平成24年  6月定例月議会 農水経済委員会 - 07月05日−09号

平成24年  6月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成24年7月5日
       自  午前10時0分
       至  午後4時57分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長) 山田博司君
    副委員長(副会長) 前田哲也君
    委員        加藤寛治君
     〃        馬込 彰君
     〃        野本三雄君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        高比良末男君
     〃        中島廣義君
     〃        徳永達也君
     〃        陣内八郎君
     〃        高見 健君
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3、欠席委員の氏名
     なし
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    農林部長            上田裕司君
    農林部政策監(農村整備事業・諫早湾干拓担当)
                    鈴村和也君
    農林部次長           井手幹雄君
    農林部次長           加藤兼仁君
    農政課長            木下 忠君
    農業経営課長          中村 功君
    農地利活用推進室長       長岡 仁君
    農産園芸課長          江藤博之君
    農村整備課長          林田裕興君
    諫早湾干拓課長         宮崎浩善君
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6、参考人の氏名
    長崎県農業協同組合中央会参事  小島幸久君
    全国農業協同組合連合会長崎県本部本部長
                    栗田泰之君
    株式会社萩原組代表取締役    西極忠和君
    長崎県いちご部会会長      山本幸彦君
    長崎県花き振興協議会会長    立光一孝君
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7、審査の経過次のとおり
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     −午前10時0分 開議−
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○山田[博]委員長 おはようございます。
 委員会を再開いたします。
 本日の午前中は、昨日に引き続き「農業振興公社への貸付及び諫早湾干拓農地の利用権の再設定について」、集中審査を行います。
 午後は、「農業用ハウスのあり方及び農業用ハウスの入札のあり方について」参考人を招致し集中審査を行うこととしております。
 では、「農業振興公社への貸付及び諫早湾干拓農地の利用権の再設定について」、集中審査を行います。
 まず、昨日の質疑において確認が必要となっていた部分について、理事者から説明をお願いします。
◎宮崎諫早湾干拓課長 おはようございます。
 私の方からは2点、ご報告させていただきたいと思います。
 まず、1点目でございますけれども、昨日の当委員会におきます徳永委員からの宅地等用地の売却に対する開門問題への影響に係る質問に対しまして、「融資機関からの貸し渋り等もある」との答弁をいたしております。
 委員会終了後、改めて入植者の方に確認しましたところ、開門への影響の懸念や不安の一つとして、金融機関による貸し渋りなどの可能性も出てくるのではないかと、そういうふうな趣旨のお話でございました。
 「融資機関からの貸し渋り等もある」との答弁をしておりましたが、今後の懸念という話でございまして、心よりおわびし訂正させていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 次に、リース制度の導入決定までの経緯でございますけれども、平成12年6月の諫早湾干拓営農構想検討委員会による諫早湾干拓営農構想報告書の中で、営農初期の経営支援が不可欠といたしまして、農地保有合理化法人が農地を一括取得して、一定期間農業者等にリースする制度の導入が必要であり、その制度の目的、仕組み等についてはさらに具体的に検討すべきであるとの提言があっております。
 また、平成15年度の長崎県県政世論調査におきまして、諫早湾干拓農地の分譲方式につきまして意見を聞いております。その中で、「入植者の負担を軽くするための農地のリース方式などを導入する」が31.7%、「入植希望者へ分譲する」が20.1%となっております。
 また、平成16年2月からは営農意識調査を実施しております。11月末時点で、買い取りを希望されている割合は、件数割で14%、リースを希望しているのは件数割で35%、買い取り、リースのいずれも可というものが件数割で18%、一定期間リース後、買い取りを希望しているのが件数割で34%となっており、リース方式を認めていただいている方が87%というふうになっております。
 また、平成16年8月には、県議会からいただいております産業振興に係る政策提言の諫早湾干拓地域の農業特区に関する提言の中で、環境保全型農業の展開、土地償還金軽減策や農地のリース方式の検討の必要性などの意見が示されております。
 並行しまして、平成14年12月から国と合同で、リース方式等を含めた土地配分に向けた進め方などにつきまして、協議検討を行ってきたものでございます。
 これらの経緯を踏まえまして、平成17年9月定例会の本会議におきまして、知事が諫早湾干拓営農に係る基本方針を示し、その中で環境保全型農業の推進、干拓農地の細分化の防止、経営の早期安定化のためのリース方式を表明しているところでございます。
 その後、平成19年3月に、農業生産法人等につきまして農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定を行うこととした諫早湾干拓地公募基準を決定し、平成19年8月から入植者の募集を行ったところでございます。
 以上でございます。
◎長岡農地利活用推進室長 昨日の前田副委員長の途中解除についてのご質問でございますが、5年間の計画を立てまして、公社と利用者と一緒になって現在取り組んでいる状況でございます。そのどちらか一方が一方的に途中解除というのは、よほどの理由がないと難しいというふうに思われます。開門による被害が生じたという場合は、そういった理由に当たるとは思いますが、そういったことが生じないよう、県としてはしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、申しわけありませんけれども、時間が非常に短かったものですから、今後、専門家に相談させていただいてまとめたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 ご質問はありませんか。
◆高見委員 今、報告をいただいた中で、どういう検討経過を経てリース方式を採用したのかと、そんな質問だったんですけど、そういう意味では平成12年に提言が出されている。その間にいろいろ検討されながらも、正式に表明されたのが平成17年9月の議会においてです。
 当時、議員をしていて、ものすごく唐突だなというふうに思ったんですけれども、その間も検討があり、しかも入植希望者の意向調査も踏まえてそういう判断がなされたということを伺いまして、唐突に感じたのはこちらの情報が少なかったというか、なかったと。平成15年に農林水産委員会に所属をしていましたから、なかったんでしょうね、そんな報告が多分ね。
 こういうふうな大きな事業ですから、できるだけ検討の経過についてはしっかりと委員会の中で報告をしていただいて、十分に議会も歩調を合わせるといいましょうか、そういった熟慮、検討の中で方向性を出していく、そんな手続をぜひ今後はお願いをして、終わります。
◆徳永委員 先ほどの宅地の件ですけど、この区画数がたしか73ですよね。(「75」と呼ぶ者あり)75。これは、売却対象総区画は73と書いてありますよね。18ページにね。どっちですか。73でしょう。
 この根拠です。宅地を販売する条件は入植者ということですが、入植者は40幾つでしょう。だから、そう考えた時に、この73区画としたのはどういう根拠ですか。
◎加藤農林部次長 区画そのものは小さく分筆というか、登記上、区画がそうなっているだけでして、今、資料を探しているんですけれども、その中で例えば入植者の方が集出荷施設をつくっていらっしゃいますけど、その方たちは10数区画購入された形でやっております。あくまで区画というのは登記上の区画でございます。
◆徳永委員 今、売却済みの31区画は、17入植者ですか。その内訳は、41入植者で、31区画が売却済みですね。31は、当然この入植者の方が対象でしょうから、31の入植者が一つずつ買われているのか、複数買われているのか、その辺はどうなんですか。
◎宮崎諫早湾干拓課長 31区画の売却が済んでいるわけでございまして、具体的な契約者のお名前は差し控えさせていただきますけれども、例えば、1つの法人で14区画を買われているところもございます。少ないところでは1区画もあります。そのような形で、8法人が31区画を購入されているということでございます。
◆徳永委員 8法人で31区画、1法人で14区画買っているところもあるということです。ということは、73区画に対して入植者で賄うことは可能なわけですね、1法人で何区画も買えるんですからね。
 そういう中で、私は、この宅地は入植者だけじゃなくて、例えばここに係わる関連的なところも購入ができるという話を聞いているんです。その辺はどうなんですか。(「訂正をよろしいですか」と呼ぶ者あり)
◎宮崎諫早湾干拓課長 すみません、先ほど7法人と申しましたけれども、6法人の誤りでございました。申しわけありません。
◎加藤農林部次長 区画数は、当初73区画だったんですけれども、その後、2区画を分筆をしておりまして、現状では75区画でございます。
 それから、基本的には入植者でございますけれども、法律上は、入植者の利便に係るような施設についても設置が可能となっておりますので、例えば、入植農家の方たちの集出荷を背後地の方たちも一緒にやる、あるいは入植農家の方たちの農産物を加工するためにほかの方が施設をつくる、そういう場合も対象になってまいります。そういうのが法律上は可能となっております。
◆徳永委員 そこの作物を集荷する、例えば商社的なところもいいということになるわけですね。
 そういう中で、現状が75区画のうちに31区画、平成21年度には10区画に対してゼロ、平成22年度も1区画に過ぎないということで、なかなかこれが思うようにいかないと。
 今後は、そういうことであれば対象者の条件を緩和して、どこまでを。全然農業に関係のないところは問題があると思いますから、どこまでを今後緩和していくのかということもしっかり考えなければ、平成25年度から支払いになるわけでしょう。返済期限は平成25年度であるが、その見通しは立っていないのであれば不良債権化するおそれがあるとなっていますから、そう時間がないわけですよね。そこら辺は今後どう考えていかれるのか。
◎加藤農林部次長 委員おっしゃいましたとおり、土地改良法上の制約はありますが、そのぎりぎり可能なところまで検討いたしまして、あくまで入植者の利便に関連するところまでは広げて検討をして、努力をしてまいりたいと考えております。
◆徳永委員 そこはいろいろと意見を聞いて、購入したいところもあると思いますので。
 ただ、緩和しようとしても、その緩和が、何というか、制約をあまり崩せないような状況であれば、平成25年度と迫っていますから、そこはしっかりと考えていただいて、売却するのであればしっかりと売却をしていただきたいと思っております。以上です。
◆前田副委員長 改めて確認ですけれども、平成25年12月が開門期限ですよね。この開門期限を延ばすということは実質上可能なんですか。どうなるんですか。裁判のことも含めて、もう一度説明をお願いしたいんですけれども。
◎加藤農林部次長 ご存じのとおり、平成22年12月に、福岡高裁で開門の判決が確定しております。
 これは、諫早湾口部の漁民の方、たしか50人弱だったと思いますけれども、その方たちと国との間の開門訴訟でございまして、国は、その方たちに開門の義務を負っております。国としましては、この判決に従って平成25年12月までに開門をする義務があると、これは実は消えません。
 今、国の方でアセスを進めておりますけれども、アセスの対策が不十分だと、この対策では影響が出るんだということを地元から繰り返し申し述べておりますけれども、なかなか取り合ってもらっておりません。そういった中で地元では、もうこれはどうしようもないということで裁判を起こしておりまして、その開門を一定止めるために差し止め訴訟を。差し止め訴訟が一定期間、時間がかかりますので、その効力を担保するための仮処分、保全措置という形で、平成25年12月の末までに仮処分の一定の結論を得たいということで今、裁判を進めておりまして、原告の弁護団は、対策が十分ではない中では開門をさせないような対策を今進めているところでございます。
◆前田副委員長 頭を整理する意味でお尋ねします。仮処分の保全措置の効力というのは、いつまでなんですか。
◎加藤農林部次長 これはあくまで本訴、本体の差し止め訴訟の結論が出るまでという形になりますので、これがどのくらいで出るのかというのはわからないところですが、今の差し止め訴訟、開門請求訴訟が平成14年に提訴されまして、平成22年に福岡高裁で判決が確定しております。福岡高裁にいくだけでも6年から7年ぐらいかかっておりますので、今、訴訟は大分早くなってはおりますが、それでもそれに近いところはかかるのかなと思っております。
 それの効力が、仮に差し止め訴訟で勝ったとしても開けられたら意味がないということで、それを一旦止めてくれというところで仮処分をやっているということで、仮処分の判決が出ますと、弁護団の見解によりますと、それをもとに開門が一定、止められるんじゃないかなということで、今、裁判をやっているところでございます。
◆前田副委員長 私だけがわかっていないんですかね。
 改めてお尋ねしますけれども、結局どのような状態になった時に、平成25年12月の開門を阻止できるということになるんですか。もう少しわかりやすく話をしてください。
◎加藤農林部次長 法律論から申しますと、弁護団の見解から申しますと、先ほど言いました開門の判決というのは、仮に差し止め訴訟の仮処分が出たとしても、その判決、国が負っている義務は消えるわけではございません。
 ただし、一方で開けるなという判決が後で出るという形になれば、弁護団の方は、後の環境アセスメント、新しい事実に踏まえて後で出たということで、そちらを尊重してもらえるという考えのもとに仮処分、差し止め訴訟を行っているところでございます。
◆前田副委員長 最終的には国の判断だということになると思うんですが、この時点でこういうことを言うのはすごく未熟な議論になるかもしれませんけど、県自身としては、国に対しては今いろんなお願いをしていますが、法的には何も対抗手段はないんですか。
◎加藤農林部次長 残念ながら法的な手段というのは、いろいろ検討しましたけれども、ないところでございまして、実態上、国が開門をした場合の影響というのをアセスメントの中で科学的、客観的に出しております。それを踏まえた中で、アセスの中で示された対策も十分ではないということを、先生方の力もお借りしまして前回、国の方にも上りましたけど、ああいう形で国の方にしっかり地元の実情を伝えるということが、今の県のやり方と。
 それから、地元が裁判をやられておりますので、皆様方に一定、科学的な立場から情報提供をするという県の立場でございます。
◆前田副委員長 先ほど、農地利活用推進室長の答弁で、仮に開門になったとして、そこで被害が生じた場合ということで答弁がありましたけれども、最終的に最悪のケースで、開門をした時点で入植者にしてみたら、これまでの前提が全然違うわけですし、将来的にここで頑張ろうということにはならないと判断をされる法人もあろうかと思うんです。
 そうした時に、昨日言ったように、自分自らが、もちろんこれはもう更新というか、契約の解除だけではなくて、これまで営々として5年間頑張ってきたわけで、その分も含めて前提条件が変わったわけですから、入植者側からすると話が違うということになると思うので、損害賠償請求を解約と同時に起こされる可能性があると思うんです。
 そういう解約が有効なのかどうかということをまずお尋ねしたんですが、先ほどの答弁では、昨日の質問だったこともあり、これから専門家ともう少し協議しますとお話しされていました。私は、解約できるんじゃないかなと思っているんですけど、そうではないんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 今の状況で、なかなか判断は難しいと思いますけれども、客観的に被害が出るという状況にならなければ、一方的な解約というのは難しいのではなかろうかと思います。
 先ほど言いましたように、その辺のところは詳しく説明できませんので、また専門家に相談させていただいてまとめたいと考えております。申しわけございません。
◎上田農林部長 今のご質問でございますけれども、現時点では地主の農業振興公社とリースで入っている入植者が国に対して、開門阻止をしてくれという動きを一緒になってやっている最中でございます。ですから、仮に開門があるからという議論で話が流れていくと、今、一致団結してやっている最中でもございますので。
 基本的には、これは確実に被害が出るのが見えている、これはくるんだと、そこが本当に明らかにならない。なればそういう考え方も出るかもしれませんけれども、まずは今は開けるなと言っている真っ最中でございますので、そこはご理解を賜りたいと思います。
◆前田副委員長 いや、そこはわかるんですよ。別に水を差すつもりでも何でもなくて、お互いに気持ちは一つに開門阻止に向けて頑張っていかなきゃいけないと思うんですが、そうは言いながらも、平成90年までの償還計画を見た時に、これはもう開門イコール環境保全型の農業ができないということに直結する話で、そうなると、この償還計画も何もすべての事業がゼロになるということなんですよね。やっぱりそこも国に対してはもっともっと強く言っていくべきだと私は思うんです。
 気持ちを一つにするところで、こんなところで水を差すなと思われるかもしれないけど、そうじゃなくて、仮にそうなった時には、もう事業自体すべてが無に帰するということはもっと強く主張すべきだと思って意見をしておりますので、そういうふうに逆に受け止めてほしいと思います。
 今の話を聞くと、あと1年半ですね。平成25年12月末までですから、そこに対してもっともっと、理論武装とかいろんなことを付加しながら国に対して働きかけていくことを互いに頑張っていかなきゃいけないなということを思っているところです。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆中島[廣]委員 今、副委員長が言ったように、もし開門になったら、そういうことを本当に考えておかなればと思うよ。農業をしている人が今でも反対しているのは、海水を入れたら農業ができませんよということで反対しているんだから。
 だから、そういうことがもしあった場合は、そこで農業をやっていて、せっかく植え付けをしたけれども収穫できなかったという場合はあるんだから、そこら辺は十分検討をしてやっていくべきですよ。今、一致団結と農林部長も言ったけれども、本当に開門したら海水が入ってくるから農業はできませんということで今は反対しているんだから、その辺は十分に考えてやってください。
○山田[博]委員長 答弁はいいですか。(「いい」と呼ぶ者あり)
 委員長を交代します。
○前田副委員長 山田委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 先ほど、徳永委員からも話があった宅地ですね、農業公社の宅地。75区画のうち31区画を6法人に売っているということです。
 これは入植者に販売するということでありましたけど、偏っていると、1法人で1区画とか2区画ぐらいだったらまだしも、まとめ買いをしているところもあるわけでしょう。まとめ買いをしているところは、実際はどうなんですか。工場とか何かに使っているんですか。
 それと、もう一つお尋ねしたいのは、買ってから全く更地にしたままのところがあるのか、ないのか。その2点をお答えいただけますか。
◎加藤農林部次長 例えば10区画以上買っているところにつきましては、そこの集出荷施設を建てているところでございます。
 それから、買って更地のままというのは、契約条件でもすぐ建てるようにとなっていますので、そういうところはありません。
◆山田[博]委員長 もう一つお尋ねしますと、転売もありませんか。
◎加藤農林部次長 転売もございません。
◆山田[博]委員長 そういった状態で、今、売れていないと。
 残りの44区画は、今の状態で平成25年まで売れなかった場合には不良債権化すると。金額にしたら、今の状態では幾らになりますか。
◎宮崎諫早湾干拓課長 現在残っている分が、約2億500万円でございます。
◆山田[博]委員長 農業公社の運営の中で、正確に言うと、平成25年のいつまでに売れなかったらそうなるわけですか。もう一度お願いします。
◎宮崎諫早湾干拓課長 当初の予定といたしましては、平成25年3月31日までの売却を予定しておったところでございます。
◆山田[博]委員長 そうすると、平成25年3月31日までに売れなかったら、2億500万円の不良債権になると。
 今から再設定になりますけど、今借りている利用権設定は平成25年3月31日までとなっているんですね。ということは、現時点でもう既に、2億500万円の不良債権になっているんだな、実質ね、そうなっているんでしょう。
 今借りている人は来年3月31日までなんだから、ということは、来年3月31日までに売れなかったら2億500万円の不良債権になるというんだったら、もう既になっているんだ、これは。ね、そうでしょう、諫早湾干拓課長。
 今、借りている人たちの利用権設定は、後で説明していただくけれども、平成25年3月31日となっているんですよ。そうでしょう。そうすると、もう既に2億500万円の、そういうふうになっているんだな、もう既に。そうでしょう。確認です。答えてください。
◎上田農林部長 包括外部監査からのご意見は、平成25年3月31日で5年間が終わりますので、当然そこで売れ残っております。公社は、県に対してその分の償還ができません。
 仮に県の貸付けを何年間か延長して、その間にしっかりと売ることができればいいけれども、長期的に売れなければ不良債権が固定化してしまうと、そういう趣旨のご意見でございまして、そういう意味では、平成25年3月31日の時点を踏まえて今、計画があるのかと言われると、現時点では入植者の何経営体か、意向はございます。それは聞き取りもしておりますけれども、今はちょっと待ってほしいと、開門のこともあるし、ちょっと待ってほしいと、そういう趣旨でございますので、意向がある方、意向がなくても、今の営農の状況がしっかり定着して、加工等への取組の芽も出てくれば、そこはしっかり使っていただきたいと思っておりますので、今度の利用権の再設定に当たっても、そういう計画なり意向なりはしっかり聞き取りをしていかないといけない事柄だと思っております。
◆山田[博]委員長 いや、長期化になろうが、現時点でそうなっているわけでね、5年でね。2億500万円ということで、こうすると、この時点でもですよ。
 リース事業が始まった時は、毎年お金が入っているわけね。しかし、2億500万円といったら、この5年間にずっとあっていたんだから、金利も発生しているわけね、極端に言えば。(発言する者あり)これは無利子なの。(「県の方から無利子です」と呼ぶ者あり)しかし、いずれにしたって、5年しても売れなかったら、これはもう現時点で必然的にそうなるわけだな。
 私が一番心配しているのは、不良債権化しているということと、もう一つは17ページに、国と県から公社にあわせて3億円、基金の運用としてもらっているけど、これが、平成22年に会計検査から指摘されて、国に返さないといけないんだな。そうでしょう。
 これを、国に返さないといかんと。県はどうなるんですか。県も一緒に返すのか。これはもう返したんですか。
◎長岡農地利活用推進室長 委員長ご指摘のように、会計検査の指摘を受けまして、この農地保有合理化促進事業の強化基金につきましては、3億円のうちの国の分、1億5,000万円を平成26年3月までに返還するようなことになっております。残り1億5,000万円の県の分につきましては、今後協議するという形になっております。
