても間に合わなかったりすることがあるということでした。船便につきましては、船の運航の状況によると思うんですが、取引先の納品時間に間に合わないとか、船の積載数量が限られているものですから、全て積載できない状況があるというふうに私もその時に伺っております。
 後日、五島振興局を通じまして詳細な聞き取りをいたましたが、このような状況でございました。
◆高比良[末]委員 ということは、十分に実態を把握されているということですよね。
 いろんな離島の関係を見て回りますと、本当に頑張っているんですよね。ところが、地理的ハンディで、あるいは本土と比べると流通ルートにハンディがあってかなり苦労されております。何かしてやりたいなという気持ちはありますが、実態を見て、安定的な流通ルートの確保という点で何かお考えがありますか。
◎増本水産加工・流通室長 物理的な飛行機の便とか、そういった貨物の容量を増やすとか、そういったことは所管課の方にお伝えしまして、一緒になって検討していきたいと思っているんですが、水産部でできることは、出荷前の、例えばあそこは加工品をつくっておりますので、その冷凍技術、チルドの流通ではなくて、冷凍技術をもう少し進める改善策とか、あと輸送の時の鮮度保持の輸送技術、こういった改良について加工業者のご意見を伺いまして、何かお手伝いできることがある時には、その内容を一緒になって検討しまして、先ほどの物理的な面につきましては、所管課にお伝えしまして何とかご希望に添えるような形で検討してもらうようにお伝えしたいと考えております。
◆高比良[末]委員 この物流ルートは所管課が違いますが、水産の関係はこちらが本職ですので、まず実態をよく知っていただいて、一緒に考えていただいて、何をどうすればいいのかというのを、今までより以上に連携をとっていただいて、いろんなところに働きかけて、少しでも頑張りに見合うような、いろんなご苦労をされておりますので、この辺については今後、取組を強化していただきたいと思いますので、よろしくお願いしておきます。
 2点目は、外国漁船よる養殖マグロの被害、外国の船が養殖いかだに接触をしてマグロが逃げたという事件でしたが、この養殖いかだの接触防止策というのは、行政でこうしなさいということはないのでしょうが、ここにいかだがありますよといって旗を立てるとか、そういう指導はしないのですか。普通、船はぶつからないのになぜぶつかったのか。ちょっとその辺の原因、あるいはその対策としてどういうことをされているのか、お伺いします。
◎山下水産振興課総括課長補佐 今般、事件がございましたけれども、養殖いかだは知事免許でございます区画漁業権に基づきまして、波静かな湾内や沿岸域に設置されますことから、船舶の航行に支障がないよう十分配慮して設置しているところでございます。
 このため、漁業権設定に当たりましては、船舶の航行を所管する海上保安部等との公益協議を行った後、海区漁業調整委員会等で必要な対応等を検討しているところでございます。
 このため、航行に支障がある場合、免許の制限、又は条件の中に夜間標識等の設置を義務付けております。今回の漁場でございますけれども、万全を期しまして周囲5箇所に設置を義務付けているところでございます。
 今回、当て逃げをした加害船は中国の鉄鋼運搬船でございますけれども、航路不慣れにかかわらず、夜間、十分な見張りを怠ったものと推察されます。今後とも海上保安部と漁場情報の交換を密にするなど、養殖いかだへの接触防止に努めてまいります。
◆高比良[末]委員 養殖業者としては、もう泣くに泣けないところですよね、こういうことをやられてですね。それで、保険とか、いろんな補償の関係があるんでしょうが、行政として被害者救済対策云々と書いてありますが、行政としてこういうケースではどこまでどうやられるんですか。相手国の漁船にどこかを通じて賠償を求めるとか、そういうことはどこまでできますか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 今般、伊万里海上保安部の迅速な捜査対応によりまして、早期に加害船が特定されております。現在、加害船の所属する国内の代理店と、弁護士を通じて交渉しているところでございますが、7月に被害者の養殖業者に賠償を支払うことの双方同意がなされております。これは伊万里海上保安署の初期対応が早かったことに加えまして、外国船のP&I保険の義務付け、これは国の義務付けでございますけれども、そういうことから損害金が補償され、早期解決に至ったということでございます。
 なお、県においても、当初から事故等々に対しまして、現地へ赴いて情報収集に努めて、海上保安部についても、その捜査についての働きかけ等々を行っているところでございます。
◆高比良[末]委員 次に養殖業の振興について。これもいろいろ視察をしてまいりました。一生懸命頑張っておりますが、この養殖業の課題といいますか、魚種別に、いろいろ養殖されておりますが、主なものでいいですからご紹介いただけますか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 本県の養殖業は価格の低迷、魚類養殖については、餌価格の上昇に加えまして、荷動きが鈍化ということがございます。ハマチ、マダイについては、単一魚種に偏った経営体が多いということがございまして、価格の低迷、荷動きの鈍化によって大変厳しい状況となっております。販売促進するために、流通ルートの改善や生産コストの6割を占める餌の低価格化、そういうことが課題でございます。
 生産量は全国の6割を占めますトラフグでございますが、リーマンショック以降の価格低迷がございまして、生産日本一の価格競争力を維持するための経費節減が課題でございます。
