平成24年  6月定例月議会 農水経済委員会 - 06月27日−03号

平成24年  6月定例月議会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成24年6月27日
       自  午前10時0分
       至  午後4時14分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長) 山田博司君
    副委員長(副会長) 前田哲也君
    委員        馬込 彰君
     〃        野本三雄君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        高比良末男君
     〃        中島廣義君
     〃        徳永達也君
     〃        陣内八郎君
     〃        高見 健君
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3、欠席委員の氏名
    委員        加藤寛治君
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    産業労働部長          山田伸裕君
    産業労働部次長         江村 遵君
    産業政策課長          沢水清明君
    産業振興課長          平田修三君
    産業技術課長          上原哲之君
    ナガサキ・グリーンニューディール推進室長
                    黒崎 勇君
    企業立地課長          永橋法昭君
    商工金融課長(参事監)     佐藤雅秋君
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6、審査の経過次のとおり
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     −午前10時0分 開議−
○山田[博]委員長 皆さん、おはようございます。
 ただいまより、委員会を再開いたします。
 なお、加藤委員から欠席する旨の届けが出ておりますので、ご了承をお願いいたします。
 また、徳永委員から、午後から欠席する旨の届けが出ておりますので、ご了承をお願いしたいと思います。
 本日は、午前中はベンチャー企業について、午後は産業振興財団の運営について集中審査を行うこととしております。
 これより、ベンチャー企業について集中審査を行います。
 まず、産業振興課長より説明をお願いします。
◎平田産業振興課長 今回の集中審査に当たりまして、事前にご指示をいただいておりました資料につきましてご説明をいたします。「投資事業有限責任組合の存続期間満了について、資料1」と記載している資料でございます。
 この資料については、前回の定例会の時の委員会で配付しました資料と同じものでございます。概略について再度ご説明させていただきます。
 投資事業有限責任組合でございますけれども、平成13年度に長崎県産業振興財団と地元の地銀、十八銀行、親和銀行がそれぞれ1億円ずつ出資をいたしまして、出資金総額2億円の投資事業有限責任組合を2つ、それぞれ十八グループ、親和グループということで設立いたしております。
 これにつきましては、記載しておりませんが平成10年に「中小企業投資事業有限責任組合法」という法律が制定をされておりまして、その法律に基づくスキームに基づいて設置をしたものでございます。
 財団が出資をいたしました2億円の原資については、県が全額補助をいたしております。これらの組合が成長や今後期待できるベンチャー企業などに直接投資を行うとともに経営術の指導を行うということになっております。
 組合の業務執行については、先ほど申し上げました法律のスキームにのっとりまして、無限責任組合員ということで両銀行のベンチャーキャピタルが担うという形になってございます。
 スキームにつきましては、恐れ入りますが資料の4ページに図を書いてございます。先ほど申し上げたことを図にしたものでございます。
 まず、資金の流れとしてはこの白抜きの太い矢印の方になります。産業振興財団に対しては県が1億円の補助をいたします。産業振興財団が組合に1億円の出資をすると。それから、十八銀行と十八銀行のキャピタル会社であります十八キャピタル、それぞれキャピタルの方から500万円、銀行から9,500万円、合わせて1億円ということで銀行サイドから1億円、合わせて2億円の組合を3者でつくると。この組合が十八グループの組合と親和グループの組合と2つ同じものをつくったということでございます。
 この組合による投資やその後の営業支援などの業務については、それぞれの十八キャピタル、または親和ベンチャーキャピタルが行うというスキームになってございます。
 また1ページ戻っていただきまして、組合は先ほど申し上げた十八グループと親和グループの2つつくってございます。
 存続期間については、存続期間を定める必要がございまして、契約に基づいて存続期間は10年間ということになっております。
 県内に本社を有する企業、もしくはこれから県内に本社をつくる、あるいは主たる事業拠点が県内にあるという企業が投資対象となっております。
 発掘の仕方としては、無限責任組合員、先ほどのベンチャーキャピタルが自主発掘する、あるいはそのほかの有限責任組合からの紹介というようなことでの発掘ということになっております。
 続いて2ページですけれども、この組合が先ほど申し上げました10年間の存続期間満了ということで、昨年の10月をもって存続期間が満了となり組合が解散となっております。
 結局、当初の原資が2億円、2億円で2つ合わせて4億円あるわけですけれども、投資をし、回収の差額、それから管理経費等を除きまして、最終的に組合に残った原資が約1億3,000万円と。組合に対する財団の出資割合としては2分の1ですので、その残額のおよそ6,500万円程度が財団に戻ってきたと。