◆山田[博]委員長 国は、平成26年3月に返しなさいと、そうなっているわけですね。国の方から指摘されて、これを長崎県はどうするんですか。国は平成26年3月でしょう。長崎県はどうするんですか。
◎上田農林部長 会計検査院からの指摘は、全国的な仕組みとして、この部分の各県にある、交付している基金の国庫分を返納してくださいということになっております。
 この基金そのものは、農地保有合理化事業、いわゆる農地を中間保有して農家の方に配分すると、農地の集積を進めるための必要な経費、事務費なり人件費なりを運用益で賄うために国の方で制度を設けたものでございます。
 確かに国の方では返せということになっておりますので、これは返さないといけなくなりますけれども、農地保有合理化事業は進めないといけないと思っております。特に、県下全域の農地保有合理化をできるのは、今は農業振興公社だけでございます。市をまたいで農地の集積を担い手さんにやっていくといったことができるのは農業振興公社だけになっておりますので、そういった意味ではこの事業は何とか継続させないといけないと思っております。
 そのために財源としてどうするかと。これは収益事業ではありませんので、必要経費は別途確保しないといけません。県が拠出した1億5,000万円の基金の取扱いについては今後検討していきますけれども、何らかの財源はしっかりと確保しないといけない、事業を進めるためには必要だと思っているところでございます。
◆山田[博]委員長 だからね農林部長、今3億円あるから農業公社は経営が何とかやっていけるわけですね。平成26年3月には、1億5,000万円を返さないといけないんだと。長崎県の場合は、極端に言うと長崎県もそれに準じてしないといけないわけだけれども、それはそれとして、また新たな財源を確保しないといけないということになりますよね。そうすると、いずれにしたって国と合わせて1億5,000万円、要するに3億円は一旦返すんだということと理解していいんですか。どうですか。
◎上田農林部長 まだ現時点で確定はしておりませんけれども、私としてはこの1億5,000万円は、県の財政当局に認めてもらえれば有効な財源として、農地保有合理化事業を進めるための財源として活用させていただきたいと思っております。これは今後の協議でございます。
 さらに、先ほどの宅地の資金2億500万円残っているということで、これは県への返済が平成25年3月末でございます。先ほど来申し上げておりますように、販売の計画なり、意向なりをさらに精査していく必要があろうと思っております。あるいは掘り起こしもやっていかなければいかんと思っております。その間は何とか、この県から貸し付けている返済の期間の延長をお願いしたいと思っているところでございます。
◆山田[博]委員長 まず、平成25年3月までに2億500万円は返済しないといけないんだと。なおかつ国の方から、公社の基金の3億円のうち1億5,000万円は、平成26年3月までに返しなさいと会計検査院が指摘していると。長崎県としては、財政当局にお願いして残してもらうようにするんだと。
 国の会計検査で指摘されているけれども、この1億5,000万円というのは、長崎県の単独予算になっているわけ、この1億5,000万円というのは。だから、国の会計検査からああだ、こうだと言われる筋合いはないから自分たちはいいんだということと理解していいんですか。
◎上田農林部長 そこは県の単費で入れております。1億5,000万円は県の単費です。国は国費で1億5,000万円入れております。合わせて、そういうスキームになっているわけですけれども、国の方が、その財源を返しなさいと。
 これは政策議論になるんですけれども、今、国は、農地の利用集積を進めようとしております。まさしく20ヘクタール、30ヘクタールと進めようとしております。一方で、こういうふうにして農地の合理化を進める財源を返しなさいと言ってきております。非常に私はもう、ジレンマに陥っているんですけれども。
 県としても、将来に継続できるような、承継できるような経営体をつくっていくために、農地の集積と基盤整備は欠かせないものと思っておりますので、その点につきましては内部で協議をいたしまして、当委員会にもまたご説明をさせていただきたいと思っているところでございます。
◆山田[博]委員長 そうしたら、平成26年3月までに国のお金1億5,000万円を返さないといけないんだということになれば、少なくとも長崎県が出している1億5,000万円は県単独だから、それは財政当局が理解してもらえば大丈夫なんですよと。
 しかし、国の分の1億5,000万円は新たに投資しないと、公社の基金運用をできないわけでしょう。そうすると、平成26年3月までに必ず1億5,000万円用意せんといかんと、今の農業公社の経営、運営の中で明らかになったのはこれだと。
 もう一つは、平成25年3月までに2億500万円を長崎県に返さないといけないんだと。しかし、今の時点では売れていないんだから、この返済を延ばしてもらわないといけないんだということが明らかになったんですね、現時点では。
 だから、つまり3億6,000万円弱になるかな、少なくともこれぐらいの資金運用の手立てを早急にしないといけないということですね。支払いもまた充当せんといかんということで、少なくともこの資金の運用と支払いを含めて、これをどういうふうにするか。そうでしょう、そういうふうになるわけでしょう、当面の課題としては。どうですか。
◎加藤農林部次長 1点だけ、説明させていただきたいと思います。
 強化資金、確かに3億円の基金でございますけれども、そのまま取り崩しているわけではございませんで、運用益を出して、それでやっております。単年度でいきますと300万円から400万円ぐらいでございますので、1億5,000万円を国に返した分の200万円から150万円をどうやって毎年毎年補てんをしていくかというのが、まず当面の課題かと思っております。
◆山田[博]委員長 補てんはわかるんですよ。それはわかるけれども、1億5,000万円とか何かで、それはしないのかなと。経費を削減するのを優先するのか、資金的な課題としてこれだけの金額があるというのは間違いないんでしょう。まずそれを認めないと話が進まないから。
◎上田農林部長 強化基金の1億5,000万円を平成26年3月には国に返還をしないといけない。これは今、定期性預金で確保しておりますので返還をいたします。それに伴って、その分の運用益が出ませんので、農地保有合理化事業にかかる必要な経費の財源が足りなくなります。これについては、農地保有合理化事業を進めていく施策としての観点での立案をして、今以上に集積を進めていく手立てを行政として枠組みをつくらないといけないと思っております。
 その際の受け手は県下全域でできる農業振興公社のみでございますので、そこを活用した施策というのが必要になってまいります。いわゆる事業が必要になってまいります。
 もう一つの、公社にとりましての借入金の2億500万円は、まさしく3月31日が償還期限になっておりますので、そこの分の返済が必要になってまいります。ただし、まだ今売れていない状況、売れない経過の理由の中で、ここは一定期間の猶予を、延長をお願いせざるを得ないのではないかというふうに考えているところでございます。
◆山田[博]委員長 だからね、2億500万円はそうですねと、それはわかりましたと。当面の課題としては、もう延滞をしてもらわないといけないとわかったと。
 国に返す1億5,000万円というのは長崎県としては、農林部長が言っていることはわかるんですよ。だから、県当局としてはまた新たに。これは運用だから、減るわけはないから、それはそれでいいと思うんです。それをきちんと言わないと、後からわからない。どうするか、うやむやではいかんから。
 私たちは、この皆さん方は、公社の経営の在り方を十分に理解して、やるべきことはそれでいいんじゃないかと認めようと思っているわけだから、公社がないといけないというのは一定の理解はしているわけだから、そこはそういうふうにきちんと言ってもらえれば、私たちも財政当局にお願いすることもできるわけだから、そこをはっきり言わないと、うやむやにしておったらだめだから私は言っているわけですよ。
 だからね農林部長、国から返せと言われたと、国は言っていることとやっていることが違うんです、おかしいんですよ、困っているんですよということは十分理解ができます。だから長崎県として、新たにそこに1億5,000万円入れてもいいんじゃないですかと私は言っているわけだよ。それはそれでせんといかんですよと。ああ、じゃあ、やりなさいと、議会も応援しますよということになるわけだから、そこは農林部長、はっきり言ってもらった方がいい。
 2億500万円も、売れなかったんだから、それをまた支援をお願いせんといかんですよと、支払いを延ばしてもらわないといかんですよということはわかるわけだから、しようがないんだから、売れていなかったんだから。私は、それを何をやっているんだと言ったって始まらないから、建設的な議論を当委員会でやるための議論を、集中審議をやっているんだからね。
 何か先ほど、私が部長をいじめているとかね。冗談じゃありませんよ。私は建設的な人間です。建設的な意見を言っているんだから。言葉がちょっとね、五島だから、五島だからというわけではないけど、私の性格でね、ちょっときついことは、それは反省せんといかんけれども、私は建設的なことを言っているわけですから、部長、そこははっきり言ってもらって、こうしてもらいたいんですよと。もう委員の皆さんはずっと聞いていたら理解しているわけだけから、そこは農林部長、あなたは今年4月になったばかりで、あなたを責めているわけではないんだから。公社の在り方として、改善して、建設的な意見をしようということでやっているわけだから、ぜひご理解いただいて、それで答弁していただきたいと思います。
◎上田農林部長 農業振興公社の果たす役割についてご理解を賜っていることに、本当に感謝を申し上げる次第でございます。
 ただ、その事業を取り巻く周りの環境というのが、意に反して厳しくなっているのも事実でございます。そういう中で強化基金を国へ返還する、その後の事業運営については、基金を県として積み増すか、別途施策、補助金をつくって合理化事業の運営財源として手当てをするか、そういった施策も必要となってまいります。
 あわせて宅地につきましても、現時点ではまだ計画が立っておりませんので、延ばしていただかないといけない事情もございます。このあたり、事業の趣旨をご理解いただいているところでございますので、内部で検討をして、あげくの時にはまたご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。
◆山田[博]委員長 ということは、農業公社の資金的な当面の課題として、まず、宅地の2億500万円の支払いを延期してもらうというのが1つ。
 もう1つは、国に平成26年3月までに返さないといけないとなっているから、それを早急に県当局としては、その穴埋めとして、少なくとも1億5,000万円を新しく補助金でするか、基金でやるかという両方で、財政当局と話をしながら、それをやっていくということで理解していいんですね。
 私は、それはそれでいいと思うんですよ。それを明確に答えてください。
◎上田農林部長 委員長ご指摘のとおりでございます。そういうことを今から検討を早急にやっていくということでございます。
◆山田[博]委員長 早急にやっていくということで、ある程度めどをつけておかないと、再設定のことにかかってくるから、それを大体いつごろをめどにしてやると、例えば平成25年度からもうやっていきますよというふうに明確にしておかないとね。これは来年度からスタートするわけだから、それをスタートする、そういった前提に基づいてやっていきますよということで入っていかないとね。
 幸いなことに農林部長は農業振興公社の副理事長だから、副知事が理事長だから、いいところもあれば悪いところもあって、こういったことがしやすいこともありますね、分離せずに一体となっているからね。
 そこは今の時点でやっていかないといけないと思いますから、そこをいつまでに着手すると明確にしないと、これは先に進まないから。それをしてからじゃないと、利用権再設定の議論が進まないから、それを明確に、きちんとある程度の目標というか方針を言っていただかないと進みませんから、それを聞かせてください。
◎上田農林部長 まず、宅地の分につきましては、平成25年度の予算編成、今年の予算編成の段階で財政としっかり協議して、期間の延長について成論を得たいと思っているところでございます。
 それと、強化基金の返還につきましては平成26年3月ですので、平成26年度の事業予算案を検討する段階で、先ほど申し上げました基金としての支援にするか、あるいは事業を組んでの支援にするかを組み立てて行っていきたいと思っているところでございます。(発言する者あり)
 平成26年3月で返還でございますので、26年度の事業から影響が出てまいりますので、平成26年度の事業に影響が出ないようにするためには、平成25年度中に予算の中身につきましても検討していきたいと思っているところでございます。
◆山田[博]委員長 そうすると、最終的に確認ですけど、宅地の2億500万円、基金の運用の1億5,000万円で3億5,000万円の基金、これはあくまでも支払いを延ばしてもらうことだから、直接的には県の財政に影響は大してないけれども、少なくともそういった財政的支援ということで私たちは理解して、それをやっていくということで、委員の皆さん方のご理解をいただければ利用権設定について議論を深めていきたいと思っております。
 要するにですね、農林部長、別に部長が全部背負ってすることはないんですよ。あなたも来て、この集中審議で、いつもはつらつとしているのが、もう今にも倒れそうにしているから、大丈夫かなと。隣の農林部次長や政策監等は意気揚々としているからですね、どうなっているのかなと。
 そういうことで、きちんと問題点は問題点として明らかにして、皆さん方で公社の在り方と現状を十分把握して、それだったらこういうふうにやっていかないといけないということを理解しないといかんわけですから、そういった点では委員の皆さん方も私も、ある一定の理解を深めた上で、この利用権の再設定について、議論を深めていきたいと思います。
 一旦終わります。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 それでは、続きまして、諫早湾干拓農地の利用権再設定について、議論を深めていきたいと思います。
 これについて、説明はございますか。
◎宮崎諫早湾干拓課長 利用権の再設定の説明につきましては、一昨日の当委員会におきまして説明させていただいておりますが、改めまして、諫早湾干拓農地の利用権再設定についてのご説明をさせていただきたいと思います。
 資料につきましては、一昨日お配りしています「利用権再設定等について」で行いたいと思います。よろしいでしょうか。
 諫早湾干拓農地は、672ヘクタールのすべての農地をリース方式とし、5年間の利用権設定を行っております。
 平成20年の営農開始から5年目を迎え、平成25年3月31日には利用期間が満了となるため、その再設定の進め方についてご説明させていただきます。
 利用権再設定に関する基本的な考え方につきまして、第三者委員会を今月設置いたしましてご意見をいただき、これを踏まえ、県と農業振興公社が共同で方針を策定し、議会へ報告させていただいた後、8月から農業振興公社の方で利用権の再設定に向けた具体的な作業を進めたいと考えております。
 第三者委員会は、農業者の代表や法律の専門家、そして学識経験者などで構成いたしまして、専門的かつ公平な立場からご意見を伺うこととしておりますが、その内容は、利用権再設定の基本的な考え方といたしまして、まず、現入植者からの利用権再設定の申し入れに対し、農地の適正利用や経営の状況などについて専門家による審査を行い、更新の有無を決定すること。
 その上で、利用権を再設定しない農地が発生した場合は、一般公募による再募集を行い、同様に専門家による選考審査を経て入植者を決定し、利用権を設定するという案を考えております。
 利用権再設定の条件等につきましては、1、農業で自立できる意欲と能力を有すること。2、干拓営農の基本方針に即していること。3、認定農業者であり、かつ、平成29年度を目標年度とする経営改善計画の更新を行っていること、または行う見込みが明らかなこと。4、平成諫早湾干拓土地改良区の組合員であること。5、エコファーマーであること。6、環境保全型農業を実践していることなどのほか、7といたしまして申請の時点におきましてリース料の未納がないことや、8といたしまして利用権再設定に当たっての農地の場所の変更等は認めないことなどを考えております。
 利用権再設定の作業は農業振興公社の方で進めていただきますけれども、その進め方、特に審査の在り方につきましては、経営状況や経営計画の実現性などについて審査を行うための審査委員会の設置についてご意見をいただきたいというふうに考えております。
 さらに、利用権を再設定しない農地が発生した場合は、平成19年度に策定した公募基準に準じ募集を行い、同様に透明性を確保した審査委員会により選考審査を行いたいというふうに考えております。
 平成19年の公募基準における募集条件につきましては3ページに示しておりますけれども、1つ目といたしまして、公募の対象地域につきましては、入植者は県内外、増反者につきましては県内で通作可能な地域、農業生産法人につきましては、その構成員の居住地が県内にあること、などとしております。
 2つ目の年齢につきましては、20歳以上で、50歳以上の入植者並びに60歳以上の増反者は、後継者が就農、もしくは就農が見込まれること。また、新規参入の農業者や農業生産法人の応募も認めること。
 3番目といたしまして、エコファーマーであり、環境保全型農業を実践すること、などであります。
 この一連の作業スケジュールを4ページに示しておりますけれども、このような再設定の考え方などについてご意見を伺った後、県と農業振興公社が共同で利用権再設定の方針を策定し、農業振興公社の方で具体的な事務作業を進め、11月ごろには再設定の決定を出せるように進めたいというふうに考えております。
 さらには、11月の時点で利用権の再設定をしない農地、いわゆる余剰農地が発生した場合には、その再募集に向けた作業を進め、3月には入植者が決定できるよう進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 質問はありませんか。なければ、私の方からやりましょうか。
 委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 今回、再設定にいろいろ条件が出ているんですけれども、まず、1ページの方からお尋ねしたいんですけど。
 平成諫早湾干拓土地改良区の組合員であることという条件があるんですけど、これは公社としても県としても、一般的に広く応募するわけでしょう、基本的にね。そうすると、ここの組合員であることというと事前に狭められるおそれがあるんじゃないかと。これはどういった意味で出しているのか、お尋ねします。
◎加藤農林部次長 利用権の再設定につきまして、1番の(1)のところで、まずは現入植者の方からの再設定を審査したいと思っております。現入植者の方については、当然のことながら今、平成諫早湾土地改良区の組合員になっていただかないと入植できないということになっておりますので、そこの組合員であること。
 これは、そこの土地改良区の組合員でなければ改良区の施設の管理ができませんので、そういうことで当初から要件になっているところでございます。
◆山田[博]委員長 私の質問の仕方が悪かったですね。現入植者はそれでいいと思うんです。新しく入ろうとしている人ですよ。新しく入ろうとしている人は、先にこの会員になってからじゃないといけないということではないでしょう。
◎加藤農林部次長 申しわけございません。余剰農地が出た場合には、当然のことながら、今の組合員ではありません。おっしゃるとおりでございます。
◆山田[博]委員長 だから、ここの書き方というのは「現入植者の場合に限る」とかとしないと、出ていって余剰のある時に、応募の仕方としては問題があるんじゃないかと思ったんですが、どうですか。
◎加藤農林部次長 1ページのところにつきましては、現入植者の方の再設定の条件という形で書かせていただきました。
 余剰農地が出た場合に一般公募する条件としましては、2ページ目をお開きいただきたいと思います。再募集につきましては、平成19年の公募基準に準じということで、その公募基準を3ページ目に付けております。この中では、委員長ご指摘のとおり、土地改良区の組合員でなければならないとかというのは当然入っておりませんで、3ページ目の基準をもとに、余剰農地が出た場合については再募集を行いたいというふうに考えているところでございます。
◆山田[博]委員長 そうすると、そうしたらですよ、(発言する者あり)私が質問しているんだから、ちょっと静かにしてくれないかな。
 そうしたら、再利用設定の中で、1ページの方は現入植者でしょう。そうしたら、入植者でお尋ねしますけどね、入植者の、まず最初にお尋ねしたいことは、今、住宅、宅地があるじゃないですか。この宅地に関しては、一度応募して入植者がいるわけね。そこの中に入っている人は当然のことなんだ、これはずっとね。これから農業用宅地の取扱いを、現入植者の方にも入れるのか、新規の方で入れるかというのをね、それはやっぱりせんといかんでしょう、これは。そこはどういうふうに考えておりますか。
◎上田農林部長 昨日の委員長のご質問にもお答え申し上げましたけれども、宅地の利用というのを新規の募集者に条件をつけるのは、提案としては可能だと私は思っております。宅地の利用も併せてされる者ということで。
 現入植者についてでございますけれども、基本的には、平成19年の公募基準に基づいて手を挙げて入って来られております。そこの中ではそういう条件を付しておりませんでしたので、その方々の更新という形になりますので、そこまで法律的に条件をつけられるかどうか。気持ちはつけたいと思っているんですけど、つけられるかどうかというのは、非常に疑義があるところなので。
 これは、いわゆるたたき台として出しておりますけれども、ご意見も踏まえて、法律、農地法の専門家、それから経営上の専門家という方々の第三者委員会でもう一回、議論をしてもらいたいと思っております。法律的にいいのか、あるいは経営的にはもっと突っ込まねばいかんのじゃないかとか、そういったところでしっかり、今の趣旨は項目として掲げて整理をしてもらう必要があろうと思っております。
◆山田[博]委員長 ぜひそれはしていただきたいと思いますね。現在でも、平成25年3月で2億500万円が不良債権化しようとしているわけですから、それをしていただきたいと。
 それで、新しい公募対象者地域とは「長崎県及びその周辺地域」としているわけですね。これは、当初から「周辺地域」ということでされていたわけですか。周辺地域となると、どこまでを対象にしているのか、具体的に答えていただきたいと思います。
◎加藤農林部次長 実は、これは国営干拓事業として国費が入っているということで、県内だけではなくて県外についても、国の指導では広く公募することということで最初はスタートしております。この辺を今回の更新に当たっても守らないといけないのかというのを、また国に確認しないといけないところでございます。
 入植者については、長崎県及びその周辺地域となっていますけれども、広く実は受け付けております。ただし、選考基準の中で、入植者については諫早市その周辺に居住地を移すことということをつけまして、募集はしますけど、こちらに来てもらわないと入植はさせませんよという形をとりました。そういう形で県内に足場を置いていただくという形を今後もしないといけないのかなと思っております。
◆山田[博]委員長 それはそういうふうにしてもらいたいと思うんですけど、私はそれがいいと思っているんです。しかし、ちょっと疑問に思ったのは、それで国の方から特段指導はなかったですか。現実的に周辺地域から応募していないんじゃないかというふうに言われてもね。
 私は、そういうふうにしてもらいたいんです。心の中では思っているんです。だけど、実際はそれは違うじゃないかと指導はあったか、なかったか、まずそれをお答えください。
◎加藤農林部次長 現実に、応募につきましては広く県外からもありましたので、国からの指導はございません。
 現実に県外から入植された方もいらっしゃいまして、居住地を今、こちらに移して営農されています。
◆山田[博]委員長 じゃあ、長崎県以外で最初に応募した中で、実際に採用されたのは何件あったんですか。
◎加藤農林部次長 1件、熊本の天草の方から入植された方がいらっしゃって、今、中央干拓地の宅地等用地のところに家を建てていらっしゃいます。
○山田[博]委員長 応募があったのは1件ですか。
◎加藤農林部次長 すみません。ちょっと調べさせていただきたいと。