 マグロでございますけれども、種苗の確保、餌の確保、それと品質のばらつきがございますので、そういうことを解消しまして、消費者の信頼につながる高品質な養殖魚づくりが課題となっているところでございます。
 次に、真珠でございますけれども、輸入真珠との競合がございまして、低価格に悩まされているところでございますが、まだ、需要が堅調な赤い珠とか、大きい珠の高品質真珠の技術確立が課題となっております。
◆高比良[末]委員 価格低迷、それから育てるのに金がかかるということで、なかなか収益向上につながっていないんですね。マグロなんかは1キロ太らせるのにサバが10キロぐらい必要であると。サバも高いしですね。そういう中での行政の支援策、餌代の半分を出してやるというわけにもいかないのでしょうが、養殖業に対して収益向上に関する県の施策として、具体的に今どういうことをやられて、今後は研究してどういうことをやろうとされているか、その辺についてお聞かせいただけますか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 行政面に限った形でお答えしますと、ハマチ、マダイについては付加価値を高めるということで、高鮮度の加工に取り組むこととしております。
 トラフグについては、これも総合水産試験場の技術を活用した形の経費節減等々の取組、クロマグロについては天然種苗に依存しない完全養殖に向けた人工種苗の実証試験などに取り組むため、今後、PR等々の課題がございます。
 それと真珠におきましても、高品質の真珠を効率で作出する養殖技術の導入等々に取り組んでおります。
◎田添総合水産試験場長 私どもは技術的なところでいろいろ取り組んでおりますので、簡単にご説明をさせていただきます。
 まず、ハマチ、マダイ、主力魚種でございますけれども、魚粉を混ぜた配合飼料を使っているんですが、その魚粉が高騰しております。また、不足ぎみでございまして、その魚粉を少なくしようという取り組みをやっております。このことによってコストが削減できますので、取り組んでいるわけですが、マダイは5割ぐらい入っていたものが、現在20%で成長もいいということ、それから魚臭さ、油臭さが弱いということで品質もいいという結果を得ておりまして、これを普及していきたいと思っております。魚粉の減った分は、植物タンパクである大豆とか、トウロモコシのミールとか、そういったものに置き換えてやっております。
 ブリ、ハマチにつきましては、60%ぐらいが魚粉ですけれども、これを35%ぐらいまで低減しても成長に遜色はないと。なおかつ魚粉を減らしますと、魚臭さ、油臭さというのが少し抜けるようなところもございますので、品質もよくなっているというところでございます。これも技術を開発して、技術普及をしてまいりたいと思っております。
 それから、今話題のマグロにつきましては、人工種苗がどうしても、先ほど説明がありましたように、天然に依存しているために今年は不足しておりますし、今の世界に状況では、マグロに対して捕ってはいけないということでWCPFCの報告もございましたが、今後の規制を考えますと、人工種苗の生産を確立しなければいけないということで、非常に難しい技術でありますけれども、現在、国の研究所を中心に大学、それから我々水産試験場も入りまして、我々の試験場は卵を国の研究所、独立行政法人の奄美の研究所ですけれども、そこからもらって6センチサイズにまでする技術に取り組んでおります。この間、新聞にも載りましたけれども、4,400尾生産しているところです。
 国全体におきましては、5年後に20センチのヨコワを10万尾つくろうということで取り組んでおります。
 課題は、先ほどの卵の安定確保もございますが、共食いが結構あります。それから、衝突死、擦れ、これが多くてかなりへい死します。この辺を改良する技術を開発するというのが現在の全日本的なプロジェクトの対応でございます。先ほど言いましたように10万尾の生産技術を開発していきたい。それをすることによって、天然魚だけに頼らない完全養殖の技術開発ができるということでございます。
 それから、真珠でございますが、非常に単価が安くなって、厳しいところがございますけれども、成長がいい、それから巻きがいい、それから最近取り組んでおりますのは、照りがいいもの、光ですね、単価が数倍違うということで1級品なんですけれども、そういったものに取り組んでおります。技術的なことを言うと非常に長くなりますので、そういったものに取り組んでいるということです。
 トラフグも先ほど言ったとおりで、品質向上、それから病気に強い、そういったものに取り組んでいるところでございます。
◆高比良[末]委員 総合水産試験場長から明確に、なかなかいい話を聞きましたが、収益向上が課題ですので、今言われたことを一生懸命支援していただいて、育てる漁業が振興できるように、ぜひひとつご尽力をいただきたいと思っております。
 最後に、アンテナショップの関係は高見委員からありましたが、ここの運営についてお聞きします。
 運営主体はどうなっているのか。そして営業時間とか、ここの運営にかかる経費はどれくらいなのか。その辺の概要についてお聞かせいただきたいと思います。
◎増本水産加工・流通室長 運営の主体につきましては、今回、農業の方と一緒になりまして、長崎県農水産物アンテナショップに変わりましたので、従前は社団法人長崎県水産加工振興協会のみでしたが、今度は全国農業協同組合連合会長崎本部と共同で運営している状況になっております。
 それと運営の時間ですが、これは移転に伴いまして1時間ほど営業が伸びておりまして、今、朝の6時45分から夜の8時30分までとなっております。