 財団の原資については県から補助をいたしておりますので、結果的に補助金の返還ということで同額のおよそ6,500万円が県に補助金の返還されたという経過でございます。
 投資の実績については、3のところに書いておりますけれども13社、十八グループは7社、親和グループは9社、重複がありますので合計13社ということでございます。
 その成果ですけれども、3ページに記載をいたしております。
 もともと組合をつくった目的の1つとしては、当時平成13年9月に県の産業振興構想というものを策定しておりまして、その数値目標の中に株式公開企業50社を目指すという目標を掲げておりました。そのための資金支援策の一つということでこの制度を設けたわけですけれども、結局は株式公開企業については1社も創出することはできなかったと。
 投資した企業の中には、倒産、破産、廃業したケースもございましたけれども、一方におきまして、投資先で今存続している企業については、売上が当初実行した期と直近期を比べまして約10億6,000万円増加、従業員が約150人増加ということで、トータルとして見れば売上の増加、雇用の創出につながったものと、一定の効果があったとは考えてございます。
 ただ、存続企業9社につきましても、すべてがすべて伸びているという現実ではございませんで、表の黒丸の2つに売上が伸びた企業の数、もしくは減った企業の数をそれぞれ掲げてございます。雇用従業員数にしても3社についてはマイナス、増減なしが2社、4社が増加ということになっております。
 投資先のうち倒産や廃業しました4社につきましては、もう一つの資料でご説明をさせていただきます。
 なお、この売上の10億円による経済効果がどれほどのものだったのかというお尋ねが、実は委員会の外であっておりまして試算をいたしましたが、10億6,000万円の売上の増加が直接的な効果で、それがあった場合に間接的な波及効果として6億7,000万円があったと。
 これに伴う雇用者所得の誘発の分が、その間接分だけで約1.9億円、人数にしますと61人分になるという試算が出ております。
 以上、ご参考までにご報告をいたします。
 5ページをお開きいただきたいと思います。そこに投資した企業の名前と主な事業内容を記載いたしております。1番から9番までは現在も営業を継続されている企業でございます。10番から13番までが破綻した企業ということです。
 なお、13番の「たらみ」については、「株式会社たらみ」と書いていますが、ここに注記しておりますように、現在ももちろん「たらみ」というフルーツゼリーの会社はあるんですけれども、現在の「たらみ」とここに書いてあります投資先企業の「たらみ」とは全くの別法人でございますので、その点についてはご留意いただきたいと思っております。
 続きまして、資料の2をお開きいただければと思います。
 資料の2は、その破綻業者につきましてどういう事業内容であったのかと、破綻に至るまでの主な概要ということでまとめたものでございます。これも概略をポイントを追ってご説明させていただきます。
 まず、1社目は「ニューアグリネットワーク」という佐世保市の企業でございまして、設立が平成12年、業務内容としては輸入・国産いちごの販売、いちごの高設栽培システムの製造販売ということになっております。平成13年に600万円の投資ということですが、平成17年度に休眠状態となり、平成21年4月に破産申立をされてございます。
 まず、そもそもの掘り起こしについてということですけれども、銀行の支店に対して企業から調達の相談があって、銀行の支店を通じてこのベンチャーキャピタルに紹介があったということで、銀行からの相談案件ということです。
 事業の具体的な内容ですけれども、ここに「オーストラリア産いちごの販売事業」と書いております。要するに国内産のいちごは夏場になるととれないということで、その夏場の実際の市場規模というのが非常に小さくなっていると。その間はアメリカや韓国、そういうところからの輸入品に頼っているところだということで、季節が反対のオーストラリアでその時期に、まさに日本の品種を生産して輸入をすることで、夏場に秋冬物と変わらない品質のいちごを日本で供給しようと。オーストラリアで生産をして輸入をして供給をするという事業計画でございました。
 生産についてはオーストラリアで農業法人が設立されておりまして、これは会社が設立したというよりも別にあった農業法人とそれぞれ生産の独占契約を結んでおられました。ということで、実際生産をされる方も整っていたという状況でございます。
 それと、2点目は国内産のいちご販売ということで、これは国内産のいちごの流通を自分のところが担うということで、直接生産者やJAから自分がいちごを買い付けて、洋菓子店やホテル、レストランなど自分の顧客に対して売るという事業でございます。
 3点目が、2ページでございますが、いちごの高設栽培そのものの製造販売という事業でございます。
 Dに投資決定の理由ということが書いてありますけれども、先ほど言いましたように、国内いちごが市場にない夏場に輸入販売するということで、どこも行っていないということで成長が見込まれたと。それから、生産システムも自社で開発している。それから、経営陣の中には研究者と書いてありますが、これはいちごの高設栽培システムについての公的機関で研究をされていた方が含まれていたり、大企業出身の業務執行役もいるということで、経営体制も整っていると。
 それから、オーストラリアサイドのことでいいますと、福岡オーストラリア領事館に福岡事務所を構えているということで、これは外面的にはそういうことなんですけれども、オーストラリア政府とオーストラリアでのいちご生産、日本への輸入ということについては、一定オーストラリア政府の協力体制というか、そういう面についても外形的には得られている面があったということです。
 それから、もう既に他の証券会社からの投資も行われておりまして、その評価も高いと。さらにこのベンチャーキャピタルの本体の銀行本体においても出資をしようという決断をあわせてされていたということで投資決定をしたということでございます。