○前田副委員長 暫時休憩します。再開は15分からとします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午前11時07分 休憩−
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     −午前11時15分 再開−
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○前田副委員長 委員会を再開します。
◎宮崎諫早湾干拓課長 先ほど、ご質問のありました、当初の募集状況で県外からはどの程度あったかということですけれども、県外からは8件の応募があっております。
◆山田[博]委員長 そうすると、8件あって、1件しか入植しなかったということですね。県外の方には、長崎県内に住んでくださいという条件になっているわけですね。それはもう絶対条件になっているんですか。それを答えていただけますか。
◎加藤農林部次長 募集要項の中でそういう形で皆さんにお知らせして、移住していただくという形にしております。
◆山田[博]委員長 実際にその条件でやってみて、県内の方々もいらっしゃるわけね。滞納の方もいらっしゃったわけでしょう。
 私は何が言いたいかというと、入植者を県内優先もさることながら、このリース料を滞納してもらったら困るわけね。もっと言うと、県内の農家を大前提で優先するか、もう一つは、リース料の滞納があっては困るから、要するに経営を優先するかということなんですよ、極端に言うとね。
 結果的に県内を優先した状態であってね。要するに今の募集要項だったら、県内優先でしょう、県内居住者をとにかく優先しているんでしょう。まずその見解を聞かせていただきたいと思います。
◎加藤農林部次長 一定、委員長が言われる面もございます。
 ただ、もう一点は、農業でございますので、やはり農地の近くに来て現地をずっと管理していただかないと、見ていただかないとしっかりした営農もできないという面もございます。そういう面も含めまして、こういう条件をつけているところでございます。
◆山田[博]委員長 例えば私が社長としますよね、農業生産法人の代表とします。現場の監督はですよ。その要件というのは代表者なのか、作業員になっているのか、それをお尋ねします。
◎加藤農林部次長 入植農家個人につきましては、当然その方が移住してもらうような形になります。農業生産法人につきましては、常時従事者たる構成員の方が、居住地をこちらの方に移転していただくという形にしております。
◆山田[博]委員長 常時する人たちはそうしてもらって、代表者は別に、その条件はないわけね。わかりました。
 もう一つお尋ねしたいのは、1ページに、申請時においてリース料の未納がないこととあるでしょう。申請時点で未納がないことということでありますけど、実際に今の時点でリース料の滞納金を払っていない会社があるわけでしょう。今、実際に未納しているのは何者あって、その面積はどれくらいあるんですか。
◎加藤農林部次長 4者ございます。面積はちょっと調べさせていただきたいと思います。
◆山田[博]委員長 面積は後で聞かせてもらいたいと思います。
 それと、2ページの審査会です。
 今、100条委員会とか県議会・県政改革特別委員会でわかったことは、農業振興公社が診断のたたき台をつくる時に議事録が何もなかったわけです。それで不透明さが残っていたわけです。
 要するに、審査に入る前にたたき台をどのようにつくるかが一番ポイントなんです。そのたたき台をつくる時にどういうふうな議論をしたかというふうなことがあったし、再審査をする時、農業生産法人のやりとりとか記録もなかったものだから、そういった審査会に入る前の事務局的なたたき台はどこがつくるのか答えてくれますか。
◎加藤農林部次長 委員長ご指摘のとおり、審査に当たりましては透明性、公平性、公正性の確保は絶対に必要だと思っております。
 具体的に審査の進め方でございますけれども、今回につきましては、経営的な観点での審査というのが中心になってまいりますので、具体的に経営診断士の方を中心に、あるいは、農地法との関係もありますので法律家の専門家の方に、審査をしていただこうと思っております。その中で具体的に事務局の方では、申請書類の取りまとめといいますか、受付けと、中に間違いがないかだけのチェック等をやって、具体的な評価は審査委員の先生たちにやっていただこうと思っております。面談とか、そういうことはもう審査委員の先生方に具体的にやっていただこうと思っております。そういう形で審査員の先生たちにやっていただいて、その経過も、審査委員の先生たちの議論を記録に残すと、公表かどうかは別としまして、記録は残していこうと考えております。
◆山田[博]委員長 そうしたら公社としては、同じ過ちを二度と起こさないということで、受付けするだけで、間違いがないかチェックだけして、具体的な審査というのはもう本当に、最初の審査というか、要するに1から10までの審査というのは審査員の方でやるんだということですね。それがいいですね、一番ね。
 それと、この審査員のメンバーは公表するのか、公表しないのか、それを答えていただけますか。
◎上田農林部長 まだはっきりと決めておりませんけれども、基本的には農業経営アドバイザー、税理士さん、中小企業診断士さん、農業に関するアドバイスができる、診断ができる専門家の方々もいらっしゃるので、そこにお願いしようと思っております。
 公表するかどうか、公表できないのかどうかというのは、今から検討をしなければいかんと思っております。個別の経営状況の洗い出しをしていくことになりますけれども、いわゆる評価作業をその方々にやっていただきたいというふうに思っておりますので、公表するかどうかは検討させていただきたいと思っております。
◎長岡農地利活用推進室長 先ほどの未納の4経営体の面積でございますけれども、合計で90ヘクタールでございます。
○前田副委員長 全体の何パーセントぐらいになりますか。
◎加藤農林部次長 全体は672ヘクタールです。
○前田副委員長 15%ぐらいですね。
◆山田[博]委員長 新しい条件で、少なくとも申請時点でリース料の未納がないということで、リース料の未納があって滞納金も払っていないのがこの4者であって、それが90ヘクタールと。要するに、会社が滞納金も払っていない、リース料も払っていないということであれば、少なくともこれだけの新規が出てくるということで理解していいのかな。滞納金も払っていないんだから、現時点でこういうふうな状況だから、そういうふうになってくるのかな。
 どれだけあるのかというのを私たちも把握しないといけないから、新しく設定するところが4者、90ヘクタール、大体15%に当たるのがあるということになれば、それでまたいろいろな条件も検討しないといかんでしょうから、それをお答えいただけますか。
◎上田農林部長 再設定についてのこちら側の今の時点での考え方ということでお示しをしております。今、この4経営体が滞納しておりますけれども、申請時点までにちゃんと納めてもらえれば、まずはクリアできるのかなという思いはございます。
 もう一つ、これは昨日もご答弁申し上げたんですけれども、いわゆる当初の公募基準での条件、農地法なりの条件、それと農業振興公社の経営上の必要な条件、そこがどこまで法律に引っかからずにできるのか、議論しないといけない部分がございます。そこが可能ならば、こういう未然の保全措置みたいなものも入れたいということをその専門家とも議論をさせてもらいたいと思っているところでございます。
◆山田[博]委員長 未然の措置というとどういったことになるんですか。具体的に今、話せますか。
◎上田農林部長 未然の措置と言いましたのは、リース料の延滞があってはならないと私たちは基本的に思っております。既に延滞している人を更新して新たにまた再度設定をするということは、あってはならない延滞をそのまま認めていくという形になりますので、そこは未然に、受付の段階から対象から外したいという気持ちがございます。
 要は、応募の条件として、申請の対象から外すことができませんかと、リース料を延滞しておればと。(「申請させないということか」と呼ぶ者あり)それは今の考え方です。それが本当にできるのかどうか、これは法律のこともございますので、経営の観点もあるので、農地法の専門家が入る第三者委員会で議論をしていただいて、どこまで条件がつけられるかというのを整理させてもらいたいと思っております。そこに持ち込むための、今のこちら側の考え方の一部がここに入っているというふうにご理解いただければと思っております。
◆山田[博]委員長 私ばっかり質問したら、ほかの委員の皆さん方も質問がありますからね。
 この滞納の分で、期限までにちゃんとまじめに払った人と、申請時においてリース料が未納ではないということはちょっとどうかなというのがありますので、ここはやっぱり議論するところが多いんじゃないかなと。ちゃんと期限に払ったといっても、また後で同じようなことを繰り返したらたまったものじゃないから。これは農業振興公社の経営にも寄与してくるわけですからね。その時点でクリアしても、また同じことを繰り返したらたまったものじゃないから、そこはやっぱり、農林部長が言われた未然の措置として最初から受け付けないとか、点数化して、過去にそういったことがあれば減点をするとか、そういった方法をとるしかないんじゃないかなと私は思うんですよね。
 ぜひ参考にしていただければと思いますので、その件については、後でまた農林部長なりに見解を聞かせていただればと思いますので、よろしくお願いします。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかに。
◆高見委員 再設定についての議論が始まっているんですが、再設定に当たっては、5年目に入って、1段階は経ていますので、100条委員会での議論もございますから、その経過の中で指摘をされてきた不都合といいましょうか、こういったことをしっかりと解消していただいて、いわば情報公開はせずとも、情報公開の求めがあった時にはいつでも公開できるように、その手はずをぜひ整えていただきたいというふうに思っています。
 再設定に関して、第三者委員会の構成はどんな構成になるんでしょうか。
◎加藤農林部次長 第三者委員会の構成でございますが、干拓営農は大規模の環境保全型農業をしっかりやっていかないといけないということでございますので、まずは農業者の代表者の方とか、環境保全型農業、あるいは大規模農業の学識経験がある方。それから、先ほど部長の方からもございましたけれども、農業振興公社の経営という面がございます。リース料を確保しないといけない、あるいは営農者の基本となる経営を確立しないといけないということがございますので、そういう面から経営診断士の方、あるいは農地法に詳しい法律家の方、そういう方たちを委員として考えているところでございます。
◆高見委員 特に最初の入植、増反の時の審査は、選考・選定委員会ということでありましたけれども、基本的に事務方主導で、選考・選定の委員の皆さん方が、ほとんどそれを追認するだけだったと、こんな経過がございました。ですから、この第三者委員会にはぜひ、そこに主体性、決定の権限も含めて持たせて運営をしていただきたいというふうに思っております。
 2つ目ですが、利用権の再設定の申し出というようなことで触れられています。申し出があって、それに基づいて審査をしていく。第三者委員会もそうですけれども、審査をされていきます。
 利用権の再設定の申し出があった時に、この申し出が決定にかかわって最優先されるのかどうか。わかりますか。決定に際して、第三者委員会の審査もあるでしょうけれども、それよりも、引き続き借りたいんだという意思が最優先されるのかどうか、このことを聞いておきたいと思います。
◎加藤農林部次長 前回の入植決定の段階で、諫早湾干拓公募基準というのをつくっております。それをもとに入植者を募集して、入植をしていただいております。
 その中で、農地の貸付期間は5年間を単位とする、以降、5年ごとに利用権を再設定できるものとするということで、再設定を原則としております。
 ただし、その後になお書きがございまして、「農地の適正利用、環境保全型農業の実施に著しく不適切であると認められる場合、農業者等が土地改良区の組合員でなくなった場合等には、公社は利用権を再設定しないことができるものとする」としておりますので、一定不具合があるとか、そういう場合には利用権を設定できない場合があるということもここで示しているところでございます。
 さらには、今回5年間が切れる段階で、当然公社としての経営も考えていかないといけないと思っております。リース料を確実に確保していく中でどこまで条件を設定できるかというところを、先ほど部長からございましたけれども、農地法とのせめぎ合いの中でどこまでできるかというのを今回の第三者委員会の中でやっていただきたいと思っておりますので、まずは利用権の再設定を出していただかないといけないというのは当然でございますけれども、それが最優先になるかというところは、審査の中では、やっぱり審査の基準をもとに判断をしていくというところで答えさせていただきたいと思っております。(発言する者あり)
◎長岡農地利活用推進室長 すみません、先ほど、4経営体の面積を言いましたけれども、ちょっと計算間違いがございまして、108ヘクタールでございます。108ヘクタールというのが正しい数字でございます。申しわけありません。訂正させていただきます。
○山田[博]委員長 何パーセントですか。
◎長岡農地利活用推進室長 約16%でございます。
○山田[博]委員長 委員長を交代します。
○前田副委員長 山田(博)委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 農地利活用推進室長、しっかりあなたたちは答えないといかんだろう。そのために後ろは来ているんでしょうが。しっかりやっていただかないとね。よろしいですか。
◎長岡農地利活用推進室長 申しわけございませんでした。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 高見委員、どうぞ。
◆高見委員 次長の方から、要するに土地を貸す側の論理ともう一方に借りる側の論理というのがあると思うんですよね。両者の言い分が違った時に、法的にどうなのかというところなんですね。
 私ども、実施要領とか含めていろいろ100条委員会の中で見せていただいて、記載をされているけれども、どれだけこれが適用できるのかなと。いや、記載をされているから、このとおり適用しなさいよということまで求めたんですが、答弁としてあやふやでした。これは法的に判断をしてということではなくて、現状はこういうふうに決めているけれども、なかなか判断ができないと、司法、法律に詳しい人に聞かなければわからないというようなこともあったんだろうと思います。
 ですから、再設定に当たって、利用者の再設定の場合、既に営農をされている。5年間は土づくりだと、リース料も払ってきた。まだ十分に経営体としては収支がとれていないけれども、次の5年目に向けて頑張るんだというような思いと、技術的な準備もされてきたのに、第三者委員会で、例えば経営上まだ成り立っていないじゃないかと、このことを理由にして「だめですよ」というふうに言われた時が一番大変だなと思うんですよね。今までにつぎ込んできた知恵も、あるいは金も、こんなこともですね。そういう意味では、申し出を最優先してほしいという思いで言ったつもりでした。
 ですから、状況についてはさまざま検討をされると思います。法的な判断も専門家に聞きながら間違いのないように判断をされると思いますけれども、ぜひこんなところを慎重にやっていただきたいと思っております。
◎上田農林部長 入植されている方々の思い、これはもう私は、大切にしていかないといけない重要な部分だと思っております。
 例えば、農地法上での利用権の設定であれば、これは何もしなければ自動更新という形、いわゆる利用者の方の観点で成り立っている法律でございます。
 経営基盤強化法は、一旦それが切れるということになりますので、その法の取扱いは違うことになりますが、公募基準そのものが、条件は付いていますけれども、再設定の申し出ができるとなっておりますので、そこは十分踏まえつつ、なおかつ先ほど来のリース料の問題も含めて、これは慎重に議論していく必要があろうと思っている、そういうことでございますので、専門家の方々による第三者委員会で、この方向性についての、あるいは条件についての議論精査をしていただきたいと思っているところでございます。
◆高見委員 それから、一番問題なのは、未納を現実にされている方。それと延滞料の話も昨日はできました。延滞料をまだ完済できずに抱えている方、こういった方々の取扱いだろうというふうに思うんですよね。
 最初、平成19年に入植者、増反者を決定する際には、未納が発生するとか、または未納について延滞金が発生するというのが多分想定されていなかったんだろうと思います。ですから、今までの資料を見てみますと、そんな文言が一言も出てこないし、入る人との取り決めも全くできておりません。
 今回は、未納者も発生しましたし、現状発生をしています。ただ、来年1月31日までに今年度の分については完納すればいい、あるいはまた、それ以前の平成23年度分につきましても、基本的には次の申請の時点までに完済をすれば利用権再設定の申請はできるんだということですから、そうなればいいんですけれども、こういう具体的な取り決めが全くない。今後については、そんな取り決めをきちんとしてほしい。
 それと、仮に今、未納、延滞をされている方が1月31日、あるいは申請の時点までに完納された場合には、誓約書を出していただくとか、そんな具体的な措置を講じなければ、なかなかお互いに「じゃあ、貸しましょう」ということにならないと思います。また、議会としても、これだけあったのに何とか完済されたから、「じゃあ、よかたい」というふうなことにならないと思います。
 山田(博)委員長も言われるように、いつこんな状態が発生するかもわからないというような話になろうかと思いますので、ぜひそんなところの具体的な細々した部分についても、今回は慎重に対応してほしい、このことをお願いしたいと思います。
◆溝口委員 再設定について、先ほどからリース料の未納の問題が出ているんですけれども、条件としてはリース料が未納になると再設定はできないと私も思っているんですけれども、当初の条件の中にそれが入っていなかったというのが、この再設定する段階での問題になってくるんじゃないかと思うんですよね。だから、もし未納者が発生して貸すことができないとなった時に、そのような人たちから、先ほど言っていた、経営上いろんな投資をしていますので、その辺についての賠償金とかなんとかという形になった時は、県としてはどのような対応をしていくんですか。
◎加藤農林部次長 委員ご指摘の懸念というのは、実はあるところでございます。農地法の中でも実は、契約解除という面でございますけれども、例えば2年以上延滞している場合についてはやむを得ないんじゃないかという事例もございます。そういう事例を踏まえながら、この条件が本当にどこまで盛り込めるかというのを、農地法の専門家の方にご相談しながら入れていかないといけないと思っております。
 もう一方では入植者の方々にも事前にしっかり、こういうものを払っていただかないとだめなんだということは周知をしていかないといけないと思っております。両面から、この条件をどこまで入れるのか、あるいはその前の段階でちゃんと払ってもらうと。払ってもらったとしても、その後で、延滞の実績がある人については、今後2度と出ないようにどういう対策をとるのか、そういうことを検討していかないといけないと考えているところでございます。
◆溝口委員 申請する段階でリース料を払ったからといって、それを素直にやっていくということは、入植者の方々に対しても、続けていくことによって赤字が膨らんでいくという形の中では、平成29年度までの経営指導改善計画というのがものすごく大切なものになってくると思うんですよね。
 そのような第三者委員会の指摘があって、例えば、未納者が払ったからといって更新させていいものかどうかということも判断の一つにしていかないといけないと私は思っているんですけれども、先ほどの条件の中では、申請時までに完済すれば、もう自動的になりますよという話だったと思うんです。わざわざ第三者委員会で経営診断までするということについては、どのように考えているんですか。私としては、無条件に申請をさせるような感じがしたので、その辺についての考え方を聞かせてください。
◎加藤農林部次長 1回払えばそれで済むのかという話でございますけれども、私どもはそうは思っておりませんで、今度の更新後については、今のところ経営指導をする上で決算書類とか財務諸表関係については任意でしか提出をしていただいていませんけれども、例えば、その提出を義務づける、あるいは定期的な経営診断を受けていただくことを義務づける、そういうことも考えていかないといけないのかなと思っております。
 それでも不安があるということであれば、さらにその上も検討しないといけないのかなというのを腹の中には置いているんですが、その辺も踏まえながら、専門家の先生方にもちょっと。
 ただし、営農者の方たちの気持ちというのもあるだろうと思っているんです。どこまで厳しく、公社の経営と言いながらも、営農の立場からというのもあると思っておりますので、その辺を踏まえながら検討していきたいと思っております。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、入植者の方々は、経営診断がよい方向に出なかったとしてもそういう意欲のある方というか、5年間にきれいにやっていこうという意欲、その人の意見も聞いていかないといけないと思うんですよ。だから、そこら辺についてものすごく難しい形になると思うので、再設定の中にリース料の未納というのを考え方として入れてもいいんですけど、もし農地があいて再募集する時には、条件の中に最初に、5年後にリース料が未納だった場合は再更新はさせませんよと、そういう強い文言を最初から条件として入れておいた方がいいんじゃないかと思うんですけれども、そのことについての考え方をお尋ねします。
◎上田農林部長 いわゆる入口でどういう決め方をするかという話だろうと思っております。そこは私たちも、実際に今、延滞が発生している中で身をもって、そういう経営が大丈夫かということの払拭の対策もせざるを得ない状況がございますので、そこはしっかり、入口で何らかの条件をつけるということを検討していきたいと思っております。
◆溝口委員 入口でそれを、最初の再募集の時に入れておったら、その中で5年後にリース料が未納の時にはもう再更新をしませんと。そして、いろいろな設備とか、そういうことに賠償金も払いませんと、そういう条件を最初につけておった方がよかったんじゃないかなと私は思うんですよ。
 今後、空き地ができて再募集の時は、そういう条件を入れながら厳正な形でやっていかないと、今後の農業振興公社の運営ができていかないんじゃないかと、私はこの辺が心配なんですよね。昨日の委員長のいろんな意見を聞いていると、この公社の経営ができないようになってきたらおしまいですから、その辺についてはやはり、入植者に対する厳しさというのは当初につくるべきじゃないかと私は思っておりますので、その辺について、ぜひ検討していただきたいと思っております。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆陣内委員 先ほどからずっと話が出ているように、非常に厳しい運営状況の入植者の方もおられるんじゃないかなと思います。これは一般の事業に比べますと、いわゆる事業採算性が、累損解消できるような年度はやっぱり10年ちょっとかかるだろうと思うんです。単年度黒字化は5〜6年でなるかもしれませんけど。そういった点から考えますと、5年間で十分に営農が順調にいっている企業は、それだけ相当投資もしているわけでしょうけど、累損解消までいくような入植者というのは多分ないだろうと思うんです。
 審査の過程で厳しくということももちろんあるんですが、利用権再設定の作業開始をいつぐらいから受け付けるのか。これからいくと8月下旬には営農者への説明ということになっていますね。そして、決定するのが11月になるんですかね。3カ月の猶予ですね。非常に厳しいんじゃないかなという気がするんですけれども、そこら辺は事前に指導されているんですか。
◎加藤農林部次長 営農者の方につきましては、当初から5年間のリース期間というのがわかっておりますので、更新に向けてはもう準備をされているところではあります。
 その中で営農状況の聞き取りをやっておりまして、更新が原則にはなりますけど、一定の条件をつけざるを得ませんという話はさせていただいております。まだ具体的な話ではありませんけど、その中では、例えばリース料の未納というのは絶対に許されないんだよという話はさせていただいていまして、しっかり準備をやってくれと、そういう面での指導はやっているところでございます。