 それと経費面ですが、店舗の賃料につきましては旧空港俵物ショップが月額32万5,000円でございましたが、今回一緒になりまして、面積は一緒なんですが、水産と農林が一緒になってそれぞれ月額35万円を支払っております。そのうち半分が水産加工振興協会への委託の金額になっておりまして、単位面積当たりで見てみますと、賃料は水産部自体で考えますと2倍になっております。
◆高比良[末]委員 あんまり詳しく聞き過ぎたけれども、赤字ではなくて順調にいっているんですか。
◎増本水産加工・流通室長 先ほども申しましたが、9月におきましては前年比8%ほどアップになっております。ただし、県のアンテナショップという意味合いもございまして、長崎県の委託料で運営している状況でございますので、それがなくなりますと、自分たちではなかなか運営できないという形になっております。
◆徳永委員 有明海の流木の漂流・漂着についてですけれども、この中にもありますように、漁船のプロペラやシャフトの損傷、また、食害防止網の破損などが発生すると。いわゆる漂着についてはいろいろと手当てがあるんですけれども、漂流については本当に漁業の方が自前で行わなければいけないと。そして、なおかつこういった損傷、被害があるということで、そういう中では、この国土交通省の環境整備船による回収というのがその任務をやっているというけれども、なかなかこれが広い有明海の中ですから、漁業の方に言わせれば回収がままならないという中で、自分たちがやらないといけないということですが、聞くところによれば、これは縦割りですから、国の中でも、また県と市の連携というのもなかなか難しい状況なんですけれども、ただ、漁業の方にすれば待ったなしですので、こういったことの今後の対策、そしてまた、県として、国、市町との連携というのをどういうふうに考えておられるのか、お尋ねいたします。
◎柳村資源管理課長 おっしゃるように漂流木の漁業者による回収というのは、あくまでもご自分たちが今後漁業をやっていく上で、例えばその流木が漁場に沈んでしまうと、その漁場の支障になる。そういうものでなるべく早く引き上げたいということと、もう一点は、やはり毎日操業するわけですから、その時になるべく事故がないようにということで流木を回収していただいております。
 これに関しましては、どうしても現状のシステムというのが、補助金で交付申請後にお金が出るというタイプになっておりますので、なかなか漁業者が自主的に回収してきた人夫賃とか、油代、こういうものにはなかなか支出しにくいシステムになっております。
 したがいまして、今回の漁業者が自主的に回収してきたものも、各漁港、各港湾に集積するまでは漁業者にやっていただいたんですが、その後の処理は、例えば環境部が持っている県単の補助金、それから水産部で有明海にクリーンアップという事業を漁連に委託しておりますけれども、この事業による処理、それから市町独自による、いわゆる環境部サイドと一般ごみで出していく、そういうところで市町独自で処理をしていただく、こういうものをやっております。
 国も今回の豪雨による甚大被害ですね、災害というとらえ方をして、補正予算を組んでいるんですけれども、既に集積が終わってしまった分に後付けという形になっておりますので、なかなか国の補助金を使えない格好になっております。したがいまして、漂着したごみについては、今、土木、水産、農業それぞれに各省に出して今着手している、もしくは今後するんですけれども、この流木に関してはいわゆる集積されたものを事後処理する、その部分に県単もしくは市町での支援をしていくというのが今後も続くという状況でございます。
◆徳永委員 それはわかっているんです。だから聞いているんですけれども、要するにタイムリーなんですよね。特に有明海の場合は内海ですから、漂流ごみが来て、それともう一つは海流が時計と反対回りで流れてくるので、特に長崎県の雲仙市、島原の方に流れてくる。今回も、これはちゃんと熊本市といった名前が書いてあるんです。これは前も一緒です、筑後堰もね。全部こっちに流れてくるんですよね。そういう中で、それは何年か一回とか、小さなごみならいいんですけれども、とにかく漁業の方も一生懸命取られるんですけれども、取った後にでもすぐまた流れてくると。これは一回で終わらないし、なおかつ全然補助がないということで、どうにかここを今後、国の方に、特例ということでもできないのかということを、私とすれば県から国に要望してほしい。
 それがなかなか難しいのであれば、この中にある環境整備船の出動をもっと多くして、すぐ回収してくれればいいんですよ。なかなかこれが来ないものだから、結果的に自分たちのスクリューをやられたり、漁網をやられる、いろんなことがある。だからこそやらなければいけない。しかし、全部自前。自助努力はいいんでしょうけれども、これは限界があるということで、今後、これを県としてどうにかならないか。ずっとこの問題は起きてきます。漁業の方はすぐ我々にどうにかならないかと言って来るんですよ。だから、さっき資源管理課長が言われたことは、私も認識をしています。言っているのは、今後これに対しての対策をどう講じるのか、そこのお考えを聞いているところなんです。もう一度お願いします。
◎柳村資源管理課長 まずは、国土交通省の環境船ですね、これがあてにならないという話が確かに漁業者からあったんですけれども、実は昨年度までは1隻でした。「かいき」という船が1隻だったんですけれども、今年度からもう一隻増隻をいただきまして、今年度は2隻体制でやっていただいております。この3箇月間の流木処理というものが全部で1,800立米、1,000本近くの流木処理をされております。
 逆に漁業者が自主回収をされた立米数が1,500ということで、この環境船の方が3箇月がかりで、ずっと2隻でやっているんですけれども、多うございます。