 投資企業に対しては、その後は資金の支援とか、資金繰りの相談に乗っていたところですけれども、その後、Fですが、売上については、設立当初6,200万円程度だったものが、その2年後には2億8,700万円まで実際に増加しております。現実にオーストラリアからいちごの輸入も行われております。
 しかし、日本国内でのいちごの売値が想定していたほどの高値で売れない。それから、オーストラリアの天候不良によっていちごが不作であったと。もう一つは為替の変動ということで、これが円安に動いておりまして、同じ豪ドルを払うのに、例えば61円だったのが5年後には80円ということで、つまり円安になったことで輸入価格が上がったということで、恐らくそういうことも関係したんだと思うんですけれども、オーストラリアの現地生産法人との関係が悪化いたしまして、結果的にいちごが輸入できないという状態に陥ったということでございます。
 そうなりましたので、企業としては国内生産の方に方針転換をしまして、国内における夏場のいちご栽培ということに今度は方針転換をしようということになったわけですけれども、結局は追いつかず、資金ショートを起こして廃業になったということでございます。
 3ページに「経営がうまくいかなかった理由」と書いてありますけれども、基本的には今申し上げたことでございます。販売価格が想定より安かったこと、オーストラリアの状況、それから販売価格が安かったというのは、結局は韓国産いちごなどとの競合という点もあります。それから、高設栽培システムそのものを売るということについても想定どおりの販売ができなかったということでございます。
 VCとしてもこの間、銀行と連携して資金繰りの相談でありますとか、投資をやっているんですけれども最終的には廃業ということで、投資については回収できなかったということになっております。
 それから、次の2社目でございます。
 4ページの日本設電、これは佐々町で、会社は平成元年に設立されております。電気工事の施工・設計をされる会社ということで、3,000万円を平成14年に投資をされて、平成21年に会社が清算されてございます。
 これの掘り起こしについても銀行本体の支店と以前から取引があったという中で、ここに書いています高圧受電システムの製造販売を新たな事業として本格的に展開するということで相談を受け、銀行からVCあてに紹介があったと。
 この事業の内容については、事業計画の概要を書いております。高圧受電システムが低圧電力供給を受けている小規模工事やコンビニエンスストアが、同システムを用いて高圧電力を受けることで電気料金を現在より安く抑えるということですけれども、ちょっとご説明をいたしますと、2つに分かれておりますが、例えば通常50キロワット未満の小規模なコンビニエンスストアでありますと低圧電力ということで、100ボルトとか200ボルトということで電力供給を受けるんですけれども、これを高圧電力供給に切り替えて、自分で変圧のための設備、トランスを設置して100ボルトなり200ボルトなりに切替えると。これを高圧受電という形に切り替えることで、電気料の基本料金は上がるんですけれども電気を使った分に応じて払う従量料金の単価が下がるということで、コンビニエンスストアなどでは結果的に年間の電力料金が下がるということで、そういう変圧のシステムを製造して販売するという事業計画でございました。
 これについても次の5ページに投資決定の理由が書いてありますけれども、その時点ではほかにやっているところがないし、ランニングコストも安くなるというようなことで成長可能性が十分あるということで投資に踏み切ったということでございます。
 VCとしても銀行が取引をしている業者、これは例えば電気工事をやられている業者等々とマッチングをいたしまして、投資企業の製品を販売してもらえるようにマッチングをしたり、あるいは同じようにパートナーを探すために「ベンチャープラザ九州」という福岡であっている企業との交流会ですけれども、そういうところでプレゼンの提案の指導をしたりというようなこと。あるいは経済面の指導のためにVC社員を投資先の役員として派遣をいたしまして経営のフォローもするというような育成策に取り組んでおりました。
 7番ですけれども、投資の前後では売上は伸びております。具体的に申し上げますと、およそ3,000万円程度の売上だったんですけれども、これが6,000万円程度の売上まで伸びておりますが、もうしばらくしますと他社、ほかの電気工事をやっている企業も同じような受電システムの製造販売を開始されたことで競業状態となりまして、こちらの売上が伸びず事業を中止せざるを得ない状況となったということでございます。
 8番にうまくいかなかった理由と書いていますけれども、この投資先の企業が営業体制を整えて、一定のシェアを確保する前に、そういう体制が整う前に競合他社から製品投入が行われた結果、この企業そのものは市場競争力を失って販売不振に陥ったと。
 特許の押さえももちろんしていたんですけれども、結果的にはそれによって他社の競合製品投入を抑えることができなかったということでございます。
 VCとしても、対応としては先ほど申し上げたとおりのことをしておりましたけれども、結局は破綻になったということでございます。
 3社目が、6ページのバイオラボでございます。
 これは平成15年に設立されまして、創薬の研究受託という事業でございます。投資額は3,700万円、平成18年2月に投資をされて、平成20年10月に破産をしております。
 バイオラボは、県が産業振興財団に設立いたしまして、産業振興財団で実施をいたしておりました大学等発ベンチャー創出事業の採択企業でございまして、県、財団からVCに対して投資案件としての紹介をしたということでございます。
 事業計画の内容としては、要するに薬理効果などの安全性等を受託をするということで、中国にそういう受託研究所をつくりまして、中国でそういう研究を引き受けるという計画でございます。