◆陣内委員 日ごろからそういうふうな指導もやっているということで、安心できるのかと思うんですけれども、現実にリース料の滞納者が4者出ているということでしたね。そういう方たちは一生懸命頑張っておられるけど、いわゆる単年度黒字化されるのが6年目だったと、あるいは7年目ということかもしれないですね。営農の状況、経営判断をされているというので、そこら辺は大丈夫かなと思うんだけど、原則はやはり原則として、現入植者を更新できるような方向で指導をしていただきたいと。厳しい判定はやってもらわなきゃいかんと思いますけれども、指導を十分しながらやっていただきたいというふうに思っていますので、要望しておきます。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 ほかに質問がないようですので、本件についての審査を終了いたします。
 それでは、農業振興公社への貸付及び諫早湾干拓農地の利用権再設定についてに関する審査結果について整理したいと思います。
 しばらく休憩いたします。
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     −午前11時53分 休憩−
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     −午前11時54分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 それでは、審査の内容というのは、正副委員長に一任ということでよろしいですか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 まとめとしては、農業振興公社の健全な経営のために、関係機関と十分な協議をして行うことと、そして、諫早湾干拓農地の利用権再設定については、リース料等の滞納が二度と発生しないこと、なおかつ、審査に当たっては公明正大に行うことを最優先とするということでよろしいですね。(「はい」と呼ぶ者あり)そうすると、委員の皆さん方の、高見委員、陣内委員、溝口委員の意見を大体網羅したんじゃないかと思うんです。そういうことで終わりたいと思います。
 それでは、午前中の委員会はこれにてとどめ、午後は1時30分より、農業用ハウスの審査を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 しばらく休憩いたします。
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     −午前11時55分 休憩−
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     −午後1時32分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 午後からは、農業用ハウスについて集中審査を行いたいと思います。
 なお、6月25日及び26日にご決定いただいたとおり、参考人として長崎県農業協同組合中央会参事 小島幸久氏、全国農業協同組合連合会長崎本部本部長 栗田泰之氏、株式会社萩原組代表取締役 西極忠和氏、長崎県いちご部会会長 山本幸彦氏、長崎県花き振興協議会会長 立光一孝氏、以上の方々にご出席いただいており、理事者の出席範囲を含め、お手元に配付しております配席表のとおり決定したいと存じますので、ご了承をお願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ここで、委員長として一言ごあいさつ申し上げます。
 本日、参考人としてご出席いただきました長崎県農業協同組合中央会の小島参事、全国農業協同組合連合会長崎本部の栗田本部長、また、株式会社萩原組の西極代表取締役、長崎県いちご部会の山本会長、長崎県花き振興協議会の立光会長におかれましては、大変ご多忙な中、本委員会の審査にご協力いただきまして、本当にありがとうございます。
 また、後ろの方に、関係者の方も出席いただきまして、本当にありがとうございます。
 当委員会におきましては、以前から農業用ハウスの入札のあり方について議論をされておりまして、生産者の側に立った、少しでも低コストにできる農業用ハウスの入札のあり方というのを、県議会・県政改革特別委員会でも議論がありまして、また、常任委員会でもそういったしっかりとした集中審査を行いまして生産者の方々に還元できるようにということで、当委員会をさせていただきました。
 また、県発注の入札におきましては、私もいろいろと調査、研究をさせていただきました。そこにおきましては、大変不適切なところ、また、不明瞭なところがありまして、今日は、西極参考人に来ていただきました。
 しかしながら、ご存じのとおり、農業協同組合の関係者の皆さん方におかれましては、生産者に対して並々ならぬご尽力をいただいて、生産者のこういった農業用ハウスにご協力いただいていることは私も十分承知しているところでございまして、当委員会におきましては、農業者に対するよりよい農業用ハウスの提供ができるようにとの一念でこの委員会をさせていただくということを、ぜひ参考人の皆さん方はご理解いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 本日は、農業用ハウスの入札のあり方について、私たちの質問に対してお答えいただきたくご出席をいただいております。なお、ご出席いただいた皆様方におかれましては、地方自治法第109条第6項の規定により当委員会への出席をいただいている関係で、「参考人」という言葉を使わせていただきますので、ご了承をお願いします。
 それでは、各委員をご紹介させていただきます。
     〔各委員紹介〕
○山田[博]委員長 以上でございます。
 よろしくお願いします。
 ここで、参考人の方へ念のため申し上げますが、発言される際は、挙手の上、委員長が指名した後、ご発言いただきますようお願いいたします。
 また、ご発言は委員からの質問に対し簡明に、案件の範囲を超えることなくお答えいただきますようお願いいたします。
 なお、参考人は委員に対しての質問ができないこととなっておりますので、ご了承をお願いいたします。
 それでは、審査及び意見聴取を行います。
 まず、農政課長より説明をお願いします。
◎木下農政課長 お手元にお配りをしております農業用ハウスの入札方式の改善案につきまして、ご説明いたします。
 先ほど委員長からお話がありましたが、資料に入る前に、これまでの経過を簡単にご説明いたします。
 農業用ハウスの入札方式につきましては、県議会・県政改革特別委員会におきまして、農林部の間接補助事業等にかかわる事項として集中審査が行われまして、入札方式の改善に向けたご指摘やご指導をいただきました。
 審査で主な議論となりましたのは、農業者等が発注する間接補助事業におけます農業用ハウスの整備において、平成18年度から平成22年度の5箇年間に162件中58件を特定のハウスメーカーが落札をしていたこと、また、県が発注しました新品種先端技術実証施設整備事業では、県内6箇所に設置した農業用ハウスの一般競争入札において、すべて一者のハウスメーカーが落札をしていたことなどの問題点がございました。
 委員の皆様からのご指摘やご指導をいただきました内容を踏まえまして、また、農業関係団体や市町、生産者の皆様からご意見をいただきながら、農業用ハウスの入札につきまして、多くの業者が幅広く参加でき公正性、競争性が発揮できる仕組みの確保に向け検討を行いまして、農業用ハウスの入札方式の改善案を整理いたしました。
 それでは、資料に基づきご説明いたします。
 まず、1の農業用ハウスの設置工事の現状につきましては、農業用ハウスの契約方法は、県発注工事における建設工事請負契約と、間接補助事業における設計と施工を一括して請け負わせる製造請負工事の2種類がございます。
 県発注の手続におきましては、建設工事に準じて建設工事請負契約で行っておりまして、また、農業者が組織する団体等が行う間接補助事業の発注手続は、実施主体の基本計画をもとに製造請負工事契約で発注している状況です。
 2の県発注工事でございますが、現状は、入札に当たりましては、農業用ハウスは標準的な単価や歩掛がないことから、入札に参加する建設業者が積算する場合、農業用ハウスメーカーの見積りに頼ることになり、諸経費の有無など内容がわかりにくい場合もございましたので、2の入札方式の改善に係る基本的な考え方のとおり、一般建設業者が農業用ハウス建設の入札に参加でき公正性、競争性が発揮できる仕組みを構築するよう改善することとしております。
 「(3)入札方式の改善」にありますように、実施設計の作成に当たりましては、設計業務を建築士事務所等に委託しますが、その際、県が把握する農業用ハウスメーカーリストを提示し、一般の建築士事務所等が見積り設計を行いやすい環境を整備し、指名された建築士事務所等が実施設計書を作成するに当たりましては、3者以上の農業用ハウスメーカーから参考見積りを取っていただき、比較検討の上で総合的にすぐれたものを選定し、県が示す基本計画を反映した実施設計書、設計図、特記仕様書等を作成いただくこととしております。
 さらに、設計図に使用した農業用ハウスメーカーの仕様に限定されることがないよう、資材名には「同等品等」と明記することとしております。
 工事の入札方法につきましては、県建設工事に準じることとしております。
 2ページ目をお願いします。「3)入札参加者への情報提供」につきましては、入札参加業者に対しまして、実施設計書をもとに作成しました図面、仕様書に加え、見積りにより採用しました単価、数量、歩掛、諸経費の考え方等の積算資料を明示するとともに、採用資材の幅広い検討が行えるよう、県が把握する農業用ハウスメーカーリストを提示しまして、設計図に使用した農業用ハウスメーカーの仕様に限定されることがないよう、落札業者が作成した施工図が設計仕様を満足すれば県が承認することを特記仕様書に明記することで、設計図に採用された特定のハウスメーカーの資材の限定化につながらないようにしております。
 次に、間接補助事業でございます。間接補助事業における農業用ハウスの発注でございますが、手続の改善案としまして、現行の製造請負工事とを対比をさせました一覧表を、次のA3の横で、文字が小さくて恐縮ですが、この対比表も具体的な内容として添付をいたしております。
 戻りまして、1の現状でございます。間接補助事業における農業用ハウスの発注は、農業者が組織する団体等が作成しました基本計画、仕様書とか図面によって、競争入札により決定した農業用ハウスメーカーに設計と施工を一括して請け負わせる製造請負工事による発注方法を行っており、国の事務取扱においてもこのような製造請負工事が示されております。
 その理由につきましては、ハウス設計の特殊性などでございまして、資料に記載のとおりでございます。
 入札方法の改善でございます。基本的な考え方につきましては、幅広く業者が参加できる仕組みに改善しまして、競争性を確保することとしております。
 「(3)入札方法の改善案」でございますが、現行の製造請負工事の方法に、県発注工事方式に準じる方法という建築工事での入札方法を加え、この2つの方法から事業主体が選べるようにしております。
 製造請負工事での入札方法の改善でございますが、製造請負工事の方法におきましては、指名競争入札時の業者数は3者から5者へ増加し、入札執行時には間接補助事業者であります市町が原則として立ち会うこととしております。ただし、指名業者の選定におきましては、選定理由を明らかにしていただくことを前提としております。
 次に、県発注工事方式に準じる方法につきましては、先ほどご説明いたしましたとおり、県の発注工事と基本的に同様の取扱いとしまして、ハウスの工事発注時の入札回数は、農業関係団体等からのご意見も反映させて、県の場合は入札回数1回限りということに対しまして、市町の規定に準じるという形で緩和をしております。
 主な改善の内容は以上のとおりでございます。
 よろしくご審議をお願いいたします。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、各参考人から、農業用ハウスの入札について問題点、改善等が必要な点などについてご意見を聞かせていただきたいと思います。
 まず、小島参考人よりご意見を聞かせていただきたいと思います。
◎小島参考人 農協中央会の小島と申します。
 それでは、ご意見を申し上げたいと思います。
 中央会といたしましては、入札方式を変えることによって、農業者との意見交換会で示されております懸念事項、例えばコスト高、あるいはアフターサービスや保証の問題、それから事務量の増大、実施の遅延など、補助事業を受ける農業者の負担が増すことのないように、十分配慮した入札方式にしていただきたいというふうに思います。
 よろしくお願いします。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、栗田参考人、お願いします。
◎栗田参考人 全農長崎県本部の栗田でございます。日ごろは、私ども全農の事業につきましてご指導、ご鞭撻をいただいておりますことを、この場をかりてお礼を申し上げさせていただきます。
 それでは、先ほどご説明をいただきました入札方式の改善につきまして、私どもの意見を申し述べさせていただきたいと思いますが、基本的には、先ほど、中央会の小島参事から意見があったとおりでございます。
 私どもといたしましても、まずは改善案の中で幅広く業者の方が選定できるといったことで公正性、競争性を確保されるという点から、3者を5者とご提案されておりますけれども、そのことについては理解をいたしておるところでございます。
 また、先ほどご説明いただきました県発注の場合には、建設業者等の方が3者以上の農業用ハウスメーカーからの見積りを比較、検討された上で実施設計書を作成されると。設計業者の方の事務手続上の負担と経費等が増加することがないようご指導をお願いします。
 それから、いろんな土地的な条件だとか気象、そういった個別のほ場の条件がございます。また、ハウスの中でつくられる作物が何かということが、私どもとしては一番重要だと思っております。作物にはそれぞれ適期がございますので、工事等の進捗管理が適期の栽培に可能になるようにご指導をしていただきたいということを意見として申し上げます。
 以上でございます。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、西極参考人、お願いいたします。
◎西極参考人 入札の改善案の、入札参加業者の単価見積り、歩掛の公表があるということで。
 当社も平成21年に農業のハウスの入札に参加したことがあるんですけれども、結局その時、わからなかったんですよね。いろんな地区の業者さん、メーカーさんを通じていったところが県内の代理店さんであったということで、詳細がちょっと、見積りができたのはできたんですけれども、金額が予定価格まで達することができなかったんです、その時は。
 今回、改善案ということで、採用した単価等の明示があるということであれば、ある程度いい方向になるのかなと、極力地元業者も配慮したところで参加を公告していただければと思います。
 以上です。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、山本参考人、お願いします。
◎山本参考人 この改正案は、当初から言われております県内の設計業者さんの参入ということでありますけれども、どうしても参入された場合には、その手数料というのがかかってきます。そういうのはやはり農家負担ということになってまいりまして、事業費の中にその手数料が入ってきますので、事業費プラス設計料となった、その事業費の分、高度な材料を求めることができない。その設計費用がなくなると、その分、農家に対してよりよい材料が納められるということも考えられますので、その点のところをよろしくお願いいたします。
 そして、入札業者の3者から5者ということでございますが、これは透明性の問題であって、自分たちもそういうふうな業者さんの数になっても構わないと思いますけれども、ただ、ハウスに対してどれだけのノウハウがあるか。そして、万が一の天災によってハウスが壊れた場合に即、休日でも対応できる業者さんであるか、そういうところが心配されておりますので、そういうところも考えた上で改善のほどをよろしくお願いいたします。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、立光参考人お願いします。
◎立光参考人 花き振興協議会の立光といいます。
 参考人の皆さんたちがそれぞれおっしゃったのと僕もほとんど重複するようなところがありますけれども、設計仕様書あたりが出てくるということになれば、その分の金額が事業費の中で上乗せになるということは、事業費自体の中で補助率がぐっと下がるというのが1点あります。
 それと、例えば設計仕様書を作成する中で、いろんなメーカーさんにノウハウがあります。だから、そのノウハウの中での設計書が、従来は行われてきたと思います。今度、新たにまた設計士という形で持ってくる時に、そのノウハウがどれだけ生かされたものができるかというのが1点、農家としては不安なところがあります。
 先ほどの説明の中にもありますように、作物によって構造が違ったり、内部の形態が変わったりします。作物によっていろんなものが違う中で、その配慮というのも設計書の中に深く組み込んでいただかなければ、農家としては、建ちはしたけれども使いにくいハウスになります。それでは生産性が上がりません。ぜひ、その辺のところも含んだ中での公正であり、農家の作物に応じた設計書であり施工であってもらいたいと思います。
 また、農家としましては建てれば終わりではありません。建ててからのスタートでございます。その後のメンテナンスとか、いろんな面に関して施工業者等々とは親密な関係を持たなければ、農家としても安心した栽培にはなりませんので、やはりそういうところまで含んだところのあり方でやってもらいたいと思います。
 よろしくお願いします。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。参考人の皆さん方から、特段付け加えることはありませんか。ないようですね。
 以上で説明が終わりましたので、これより質問を行うことといたします。
 質問はありませんか。
◆溝口委員 今回の入札の主なところは、公正性、競争性を高めるためということで、3者から5者となってきているわけですけど、このことについては大体、生産者の方々もこれでいいんじゃないかということでございます。3者から5者になった場合、先ほどからノウハウとかメンテナンスとかということを言っていましたけれども、県内にはそういう方々が5者以上いるんですか。
◎木下農政課長 間接補助事業において、いわゆる製造請負方式を選択した場合に、これまで指名が3者であったところが5者という部分でございますが、県内のこれまでのハウスの補助事業の受注実績から業者数を見たところ、県内では2者でございます。全体で、それを含めて10者程度の実績がございます。基本的には、そういう実績があるところからの指名になると思います。
◆溝口委員 県内に2者しかないということで、全体で10者ということであれば、5者でとなった場合、近くの人たちに固まって指名することになります。5,000万円以上が一般競争入札ですね。5,000万円未満が指名競争入札ということでございますけれども、一般競争入札の場合は5者以上ということになれば、この場合にはすべての方々に、10者ぐらいに呼びかけるということになるんですか。
◎木下農政課長 今、土木の方の経過措置の期間で、1億円以上の場合は一般競争入札ということになります。
 もし一般競争入札となった場合には、最終的には事業主体が要件をつけて公告を行いますが、製造請負工事の場合は、今申し上げた経験のあるハウスメーカーなどが入札に入るということで、これまでの実績を見れば最大そういう10者が入札に入る可能性はあるというふうに思います。
◆溝口委員 先ほど心配されていた、作付けに合った形の構造でつくっていかないといけないと。長崎県の場合は平地ばかりではなくて、坂とかいろいろありますよね。段々になったところとか、そういうところに合わせてつくっていくとなれば、かなり高度な技術が要るんじゃないかと思うんですけれども、その辺について、立光さんたちは大丈夫なんですか。生産者としての考え方を、ここではっきり述べておった方がいいんじゃないかと思うんですけれども。
 先ほど、作物に応じた構造を設計していただきたいという話をしていたと思うんです。今までは、ある程度長崎県の業者の方々にお願いしてできていたと思うんですけれども、設計者と生産者との話し合いというのが、その土地に応じた形でつくっていかないといけないという部分でいろいろな問題が出てくるのではないかと思うんですけれども、生産者としての立場からどのように考えているのか聞かせてください。
◎立光参考人 今までいろんな形でハウスを行う中で、全農さんたちも入っていただきまして、今まで建っているハウスあたりを事前に視察をしたり、勉強をしていろんな形でつくってまいります。
 それと同時に、もし地元のメーカーさんであるとすれば、いろんなところでの建て方、それから風の向きをご存じですので、そこに対しての強度のとり方、設計図面の中で、目に見えないんですけど、そういう強度のつけ方とか、やはりきめ細かいところが出てまいります。つくることはどこでもできるかもしれませんけれども、そういう地形に合うような、周りにあるものの中で強度をつけた設計図面というのが、実際のところは作物によってはすごく出てまいりますので、その辺のところを考慮した設計図面等々ができなければ、ただ建てるだけの構造物になりますので、やはりその辺のところは十分農家の意見も入れて、公平さもとらなきゃいけないんでしょうけれども、やはり十分にその辺は入れたところでの図面作成というのがぜひ必要になってくるんじゃないかなと思います。
◆溝口委員 今言ったような、地形に合った、そしてまた作物に合った形でのハウスということになれば、そういう専門的な方々と生産者の意見をあわせて設計していくことになってくると思うんです。
 それで、設計する時に、3者以上のハウスメーカーからの見積りを検討した上で設計を組んでいくということになるわけですけど、その辺の手続等については、そういうことができるんですか。
◎木下農政課長 今、参考人の方々からあった、いわゆるほ場とか、作物とか、時期に合わせた設計とか施工ができるのかというようなご懸念の部分につきましては、間接補助事業において県の発注方式に準じる方を選択した場合は、そういうご懸念があるというようなことで理解をしております。
 委員ご指摘の3者から5者という部分につきましては、従来の製造請負方式そのものは踏襲しておりまして、ハウスメーカーが一括して受注して、実施設計を行い、施工を行うというような方法でございますので、この部分につきましては従来どおりの方法でございますので、おっしゃったようなご懸念は対応できるというふうに思っております。
◆溝口委員 今までは1者の方々にそういう形での見積りをつくればよかったと思うんですけど、今回、3者の方々から見積りを受けて、それから比較検討して、違う設計を組んでいくんですよね、計画を。そういう中で、先ほどからコストの心配を全農さんたちもしていたと思うんですけれども、ものすごくコスト高になってこないんですか。基本設計をつくる3者の方々のコストは要らないんですか。
◎木下農政課長 少し説明させてもらいますけれども、この3者を5者に増やしているというケースは、指名の業者数を増やしておりますけれども、これまでも現場で行われております通常の間接補助事業におけるハウスの発注方式でございまして、入札の業者数を3者から5者に増加させるという改善案でございます。
 参考人の方々がおっしゃっている懸念の部分につきましては、県の発注方式の手続上、設計を別途設計業者の方が行うという部分についてコストがかかるとか、現場に対応したことができるのかどうかと、そういう懸念があるというご指摘でございまして、いわゆる製造請負方式を選択した場合は基本的には対応できるところでございます。
◆溝口委員 従来のとおりの方法を選べるので、そちらの方を選べばコストはあまりかからない、今までと一緒だということで理解をしていいわけですね。わかりました。
◆徳永委員 今日はどうもお疲れさまです。
 まず、先ほど、県内の施工業者が今、2者と説明がありました。3者の指名を5者にするということですけれども、県内が2者ということです。ここは、県内にも下請け業者さんがいるんですよ。そこを行政側もしっかり調査をして、こういうところを育成して、指導して、指名に入れるような対策もしていただきたいと。あまりそういうのを行政側は調査していないんです。きちんとできる業者はいるんですよ。