 実は、我々も今有明海までしかこの環境船の守備範囲がありませんので、橘湾まで出動してほしいという要望もしたんですけれども、実はこれが厳密に有明海の環境船だと定めておられまして、橘湾までまだこの環境船が行くことができないということがございます。これは今後、国土交通省に、有明海・橘湾という一連した海域でありますので、ぜひこういうところに出動できるような体制を財政的にも組んでいただきたいということを要望してまいりたいと思っておりますし、どうしても発生時の傭船料等を出せないんですけれども、漂流物を回収してきた後の分については、現状ある我々の委託とか、県単、こういうもので今後も続けていきたいと思います。
 これは抜本的に、いわゆる漁業者が今から出ていくよという時に合わせるようなシステムが、今は国にも県にもありませんし、どういうスタイルで予防的な事業が組めるのかというのは、なかなか難しいところがありますけれども、こういうことについても国と相談をしてまいりたいと思っております。
◆徳永委員 そういった縛りのあるところは私も理解していますけれども、例えば県単でこれができるのか、それとも国の事業の中で代わりに使えるものがあるのか、そういうものを研究、そしてまた県単の中で使えるものを使うということも、今後、やはり全てじゃないんですけれども、緊急時においては県がそういった対策、またはマニュアルをつくらなければ、今回のように大雨、台風等が来れば、漁業の方に被害が出るのは間違いないんですから、ただただ、今の補助、そしてまた法整備の中でどうなんだと言われれば、これはもうそれ以上言ってもどうもできないんですよでは、漁業の方はたまったものじゃないですよね。
 そして、これを私が言うのがどうなのか、これが正しいのかどうかわかりませんけれども、恐らく対岸の方には行かないと思うんですよね。私の記憶するところ、自分の認識の中ではほとんどが向こうからの物が流れてくると。こっちの物は逆に外に流れているんですね。橘湾はまた別ですけどね。そういった中で、例えば熊本県とか、福岡県とも連携をとっていただいて、ただ来た方がすべて回収するんだ、そしてそれに対する対策費はないんだではなくて、今後、そういった認識の中で対策をとっていただきたい。
 そして、有明海特措法がありますね。これも延長することになったとお聞きしておりますけれども、こういった特措法の中でもこういったことに使えないのかどうか。そういったところも今後は国に要望ができるのかどうか、その辺ももう一度、さっきのことも含めて答弁をお願いします。
◎柳村資源管理課長 先ほど申しましたとおり、漂流木を回収しに行く、漂流木がいつ発生するかというのはまずわからないわけですけれども、そういう予防的な事業を組み立てられるかどうかというものが、まず前提にあろうかと思いますので、特措法は特措法の要望としまして、今後もこういう漂流木が偶発的にいろんな災害の中で起きた時に、いわゆる漁業者が自主回収をされていく、それに対する油代見合いのものが支払える、そういう事業というものをどう組み立てるかというのは非常に難しい部分があるだろうと思いますけれども、それをまず国と相談させていただきたいと思います。
◆徳永委員 今、漁業も大変なんですよ。そういう中で漁民たちがまたそういった、自分たちのしたことであれば、これはそうなんでしょうけれども、漂流ごみ、そういうものに対して自分たちで守らなければいけないと、それはそうでしょうけれども、大変厳しい中でのことでありますから、そういったところも理解をしていただいて、やはり漁業者の立場になって、どういったものができるか、そしてまた、協力ができるか、支援ができるかということも検討していただきたいと思っております。
 次に、先ほども山田(博)委員長の質問にもありしまた漁港整備です。
 台風時の避難港としては、4種がそうなっていると先ほど言われました。私の地元は有明海なんですけれども、有明海の方も多比良港等も非常に、これは土木部と水産部、農林部、いろいろありますけれども、そういう中で水産部の方にお聞きしたいのは、漁港は整備されているけれども、台風が来るとなった時に、結局は昔の避難港というか、狭い昔の瀬といいますか、そういうところに全部避難するわけですよ。結局整備された漁港があまり機能されないと。昔ながらの漁港であればそうでしょうけれども、私は漁業の方から、もう少しこの漁港の整備があれば、ここでいいんだと言われるわけですね。今後、そういったところを水産部として、例えば農林部、土木部との連携というのはとれないんですか。そうしないと、風が吹く、台風が来ればそこに行く。そうしたら漁に出られないらしいですよ。狭いところに入って、そこがまた整備がされてないところですから、船が乗り上げたりとかするわけですね。そういった意味での被害があるということです。
 逆にまた昔ながらの港に整備をしてくれとかなってくるものですから、今ある漁港等をしっかり整備をすればできると思うんです。その辺のことは農林部、土木部との連携があっているのかどうか。そしてまた、こういった整備を今後する計画があるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
◎田中水産部参事監 今、徳永委員からご指摘のありました漁港整備の考え方でありますけれども、長崎県下に285の漁港がございます。それを全て台風時に避難しなくていいように静穏度を確保していくということになりますと、やはり防波堤は一重では済みません。二重、三重という形で整備をしていかなければ、恐らく台風時に避難しなくていいという状況にはならないと考えます。