 投資決定の理由としては、もちろん大学等発ベンチャー創出事業の採択企業であったこと。それから、投資の時点では中国での営業許可も得ておられたと。それから、他のVCからも資金調達が見込まれていたというような状況でございます。
 なお、投資が行われた時期、平成18年2月といいますのは、財団の大学等発ベンチャーの投資が3回に分けて行われておるんですけれども、その最後の3回目の投資の時に投資をされているということでございます。
 それから、投資先企業に対するVCのフォローについては、この企業については大学等発ベンチャー創出事業の採択企業ということで、中心的には産業振興財団が行われていたと。ただ、投資後の4月にはそれぞれ関係のVC、財団、それからバイオラボ社の社外取締役などが対応について協議をして一定の申し入れをするなどの取組もされてございます。
 取引先経営状況の推移ということですけれども、平成17年5月には中国での営業許可も得ていたんですけれども、結果的に中国の稼働が大幅に遅延をして、最終的には全く稼働しないまま破産したということですので、本格稼働する前に資金ショートに陥ったというようなことでございます。
 経営がうまくいかなかった理由、あるいは危うくなった時の対応についてはここに記載をしているとおりでございます。
 それから、最後のたらみ、4社目でございます。
 たらみは、もともとの設立は昭和46年ということで相当歴史がございます。
 投資額は2,600万円、投資時期としては平成14年5月、平成19年5月に会社が清算ということになっております。
 これにつきましては、もともと銀行本体と以前から取引があったということ。それから、新たにドライゼリーについて新商品の展開、新事業展開を行っていたということと、一番大きな理由としては、新規株式公開、株式上場を目指していたということで、株式公開に近いということでの判断があったということでございます。
 事業計画の概要についてはここに書いてあるとおりでございまして、たらみのゼリーについて独自の技術を用いて新たな商品展開を図っていこうと。これは一番下に書いていますようにいろんな技術がありまして、果肉の量を増やしたりというようなことで商品の新展開を図ろうとされていたということでございます。
 投資決定の理由については、先ほど申し上げたとおりIPO(株式公開)に最も近いということで、社内体制が整えばIPOは十分可能ということでございます。
 投資企業に対するフォローについても資金面、あるいは人材の面でも銀行本体から実は派遣して経営改善に取り組んでいくということもされております。
 経営状況ですけれども、業界のゼリーに関する価格競争が非常に激しくなりまして、VCが投資した後の決算では、売上が前期に比べまして約80億円減少して164億円まで落ち込んだと。その後、不採算商品の販売を中止、採算のとれない商品については販売を中止するなどのコスト削減対策などに取り組んで、一旦は債務超過を解消されてございます。しかし、やはりその後も競合他社との競争が激化したことで再び債務超過に陥ったというような状況でした。
 8番、9番については今まで申し上げたことと同じことを書いております。
 最終的には自主再建といいますか、自主的に経営を立て直して復活するということは難しいという判断の中で、企業再生ファンドに営業そのものを譲渡するという形での決断をされてございます。
 それが一番最後、10番に会社の清算方法というところに書いてありますけれども、平成19年4月に「株式会社たらみ」という会社の名前を「株式会社長崎ゼリー」ということで社名を変更されて、事業については再生ファンド、これは具体的にはアメリカの投資再生ファンドに売却をされて、そこが受け皿企業としてつくられた会社に事業を譲渡されております。
 事業を譲渡した後にその長崎ゼリーそのものは特別清算ということで会社を清算されたと。
 その後、その事業を受けられた企業が社名を今度は「たらみ」に変更されて、今のたらみとして事業を継続されているということで、先ほど投資をした「たらみ」と今の「たらみ」は全く別会社ですと言ったのはそういう趣旨でございます。
 長くなりましたが、以上で説明を終わります。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりました。
 ご質問はありませんか。
◆陣内委員 1番目のニューアグリネットワークですが、状況は十分わかっているんですけれども、この経営状態が悪化する時に、オーストラリアの方で生産をされていて、現地での販売というのはされなかったんですかということと、そういう検討はされなかったかということ。
 それと、韓国産いちごとの競合ということでかなり追い詰められたということでありましたが、この点については、同じようなことで今非常に厳しい状況になっているところはたくさんあるだろうと思うんですね。そのためにもそこら辺の話をちょっとお聞きしたいんですが、わかりますか。
◎平田産業振興課長 私たちの情報ではすべてが確認できているわけではございませんけれども、オーストラリアで売ることを検討されたというような記録とか形跡とかは残っておりません。あくまでも日本に輸入をするということでございます。
 韓国産との競合ということについても、国内での市場のその時の状況といいますか、背景といいますか、そういう意味で我々が聞き取った中でこういうこともあったということでございまして、具体的に状況がこうで、ああでということまでは把握ができておりません。
○山田[博]委員長 陣内委員、いいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
◆中島[廣]委員 この1番目の経営状況で、オーストラリアからいちごを仕入れるとしていて、そこの現地法人と関係が悪化したと。これはもう本当にまず第一にだめだね。(笑声)どういうことで悪化したわけですか。
◎平田産業振興課長 先ほども申しましたように、現実に栽培をして輸入をされていた時期も一定あったことも間違いないです。それは統計的にも確認をしております。
 悪化した原因も、今回我々が調査する中では、正直言ってこれだという原因はちょっとわからなかったんです、もう相当昔のことなので。