 それと、先ほどもいろいろ意見が出ていましたけれども、まず大きく2つの方式、建設工事請負契約と製造請負工事契約とありますけれども、一番大きな違いは、生産者にすれば負担があることが大きな問題になってくるということです。だから2つの選択肢があるということはいいんですけれども、ここがとにかく先ほどもいろんな意見がありまして、私もいろいろと生産者の話を聞けば、一番の問題はやっぱり負担の問題、そして構造的な問題とか、施工の時期の問題とか。生き物を、作物をつくるということで、ここが大きな問題となるんですけれども。
 ただ、透明性というのが今回の問題にもなっていますので、今後、2つの選択はあるんですけれども、透明性という中ではどういうスキームを持っておられるのか、そこをお聞かせください。
◎木下農政課長 透明性というところの見直しはどの点かというご指摘でございます。
 従来の製造請負方式の場合につきましては、基本的な発注の流れというのは、先ほど来ご説明しておりますとおり設計施工一括方式で発注しますので、その枠組の中でどれぐらい透明性とかが改善できるかというところで検討させてもらいました。
 お示ししていますとおり、入札の業者数につきまして、競争性の確保という観点から3者から5者にしたことと、原則一般競争入札、1億円という基準以下は指名としておりますが、原則一般競争入札方式を導入したと。
 また、これまで十分でなかった、いわゆる管理監督を行います市町の職員も、基本的には入札に立ち会うというところの改善でございます。
 もう一つの県の発注工事方式に準じる方法につきましては、詳しくは申しませんが、実施設計書も別途コンサルに発注してつくるというようなことなどから、いわゆる手順の正確性といいますか、透明性といいますか、その点につきましては、製造請負工事に比較してより明確になったという部分はあると思います。
◆徳永委員 透明性は、今言われることで、そういうやり方でと思うんですけれども。
 ただ、これも一番心配するのは、その透明性、業者も増やすとなっても、しっかりとした施工。そして生産者は、先ほど言いましたように負担金。自分たちでお金を出さなきゃいけないということでありますから、そこら辺の生産者の意向をしっかりと理解をし、酌む、そういう業者さんでなければ、いくら5者以上になっても、そこの心配があるんだろうと私は思うんです。
 だから、これはやってみなければ、今からの問題ということでありますけれども、当事者にすれば、自分たちの意に添わないというか、施工が大変なことになったら大きな問題になります。先ほどの皆様方のご指摘、心配等がほとんど同じなんですよね。そこをしっかり酌んでいただいて、なおかつそういった透明性、そして、当然今から業者の育成等もあると思いますので、この辺をしっかりとやっていただきたいと思っております。
◆高見委員 先ほど、農政課長の方から前もって説明がありました、県議会・県政改革特別委員会の中で問題になったんだと、162件中58件、1者に偏った落札があったと。
 今、状況を聞いてみますと、県内には農業用のハウスを建てるメーカーが2者ぐらいしかない状況もありました。従前の入札方法がどうだったのか、3者で、あるいは5者でどうだったかわかりませんけれども、確かにそのうちの2者は県内の業者であったろうというようなことが推測されるわけですけれども。
 そこで、考え方は建設工事請負契約と製造請負契約と2つに分かれているんですね、この件数の分類といいましょうか、2つに分けた場合、どのようになるんですか。
◎木下農政課長 委員のご指摘は、今後どういう件数にこれがなっていくかというような。(「実績です」と呼ぶ者あり)
 実績につきましては、これまで間接補助事業におけるハウスの実態は、すべて製造請負方式で行っております。
◆高見委員 すべてが製造請負工事契約であったということですね。じゃあ、そういう意味からいくと今回の提案は、今までの工事契約の方式ではなく、今後変更をしていきましょうというふうな内容で理解をしていいわけですかね。
 これだけの状況があって、今日、農業者の皆さん方もおいでですけれども、製造請負契約だけで今まで経験をされてきたわけで、むしろ先ほどのご意見なども伺ってみると、変更は必要ないのではないかというような意見に私は聞こえてしまったんですよね。
 ですから、この委員会の中でどういったところを変更して、あるいはまた、変更をしようとしているところを了解するのかというところに、整合性といいましょうか、実際に農業をされている方と変えようじゃないかという方の一致点が、私はちょっと見出せないなと、そんな気持ちでいるわけです。
 今言われているように、農業経営をする皆さん方は、いかに安くて、しかも丈夫で、つくる作物に合ったハウスを建てていただければ、これが一番いいことだというふうに思っています。今回の改善案は、そういった農業者の皆さん方の要望に添う案だというふうに自信を持って提案できますか。
◎井手農林部次長 この案につきまして、いろいろご意見を農業者の方にお伺いしました。
 今回、大きく変わります点は、先ほど申しましたように従来3者の入札参加業者を5者に広げていただきたいと。これは、前回県議会・県政改革特別委員会の中で、特定の業者に偏る傾向があるんじゃないかとか、そういうご指摘を受けた流れを受けて、少しでも競争性を高めるという方向を打ち出すために、ぜひ5者まで何とか広げるような方向性をご協力願えないかということで提案いたしております。
 基本的なスキームにつきましてはできるだけ変えないようにしながら、可能な限り競争性を確保していく方向ということで皆さんにご提案しているところでございまして、大きく変わる、今までと全く変わるというような提案は、できるだけ避けたというか、今の流れの中で可能な限りの競争性を確保するという意味で提案させていただきました。
◆高見委員 とすれば、現行の県内2者、徳永委員も先ほど言われましたように、これを5者に育成をしていく手続というか、育成の方法を県として考えていかなければ、メンテナンスも含めて農業者の皆さん方が安心できるような内容になっていかないのではないか、そんなふうに思います。
 業者の育成をどのように具体的に考えられていますか。
◎木下農政課長 製造請負方式に参加可能なといいますか、いわゆる実績があるハウスメーカーにつきましては、これはもう専門の業者ということでございまして、それが県内には今、基本的に2者ということでございます。
 先ほど徳永委員からも、ほかにもノウハウを持つところはあるというようなご指摘もあります。そういう業者の育成に関しましては、県の発注方式によりまして詳細設計などを提示し、単価、歩掛等も提示した入札の機会を与えることによって実績を積んでいただいてノウハウを高めてもらうと、そういうような形での育成ということになると思います。
◆高見委員 今後については、そういうような不安を農家の方が抱かないように、しっかりと育成の措置をとっていくということですね。
◆前田副委員長 今日はありがとうございました。
 山本参考人と立光参考人にお聞きしたいんですが、今回、改善案というものが行政の方から示されたわけですが、間接補助事業については、今まであっている県発注方式と併せて従来の方式でもいい、選択制なんですよというような提案になっていると思うんですが、それぞれ皆さんは、ここから離れて部会に帰った時には、会員の方にこういう経過も報告をされて相談すると思うんですが、今のお話、説明を聞く中で、皆さん方がどちらの発注方式をとられるというのは、この場で結構ですが、どういうふうに感じておられますか。
◎山本参考人 いちご部会の山本です。
 県発注方式に準じる方法と製造請負工事との比較ですけれども、基本的な計画はJAさんあたりでやってくださいますけれども、県の方に準じますと設計業者さんが入ってきます。そういう中で、先ほども申しましたように、農業者としてはコスト高になる。2者から選択となってきますと、どうしてもそのような経費のかからない、設計業者さんにかからない、製造請負工事の方を自分は進めていくような考えを部会でも提示したいと思います。
◎立光参考人 山本さんと同じで、多分、経費のかからない方を選ぶというふうになると思います。
 ただ、金額が大きくなってくると県の発注方式に準ずるという形になってくるんだろうと思います。補助事業でやっていく場合の補助事業の金額は、きちんとしたハウスの中に投入されるようなやり方。それは設計図面の設計事務所あたりへの経費もそれになるかもしれませんけれども、鉄骨とか、いろんな部材になるような形での補助事業の投入になれば、私たち農家はそちらの方を選ぶと思います。
◆前田副委員長 農家の負担の軽減を目的とするということで今回のことも出ています。ただ、負担軽減というのは一概にはコストが安くなるということが頭にあったんですけれども、コストが安くなるとも限らないし、逆にそれ以外のアフターとか、いろんなことを考えた時に、そういう意味では負担が増すおそれもあるというようなことを多分、参考人の方はおっしゃっていたと思うんです。
 今のご答弁を聞くと、行政としては選択できますよとしていますけれども、結果としては従来の方式を選びたいという意向があるように私は感じたんですが、では、何のために今回の改善の提案をしているのかということになるかと思うんですよ。
 負担の軽減を図りたいという意味では、そう負担の軽減にはならない、むしろ、もしかするといろんな心配が起こってくるかもしれないということ。
 それともう一つ、公正性を保ちたいということで3者から5者にするというのは、JAの方も全農の方も、小島参考人も栗田参考人もそこは結構じゃないですかという話なので、じゃあ、公正性を増すためにどうこれから改善をしようかということだと思うんですが、その場合に数を3者から5者に増やすに当たっては、県発注工事に準ずる方法でしか増えないというふうに今はなっているんですよね。既存のやり方で増やすとするならば、さっき高見委員が言われたように、県内は2業者しかいないんだから、今でさえ1業者、県外が入っているんでしょうから、また県外業者が増えるということにしかならないと思うんですよ。であるならば、徳永委員が言われたように、実態として下請けでやっているところがあるんだから、県発注工事で農家の負担が増すことを危惧される中で競争性を広げるよりも、今やられている下請けの方々に指導、助言しながら、もう少しレベルを上げてやって、県内2者しかいないのを増やしていこうという方針でないといけないんじゃないかなと私は思っておるんです。
 業者さんが増えることも含めて、私はこういう意見を持っていますけど、小島参考人、栗田参考人はどういうような考え方を持っておられるのか、お尋ねしたいと思います。
◎栗田参考人 今ご質問いただいた件でございますが、県内の実情を申し上げますと、4〜5年前までは、私どもが把握しておりましたビニールハウスの業者の方がもう1者ございました。3者ございました。現在は2者ということでございます。
 したがいまして、先ほど徳永委員からお話がありましたように、県内の業者が育成されるということは、その選択の幅が私どもといたしても広がるということでございますので、建設業を問わず、県内で自己完結で仕事ができる業者の育成ということにつきましては、そういう状況になれば私どもも今よりも選択の幅が広がるということで、好ましいのではないかと思っております。
 私ども全農といたしましては、先ほど立光参考人からお話がありましたように、日ごろ農家、農協を巡回する中で、農家の方と日常的に意見交換をいたしております。そういった中で、どういうハウスをつくるのか、どういう形でやればいいのかというような話を日常的にいたしております。そういったことで、私どもの事業方式につきましては、施主の立場を代行するということで代行施工という事業方式で現在実施をいたしております。私どもが施主の方に代わって施工をするということでございますので、その施工手続の中で県内の業者の選択の幅が広がるということについては、好ましいのではないかというふうに考えます。
 以上でございます。
◎小島参考人 同様でございますので、特段ございません。
○山田[博]委員長 委員長を交代します。
○前田副委員長 委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 私は、委員の皆さん方からお話があったように、いかに農家の方々に、極端に言うと1円でも安い農業用ビニールハウスを提供して、農家の方がよりよい農業経営ができるかという一念であってね。
 実は私は、これを調査、研究させていただいたんです。根本は、各委員の皆さん方にご理解いただきたいのは、西極参考人に来てもらったのは、西極参考人が実際、入札参加に当たって、委員の皆さん方から指摘があった、実績ができる、施工会社が1者、2者増えることは大変いいことなんです、これはね。
 西極参考人、実際に入札に参加してみて、いろんな見積りを取るでしょう。見積りを取ったら、1者の方へずっと、一緒のところにくるわけでしょう、そういうことでしょう。まずそれを、確認です。
◎西極参考人 実際、他県とかのハウスメーカーも、入札の方向はですね、低コストの耐候性ハウスということで、インターネットとかいろいろ使って調べていったんですけれども、窓口は、長崎県内は1者だけだったんです。
◆山田[博]委員長 そうすると、施工会社をつくるとか、設計段階で農家の方々がいろいろ言っても、どこの会社がどこの見積りを取ったって、県外で1円でも安いメーカーを取っても、一つの会社に絞られているわけだな。
 すると皆さん方が、どんな会社が入札に参加しても、いろんな部材を全部1者が抱えていたら、そこの会社によって入札価格も左右されるということになるわけでしょう。どうですか。お答えください。
◎西極参考人 確かにそのとおりです。
◆山田[博]委員長 そうでしょう。
 そういたしますと、地元の会社が幾らで施工しようが、その会社に左右されたら、その会社が結局は左右するということは、その会社の見積り金額によって入札が自動的に決定されるおそれがあるわけだな。どうですか。
◎西極参考人 実際、今までの実績、1回しかなかったんですが、見積り、いえばここまでしか落とせないよという金額ですよね。それが高ければ、自分たちはもう受注できないわけですよね。ですから、その金額自体の調整というのはできると思います、その1者の方で。
◆山田[博]委員長 ということは、もっとわかりやすく言うと、その見積りを、例えばビニールハウスの中の部材、パイプとか、接続部分とか、ビニールとか、そういった全てのものが長崎県内の、要するに諫早のメーカーですね、メーカーに全部行き着くということになったわけですね、西極参考人ね。そういうふうになって、そのメーカーにおいて、自分たちが見積り金額を出して、これで受注しようといくら頑張っても、そこの会社がすべて資材関係を握っているから、自分たちがいくら農家のために1円でも安くしようと思ってもできないということでしょう、要は。
◎西極参考人 おっしゃるとおり、できません。
◆山田[博]委員長 だから、各委員の皆さん方にご理解いただきたいのは、今回入札の中で農業用ハウスの入札方式を、3者から5者にしたり、請負型と設計型といろいろしているわけね。農家の方々が、確かに全農さんが言われた代行施工でやりたいということであれば、それで結構なんですよ。しかし、根本は、行き着くところは、そういうところがあれば、いつまでたっても安くできないということなんですよ。
 山本参考人、立光参考人、こういった現状というのはご存じでしたか。お二方、よかったら答えてください。
◎山本参考人 県内の2者というのは自分もよく存じているところであります。ただ、その2者で頑張って競争をしているものと自分は認識していましたけれども、今の意見を聞いていくと、たどり着くのは1者かなと思って、残念でしたというような感じでおります。
◎立光参考人 その業者のところに行き着くというのは、私はちょっとまだわからないんですけれども、ただ、全農さんでやっていく中で、例えば車でいえばトヨタもあります、日産もあります、マツダもあります、スズキもあります。全農さんの請け負う中で、部品は全国どこでも、例えば先ほど委員長がおっしゃいましたメーカーの窓口だけじゃなくて、いろんなところからも取られていく段階になると思います。
 設計仕様書はいろんな形で、それぞれのパーツは特徴がありますし、共通の耐候性のハウスの中でも、そのメーカーのつくっている耐候性のハウスと、ほかの、例えばトヨタがつくっている、日産がつくっている耐候性のハウスもありますので、その辺のところを全農さんが持ってきていただけるという形になれば、競争がそこに発生するのじゃないかなと思いますし。
◆山田[博]委員長 山本参考人、多分ほとんどの農家の方は知らないと思いますよ。私も、地元を4回も5回もずっと回って、初めてわかったんだよ。
 立光参考人が言われるように、やっぱりそういうふうにいろんなメーカーから取った方がいいと思っている。
 実際にいろんなメーカーから見積りをとっても、ほかのメーカーからとっても、商社が1社に決まっていて、そこから全部とってくださいということだったんでしょう。そういうことですね。確認です。お答えください。
◎西極参考人 確かに、調べていく中で、たどり着いたのはその1社、そこからしか多分、施工はできないと自分たちは判断しました。
◆山田[博]委員長 立光参考人、おっしゃるように、今回、長崎県の発注した入札においては、実は。
 農業経営課長、これは参考人の方にはお配りしているのかな、これは。お配りしていない。していないの。
 実はね、立光参考人、事情聴取というのがありまして、五島において耐候性ビニールハウスがあったんですけどね。
 この入札に関係したのは農業経営課長ですかね。結局は、ほとんどこれは入札の予定価格をオーバーしたんだな。予定価格をオーバーしたのは何者で、範囲内に残ったのは何者でしたか。それをまず、立光参考人と山本参考人にご理解いただくために必要ですから、お答えいただけますか。
◎中村農業経営課長 五島地区で申し上げたがよろしいんでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 五島地区で一般競争入札をかけた中で、3者が応札されまして、超過が2者、落札が1者という形になっております。
◆山田[博]委員長 会社名は具体的に言えませんけど、諫早に本社を置くその。
 結局、西極参考人が見積りを取ったところが、結局は落札したわけだな。確認です。どうぞ。
◎西極参考人 落札しております。
◆山田[博]委員長 ということは、根本的に代行施工と、設計と施工を分離した場合の、入札前に、まず最初にとっかかりとして、これは農林部として認識して、経済連の方も中央会の方も農家の方々もご理解いただいて、認識しないといけないことは、皆様方の知らないところでそういったことがあるということなんですよ。実際、こういったことがあからさまになったのは、そういった入札の結果を見て、おかしいなといろいろずっと調べたら、西極参考人が言われた。
 今日は西極参考人におかれましては、本当にありがたいことだと思うんですよ。勇気を振り絞って来られて。
 別にあなたの会社に対して、長崎県当局からああだ、こうだ、一切ありませんからね。一切ありませんから、ご安心して、今日はしっかりと答えていただきたいと思うんですよ。
 しかしながら、その一方でこういったことが明るみになって、県内の農家の方々の全く知らないことがあって、こういったことを事実解明して、それで農家の方々の経済的な、少しでも負担のかからない農業用ハウスができることはありがたいことですから。
 立光参考人、山本参考人、実はそういった現状だったということなんですよ。皆様方は信じ切って、立派なハウスができると思ったら、特定の会社に資材が全部、全国のあらゆる資材が全部、メーカーはああだこうだといっても結局はそこに行き着いて、皆様方が一生懸命働いて農業用ハウスをつくるとしたら、そのハウスの価格はそこで決められているんだと、これが明らかになったということなんです。
 西極参考人は、実際に入札に参加して、見積りをとってみて十分それがわかって、これじゃあいかんということで、西極参考人が勇気を振り絞って、これは農家のため、地域のためにも、ぜひこういった入札のあり方というか、入札自体は問題ないんだけど、そういった商取引があって、これでは、いつまでたっても農家のためにならないと思って、西極参考人は勇気を振り絞って今日は来ていただいたということで、西極参考人、間違いございませんね。お答えください。
◎西極参考人 確かに山田(博)委員長が言われるように、そうなんですよね。やはり安いものというか、特に五島も農業が盛んなところですので、生産者の方の安いものをつくるということになると、実績を積まないといけないというところがあります。実績を積むつもりで申し込んだ入札がそういう状況であったと、ちょっと厳しかったなというのはあります。
◆山田[博]委員長 西極参考人、県の事業だとか、農家の方々から入札に参加しませんかと言われても、実際どうですか。これでは実績を積みたくても、実際は積めないんじゃないのかと。それはどうですか。
◎西極参考人 実績は、つくれないと思っています。
◆山田[博]委員長 できないんだと。徳永委員が言うように、地元にほかに2社があっても、指名に参加できる会社が、こういった入札を何百回やろうが、何千回やろうができないんだと。
 西極参考人、私は思いますけど、そういったことが実際にあるということであれば、例えばいろんな部材を、立光参考人がおっしゃるいろんなあらゆるところから見積りが自由に取れて、1社に集中することなく、自由なところから取れたら、そうすると西極参考人も、商取引で1社に集中することなく、ほかのあらゆるところから直接見積りを取るということになれば、それは西極参考人としては実績ができて、農家の方にもよりよい、安い農業用ハウスを提供できるという確信はありますか、どうですか。
◎西極参考人 1社に偏ることがなければ、できると思います
◆山田[博]委員長 そういうことなんです。委員の皆さん方には、ぜひともご理解いただいてね。
 そこで、こういったことがわかったと、農林部におかれましては、今の私とのやりとりを聞いて、どういった見解を持たれますかと。
 これが現状であってね、農業経営課長、別にあなたを責めているわけではないんだけど、確かにこういった事情聴取においても書いているわけだな。例えば、CのFの欄を見てみたら、ちゃんとここに「八江GPに見積りを依頼」と。これは「渡辺パイプの紹介で八江GPに見積りを依頼」と書いているわけだ。(発言する者あり)
 これは黄色のマーカーじゃない、関係ないんだから。溝口委員の方から、それは名前を出したらいけないんじゃないかと言うけど、黄色いマーカーをしているところはだめだとなっているから、それ以外は問題ないわけですね、これは。
 ここにやっぱり書いているわけだな。山本参考人、これは事実ですからね。このC社におきましては、インターネットで調べたんです。「インターネットで調べた渡辺パイプに見積りを依頼したが、代理店しか出せないということ。渡辺パイプの紹介で八江GPに見積りを依頼」と書いてあるんです、皆さん、依頼と。
 ここにコメントとあるんですよ。このCの15を見てみたら、「特殊工事なので競争にならない。見積り依頼先(八江GP)が入札に参加しているのは後から知った」と。この会社が実は受注しているわけですね。こういった現状があると。
 徳永委員が言われるように、地元に会社が2社あるんだと、それで栗田参考人も、そういった会社があれば、ぜひそれは応援していきたいということでありました。
 そこで、今のやりとりを聞いて、農林部として何か見解がありましたら聞かせていただけますか。こういった現状があるというのは、皆さん方も改めて今回知ったと思うんですよ。見解を聞かせていただけますか。
○前田副委員長 今、委員長が指摘したのは、県発注工事についてですよね。そこも整理して、しっかり理事者は答弁してください。
◎木下農政課長 委員長のご指摘、中身全てについて把握しているわけではございませんが、また、これまでの特別委員会のご議論でそのようなご指摘も受けてきました。そういう中で、県が制度として、補助事業として、県の発注も含めてですが、どういう形で農業用ハウスの制度の見直しができるかというようなことで全体で検討した結果が、今回ご提示した改善案でございます。
 事例が出ました農業経営課の前回の発注の中において、積算がしづらいというところから今のような問題もあっていると思いますので、今回ご提示したとおり県の発注方式を採用すればということでございますけれども、中身、単価や歩掛がわかりやすい施工図、設計図、見積りをご提示して、入札に参加する業者が平等な条件で同じテーブルで競争できるというようなところをご提示したというところでございます。
 なお、この運用そのものがどういうふうになるかというのはこれからでございますが、制度としてはこういう見直しをさせていただいたところでございます。
◎上田農林部長 今の商流の流れが、ある特定社にしか通らないと、そこを通ってからしか物が回らないんだというお話は、すみません、私は初めてお聞きいたしました。
 ただ、当時の事情聴取の中で例えばF社は、これは恐らく県外だと思いますけれども、県外の2社の見積りをもって比較して出されております。今のは直営事業の話ですけれども、間接補助事業では、その他の者もやっている実績はありますので、そこに商流の流れが特定をしているというのは、すみませんが、私はまだ確認していないものですから。