 したがいまして、午前中の答弁でも申し上げました避難港と言われる第4種漁港とか、あるいは地域全体の中で立地条件が非常によくて、波が静かなところについては台風時の避難機能を確保していくという意味から重点的に整備をしていこうと。
 他方で、それ以外の漁港は全く機能しないかというと決してそうではございませんで、それ以外の通常時には当然そこから出漁して漁場に行くという形で機能していくと。したがって、年に数回ある異常な荒天に対しては、静穏度の確保しやすい、あるいはそういった条件のいいところでの安全係留というものを確保していくというのが整備の考え方でございます。
 また、もう一点ご指摘のあった他の部局との連携という部分では、漁港と港湾がございます。言ったように、港湾の最も一番奥の水域が漁船を係留する上で安全だということであれば、地域の方はそういった静穏な水域をよく知っておられますので、そこを使っているという実情がありますので、そういった観点で港湾、漁港の相互利用というのは実態的にされているのではないかというふうには考えます。
 またもう一点ございました狭いところで漁船を安全に泊めますと、例えば台風が接近する数日前からそこに入れなければいけない。そして、台風が過ぎた後もすぐには出せないという、出漁機会を損なうという問題もあります。そういった部分については、やはりそういったことができるだけ減るように、今、通常の港についても安全度を高めるような取組はやっておりまして、今度の長期計画でもこの5年間で50漁港でそういった台風等への対応として静穏度、安全度を高めるための整備をしていこうということを計画として立案しているところでございます。
◆徳永委員 全ての港を整備するということではなくて、それぞれの拠点で、その港にほかの港からも避難ができるというような体制、また今後、整備計画があれば、そのことも念頭に入れて整備をしていただくと。そうしないと、例えば堤防やパラペットもやったということ、そしていろいろ対策をとったけれども、結果的にまた高波が来て、その効果があらわれなかったと。結局また避難をしなければいけないということになれば、今後の計画が、またせっかくやった事業が意味がなくなるということの懸念と、そして港湾がいろいろありますよね、そういうところとの連携をしっかりとっていただいて、漁港と港湾の違いはありますけれども、そういったところにも避難ができるように、例えばそういうところにお願いをしてそこの整備をしていただくとか、無駄をなくして、なおかつ機能する漁港というものを、これは水産部だけではなくて、そういうところとの連携というのはそういう意味で私は言いました。先ほど参事監がおっしゃるとおりですので、今後、そういったところも計画の中にしっかり入れて実行していただきたいと思います。
 部長、今、漁業環境というのは厳しいですよね。そういう中で、漁業の環境というのをしっかり、当然水産部の方でもそこはしっかり考えておられると思いますけれども、そういう中でいろんな問題もあると思いますけれども、漁業の後継者等の問題もある中で、私が今質問をしたいろんなことに対して、部長の見解を最後にお聞きして終わりたいと思います。
◎荒川水産部長 2〜3点ご質問をいただいたとおりでございまして、例えば漂流ごみ、漂流木につきましては、今の制度で十分かというと十分ではなくて、漁業者の方々にご努力をいただいている部分があると思います。
 また、基盤整備、船と漁業者の安全を守るというところについても、まだまだ不足している部分があると思います。
 そういうことにつきまして、漁業者の負担が少ないように、水産部としても制度にまだ不足があるものについては改めるように考えてまいりたいと思いますし、また国の方にもお願いいたしまして、基盤整備の予算等について十分に確保して、皆様方のご要望に沿えるような水産の基盤整備と水産業の振興に努めてまいりたいと思います。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆溝口委員 まず、クロマグロ養殖の現状と課題についてということでお尋ねしたいんですけれども、私が資料をもらった中ではクロマグロの養殖の現状は、長崎だけで天然の種苗等については21万1,000尾ですね。それと人工種苗が6万1,000尾というこことでございますけれども、天然の歩留まりと人工種苗の歩留まりについてはどのような推移になっているんでしょうか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 天然魚と人工種苗の歩留まりということでございますけれども、天然については各業者ごとに違うということで、データを承知しておりません。
 人工種苗におきましては、6センチで生け込みをしまして、それが11月ぐらいの生存率が25%程度と伺っております。
◆溝口委員 11月に25%ということは、大体半年ぐらいになるんですか。活け込みは、6センチのものを何月頃入れているんですか。8月、2箇月ですか。
 たったの2箇月間のデータしかないようですけれども、2箇月間で25%の歩留まりがあって、後はずっと出荷できるまで大体生きていくんですか。今のところデータ的にはまだ6万1,000尾ですよね。その中で25%といったら、1万5,000尾ぐらいしか残っていないと思うんですけれども、今のところデータ的にはこの2箇月間だけなんですか。
◎田添総合水産試験場長 平成22年度に生産したものと、昨年度生産したものの歩留まりがございまして、平成22年度に生産したものは、今年の7月下旬で12キロになっております。6センチのものが、現在、体重12キロということでございまして、この時は900尾から100尾でございますので、10%強です。先ほど25%と申しましたけれども、その後はかなり生き残る率が高いということが言えようかと思います。