 ただ、これからは私の推測が一部入りますけれども、先ほど申しましたように円安になってきたと。つまり同じ1ドルを払うのに60円だったものが80円払わないといけないと。しかし、国内の売値はそこまで想定したほど上がらないと。そうするとそんなお金は払えないから、もっと安くで売ってくれというのが、通常の取引を考えればそうなることは想定できます。そこでの生産者側から引き取る価格と、こちらの企業として払える価格とにそごが出てきたのではないかという推測は、客観的な状況からするとできるんですけれども、現実に何がどうだったのかという事実はわかっておりません。
○山田[博]委員長 中島(廣)委員、いいですか。(「いいです」と呼ぶ者あり)
◆徳永委員 今、ニューアグリネットワークが出ましたけれども、これは多分いちごの生産者等に聞けば、完全に最初からアウトですよ。オーストラリアのいちごというのは、生産者はみんな知っているんですよね。夏いちごの難しさというのもわかっているんですよ。それで、この理由を見れば、何かとってつけたような理由なんです。
 だから、最初にこの引き合いが来た時に、これは銀行から来たんでしょうけれども、例えば農業の関係者等になぜ聞かなかったのかなと。高設栽培システムも一緒なんですよ。高設栽培システムもしたいけれども、全然普及してないんですよ。生産者は補助金等の問題で、高設栽培システムをしたくてもなかなかできないという現状があるんですよね。だから、いちごにある意味精通というか、よく現場を見ればわかることなのになという疑問があったものですからね、その辺はどうなんですか。
◎平田産業振興課長 すべてがわかっているわけではないんですけれども、わかっている範囲でご説明をさせていただきます。
 先ほど委員から夏いちごの品質のことをおっしゃられたんですけれども、この企業が実際行われたことは、日本でいう秋冬の1期なりの品質のものを日本で夏に栽培するのは非常に厳しいと。なので、オーストラリアは日本と季節が逆ですから。(発言する者あり)
◆徳永委員 夏いちごは、当然夏に日本ではできないものですから、もうオーストラリアから輸入しているというのは既成事実なんですよ。日本はオーストラリアから輸入するんですよ、夏の時期は。(発言する者あり)するんですよ。ケーキ用に使ういちごは夏に日本にはないんですから。(発言する者あり)いやいや、だから輸入をしているんですよ。(発言する者あり)
○山田[博]委員長 お互いに頭を整理してお答えください。
◎平田産業振興課長 私も確認をしたんです。財務省の貿易統計でその当時の生鮮いちごの輸入国、どのくらいの割合かということも調べたんですけれども、ちょうどこのニューアグリネットワークがやっていた平成13年とか平成14年頃、その頃だけオーストラリアから輸入されているんです。それ以前にもないですし、実はそれ以後にもないんです。多いのはアメリカです。大半はアメリカ。韓国、メキシコです。
 先ほども言いましたように、おっしゃっているアメリカから輸入する夏いちごの食味などが秋・冬物の日本でとれるいちごと比べると味がよろしくないと。だからこそ日本でとれる秋・冬物のいちごを、オーストラリアは季節が反対ですから、こっちが夏の時は向こうは冬なわけですから、オーストラリアでつくって輸入をしようという計画だったわけです。
 もう一点ご質問がありました農業生産者になぜ聞かなかったのかと。すみません、そこは聞いたのか、聞かなかったのかということはわかっておりませんが、この経営陣の中に、先ほども言いましたが、いちご栽培に関しての知見を持っておられる方がいらっしゃったことは、事実としてはございます。
 ただ、農業関係団体にそういう話を聞かれたかどうかは承知いたしておりません。
◆徳永委員 私が知る範囲では、20年ぐらい前から夏いちごの問題はあって、不二家とか、そういうところがこのことに関しては確かに必要性があっていろいろと国内でもやったと。しかし、なかなか難しいということで、私もオーストラリアとアメリカの認識がずれていたんですけれども、当時輸入に頼っていたものだから、その当時は確かにオーストラリアということもあったんでしょう。
 ただ、それにしてもやはり非常に難しい、日本の品種を向こうに持っていってどうなのかと、これはやってみなければわからないのでしょうけれども、結果的にこうなってしまったということになれば、私とすれば専門的なところに聞くことが一つ大事ではなかったのかという中で、続けてお聞きしたいのは、要するに株式公開企業を50社目標にしていたんですね。これに全然至らなかった理由というのはどういうことでまとめられておりますか。
◎平田産業振興課長 もちろん株式公開に至るまでには、売上が伸びて資産価値が増えて、つまり資産がそれだけ増えること、それから将来の成長見通し、そういうものを含めての株式公開をして上場し、それで株が初めて売れるということになりますので、結果的にはそこまで至った企業が出なかったと。つまりそういう大きな成長を遂げた、あるいは遂げるであろうと思われる企業の創出には至っていないということでございます。
◆徳永委員 目標が50社ですよね。投資先は13社ということですよね。存続は9社で倒産・廃業が4社ということで、この13社には投資したんですけれども、結局、引き合い等はどれぐらいあったんですか。
◎平田産業振興課長 申しわけありませんが、そこの情報についてはわかっておりません。
◆徳永委員 やっぱりそういうところがね。
 それと、紹介をするのは一応この図式でいけば産業振興財団と有限責任組合、これは銀行ですよね。この13社の紹介というのはすべて銀行なんですね。
◎平田産業振興課長 先ほど申し上げましたバイオラボ以外はすべて銀行です。
◆徳永委員 そう考えれば、ある意味、銀行が大体主体的にやったと。この図式でいけば産業振興財団もしっかりとここにありますけどね。だから、そういったところが先ほど言われる数の認識もしてないということで、金は2億円出しているけれども、結果的に口は出してないということで受け止められるんですよね。それはどうなんですか。