 ただ、少なくとも今回、県が発注する入札方式の中では、いろんなメーカーを選べるように施工図承認方式という形をとり、なおかつ指名に入られた建設業者さんには、こちらで把握しているハウスメーカーを、他県も含めて提示するという形で選んでいただけると、そういう環境をつくっていこうということでやっているところでございます。
◆山田[博]委員長 要するに、どこのどの資材の見積りをとったって、どこどこの商社を通してくださいということはあり得ないように対応するということですね。簡単に言うと、そういったことと理解していいんですね。
 西極参考人が言われたように、入札に参加しました、どこどこの見積りを取りました、いや、私は直接あなたには出せませんよと、あなたのところはメーカーの方から取ってくださいと、そういうことがないようにすると。そういったことと私は理解しているんですけど、それでいいんですね。お答えください。
◎木下農政課長 建築の業者さんが入札に参加する場合において、単価とか歩掛とか、そういうものを明らかにして、ほかの業者さんと全く同じ条件で入札に参加できるような制度に変えていくというような趣旨でございます。
◆山田[博]委員長 見積りの段階でこういったことがあって、今からはそういったことがないように。
 要するに特定の会社だけ、先行的というか、条件的に優位性を持つような入札であってはならないと。平等、公正な入札をやっていくということですね。
 そこで、栗田参考人、小島参考人、そういったことが実際にあったということなんです。これは県の直接事業でしたけれども、皆さん方が間接事業でやられる時には、そういった見積りの取り方になっているのか。結局は、さっき言った西極参考人みたいな、施主代行の中においても同じような状況が見られているのか、いないのか、そこをお答えいただけますか。
◎小島参考人 中央会の方は、そういう業をやっておりませんので。
◎栗田参考人 それでは、私の方からお答えします。
 個別具体的な取引については、私も把握はいたしておりませんが、一般論として申し上げますと、代理店契約というのがございます。これは、ビニールハウスに限らず機械、器具、いろんな形で、一般的に全国展開をされているような大手のメーカーさんが、ある地域、地区の代理店契約を結んでおられるというのが非常に多うございます。そうした場合、その地区内では代理店契約の内容によって限られてくることがあるのではないかということは言えるかと思います。ただ、その代理店契約を個別に見る必要があるかと思います。
 それから、今日の資料の中にもございますが、資材名については「同等品等」と明記ということでございますので、ある1社の機材、部材だけではなく、それと同等品と認められるものを使って設計、施工をしていくということかと思っております。
◆山田[博]委員長 代理店契約があるということです。
 ちょっと話を戻します。代行施工をする時に、施工会社をどうやって選考しているのか、答えていただけますか。全農さんはできないわけですから、そういった班はないわけでしょう、施主にかわってやるわけでしょう。それをどういうふうに選んでいるのか、教えていただけますか。
◎栗田参考人 私どもが代行施工をいたします場合は、先ほども申し上げましたように施主に代わってということでございますので、施主の立場で3者ないし5者程度の業者の方から見積り、競争入札という形で業者を選定させていただいております。
◆山田[博]委員長 今まで数多くの農業用ハウスをしたと思うんですよね。例えば、長崎県の入札にあったみたいな入札はなかったですか。例えば3者としますと、1者だけが予定価格で、あとの2者は超過したとか、そういったことはなかったですか。大体どういうふうな入札結果になっていますか。大体で結構ですけど、教えていただけませんか。
◎栗田参考人 私どもの入札は、基本的には引き札と申しますか、この価格以下ということを決めております。3回入札をいたしまして、ある一定の価格以下のところが落札をしていただく。予定価格は設けております。もし仮に3回でどの業者の方もその価格に届かなかったというような場合には、あらかじめ入札の時に通知いたしておりますが、その3ないし5者の中から最低の価格を応札された方と交渉をして決めるということで入札を実施いたしております。
◆山田[博]委員長 その3者から5者というのは、メンバーというか、どういった方でやられているのか。例えば諫早だとか、壱岐とか、対馬であった場合に、その施工会社とは県外なのか、県内の会社に来てもらっているのか。県内の中で事前に用意しているのか、どういうふうな会社を選んでいらっしゃるのか、答えていただけますか。
◎栗田参考人 どうやって業者を選定しているかということにつきましては、個別の案件について、この場で私も記憶がございませんが、本県は縦に長い、南北に長い地形でございますので、ビニールハウスの場合には自然災害等メンテナンスも含めまして緊急を要することが多うございますので、県外の業者の方でも拠点を長崎県内に持っておられるか、拠点がどの地域であるのか、そういったことを考慮して選定をいたしております。
◆山田[博]委員長 そうすると、経済連としては、施主のニーズに応えて、メンテナンス等いかにしてコストを下げるかということで、3者から5者を選んでいるということですね。わかりました。
 それでは、設計図書の中には、先ほど西極参考人が言われたみたいなことはどうなんですか。そういったことはご存じでしたか。こういった現状になっているというのは。
 今、3者から5者で選ぶわけでしょう。それはわかりました。施主の代行ですから、栗田参考人は実際施工会社じゃないからご存じかどうか知りませんけれども、そういった現状がですね。実際にやった方に今日は来てもらったんです。代理店契約とかいろいろあるというお話はありましたけど、実際そういったことをメーカーではやっているんだと。
 それでは、真意を今から確認するかしないかというのを、見解を聞かせていただけませんか。
◎栗田参考人 具体的に把握をいたしておりませんので、この場ではちょっと、回答を留保させていただければと思います。
◆山田[博]委員長 私も、地域の経済連の方が、農家のニーズに応えていろいろと日常活躍されているのは十分把握しているわけです。いずれにしても、このビニールハウスの入札にあってこういった現状があるということは十分ご理解いただいて、適正にしてもらいたいというふうな思いがありましてね。
 それで、農林部に確認しますけど、施主代行という話があったですね、全農さんが施主代行でするとき、手数料とか設計料はどのように換算していくのか。
 県の方で設計事務所を入れてやるということになっていますけど、その設計事務所のお金というのはどのように、例えば全体事業費の何パーセントにするとかね。そうしないと、今、話があったのは、農家の方がどっちを選んだとしても、全農さんは何パーセント、金額は幾らかわかりませんけどね。設計事務所にお願いしたら、結局それが農家の方に負担がかかったらいかんから、それをしっかり明確にせんといかんわけです。
 ですから、全農さんが大体どれぐらいでしているのかというのを栗田参考人から教えてもらって、あと、県が農業用ハウスの入札をする時に、設計図書を作成するコンサル会社等に対して、設計事務所に対してどれだけの金額というか、全体規模のそれをするのか。要するに、お金の出所です。全体事業費の中に、全農さんみたいに入れてしまうのか、どういうふうにするのか、聞かせていただけますか。
 だから、県が今考えている設計事務所の方式と、全農さんが施主代行でする場合の、トータルの大体何パーセントぐらいを設計費というか、施主代行としてお金を大体どれぐらい農家の方からいただいているのか、教えていただけますか。
○前田副委員長 暫時休憩します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後2時56分 休憩−
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     −午後2時56分 再開−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○前田副委員長 再開します。
◎栗田参考人 私どもの施主代行業務の基本的な考え方の中で、製造請負工事にかかる施主代行料としましては上限率5%と、これは全国統一して実施をいたしております。
◎木下農政課長 いわゆる補助事業上の経費のとらえ方でございますが、今、全農さんが入ったような施主代行事業におきましては、代行の手続が基本的に一般競争入札で行われた場合は、その代行の手数料も含めて全体事業費を補助対象事業というふうにしております。
 一方、いわゆる県の発注方式に準ずる場合の経費のとらえ方ですが、新たに加わった設計、コンサルへの事業費も、原則一般競争入札でやっていく場合は補助対象経費としてカウントするということでございます。
○前田副委員長 ある程度時間が経過していますので、一旦、休憩します。
 再開は3時15分とさせていただきます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後2時58分 休憩−
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     −午後3時15分 再開−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○前田副委員長 委員会を再開します。
◆山田[博]委員長 ほかの委員の皆さん方も質問があると思いますので、手短に終わらせていただきたいと思うんですけれども、いずれにしても、今回の農業用ハウスの入札方式の改善案におきましては、先ほど栗田参考人が言われたように、いろんなメーカーがあるんですけれども、実際は代理店契約におきまして独占されている企業があって、これが結果的には農家の方が負担を強いられているということがですね。
 今日は西極参考人が勇気を振り絞ってですね。勇気を振り絞ってと言うと、何か後からあるんじゃないかと、それは全くありませんのでね、そうやって来ていただいて明らかになったと。
 全農さんにおかれましては施主代行ということで、地域のことを考えて、県内企業のみならず、とにかく施主の意向を鑑みて、これ以下でしなさいという方法でやっているということでありました。全農さんは全農さんで、頑張っていただいているわけですけどね。
 そこで農政課長、この県が考えている設計事務所を入れた入札方式を、農家の方々は、設計事務所を入れた場合に新たな負担がかかるんじゃないかということを危惧されておりましたけれども、県が考えている競争入札をした場合に新たな負担がかかるわけではないんだと。全農さんが考えているような施主代行みたいな形でやられた中で、同じように設計も対象になると理解してよろしいんでしょう。それを、農家の方々が来られていますから、確認の意味で聞かせていただきたいと思います。
◎木下農政課長 この間接補助事業におきましては、事業主体であります農家の方が、施主代行となる場合の全農さんも入ってと思いますが、製造請負方式なのか、県に準ずる方式なのか、どちらの方式が自分たちに適した、コストが安い、いいものがつくれる方法かを選択いただくということが基本でございます。
 その上で、先ほど申しましたけれども、製造請負方式におきましても、競争入札によって施主代行さんを選んだ場合も、それも含めて補助対象になりますと。
 その場合に、製造請負方式の場合は、設計も請負金額に入っているところでございます。
 県の発注に準じる方式の方は、その間の手続として設計のコンサルに実施設計を頼むという部分が出てきて、そこの部分がコスト、時間等で懸念があるというようなことでございますが、それぞれの状況があると思いますけれども、競争入札で選択された場合は補助対象になると、当然請け負った金額も補助対象になると、そういう内容でございます。
◆山田[博]委員長 補助対象になるんだと、要するに施主代行というか、請負にした場合と、設計事務所を入れた場合と、すべて同じような対象になって農家の方には負担はかからないんだと理解していいんですね。それだけ簡単に答えてください。
◎木下農政課長 それぞれの総額が、どちらが安くなるかというのは実際に事業を実施しなければわからない部分がございます。農家の方々の先ほどのご意見では、県の発注方式に準じた方がコストが高くなるんじゃないかというご懸念はあると、そういうご意見はありますが、現実、それをそれぞれのケースで選択いただくということでございます。
◎上田農林部長 今の製造請負方式は、基本設計までを事業主体がやります。概算設計でございます。いわゆる基本仕様ですね。
 例えば全農での代行をされる場合には、そこを含めて代行手数料に入っていると思います。
 今、県がやろうと思っておりますのは、実施設計まで組んで発注するというやり方になりますので、当然実施設計と基本、概算設計では、設計費としての費用は大きくなろうと思っております。そういう意味では、補助の対象にはなりますけれども、補助は例えば通常2分の1とか5分の2ですから、当然事業主負担が出ます。その事業主負担の設計部分につきましては増えてくる可能性はあります。ご指摘のとおりでございます。
 ただ、そこの部分は増えますけれども、競争入札の結果として競争性が働いて、トータルの事業費が落ちる可能性というのは私たちは否めないと思っています。これはやってみないとわからない部分がございますので、そういった意味では、県の発注方式の方で設計事務所さん、あるいは建築会社さん、十分なれていただきながら引っ張っていく必要があろうかとは思っております。
 それと、あと1点ですけれども、先ほど、代理店契約はいろいろメーカーであるけれども1者に集中しているというお話がございましたけれども、メーカーと代理店は、それぞれメーカーごとに代理店契約が結ばれているんじゃないかと思っているところでございます。そこは、十分確認をさせていただきたいと思っているところでございます。
◆山田[博]委員長 代理店契約をしたら商取引自体があるかもしれませんけど、その中で結果的に独占的な入札の弊害があったらいけないから、そこは注意をしながら見積りをとっていただきたいと。それを確認です。
 もう一つは、この新しい制度をする上で、全農さんも地域に根付いていろいろ頑張っていただくわけですから、これをやったからといって、全農さんの民業圧迫になることがないように、そこはうまく調整しながらやっていただきたいと思うんです。今日は栗田参考人も職員の皆さん方も来ていただいているわけですから、施主代行を希望される方もいらっしゃるし、そこの中でうまく調整しながら、あとは入札の方向で、細かいことは、また栗田参考人を中心としていろいろ意見を聞きながら、最終的な案を出していただければと思いますので、お願いしたいと思います。
 それについて、最後に農林部長なりに見解を聞かせていただければと思いますので、お願いします。
◎上田農林部長 現在、改善案というのをお示ししておりますけれども、あくまでも法、競争性、それから透明性を図っていこうという趣旨でございます。ただ、一方で農家の負担を無理して強いていくというのは避けないといけない、あってはいけないことと思っております。
 そういった意味では、全農さん、それから農家さん方の意向もしっかりと踏まえながら、やれるところから手を付けていくというやり方で、進めさせていただきたいと思っているところでございます。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 高比良(末)委員、どうぞ。
◆高比良[末]委員 幾つか質問をいたしますが、まず、農業ハウスの入札方式の改善策を図ろうとした経過は、平成24年4月11日に農業者との懇談会で次長がはっきり言っておりますが、受注業者が特定の業者に偏っているのではないかという意見に対して、是正しなければならないということでの改善策を今回提示したわけですね。
 そこで、農政課長から、5年間で162件中58件が偏っていると説明がありました。あとはどうなっているんですか。業者はあまりいないと、2〜3業者しかいないということで、あとは県外の業者が取っているのか。何業種でどういうふうになりましたか、あとの受注状況は。
◎木下農政課長 先ほど申し上げましたのは、さきの特別委員会等でも提出しました、平成18年から平成22年の5箇年間のハウスの事業におけます件数でございまして、全体が162件で、そのうち県内の1者が58件とご報告したところでございます。率は36%でございます。そのほか、県内のもう1者が12件、率にして7%、県外のA社が34件の21%、B社が21件の13%、C社が同じく21件の13%、大体そのような状況でございます。
◆高比良[末]委員 ということは、県外の方が76件ですから、県外業者の受注率が高いんですね。県内で見れば1者が際立っておりますが。わかりました。(発言する者あり)
◎木下農政課長 県外と県内の区切りで申し上げます。県外が84件で52%、県内が78件で48%でございます。
◆高比良[末]委員 状況はわかりました。
 その後、農政課長が何か説明されて、そこがよく聞こえなかったんですが、すべて1者がと、この後に、ほかの工事の受注を説明されましたよね。そこがよく聞き取れませんでした。もう一回説明してください。
◎木下農政課長 先ほど、委員長がご指摘になった、以前に県の方で発注しました、県内6カ所の農業用ハウスに対する一般競争入札の結果で、6地区ございまして、すべて6地区とも同じ1者が落札をしたというようなことでございます。
◆高比良[末]委員 その1者というのが、この58件受注した1者ですね。そういう状況はわかりました。
 参考人にお尋ねしますが、まず、農業用ハウスは特殊工事なので非常に難しいということでしたが、西極参考人、特殊工事というのは、どういう特性があるのか、具体的に教えていただけますか。
◎西極参考人 特殊工事と申しますのは、資材の調達が難しいと。結局、ハウスの鉄骨パイプにしろ、その太さですね。風に耐えられるとか雨に耐えられる、その計算をして、それぞれ大きさがあるんですけれども、入手しにくいということですね、ハウス1式を購入するにしても。工事、資材が難しいのではなく、資材の調達が難しい。
◆高比良[末]委員 時々私どもも見ますが、あまり組み立てるのには難しい工事ではないと思いますが、言われるように、パイプの質とか、太さとか、風とかいろいろありますから、そういう計算が一番難しいということですかね。そういうところはメーカーが精通をしているわけてすよね。だから、そこに聞かざるを得ない。
 そういうところが入札に参加しているというのは、これは入札上、問題はないわけですか。見解を聞かせてください。
◎中村農業経営課長 平成21年に当課が発注をしたハウスにつきましては、建築工事の入札と位置付けまして、参加要件を建築工事の許可にかかる建設業の許可を有することというのがまず第一にございました。
 それから、地域要件としまして、設置管内に主たる営業所を有するAランクの者、五島の場合ではAランク、Bランクの者を対象と。ただし、これに加えまして県内に営業所を有するA・Bランクの者で、過去5年間に県内で低コスト耐候性のハウスの施工実績を有する者というような条件をつけて一般競争入札としたという流れでございます。
◆高比良[末]委員 私は問題ないかどうかだけ聞いていますが。
◎中村農業経営課長 そういう条件の中で発注をさせていただいて、問題はなかったというふうに思っています。
◆高比良[末]委員 次に、県が提出している仕様書、図面では積算できないじゃないかと、メーカーの方も言われていますね。ほかの方も言われているんですが。県単位の仕様書の内容では、各社、質疑もできない状態だったのでは。経験がないところは過剰見積りになると思っていたと。こういうことを、調査して答えていますが、こういう積算できないような図面で入札すること自体が、いいのかなという気がしますが、この辺に対してはどういう見解を持っていますか。
◎中村農業経営課長 この内容につきましては、県の入札監視委員会の中でもご議論いただいたところでありますけど、県が当時、入札するに当たりまして、設計図、それから仕様書を提示させていただいたところですが、その仕様書におきましては数量を記載していないということもございましたし、積算に使用した見積単価も提示していなかったということでございます。
 そういった中で、ノウハウのない業者におかれましてはやはりハウスメーカーに見積りを依頼せざるを得ないということになりまして、そうした場合、ハウスメーカーは製造請負方式の考え方で見積りを作成いたしますので、部材に一般管理費とか組み立て費といったものを加えて見積書を出すことになります。そうしますと建築会社の方々は、そういうことになっていることを知らないから、自分たちの一般管理費をさらに上乗せして積算をしてしまいまして、そういったところの流れを私たちが十分説明していなかったところが反省点としてはあったと思います。
◆高比良[末]委員 そういうことに対する改善策は、もう一応、検討されているということですね。
 次に、いろんな改善策が実施されようとしておりますが、利用する方の農業関係者の方々の意見は十分にわかりました。やはりそういう方向でいかなければなりませんが、同時に、偏りをなくすことも改善策の大きなウエートなんですよね。
 いろいろお聞きすると、非常に今回、難しいなという状況がある気がします。それで、どれぐらい改善が図られるとお思いですか、検討された方々は。こういうのが課題だなとか、いろいろな論議をして、今、率直にどういう思いをされているのか、お聞かせいただけますか。
◎木下農政課長 間接補助事業において2つの選択をしていただくと、どちらを選んでいただくかというところがまずございます。製造請負方式の場合、3者から5者に対象が広がったというところで、同じ業者への入札がどれくらい変わってくるのかというようなところでございます。県の発注方式に準じる場合は建築業者も入れますので、また新たな形での実績が出てくると思いますが、偏りの程度がどれくらい改善されるのかという部分につきましては、実績を見ないとわからないところでございます。
◆高比良[末]委員 最後にしますが、今回、このビニールハウスの発注が、県外が52、県内は48ぐらいですね。ここの改善も図らねばいかんし、やっぱり県内の偏りも少し改善しないといけない。
 ということは、あまりにこれが特殊工事になり過ぎているわけですね。ここは何か情報というのか勉強、多くの人が参入できるような取組をまずやらなければではないかと思っていますが、先ほど参考人からお聞きしましたように、組み立ては簡単なんですよね。ところが、このパイプをどうという過去に使ったパイプの形状ぐらい、もうみんな出して価格競争でやるとか、そういう方法もしなければいけないんじゃないかなというふうに思っておりますが、その辺の改善の取組について、やる必要があると思っているのか、そういうのはあまりよくないと思っているのか、その辺のことについての見解を伺いたいというふうに思います。
◎上田農林部長 ハウスの場合は、先ほど生産者の代表の方もおっしゃいましたように、ハウス個々のケース、ケースで部材が変わってまいります。そういった意味では、部材を標準でつくってというのはなかなか難しいところがあろうかと思っております。
 ただ、今回の改善で、特に県の発注部分でお示ししておりますのは、いわゆる建築会社さんが広く受注ができるようにするためにはどうしたらいいのかと。その際に、使われるハウスメーカーさんを幾つも選んで、そこの中から一番安価であったり、あるいは性能が良かったりというのを選んでいただいて、それを県が後で認めると、そういう幅を持たせようと思っております。
 これは、恐らく生産者さん側から見れば、それは県だけしかできないんだというお話になろうかと思っておりますけれども、まずはできるところから取り組んでみる必要があるのかなということで、今回、県の部分だけでもまずはやってみようかということで、ご提示させていただいている次第でございます。
◆陣内委員 私は、栗田参考人に、大きく3点ほどお聞きしたいと思います。
 1つは、施主代行施工という形で、この間何件も、直接施主の方々と話をしながら、状況も把握しながらされているだろうと思いますが、その状況がわからないものですから、まず、組織体制がどうなっているのかということです。専門のセクションがあるだろうと思うんですけど、そこのところを教えていただきたい。
 それから、今までの経過で、直近5箇年でも構いませんけど、施工実績で、入札方式は恐らく製造請負方式でされているだろうと思うんですけれども、県発注式でやるんだというのもあったかもしれませんけど、その件数を教えていただきたい。
 それから3点目ですが、今後、こういう農業用ハウスの需要をどのようにとらえておられるか、場所と作物、品種によって全然違ってくるということは重々わかりますけれども、全体的に、直接農家の方々と接触されているわけですから、その雰囲気なりわかるかと思うんですが、今後の需要はどういうふうな傾向だろうかということをお聞かせいただきたいと思います。