 それから、昨年度のものが現在3〜4キロになっております。これは10%から20%、業者によって違うんですけれども、そういった生産率になっております。ですから、2箇月で25%までちょっと落ちるんですけれども、その後は割と大きくなると安定します。これは最初なぜ落ちるかといいますと、輸送した後に網にまだ慣れていなくて衝突したり、擦れが起きるんですね。小さい時はまだ体力がありませんので、その時期に生存率が落ちるということです。これは5箇年間で全国的な試験を、技術開発をしているんですけれども、その中の技術課題の一つということになっております。
◆溝口委員 わかりました。ただ、天然の部分の歩留まりがちょっとわからないということなんですけれども、今回、国の方から天然種苗については現状維持を原則という形の中で通達が来ているんですね。その中で長崎県としては、例えば平成23年度の部分で、21万1,000尾ということですが、この部分についてはもうこれ以上長崎県としては増やすことができないということになってくるんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 委員ご指摘のとおり、人工種苗の増大ができない限りは、今後は養殖尾数の拡大は困難ということでございます。
◆溝口委員 それでは、現在21万1,000尾ということで、21万尾前後しかだめということになってくると思うんです。生簀の規模拡大もだめということで、尾数はそのままで規模拡大がだめということにも、慎重に対処してくださいということですから、県としてはそこら辺も監視していくということになるんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 国の方から6月にその通達がございまして、その意味は、天然種苗の活込尾数は現状維持ということでございます。したがいまして、現在、国の方からプレスリリースで発表されています21万1,000尾が、実際、長崎県のある意味では枠的なものといいますか、それを維持してくださいというのが通知の趣旨だと思います。
◆溝口委員 わかりました。
 それで、平成23年度のこの尾数の確定が来ているわけですね。現状でも、はっきり大体21万1,000尾ですか、平成23年ものというのは入っているんですか。それとも、それ以上に県の方が一応そこまでしたいということで出しているのか。現状しているものを素直に出しているのか、そこら辺について。
◎山下水産振興課総括課長補佐 平成22年に国際的な資源管理ということがございまして、国の方から養殖生簀の台数とか、種苗活込尾数については登録なり、届け出なりが義務付けされてえおります。国が平成23年に調べた結果が21万1,000尾ということで正式な数字と承知しております。
◆溝口委員 そうしたら、新しく今度漁業権切替というのが来年あると思うんですけれども、その中では新規事業としての立ち上げというのは申し込みができないということになってくるんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 平成25年9月、区画漁業権の一斉切替を行います。現時点で漁協の方からその一斉切替に当たっての新規拡大についての要望は出されておりません。したがいまして、今後、その21万1,000尾の尾数での薄飼いや、出荷サイズの大型化による生産量の拡大に伴う生簀の拡大といった、その方向になっていくものと思っております。
◆溝口委員 先ほど高比良(末)委員から質問があった時に、全国で4,400尾か、長崎県だけで4,400尾だったのかどうかわかりませんけれども、このクロマグロ養殖を今後拡大していくということになれば、どうしても人工種苗は制限を設けないということですので、その辺がもし拡大されてくることになれば、生簀が足りなくなってくるのではないかという感じが私はするんですよね。その中で、総合水産試験場としては将来的に長崎県だけで種苗生産を何尾ぐらいまでに持っていこうと考えているのかお尋ねします。
◎田添総合水産試験場長 先ほど申しました4,400尾は、本県の水産試験場で生産したものでございます。
 幸い、長崎県としましては完全養殖を目指していると申しましたけれども、卵を採りましてから試験場で6センチまで大きくする技術を開発して、それを使って一般の養殖場でも大きくしていくということでございます。
 どの程度かという尾数は、先ほど言いました国レベルでは、まずは技術を開発しなければいけませんので、国全体で10万尾でございます。
 本県は、現在の種苗が20万尾ぐらいは必要でございますので、そのうちの何割かというのが、例えば半分だと全国レベルの10万尾が目標でございますので、すぐにはいかないと思うんです。それから国際情勢によって変わってくるかと思いますが、できましたら半分近くを生産できればと、将来的でございますけれども、思っております。
 ただ、大事なのは、現在、ヨコワひき縄でやっている漁業者もいらっしゃいますので、それとのバランスが重要だということは大前提になろうかと思います。
◆溝口委員 わかりました。例えば、試験場の中で10万尾を6センチまで育てていくということになれば、全体で10万尾で、その半分と言ったんですか。将来的に長崎でどのくらいしたいと言われたのか。20万尾が長崎県で必要だから、その半分は人工種苗の生産をしたいと言ったのですよね。
◎田添総合水産試験場長 20万尾が必要尾数でございますので、その半分ぐらいは人工種苗で賄えればと申しましたが、総合水産試験場自体は生産する機関ではございませんので、そういった技術開発をして、種苗生産機関で生産してもらうという形をとりたいと思います。