◎平田産業振興課長 このスキームについては、先ほども申し上げましたように、無限責任組合員であるベンチャーキャピタルがこのファンドについては管理運営を行うというスキームの中で、制度設計としてそもそもそういう前提での仕組みでございます。
 その企業の選定なり、経営に対する育成支援なり、いわゆる企業の目利きという点で知見のある銀行、あるいはその銀行系のベンチャーキャピタルにその部分の業務についてはお任せをするということが、そもそもの趣旨としてつくってある制度ということでございます。
◆徳永委員 その中で唯一紹介したのがバイオラボだったわけですね。これが一番大きな問題になったわけですね。(笑声)
 だから、やっぱりそこが今回、委員長がこの問題を提起したところの大きなテーマじゃなかったのかと私は思うんですよ。
 一定の効果があったと言いますけど、私は一定の効果どころじゃないと、全然なかったのじゃないかというふうに言われても、全然ないとは言いませんけど。やっぱり税金ですからね。私が言いたいのは、やはり県が、産業振興財団がここにかかわっているけれども、もう少しちゃんとしたチェックとか、ここに対してもわかるような、我々が理解できるようにしてもらいたかったなと思います。
 最後に部長、総括でお願いします。
◎山田産業労働部長 確かに投資有限組合法という法律のスキームにのっとって実施をした事業でございまして、その法律の制度によれば無限責任社員であるところのベンチャーキャピタルが審査等々も行うと。これは恐らくは銀行の融資・投資能力を尊重したといいますか、活用しようということでの法の枠組みではなかったろうかというふうに推測をするわけでございますけれども、徳永委員おっしゃいますように、例えば当時の無限責任組合でございましたベンチャーキャピタルの審査体制がいかがだったのかということとか、金融機関であれば当然に為替変動のリスクがあるというようなことも考えた上での審査であったのだろうというふうには思いますけれども、やはりその審査体制等々についてもう少し慎重な対応が必要だったのではなかろうかなと思っているところでございます。
 ただ、県内で新たな企業が創業をしていくということにつきましては、県内経済に与える刺激ですとか、活性化の効果もあるわけでございまして、こうした投資なのか、補助なのかは別にしても、そういう新規創業の後押しをするような仕組みについては、県内経済を活性化していくためにも必要ではなかろうかなと思っております。その際には、慎重にも慎重を期した審査を行った上で、ただ、過剰に臆することなくやっていく必要があるのではなかろうかなと私は思っております。
◆高見委員 これは2月定例会でも報告をされた分ですね。最初にちょっと確認ですが、県への補助金の返還予定時期は平成24年3月ということで、資料は2月に出された分ですからそういうふうになっていますけど、この分についてはもう返還が終わっているという理解でいいんですね。
◎平田産業振興課長 返還は終わっております。いただいております。
◆高見委員 2つ目は、県が1億円、1億円、計2億円を出資して2つのベンチャーキャピタルをつくったということですよね。私はなんで県が2億円全額を出資しなければいけなかったのか。この2億円の行き先は産業振興財団なわけでしょう。(「1億円です」と呼ぶ者あり)1億円、1億円でしょう。2億円でしょう。2つのベンチャーキャピタルに、いわゆる振興財団を通して1億円ずつ出しているわけでしょう。
 この資料には出てこなかったんですけれども、この産業振興財団の運営に関して考えれば、資料3、例えば基金の運用実績云々を見れば、相当な基金というか、利益というか、果実というか、それをお持ちなんですよね。あえてなんで県が振興財団を経由して出さなければならなかったのか、これをちょっとお伺いしたいと思いますね。
◎平田産業振興課長 産業振興財団に積んでおります基金については、それぞれの目的に応じて出資・出捐を行って基金を造成し、その運用益をもって事業を遂行するという前提での基金でございます。
 この組合に出資を行うということについては、その基金の趣旨の中からはできないということでございまして、そのためには出資を行う行為に対して県が補助金を別途支出するということでございます。この基金について、財団が持っている基金を出捐に活用するということはできないということです。
 例えばこの後に、先ほど言いました大学等発ベンチャーという事業を別途財団の事業として行うことにもなったわけですけれども、その折にも財団に対して県からそのための資金については別途出捐を行って、そのための基金として造成をするということでございまして、そこに保有している基金については、先ほど申し上げた、あくまでも基金を運用することによる運用益をもって事業を遂行するための基金ということでございます。
◆高見委員 わかったようなわからんような難しい話ですね。
 こういう有限責任組合をつくって後押しをする。先ほどの部長の考え方、当然今後も進めていかなければいけないというふうに私は思っているんですよ。もちろんこういう生き物ですから、例えば13社ある中でこういう破綻をする場合だってあるんですよ。
 ただ、言われるように累計で約10億6,000万円の売上額が増加をしたとか、あるいは間接的にここで6億7,000万円の効果があったとかいうふうな結果を見て、この取組がよかったか、悪かったか評価をする。こういう評価としてはいいものが出ているではないかというふうに私自身は総合的に評価をしたいと思っているんですよ。
 ただ、個別に見た時に、先ほど言っていたバイオラボ、これは県議会の100条委員会で審査がなされた事業です。しかもこれは「大学等発ベンチャー創出事業」ということで県が肝いりで推薦をした。ほかの会社は銀行が主体となってという、この取扱いのスタートが違っていたということ。それと100条委員会の中での指摘でしょうか、例えばこの経営陣の中に、県が肝いりで推薦をしたけれども県が全く関与をしてなかったというか、むしろこれから見るとベンチャーキャピタルの銀行から社外取締役ということで入っておられたと。ですから県とすればその方を通じてしか発言権がなかったという、こんなところにバイオラボの問題というのはあったと私自身は理解をしているんですよね。