 大きく3点ですけれども、よろしくお願いいたします。
◎栗田参考人 お答えいたします。
 施主代行の私どもの組織体制につきましては、先般申し上げました各農協、農家を巡回しておるセクションに、私ども園芸部の営農指導員を配置いたしております。それぞれ営農指導員に品目の専門的な知識を有する職員を配置いたしておりますので、その営農指導員が農協、農家を日常的に巡回をしております中で、自分も新たにハウスをつくりたいとか、規模を拡大したいとかという意向がありました場合に、今日、同道して来ております私どものセクションで施設農機部と施設部というのがございます。そこに1級建築士の資格を持った者がおりますので、私どもは全農長崎県を1級建築士事務所としても登録をいたしております。園芸部と施設農機部、そしてまた肥料、中の資材等につきましては肥料・農薬部、機材等につきましては農業機械課、こういったところが連携をして事業に当たっております。
 それから、直近5箇年の製造請負の実績というご質問でしたが、5箇年ではございませんが、ハウスの施主代行をする場合に、事業件数162件というのが先ほどから出てきております。その中で一般競争入札45件のうちに、代行は全件全農が45件はいたしております。随意契約で補助対象外が100件ございまして、この中で私ども全農が96件、民間の設計会社が4件ということでございます。
 それから、今後のビニールハウスの需要についてのご質問だったかと思います。私どものいちごが、一番に多い年で107億ぐらいの取扱いがございました。今現在、80億強の状況でございます。県内の生産農家の方は、大体1,100戸の部会員さんがいらっしゃいまして、面積は横ばいでございます。20億の分については、市場でのいろんな競争等で、品質はよくなっておるんですが、今申し上げたような状況でございます。ぜひ、ハウスの需要を積極的に取り上げていただいて、さらに本県の主要品目としてのいちごのブランドの向上に資するためにも、ハウス等の事業をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
◆陣内委員 ありがとうございました。
 スタッフとして抱えておられて、日夜、農協等、あるいは農家等を言ってみればご用聞きみたいに、指導員の方含めてされているということで、大変だろうなと思うんですが、ハウスそのものについて、今いちごの話を言われましたけど、いちご以外のハウスの需要というのは、あまり要望は多くないんですか。
◎栗田参考人 今のそれぞれの品目の状況で申し上げますと、農畜産物すべて、各産地間の競争になっております。少しでも品質のよいものを市場に届けるということが一番重要ではなかろうかと思っておりますので、いちご以外のびわにしましても、みかんにしましても、アスパラにしましても、ハウスで栽培するというのが今、主力になっておりますので、ハウスの需要は潜在的にはあると思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◆野本委員 私は、小さな設計事務所を1級建築士としてやっているわけですけれども、このビニールハウスの中の作物というのはまさしく生き物ですから、私も取り組む時には簡単に取り組んだわけですけれども、実際にやってみて本当に難しいなと思いましたし、まして設計という形で、今、話も出ましたけど、全農さんの中で1級建築士事務所を持っているので、設計事務所がこれに。非常に建設業界、建築業界、設計事務所業界は仕事が少なくて困っているんですけれども、だからといって、こういうビニールハウスについて情報収集して取り組むかと、これは簡単にはですね。今話を聞いただけでも、私、ぜひ手を挙げて設計をさせてくださいと言ったって、これまでのノウハウ等を含めていくと簡単に取り組むことはできないと。
 ということは、これまでもそうですけれども、そういう設計はもうほとんど全農さんの方で対応できているのかということで、先ほどちょっと聞き漏らしたんですけれども、ビニールハウスの件数の中で、設計を全農さんで何パーセントぐらいやっておられるのか、教えていただきたいと思います。
◎栗田参考人 162件のうちに、私どもが受託、代行しましたのが45件でございます。これは一般競争入札で事業は実施いたしております。随意契約の100件のうちに、私どもが96件、他の方が4件ということでございます。
◆野本委員 随意契約の中でほとんどやられているということは、これは中身からして精通しているし、ほとんどわかっているということで安心して依頼できるということのあらわれではないかなと思います。
 しかし、一般競争入札は162件のうちで45件と、あとはどういうところが設計はやっているのか。会社の名前はいいんですが、どのぐらいの率で。県内、県外も含めて設計事務所は、一般競争入札で162件のうちで45件だけが全農さんということでありますので、その他の120件ばかりはどういうところが。県内の設計事務所ですか、それとも県外ですか。それをちょっと教えていただければと思います。
◎栗田参考人 ちょっと私の説明が不十分だったかと思いますが、事業件数162件のうちに、受託代行で行われたものが145件でございます。自主で行われたものが17件、あわせて162件です。
 145件のうちに、一般競争入札で行われたものが45件で、この45件につきましては全件、私ども全農が受託をいたしております。
 随意契約で100件ございまして、この中で私どもが96件、民間の設計会社さんが4件ということでございます。4件の設計会社さんについては、すみませんが把握をいたしておりません。
◆野本委員 そうすると、もうほとんど全農さんの1級建築士事務所の中で設計が行われていると判断していいんじゃないかと思います。それについては、何といってもこれ一筋にやってこられている、そういう専門分野であろうかと思いますので、簡単に、例えば私が設計事務所をしているからそういう設計をさせてくださいということにはならないと思います。
 しかし、今日の一番の問題は、このハウスを農家に、生産者にいかに安く提供できるかということに尽きるわけで、そういう意味では、入札においての透明性、公平性というものをするためには、どうしても入札という問題について取り組んでいかなきゃならんということのようであります。
 しかし、私もやってみて、経験から簡単なものではないということはわかっていますので、設計事務所はたくさんございますけれども、広げたからということで、これで飯を食おうかというような形にはなかなかなり得ないのではないかと思っております。
 施工というのは、設計書がきちっとできておれば、設計よりも取り組みやすいと私は思っております。ただ、部材かれこれ、入手先から何から全部初めての場合、また相手がそれをきちっと納入してくれるかという問題もあります。
 そして、一番のこのビニールハウスの問題は、工期があるわけですね、時期が。これを遅らせたら、もうそれこそ大変なことになるということです。そういうまさに生き物を扱っているということで、ビニールハウスをつくるまでが仕事ではないですよと、終わってからが仕事ですよと、責任が大きいんですよという説明がありましたけれども、まさしくそのとおりだと思います。
 そうなってくると、一般に指名競争入札とか、一般競争入札とか、いろんな形の中でやっていくとしても、今の業者が長崎県内に2者ぐらいですか、先ほどの話で。だから、いないわけですね。下請けに出そうにも、簡単に下請けも手を出せないだろうと思います。この教育をどうしていくかということ、これは非常に大きな問題だと思うんです。
 長崎県として、今日のやりとりの中で、正直言ってどうあるべきというふうに判断をされたのか。これは非常にハードルがいろいろありますから、簡単に言えないかもしれませんけど、目的を達成するために県として、当局としてどう取り組むべきか、どういう方策をとるべきかという考えがありましたら、お尋ねしたいと思います。
◎木下農政課長 今、委員からご指摘ありましたように、詳細な設計があれば通常の建築業者もできるのではないかというようなところがございまして、そういう想定のもとに県発注方式におきましては、設計事務所に実施設計、詳細な設計をつくってもらって、内容、単価、歩掛等を出しながら受注していただくというようなことで、ハウスメーカー以外にも受注の機会を増やすというようなことでございます。
 その前の設計事務所の設計におきましても、すぐにはできないというようなことから、いわゆるハウスメーカーのリストをこちらから提示しまして、3者程度から聞き取りを願って、それから詳細な設計等を組んでいただくというようなことで、設計事務職の育成にもつなげていきたいというように考えております。
◆野本委員 いずれにしても、これから。長崎県内の落札業者が偏っているとか、あるいは、落札の率が高いとか、そういう面でわかりにくいというか、疑問に思うということが、結果的に生産者が一番負担を強いられているんじゃないかというようなことでの今日の集中審議だと私は思っております。
 そこで、全農さんにお願いですけれども、設計関係をぜひひとつ一緒にですね。この設計業に携わっていくために、指導関係含めて一緒に勉強していくからということで、業界に、希望者があればどうぞとか、特に施工に至ってはですね。業者が多いことはいいことですから、ぜひ見学をさせて、その中で勉強してもらって、1者でも2者でも指名競争入札に参加できるような形をとっていくと。そういう現場を見て勉強してもらうということも一つの方式ではないかと思いますが、そういうことをやった経過があるかどうか。ないとするなら、今後そういうことを取り組めるかどうかということをお尋ねいたします。
◎栗田参考人 今の件でございますが、私どもも日ごろから、県の農業技術センターのそれぞれの作物の専門の先生方に、いろんな形でご指導をいただいております。先ほど野本先生がおっしゃいましたように、私どもが持っているいろんなノウハウ、経験等につきまして必要があれば当然私どももおつなぎをし、そしてまた農業技術センターのご指導もいただいて、県下全体でそれぞれの作物が増えることによって長崎のブランドの向上につながると思いますので、そういった機会があれば、ぜひご協力をさせていただきたいと思っております。
◆野本委員 ありがとうございました。
 いずれにしてもハウスというのは、いいことはわかっているんですけれども、どうしても価格が高いということで簡単に取り組めないと。特にびわ関係も今年の2月に冷害があったみたいに、ああいう時はハウスさえあればというようなことですけれども、これも価格の問題で簡単に取り組めないというし、価格の低廉化についてどういう方策があるのか、県当局もぜひ、今持っていらっしゃるノウハウを生かし、全農さん、あるいはJAさんとも協力いただきながら、そういう問題に取り組んでいって成果があらわれてくるような取組方を、ぜひ要望しておきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○山田[博]委員長 ほかにありませんね。
 ほかに質問もないようですので、本件についての審査及び意見聴取は終了したいと思います。
 本日は、栗田参考人、小島参考人、西極参考人、山本参考人、立光参考人、どうも本当にありがとうございました。
 先ほど栗田参考人からお話がありましたように、実際にいちごの生産が大変落ち込んでいるということで、この後、一旦休憩をいたしまして、立光参考人と山本参考人におかれましては、今後の農業用ハウスのあり方についてご意見を賜りまして、当委員会でも参考にさせていただきたいと思っております。そこでつくる側からの意見を述べたいというのであれば、引き続き残ってもらっても結構ですし、ご都合があって退席されたいのであれば退席されても結構ですので、それはお任せいたしますので、ぜひよろしくお願いします。
 それでは、参考人の皆様におかれましては、大変お疲れさまでございました。本当に今日は大変ご多忙の中、農業用ハウスの入札のあり方についていろいろと貴重なご意見等をいただきまして、本当にありがとうございました。
 それでは、参考人におかれましては、ご退出いただきたいと存じます。
 しばらく休憩いたします。4時5分から再開いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後3時58分 休憩−
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     −午後4時5分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 農業用ハウスのあり方について、私どもの質問に対しお答えいただくため、山本参考人、立光参考人に引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 まず、山本参考人より、農業用ハウスにおける燃油高騰やコスト削減の対策について、ご意見をお聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
◎山本参考人 燃油高騰により、自分はいちご栽培でございますけれども、燃油の占める割合が、自分の経営の中では10アール当たり10%から15%ぐらい年間かかっております。
 そういう中で、どうしても燃油の省エネを図るためには何が必要かとなれば、最低限いちごの場合は二重カーテンでございます。入口のすきま風の低減と申しますか、すきま風が入らないような状態にしており、日ごろの温度管理では、日中、無駄な時間に万が一、機械が誤作動して回らないよう電源を切っております。夕方には、確実に冷え過ぎて暖房機が長い時間回らないよう、余熱のある時間帯に電源を入れて、なるべく運転回数が少ないよう、節約した方向で経営をしております。
 また、いちごの高設栽培もしているわけですが、高設栽培の中では重油と灯油を使います。重油の場合は、室内温度でございますので、先ほど申しましたように陽が上がって必要ない時は電源を切っております。灯油の場合は、空中にある栽培土を温めなければなりません。その日の天候によって、自分の設定温度よりも下がるような日は日中でもスイッチを入れております。
 天気のよい日は、日中はスイッチを切っております。なぜかと申しますと、お湯を供給する給湯器自体が、自分の体を常に設定した温度に保とうと余熱を作るために、設定温度より下がったならば、畑の中を循環しなくても、そのボイラーの温度を保つための、言えば無駄な種火と申しますか、そういうようなところを自分は節約しながら経営に取り組んでおります。
 長崎県は、北から南までというような長い県の中でいちごを栽培されておりますので、上に行けば行くほど燃料費がかかっており、下に行けば行くほど割と節約した中でのいちごの栽培ができているかなと自分では思っております。以上です。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 次に、立光参考人より、ご意見を聞かせていただきたいと思います。
◎立光参考人 私は、花卉を生産しておりまして、全般的に花卉の今の状況をお話ししたいと思います。
 花の場合に、油をたくさんたいて生産する部門が、バラとか洋ランとかで、夜温を20度以上、23度ぐらいまで確保して商品にしております。
 数年前からいろんな形で、県の助成金あたりで二重カーテンの導入とか、遮光率が落ちますので外部の被覆材の張り替えとか、いろんな形で助成をいただきながら、なるべく重油の消費を減らしてやっていくという形をとらせていただきました。
 全国の中でもヒートポンプが、多分平成18年ぐらいから徐々に入ってきたんですけれども、平成20年くらいから県の助成をいただきまして、花の部門、特にバラ、洋ラン、鉢物、それからキクも一部ですけれども、だいぶんヒートポンプが入ってきています。
 重油が、安い時から比べれば3倍ぐらいの単価に今、跳ね上がっております。それでやると、もう完全に生産コストというか再生産価格を割ってしまいますので、今の状態の中では重油のボイラーとヒートポンプと併用しながら、ヒートポンプはエアコンと考えてもらえばいいですけれども、電気を使って夜の温度を確保しています。
 その中で、長崎県の花の場合は大体、それぞれ全国の中でもある程度の対抗ができるような形になっております。おかげさまでヒートポンプの効力は、暖房するだけじゃなくて冷房も除湿もありますので、今みたいに高温多湿になってきた時には、バラの農家の方々は除湿をかけて花にシミが入るのをほとんど助かっておりますので、バラの品質に関しては結構上がっているような形になっておりまして、販売する中では長崎県のバラは優位な方にいっているんじゃないかと思います。
 今のキクの状況を見ますと、油をたかずに済むような栽培形態になっていまして、それが今の状況にすべて出荷がスライドしてきまして暴落を起こしているというのが現状であります。今後、長崎県のキク部会に関しましても、他県との競合もありますけれども、やはりヒートポンプあたりを活用して、他県よりも一足早く出すとか、逆に遅く出していくとか、いろんな形を今後考えてつくらなければいけないというふうな経営にもなっていますけれども、ヒートポンプを導入させていただく中では、冬は暖房、夏は冷房という形で使用用途が多彩になってきますので、花栽培農家も上手に組み合わせて使っていくと今後の大きな戦力になるんじゃないかと思います。
 油の高騰はなかなか下がる予測もできませんので、そういう中での重油のボイラーとヒートポンプを併用しながら、生産コストも見ながら考えていかなければいけないと思っています。
 ただ、ここにきて計画停電というのが入ってきますし、九州電力等々の電気代が今度、値上がりをしてきますので、ヒートポンプは電気代が上がってくるという中で、また生産コストも考えながらやっていかなきゃいけないと思います。
 花の場合、カーネーションを筆頭にバラでもそうですけれども、単価がいいとなると海外からすっと一気に押し寄せてきますし、キクの場合も輸入が徐々に増えてまいっております。その辺での対応、対策、機敏にその時期の中で出していく、その辺の販売戦略も含めたところで今後はやっていかなきゃいけないのかなと思っております。以上でございます。
○山田[博]委員長 しばらく休憩します。
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     −午後4時13分 休憩−
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     −午後4時16分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 以上で説明が終わりましたので、これより質問を行うことといたします。
 質問はありませんか。
◆馬込委員 燃油高騰対策についてです。
 私は五島なんです。出身が上五島で、大体漁業の姿を見て育てられたわけですけれども、今回の燃油高騰で、イカ釣り漁業者から随分言われたわけですよ。漁業の場合は、燃油高騰の場合には出漁しなければいいわけです。
 ところが農業のハウスの場合には、高騰したからスイッチを切るというわけにはいかんわけですね。ずっと続けていかなきゃならない。
 今回、ぜひ現場でご活躍されている人を呼んでほしいというのは私も要請したわけです。
 燃油高騰に対して、4月ごろの重油が高騰していた時に、漁業者の場合には運転資金がほしいと。ところが、運転資金はなかなか借りられない。農業も同じですけれども、市中金融機関に行ってぽんというわけにはいかないというところがあってですね。
 燃油高騰をどうクリアしていくかというところを随分悩まれたと思うんですけれども、何かそこら辺で我々がお手伝いできるようなものがあれば、ぜひ教えていただければというふうに思います。行政に対する支援等も含めてですね。
○山田[博]委員長 何か、ご意見をどうぞ。
◎山本参考人 行政に対する支援。
 自分たちも燃油高騰では、いかにして燃費を少なくするかということは、設定温度を下げたり、二重カーテンをしたり、日々努力しております。今、天候の不順といいますか、極端な寒暖の差が今年の冬はあったと思います。今も長雨が降っていますが、梅雨の時期は大雨が降ったり、やんだり、雨量も大変多くなるというような地球的環境問題の中で、地球は暖冬といわれる中にあっても、冬場の寒暖の差が特にひどくなってきているんじゃないかということで。
 今年もいちごは、普段あまり冷えないから、燃油高騰の中でボイラーのスイッチを夜に切っておった、そしていちごの実が凍ったというような寒害を受けております。それは、農家の経験上、今夜はここまで冷えないだろうというような勘で気象情報を無視しながらやったことで、それだけせっぱ詰まった状況におるわけです。
 いちごはデフレの関係で売価は安くなっております。日々努力している中で、どうしても農家が欲しいのは、軽油の免税みたいなものです。そういうところを補助していただければ助かるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
◎立光参考人 ちょっと冒頭にお話をしましたけれども、例えば今、花農家でも、高騰によって作型を、油が要らないような作型に変えているところが実際にあります。それぞれ栽培されている方も年数が古くなりまして、先ほどもちょっと言いましたけれども、外部の遮光になっている部分が古くなって、光線の透過率が悪くて保温力が悪くなっていると。
 一時、ハウスの張り替えという形で助成をいただいて外部の方を変えました。その変えた農家の方は順調に生育しているんですけれども、その時にやっていない方で、張り替えの必要が出てきている部分があります。だから、その辺のところも続けてやっていただくと。
 油の助成もしてもらいたいんですけれども、そういうふうにして保温力を高めてヒートポンプを入れていくと効力が全然違ってきますので、やはりその辺の助成も考えていただきたい。
 それと、先ほどおっしゃいましたボイラー、これを全然たかずにヒートポンプに全部、100%頼るというわけにもいきません。重油ボイラーもみんな、だましだまし使いながらやっておりますけれども、1台100万円を簡単に超えるような単価になっていますので、その辺のところを何らかの形で助成の措置はないのかというのも、継続していく中ではやはり出てきますので、それをやってもらえれば。
 そうすることによって順調に油をたくと、暖地の長崎県はよその県、本土よりも少し重油は少なくて済みます。そうすると、中央に出している人たちはほかの県より早く出せますし、安定した品質にもできますから、単価もある程度安定してきますので、そういうところをやっていけば収益の安定になっていくのかなと思いますので、今後もそのご検討をお願いしたいと思います。
◆馬込委員 今の話を聞いていて、確かに免税の話は漁村ではしょっちゅう出てきます、漁協などでもですね。
 ハウスに燃油のコストがどのくらいかかっているかというのは、されている人たちはご存じなんですけれども、なかなかほかの人に伝わってこないんです。
 船の場合は、動くエンジンがありますから、ハウスの場合は、入らないとボイラーなどの姿を目にすることがないわけですよ。ハウスだけで保温効果が高いというようなイメージがありますので、なかなかそういう免税に動くような姿が見えないというのもあって。ハウスの農家の皆さん方の政治的な動きも少なかったと言えば少なかったのかもしれないと思うんですね。そのことは、我々も今後ちょっと対策を考えていかなければならないというように思うんです。
 それと、保温の問題とか、ボイラーの導入などに対する支援がどういうふうにできるのか。これは、長崎県の農業が考えなければならない問題だと思うんですよ。九州でやっている花卉栽培、あるいはいちごにしても、出荷時期をどう調整し、より農家収入が増えるような形で出荷できるのか、それを支えるためにどういう支援が行政としてできるのか、その導入における支援をどういうふうな形でやれるのかといったようなこともひっくるめて、やっぱり農業の所得を上げるということは我々の命題なんです。それをしなければ、次の若い世代が農業に参入してこないという問題がありますので、若い世代をいかに育てていくかというのも我々の使命だと思っているんです。そういう点では、現場の皆さんと行政、我々も一緒になって、農業の環境を少しでもよくしていかなきゃならないと。
 今回初めて、そういうお話を聞かせていただいた。燃油が高騰した折は、ぜひ県庁に出かけていただいて、現状をつぶさに我々にご説明していただければというふうに思うんです。なかなかそういう接点がないものですから、現場の姿がなかなかわからない、伝わってこないといったところがありますので、これからも、参考人といえば何か仰々しいですけれども、我々に対するアドバイスをしに来ていただきたいというふうに思っております。今後、この委員会でも今の話を真剣に考えて、行政サイドとけんけんがくがく言いながら詰めていきたいというように思っております。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆前田副委員長 私は、あまり農業のことはわからないので、ピントがずれていたらご指導いただきたいんですが、先ほど、キクの暴落の話をされていましたね。