 親魚から飼うとなると、非常に大きな陸上施設が必要でごさいます。今、西海区水産研究所が大きな陸上施設をつくって、安定的に卵をつくろうとしておりますけれども、現在、本県にある種苗生産業者はそれだけのものをつくることは難しゅうございますので、実際は養殖している漁場で卵を採って、その卵を採った後の技術開発をして、それを民間の種苗生産業者等に移転して、そして10万尾近いものを生産できればと思っているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。種苗生産をしているそれぞれの業者の方々に技術提供するということなんですね。
 その時に、例えば今、21万1,000尾、天然種苗を捕っているんですけれども、その人工種苗生産がだんだんできていくということになれば、その辺についての天然種苗の活込みですか、これができなくなるんですか、21万1,000尾は。これはもうずっと保っていけるということになっているんですか。
◎山下水産振興課総括課長補佐 今回の国の通知では、天然の種苗の活込みを前提としたという表現でございまして、人工については特に規制はございません。
◆溝口委員 それでは、先ほど言ったように、例えば長崎県では10万尾近くの人工種苗生産ができるということになれば、漁場を確保していかないと、現状の漁場だけでは足りなくなると思うんですけれども、新規漁場獲得について、区画漁業権の設定について、県の方として将来的にどのように考えていこうとしているのか、聞かせていただきたい。
◎山下水産振興課総括課長補佐 現在、区画漁業権は大体1,500、区割りについては大体400件規模の切替でございますけれども、ある意味ではブリ養殖が不振でございますので、その転業を含めますと、余裕があるものと思われます。したがいまして、今後、人工種苗の拡大においては、9月以降にはなりますが、前向きに検討できるものと思っております。
◎田添総合水産試験場長 私の説明で誤解があってはいけませんので、先ほど20万尾のうち半分ぐらいを種苗生産技術ができればと言ったんですけれども、今、養殖漁場とかが制限されている中では、20万尾プラス人工種苗10万尾で30万尾まで可能だということも言えようかと思いますので、その点はプラスになるということで考えていただければと思います。
◆溝口委員 結局、そういうことを考えれば、将来的に技術開発ができて、人工種苗生産を各業者が扱うということになってくれば、それに合わせて漁業権設定をしていかなければいけないということになるんですよね。
 私が言いたいのは、この後継者を残すという形ではどうしても漁船漁業という形で沖に出るのは、若者が大体嫌っているんですよね。だから、養殖漁業の技術を深めて、地元にとどめるということをやっていかないといけないと私は思うんですよ。
 その中で、ハマチ養殖にしても、タイ養殖にしても、これだけをやっている方々は経営難で、今、養殖を続けていこうか、いくまいかという危機感を持っているんですよ。だから、新魚種について、やはり長崎県が持ったクロマグロにしてもですけれども、ハタにしても、本当はハタなんかも養殖できるような仕組みにしていかないといけないんですけれども、なかなかそれが養殖しても値段まではね返ってこないような状態なんですね。その辺について、水産部長、全体的な養殖漁業の発展というのを今後どのように考えていくかということは、水産振興に大変重要な役割を占めていくと思うんです。だから、この養殖漁業を続けさせていくという形の中で、水産部長としてどのように政策を考えていこうとしているのか聞かせていただきたいと思います。
◎荒川水産部長 従来から養殖しておりますマダイとか、ハマチにつきましては、コストの削減、餌代の削減ですね、それを中心としたコストの削減によって収益性を高めるというのが一つの大きな目標になってくると思います。
 また、養殖業全体については、これは高品質なものをつくって、それで差別化して、ほかの地域に負けない価格を獲得していくというのが大きな課題になってくると思います。
 それと、先ほど来話題にしていただいておりますクロマグロの養殖についてでございますけれども、これは天然種苗の生け込み尾数の増加を前提とした漁場の新たな設定はだめということでございまして、人工種苗についてはオーケーだと思っておりますし、また、品質を向上するという意味では薄飼いも必要だと思っております。
 さらに、現在、長崎では40キロぐらいで出荷するというのがクロマグロの主流でございますけれども、もう委員もご存じのように、マグロは60キロ、70キロになった方が高価格、高価値になってきますので、そういうことで大型化しようと思うと漁場の設定も必要になってくると思います。
 ただし、この時には消費者に買っていただくということが重要でございますので、野放図に生産を拡大して、値段の急落が起こらないように、市場の動向を見ながら、できる範囲で漁場の拡大には努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆溝口委員 ただ、クロマグロの養殖がはやり出して、県の方針としては大企業に区画漁業権を設定させていっているような現状が見えるんですよね。ただ、漁民として、このクロマグロを養殖するという形になると、資金力も要るし、経営状態がある程度よくないと入っていけないと思うんですよ。だから、その辺が漁業後継者の方につながっていくのかどうかというのが、私としては危惧されるところなんですけれども、大企業がもし入ってくるなら、やはりそこに若い人たちが働けるような場所を提供していく必要があるんじゃないかと私は思っているんですけれども、このことについての考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎荒川水産部長 大企業が入ってきて漁場を占有して養殖するという形には、長崎県はしていないつもりでございまして、大企業が入ってくる場合においても、漁協の組合員になっていただきまして、地域と一緒になって、地域の振興を図りながら養殖をしてくださいということをお願いしているところでございます。