 ですから、そういう意味では銀行が取り上げてきたほかの12社とバイオラボとはどういう違いがあるのか。例えば県が関与せずとも、ほかの12社についてはベンチャーキャピタルのいわゆる銀行からの社外取締役で十分に事は足りたということであるのか。それともバイオラボについてはベンチャーキャピタルの社外取締役でも全く威力といいましょうか、意向を反映できなかったのか。この違いがむしろ今回のバイオラボとほかの会社との違いなのかなと、私自身は、疑問というよりも、そんな理解の仕方をしているんですよね。
 ですから、今後仮にこういった有限責任組合ということになるのかどうかわかりませんけれども、またほかの方法もあろうかと思いますが、こういう支援のやり方をしようとする時には、このことを最も反省をしなくてはいけないし、ただ、言うように幾ら審査体制を充実しても、結局は伸びていくところ、あるいは挫折をするところ、これはあり得るんだろうというふうな理解を私はしています。
 ですから、今後もこういうことをしようと思えば、最善は尽くすけれども、投資をした企業が100%存続をするというふうな、そんな甘い考え方ではむしろいけないと思います。
 ですから、そういう意味ではしっかりと一つひとつを押さえなくてはいけませんけれども、そんなことを当然のことだというふうにむしろ割り切って、そういうことがないようにしなければいけないけれども、既成の枠にとらわれずにやってほしいなと私は思っています。何かあればお願いします。
◎平田産業振興課長 今、高見委員からありましたリスクに対する考え方ですけれども、この制度がつくられた際の、例えばこういう常任委員会とか、本会議等々のやりとりも今回確認をしたんですけれども、やはりその中でもベンチャー投資は当然ながら一定のリスクがあると。民間のベンチャーキャピタルは県内には余りなかったんですけれども、県外の民間であったり、当時でいけば佐賀銀行のベンチャーキャピタルとかはもう既にあったわけですけれども、その民間の投資行為ということからすると、やはり相当株式公開に近い、あるいはもう既に成長段階にある企業に対する投資が中心になってしまって、そもそもの初期段階、立ち上げ段階はかなりリスクが高いわけですけれども、本来最も資金需要があるはずのそういう企業に対する投資行為というのがなかなか行われないという状況認識の中で、行政が出資を一定割合することによって民間のリスクを薄めるといいますか、出資しやすい環境をつくるというようなやりとりがあっております。
 実際の議会の議員さんからの意見の中でも、県としてそういう一定の出資をすることで、リスクをとることで民間が出資しやすい環境をつくるということも必要じゃないかという議論もあっておりまして、そういう中で先ほど申し上げたこの投資、有限責任組合の仕組みがつくられていったということでございます。
 ですので、制度をつくった時点では100%返ってきて、もしくはプラスになると、そうなればいいなという希望はもちろんあったわけですけれども、当然ながら出資した額についてはマイナスになるというリスクも当然あるということは踏まえた上での制度設計であったと。
 ただ、その中でトータルとして、先ほど高見委員がおっしゃったように全体の中で、一つひとつを見れば成功する企業、それから破綻するリスクがある企業も当然あるんですけれども、トータルとして見れば、その中で成長する企業があり、雇用を増やす企業がありということで、そういう成果を生んでいくという必要があるんじゃないかということでの議論が当時あったということについては確認をいたしております。
 ですので、この制度についてはそういう前提の中で行われた制度でありまして、そもそも確実に絶対返ってくるということを前提にするのであれば、もうそれは貸付と変わらないわけなので、我々としてもこういう事業についてはどうしても一定の破綻なり何なりのリスクがあるということは、当然そういうことも考えた上で実施すべきものであるし、この事業についてもそういう前提の中で実施されたものだというふうに理解をいたしております。
◆高見委員 最後になりますけれども、県の産業振興財団が13社に対してどういうふうなかかわりを持ってきたのか、具体的なかかわりについてお伺いしておきます。
◎平田産業振興課長 基本的には経営に対する相談があったり、あるいは財団が持っております専門家派遣制度ということで、会計でありますとか、法律でありますとか、専門家を派遣する制度がございますので、そういう中での支援をすると。あるいは実際の商談の時の一部の企業についてはマッチングの時の動向に随行をしたりというような支援が行われているというところでございます。
◆高見委員 特に破綻した企業の経営状況の推移とか、そういったものを主体的に振興財団で評価をするというか、見るというか、そういうことはなかったわけですか。
◎平田産業振興課長 毎年この有限責任組合から財団に対しての定期的な事業報告がありますので、投資先の今の経営状況がどうだとか、そういう報告はもちろんあってはおりました。
◆高見委員 何かしら今の関係で聞いていますと受け身で、金は県が出しておる、自分たちは投資しただけ、相談に応じるだけ、経営の報告も上がってくる、何か主体性が全然感じられないというか、責任が感じられない、そんな気がするんですが、そういう意味ではもっと2億円出したんだという立場に立って見ていただかなければいけない、そんな本当になければいけないところがないような、そんな感じがしますけど、いかがですか。
◎平田産業振興課長 最初に申し上げましたけれども、その投資先の企業の経営支援なり、経営指導については無限責任組合員がまずはきちんと対応するということで、そちらの管理権限に任せるというのがそもそものスキームになっております。
 もちろん財団としても、その時々でできることについては協力をしていくわけですけれども、メインとしてはあくまでもVC側の指導、あるいは銀行本体も含めた経営支援ということで推移していったということでございます。