 思うんですけど、行政の支援で求められていることを、行政が「わかりました」と言ってやっても、一律にこういう支援がありますよといって、それを幅広くやっても、そこに集中してしまうと値が下がるわけですよね。この作物をつくれば売れるからといって、みんながつくったらもうからないのと一緒のように、行政の単一の支援だけでは、それでやったからといって同じ時期に集中して出たら、また値段が下がるだけで。
 私が言いたいのは、農家の方もそれぞれ自助努力しながら、知恵を出し合いながら、自分のブランドをつくりながらやっているのに対しての支援メニューというのは、多種多様あった方がいいと思うんです。その中で、自分のところだったらこれとこれを組み合わせて支援してもらったら自分なりのやり方で売りに出すんだ、みたいな戦略が組めると思うんですが、単一のメニューのぽんぽんという支援だけでは、それは軒並みみんないい話であって、それだけではなかなか、それらの農家さんが自分たちのやり方で伸びていくには、支援メニューとしては少し薄いのかなという気がするんですけれども。私の言っている意味、わかりますかね。
 何かもっといろんなメニューを組み合わせて、自分のところはこうさせてほしいとか、そのためには当然自分たちもこれだけお金をかけるから、みたいにしていかないといけないような気がするんですが、そんな話ではないですかね。
◎立光参考人 僕も、ちょっとお話しするのがずれていたら、申しわけありません、また指摘していただければいいと思いますけれども。
 確かに今、燃油高騰等で栽培するのを、いろんな形のご助成、いろんな形でご支援もいただいております。
 ただ、その中で花を見た時に、長崎県の農林部の方も販売に、いろんな形で県挙げて売り込みに行こうと。東京の方で花屋さん、関西の方で花屋さんといろんな交わり、トレードフェアという形でやるんですけれども、そういうのでだんだん、だんだん、東京の花屋さん、関西の花屋さんと、長崎の花じゃないといけないという売り込みはできてくるだろうと思うんです。
 当然つくる方も努力して、いろんな経費削減してつくらなきゃいけないけれども、自分たちのものを長崎ブランドとして強く売っていくのも必要じゃないかなというのがありまして、例えば、花き振興協議会はいろんなご支援をいただき、知恵をいただきながら、その取組を徐々にここ3年、4年ぐらいやっているんですけれども、一つずつ成果が見えてくるのかなと思います。
 全農さん、いろんな形でもっと輪を広げてやっていかなければ、それは小さいことかもしれませんけれども、やはりブランド品としてたくさん売っていくということが、その辺も大事なのかなと。
 すみません、ちょっとずれておったかもしれません。
◆前田副委員長 改めてお話しします。ブランドを否定したわけではないんです。
◆溝口委員 冷暖房についての対策をいろいろしてこられたということで、ハウスの張り替えをした方が効果があるという話の中で、張り替えについての支援を県の方にしていただきたいと、そういう希望があるんですか。今やっていることの中で、そのメニューを増やしてくださいということですか。
◎立光参考人 何年か前、張り替え事業を県の方でやっていただきまして、今回限りよという形で後はなかったんですけど、その当時に張り替えをした農家の方と、当時はまだ張り替え時期じゃないからしないでもいいという方がいらっしゃって、その方たちが、今これだけ油が高くなってくると、その辺のところも本当は欲しいよねという世界になって。
 実は、僕が事前に話をいただいておればよかったんですけれども、もう少し時間があれば、皆さんの意見を聞いてくればよかったなと思いますけど、いろんな会合の中でもそういう話はちょこちょこ出ていましたので、またカムバックできればいいのかなと思います。
◆溝口委員 今回限りということで張り替えがストップしているということで、生産者の方々は今後も暖房をきかせていくためには張り替えが重要な武器だと言っているんですけれども、そのことに対する県の考え方を聞かせていただきたいと思います。
◎江藤農産園芸課長 何年か前、1回限りというお話だったんですが、今、輝くながさき園芸産地振興計画推進事業という農産園芸課事業がございまして、この中で省力・省エネということでUVカットフィルムへの張り替えに対して、単純な張り替えにつきましては自助努力の範囲ということでお願いしておりますけれども、長期の張り替えが要らないというエフクリーンですかね、UVカットフィルムの長期天張り等については補助対象と認めておりますので、通常経費ではなくて新たな取組、省エネとか省力といったことにつきましては、県のメニューに入れて対応しているところでございます。
◆溝口委員 今の当局の答弁を聞いて、立光さんとしたら、どのようなことを考えられるかですね。生産者の方々が今のメニューを使いやすい形で、長期的な天張りに張り替えるならできるという話ですけれども、その辺についての考え方を、よかったら参考に。
◎立光参考人 メニューを僕がよく見ていないところがあって申しわけないんですけれども、ただ、張り替えをする時に、花の場合には10年張り、15年張りという、それまで替えないというロングスパンでやります。ただ、張り替える時にすごく金額が高くなります。だから、その辺のところがどうしてもなかなか、一時はさーっといったんですけれども、そのメニューも詳しく見てみなきゃいけないんですけれども、張り替えたいという人も何人か出てきていますから、その辺のところが出ればですね。燃油高騰の中で暖房費の節約というのは必ず出てきますので、いろんなメニューをまたつくっていただいているんじゃないかと思いますので、僕らも勉強足らずで申しわけなかったんですけど。
◆溝口委員 私たちもそのメニューを今聞いて、輝くながさき園芸産地振興計画推進事業ですか、この中にあるということです。
 この補助制度の内容については、大体どのくらいぐらいの補助ができるんですか。
◎江藤農産園芸課長 補助率は3分の1でございます。先ほど言いましたけれども、基本として単純更新ということは認めておりませんので、機能向上といった取組に対しては、かかりました経費を県も支援してまいろうと考えております。
◆溝口委員 さっきの立光参考人の話では、10余年という長いスパンでの考え方であるし、そして張り替えたことによってかなり冷暖房効率がよいということでございますので、ぜひ前向きに考えていただければと、このように思っております。
 それから、ボイラーの古くなったものを切り替えるのに1台100万円以上かかるような話も出たんですけれども、このことについては、県としての考え方は何かあるんですか。
◎江藤農産園芸課長 通常、ボイラーにつきましては、これまでも補助の対象とはしておりません。先ほど全農さんからもお話がありましたけれども、ハウスを入れる時には、ハウスと暖房というのは切っても切れないということで附帯施設として導入されているのが一般的でございます。
 先ほど栗田本部長のお話もありましたけれども、いちごがかつて100億円あって、80億円台に下がっていると、いちごの再生というか活性化を考えている中で、その計画の中に一部そういったお話が出ておりますけれども、全体計画という中で対象あたりも考えていければなと思っておりますが。
◆溝口委員 助成の対象ではないということでございますけれども、例えば花き、いちご、それぞれハウスをしている方々が、この冷暖房、ボイラーも使ってやっている方々がものすごく多くて、今ちょうど切り替え時となった時に、県の農政としては、今後も園芸を続けていく方々のために、その辺の設備の取り替えのメニューについてもですね。一遍にするという形の中で、一人ひとりがしていくんじゃなくて、例えば農協さん単位でやっていくという形の中では、何か考えていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎江藤農産園芸課長 先ほど、立光さんの方からお話がありました、今非常に役立っているというヒートポンプにつきましては、平成20年度に県単独で2億円の事業を組みまして一気に、他県に先駆けて導入した、その成果が、長崎県が先んじてリードしてきたということかなと思っております。その後、国のメニューが追加されましたので、現在は国のメニューでヒートポンプにつきましては対応しているところでございます。ヒートポンプにつきましては、先ほど立光参考人がおっしゃいましたようにハイブリッド、加温機と組み合わせた形で最適な暖房効率をということで今、やられているところでございます。
 単純な、昔でいうボイラーにつきましては、今、省エネ型というのが出てきております。これは大体ハウスとセットで入っておりますので、それを進める一方、要望等を受けまして、単独の導入につきましては今後検討させていただければと、省エネという中で考えさせていただきたいと思っております。
◆溝口委員 ありがとうございます。省エネという形の中では、例えば1台1台じゃなくて、農協さんとか、いろいろな形の中できたときには考えていかなければいけないということですかね。
◎江藤農産園芸課長 私ども今、すぐれた園芸経営体の育成を進めております。その中で400万円農家、600万円農家というのはございますが、そういった形を育成するとともに、産地計画をつくっていただいて、その中でこういった取組をしたい、それに対して県の方も支援するという立場をとっております。
 先ほど言いましたように、いちごにつきましては県下のいちご部会の中で、こういった再生計画を計画されているところでございますので、そういった中で私どももお手伝いできればと思っております。
 いちごにつきましては、400万、600万経営体の中では、そのウエートが非常に高い品目であると考えておりますので、それを進める意味でも支援してまいれればと思っております。以上でございます。
◆溝口委員 わかりました。
 今、園芸は花卉にしてもいちごにしても、かなりウエートが高くなってきていると思うんですよね。だから、部会の中でそういう話を出していただいて、県の対策メニューを考えていかないと農業政策が落ち目になってくるんじゃないかと思いますので、いろいろな設備費がかかるかもわかりませんけど、いちごをつくるコストの中の15%は油代になっているということでございますので、冷暖房がきくような設備に対して、今後前向きに検討していただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○山田[博]委員長 委員長を交代します。
○前田副委員長 委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 山本参考人、立光参考人、農産園芸課長が好きな言葉は、いつも農産園芸課長と話していたら、「新たな取組、新たな取組」と言うんですね。この「新たな取組」という言葉があの方は大変お好きでしてね。私は意味がわからないんですね。
 そこで、お二方にお尋ねしますけれども、例えばいちごとか、バラとか、キクとかあります中で、そうやって園芸をやっているところ、ハウスをやっているところの新たな取組というのはどうふうにとらえるかと。
 要するに、今やっている中で新たな取組というのが、例えば先ほど皆さん方がハウスを張り替えたらいいんですよと、私はそれが新たな取組だと思っているわけですよ。だけど、それが認められていないから皆さん方は困っているわけでしょう。
 だから、この「新たな取組」という概念をしっかりとここで、私たちと農家の皆さん方の認識を深めておかないと、行政の考える新たな取組と、農家の新たな取組というのが一緒じゃないとだめなんですよ。今はそれが違うから、皆さん方は困っているんです。
 だから、現実的に農家の方の新たな取組というのが、今まさしく皆さん方が言っている、例えばボイラーの補助金をしてもらいたいとか、それをリースにしてもらいたいとか、遮光性のあれだって前にしてもらって助かったんだから、今やっていない人をそれで新たな取組と、第1歩ということで、私はそれを新たな取組じゃないかと思うわけですよ。だれが聞いても、だれが考えても、そう思いませんかね。そう思うか、思わないかを聞かせていただければと思います。それでまた、農産園芸課長にですね。
 最近、ぴしゃっと髪の毛をカットして、意気揚々としていますから、農産園芸課長にお聞きしたいなと思いますが、お答えいただけませんか。
◎山本参考人 委員長がおっしゃっるように、新たな取組、耐用年数が過ぎた暖房機、耐用年数が過ぎた花卉の天井、ビニールの張り替え、そういうなものを交換するのも新たな取組だと自分も考えております。
 そういう中で、自分たちの努力もまた必要なんです。ただ、新しい暖房機を入れてもらって喜んでいるばかりでは、私たちも県に対して申しわけないと思いますので、生産量、生産高の向上と努力しながら、そういうふうな事業をしていただければ助かると思います。そういうふうに自分たち農家も、経営が安定するような努力をしてまいりますので、県の方もそういうふうな考えに対して柔軟な姿勢で取り組んでもらえれば助かるかと思っております。
 いちごの場合には、100億が80億に減ってきたという話があっております。そういう中、県部会の役員会の中でも、100億に戻すためには、自分たちは県下部会とどういう努力をすればいいかということで取り組んでおりまして、今、デフレの中で、どうしてもいちごの単価を上げることは難しい状況でありますので、安いいちごを販売しながら儲かるためには何がいいかと、収量の多い新しい品種を今、考えております。そういうのを県下広めて、安くても、ちょっと百姓は辛労しても、量を出して収入面をカバーしていこうと。
 今後、100億から80億に減った売上げを100億を目指して頑張ろうと、今後何年間かかけて再生計画を立てますので、県議会の皆様、そこのところを理解していちご部会に助成していただければ助かるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
◎立光参考人 本当に新たなこと、身の回りにたくさんあるんだなとつくづく感じさせられました。やはり私たちも、先ほど山本さんがおっしゃったように、いろんなことを助成してもらう中で私たち農家が元気を出してやらなければだめだと痛切に感じております。とにかく花卉100億という形で一生懸命やって、何とか70億ぐらいまでやってきましたけれども、情勢の中でなかなかそう簡単には100億まで、もう少し早くいくかなと思っていたんですけど、なかなかいきません。
 ただ、いろんな形でお手伝いをしてもらいながら、農家がやる気を出してやっていくというところに農家を追い込んでもらう、農家を奮い立たせるような形でやっていくと、その辺の達成がいくんじゃないかなと。いろんな形でこういうふうにして僕ら花農家の意見も聞いてもらい、小さなことでも聞いてもらい、いろんなことで変えてもらってやっていくと、必ずや100億はいくのかなと、甘い気持ちでやっていきたいと思いますけれども、とにかくやる気を出していくような施策をやっていただきたいと思います。
◆山田[博]委員長 山本参考人、すばらしいお話だったですね。どっちが政治家かわからんような、柔軟な姿勢とかと言ってですね。
 柔軟な姿勢ということで立光参考人もおっしゃったように、今、農家の方が、収量が上がるような新しい品種を取り組んでいこうと。いちごでは、それがまさしく新たな取組ですね。
 そこにボイラーのリースとか、ヒートポンプの補助とか、遮光性のビニールハウスの張り替えとか、こういうこともできるんだなと、これが新たな取組の概念になるんじゃないかなと私は思いました。
 立光参考人が、100億を目指していたけど、70億からなかなかいかないんだと。それを目指す新たな取組として、やる気を出させる施策の一つとして、こういったハウスの張り替えとかなんとかが必要じゃないかなと。
 実際、前は3分の1だったんですね。この3分の1の県の補助でも、短期間であっても、その時はやる気が出て、新たな取組で頑張ろうというふうな雰囲気になったかどうか、お聞かせ願えませんか。
◎立光参考人 今、70億上がっているのは多分、ヒートポンプもそうです、張り替えもそうです、その施策がやはり今の結果に出てきていると思います。だから、それは確実じゃないかなと思っています。
◎山本参考人 自分たちは、新たな取組をした中でも、過去10年、バブルが崩壊した、あの時からの状況を見ますと、実際、いちごは頑張っても頑張ってもはい上がりきらない状態で今、います。
 今年、いちごの単価が高かったのは、これはあまり公表しないでくれと言われますけれども、福島の原発の問題かれこれで、いちごの総生産量が減っております。そういう中で、今年はたまたま何十年ぶりかでいちごの単価は高くありました。
 今後、デフレ傾向の中でいちごが生きていくためには、先ほど申しましたように、新しい品種の導入をし、収量を上げ、売上げを上げた中でいちご農家が生き残っていくような状態を今後考えていこうと、今からまた新たに取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◎江藤農産園芸課長 私の新たな取組というところが非常に、その意味では別に否定するつもりはございませんが、新たな取組なり、かかりまし経費という言葉で今までも委員長に説明させていただいております。
 結局、通常管理、例えば肥料につきましては、栽培ごよみに基づいて毎年きちんとやらなくてはいけない。あるいは機械につきましては、減価償却の中で毎年みていって、耐用年数が過ぎたら更新するという更新の積み立て的なとらえ方がある。ですから、そういう方についてさらに、張り替えとか更新とかという形での補助は、一旦補助をしているので、また再度の補助ということになるので、それについては認められませんとこれまでも説明させていただきました。
 ただ、そこに新たに機能をすること、あるいはかかりまし、今までやっていなかったことをさらにこういったことで取組みますということでいけば、それは通常の経費では見られないということで、それについては県としても支援していかなくてはいけないということでご説明させていただいたと思います。
 暖房機につきましても、これまで加温機が入っていなかったところで今回被害を受けたので、災害に強い産地をつくりたいということで、今入っていないところに何とか加温機を入れられないかというようなお話もありました。これにつきましては、経営体支援事業という国のメニューがございまして、この補助金に応募したところでございますけれども、すべてを網羅できなかったので、産地として取り組んだ場合に県の方でさらなる別の支援メニューを考えていただけないかということで、今、検討しているところでございます。
◆山田[博]委員長 農産園芸課長、今、このお二人が今日は来ていて、別にあなたからそういったね。日ごろから聞いているわけだよ、俺はな、農産園芸課長ね。
 新たな取組ということで農家の方は現状を訴えて来ているわけだよ。今、やる気を出そうと県議会に訴えて、わかってくださいと言っているわけだ。
 農産園芸課長、あなたも課長として、県内のこういった方々の意見を聞いて、もっと真摯に受け止めて。あなたの主張をするだけじゃないんだよ。あなたがそこでやっているというのは、この県議会で予算審議してやるんだから、ちょっとあなたははき違えているんじゃないか、大体。あなたはあなたの意見でわかっているんだよ。(発言する者あり)そういったことで、あなたも発言を真摯にしてもらいたいんだ。私は、そういった点では今日は農林部長にですね。
 農林部長、この農家の方々がどれだけ深刻かとわかっているでしょう。だから、あとは農林部長、今日、お二方は農業用ビニールハウスの件に関して実情を訴えて、馬込委員からもこういった話があったし、よかったと思うんですよ、私たちがわからないことがいっぱいあったから。こういった中で、部長として担当課長にしっかりと指導して、やっていただきたいと思うんですよ。
 私は、いずれにしてもこういった現状を把握して、新たな取組というのを農林部として。過去にやったから、もうしないとか、そういったことは新たな考えをもってやっていかないといけないわけだから、そこは柔軟にやっていかないと、通るものも通らないわけだから、予算としてね。農林部長、そういった点を踏まえてやっていただきたいと。
 私も、ちょっと野本委員から、慎重にというお言葉をいただきましたけど、冷静にね。滅多に私も怒らないんだけれども、ああいった言い方をされれば頭にくるわけだよ。
 そういうことで農林部長、最後にあなたの方でおさめていただいて、この部分は5時には終わって、参考人の方も、あなたのお言葉を聞いて気持ちよく帰っていただきたいと思いますから、農林部長、前向きな答弁をして、幕をうまく閉めていただきたいと思います。(発言する者あり)
◆野本委員 両参考人にお尋ねしますが、一生懸命に頑張っておられることに敬意を表しますが、後継者という問題については、どのように今なっておられますか。立光さんも、山本さんも、後継者は。
◎立光参考人 後継者は、私の住んでいる島原半島も農業の後継者はすごく多いと思います。私たち花の業界の中も、後継者は結構来ております。これに関しては売上げも伸びていますし、その辺のところは元気が出てくるところかなと思います。全国の生産者と一緒に話をする中でも、長崎県の花つくりの生産者のところは結構、後継者が出てきていますので、その辺のところは今後私たちもバトンタッチを上手にやっていかなきゃいけないと思っております。
◎山本参考人 自分は南高の加津佐町です。そういう中で後継者といたしましては、ばれいしょ農家を中心に割と恵まれている地域であろうかと思います。
 自分はいちごをやっていますけど、いちご農家がなかなか、残るというか、きついわけなんですよね。一年中のいちご栽培、ばれいしょとか畑作は余裕のある農作業なんですよ。いちごはもう365日といわず、400日ぐらいの就労日数になるわけですから、そういった面でもう少しいちごの反収を上げて、金に余裕があれば若者でも残るわけですから、そういうところを目指していきたいと思っております。
 そして、これは自分のことですけど、自分も35歳の息子がいます。中学校1年生の孫がいて、「じいちゃん、百姓はどうやってすればよかとね」と中学校1年生の孫が言いますけれども、「おれの後に付いて来い」とは、今の経済状態では、実際に孫に対して言うことは、今、悩んでおります。
 それだけ農業の生産費といいいますか、収入は、委員長さんの年収を、一家4人で働いても追い付かないような収入でございますので、今、そういうふうな状態で後継者はいますけれども、孫の場合には悩んでいるところが現状です。
○山田[博]委員長 じゃあ、農林部長、最後に前向きな答弁をしていただいて終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。
◎上田農林部長 ただいま生産者の代表の方から、現状の厳しいお話と前向きなお話、両方をお聞きした次第でございます。
 先ほど農産園芸課長がご説明申し上げましたけれども、それは、これまでも、いわゆる単純な施設の更新というのがなかなかしづらい中で、生産者の皆様方のお声を聞いて、それに知恵を出して、予算化をしやすい、施策として組みやすい形をとろうと今までもしてきたということを申し上げたつもりでございます。
 そういった意味では、今のお話をお聞きして、特にコストの縮減、省エネ、あるいは産地の戦略、こういったものは絶えず見直しながら考えていかないといけない項目であろうと思っておりますので、今日のお話をしっかり受け止めながら、また現場でもお話をお伺いさせていただきながら、いい形での支援ができるように私たちも精いっぱい頑張っていきたいと思っているところでございます。
○山田[博]委員長 それでは、農業用ハウスのあり方及び農業用ハウスの入札のあり方について、特段もう質問はありませんね。(「はい」と呼ぶ者あり)
 ないということで、これに関する審査結果について整理したいと思いますが、これは、先ほど山本参考人、立光参考人のご意見をお聞きしたところ、長崎県の園芸ビジョンにおきます新たな取組に対する支援を行うということでありましたけれども、そういった制度を新たに見直しをして、両参考人の意見に沿うような制度設計をつくるように取り組んでいくということでまとめたいと思いますが、よろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 そういったことでまとめるということで、よろしいですね。(「はい」と呼ぶ者あり)
 それでは、そのようにしたいと思います。
 本日の審査は、これにとどめ、明日は10時より、委員長報告等に関する委員間討議を行いますので、よろしくお願いします。
 本日は、これをもって散会いたします。
 参考人の皆さん方は、退出して結構です。本日はどうもありがとうございました。お世話になりました。
 本日はこれにて散会いたします。
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     −午後4時57分 散会−
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