 また、地域の方々がクロマグロの養殖に取り組みたいという時につきましては、それぞれの養殖施設とか、漁具の購入、種苗の購入等に必要な資金、運転資金等についても私どもは手当てをしてまいりたいと思っておりますし、もう一点、技術的に不安のある方々につきましては、県の水産試験場を中心にして指導してまいって、地域の方々もマグロ養殖業に参入できるような形をとりたいと考えているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。
 できるだけやはり地元の方々が、意欲のある方々がこのクロマグロを養殖するという時には、その天然種苗を21万1,000尾確保するのは多分大変だろうと思うんです。今年の場合はそこまでいっていないんじゃないかと思うんですね。そういうことの中では、やっぱりある程度業者を増やしながらでも、人工種苗を中心とした生産ができていくように形づくっていかなければいけないと思うんですよ。
 しかしながら、クロマグロだけを養殖という形ではやはり養殖業は成り立っていかないと思うので、その辺で私はやはり力を入れていくという形の中では、フグの養殖が今のところは大体安定した値段なんですよね。だから、フグの養殖についても力を入れていかないといけないと思うし、若い人たちが真剣に取り組めば、フグの養殖もかなり歩留まりよくできていくし、経費が余りかからなくて、生活をしていく形ではフグの養殖が意外といいのではないか。そして、若者を残せるのではないかと思っているんですよ。だから、その販売についてしっかりとした考えを持って、県が一緒になって業者の方々と販売まで考えていただきたいと思っているんです。だから、その辺については、いろいろと水産加工・流通室の方で考えていこうとしていると思うんですけれども、前回も聞きましたが、フグの販売についてはどのように考えているのか、聞かせていただきたいと思います。
◎増本水産加工・流通室長 養殖トラフグの流通の特質としましては、日常の食材ではなくて、高級食材でございます。あともフグは調理師免許制度等の規制がございます。それと需要期が秋の彼岸から春の彼岸という形の一定時期に限られている、こういった特殊性がある中で、現在、活魚で関東・関西の方に丸体出荷でほとんど出荷がされております。
 そういった状況の中で、当室としましては関西、大阪、京都なんですが、今回、フグの条例の改正がございまして、従来免許がなければそういったフグの調理ができなかった中で、今回、条例改正で調理師免許なしでトラフグの身欠き加工品を一般の飲食店で扱うことができるようになりました。
 それと来月1日から東京都も同じようなフグの条例改正を目指しておりまして、そこにいきますと、従前の活魚流通よりも、今後はそういった身欠き、要は内臓を除いて皮をはいだ状態の身欠き加工品のフグの流通がかなり増えてくるというふうに築地の仲卸の業者からも聞いております。
 そういった中で県外対策につきましては、従前の丸体出荷のみではなくて、今後は加工品の方に主としましては販売、それと加工の支援について行っていきたいと思っております。
 それと県内の対策につきましては、そういったフグの特殊性がある中で、今回、「長崎県の魚愛用店」等の事業も進めさせてもらいまして、今月の10日から長崎県の特色ある魚、これを5種類以上そのお店で随時出す、プラス長崎県の魚介類を使った刺盛を必ず3種以上出すといったお店につきましては、「長崎県の魚愛用店」の認定という形で動いておりまして、現在、3店舗、県の方で認定いたしております。
 そういった中でこういったトラフグの専門店につきましても、「長崎県の魚愛用店」という形で認定いたしまして、県内、または地元でのそういった一般消費者、観光客向けにフグを食べていただく、そのための消費対策をしてまいります。あとはそういった料飲店等につきましては、今年の1月に長崎で水産の見本市を行いました。そういった中にフグの身欠き加工品等も持ち込みまして、一般の長崎県内の料飲店の方たちにフグの加工品を見ていただきまして、それを使ってフグの刺身等の普及に努めていただくような見本市、商談会も行っております。
 今年度もそういった形で県内対策につきましては見本市等の開催、またはそういった観光客、消費者向けの「長崎県の魚愛用店」の認定で、県内については広めていきたいと思っております。
 ほかにもさかな祭り、実り恵みの感謝祭もございますが、そういった中でいろんな水産関連イベントを通して、フグやほかの長崎県の魚についてもPRして、どんどん売っていきたいと思っております。
◆溝口委員 長崎県はフグの条例については免許が要らないようになっているんですか。
◎増本水産加工・流通室長 長崎県につきましては、フグの届け出制になっておりまして、調理師免許制度はございません。要は、3年間の経験があり、講習会を受ければ、講習済証をいただいて、それ以後は扱えるような形になっております。
○山田[博]委員長 ほかの委員からも質問があると思いますが、本日の委員会はこれにてとどめ、明日は午前9時30分から、引き続き委員会審査を行います。
 本日は、これにて散会いたします。
 お疲れさまでした。
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     −午後4時30分 散会−
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