◆高見委員 そうしたら、確かに有限責任組合、無限責任組合の違いはあるんだろうと思いますけれども、先ほど言いましたように今後、これに類似した支援の体制をとろうという時には、やっぱりもっと本気になってやっていただく、このことも必要だと思いますけれども、産業労働部長、いかがですか。
◎山田産業労働部長 一見して見たところ任せきりだったのじゃないかというご意見だと思いますけれども、その法律の体系がどうだったのかというのは私も少し勉強不足で法律上のことからは申し上げることはできませんけれども、例えば通常の株式会社等々の場合も、株主としての意見を公に言える立場というのは総会ですとか、そういった場で経営に対しての意見を述べるということになるわけでございまして、大きな会社自体の経営判断とか、毎日の業務の執行については執行役員に任されるわけでございます。
 そういう意味でまいりますと、株主、出資者が過度に経営に関与をして「船頭多くして」という形をとらないということも経営を執行していく上では大事な観点ではなかろうかなというふうにも思っておりますので、私は無限責任組合のベンチャーキャピタルにお任せをしたというのも一つの選択肢ではなかったろうかなと思います。
◆高見委員 なんで言うかといいますと、こういう産業振興財団のバックには県があるわけですよね。産業振興財団がそういうふうなことであれば、そのバックの全く関係ないみたいな県が金だけは出しているということになってしまうものですからこのことを申し上げたわけです。ぜひ今後については、くれぐれも審査されるとともに、このこともお考えいただきたいとお願いして終わります。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆溝口委員 いろんな意見があるんですけれども、私としては、こういう投資というのはリスクがあるという形の中では一定の成果が出れば進めていいんじゃないかと思います。そういうふうな形の中から質問をさせていただくんですけれども、この有限責任組合をつくる時に、平成10年に法律のスキームができたということの中で、当初の考え方としては、銀行の方からこういう組合をつくりたいということで県の産業振興財団の方に話があったのかどうか、設立の段階はどのようになっていたんですか。
◎平田産業振興課長 銀行からではなく、県からの主導的な動きでございます。
◆溝口委員 わかりました。
 そういう法律の中で銀行が乗ってきていただいて、それぞれお互いに出し合って2億円ずつの2団体をつくったということになるんですけれども、私はこの一連の成果を見て、9社で今のところ営業をしているという形で、150人の従業員を増加させたということは、この10年間という形の中ではかなり成果があっているのではないかと思うんですよね。それと10億円以上で黒字になっている会社がどのくらいあるのかわかりませんけれども、150人分の県民税という形になれば、当初からこんなに増えていたわけではないと思うんですけれども、5年ぐらい前から100人増えていれば、2億円投資して6,000万円ぐらい返ってきたと、1億4,000万円の損失があったけれども長崎県としては経済の浮揚につながったということであれば、今後もそういう形の中では、投資というものに関してリスクを負いながらも県民の起業家を育てていくという形になれば、私は続けていただきたいなと思っているんですよ。
 ただ、長崎県で企業を起こす方々が本当に少ない中で、自分としては働きにという形ですから県外に出て行くんですね。こういう形の事業があれば投資をしてやってみようと、そういう意気込みが出てくる方々が多く出てくるんじゃないかと思うんですよ。
 その中で先ほどから出ている審査という形の中では、このVCというんですか、銀行関係の方々が本当に企業を見て判断をしてきたという形の中では9社の方々が今このように育っているということですから、その辺については県としてはあんまり悲観的にならないで、将来につながることだったら積極的な投資をしていただきたいと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎平田産業振興課長 投資による支援という形をとるかどうかということについては、バイオラボの1件を踏まえていろんな検討をする中で、一定今後投資による支援は行わないという方針を出しております。
 ただ、その後の方法としては、一切の資金支援を行わないということではなくて、それぞれ資金需要段階に応じて、その時々の事業内容を見ながら、現段階では補助金による支援を行うという形に切り替えというか、そういう形での事業を逆に追加をすることで対応をさせていただいているところでございます。
 今のところ、改めて投資による支援を行うという考えは持っておりません。
◆溝口委員 ここら辺については、バイオラボ関係の問題の中で、そういう投資というのは行わないということで補助金という形に変わってきたと思うんですけれども、今、補助金関係については本当に県の方はいろんな施策を考えて中小企業の育成に努めていると思うんですよ。
 ただ、今までの経過を反省していくという形の中で私は申しているんですけれども、本当に県がやったことが大きな問題として取り上げられるということに対しては、私はバイオラボについてはまた別ですけれども、あとの3社については、いろんな形の中で経営としてやっていけるんじゃないかという判断を専門家の方々が見た段階でしているわけですから、そのことについては何も失敗だったと思うことはないと私は思っております。
 ただ、このニューアグリネットワーク関係を見ていくと、せっかく持っていった高設栽培システム技術ですか、これを現地法人の複数の方々と契約を結んでいるんですけれども、その指導を本当にしてきたのかどうかという、そこら辺がちょっと疑わしいところがあるかなという感じがするんですけれども、その技術のノウハウについて、現地法人に対する指導はどのような形で行ってきたか聞いておられませんか。
◎平田産業振興課長 現地法人の生産の指導も行うということになっていたということまでは把握しておりますが、具体的にどういう支援をしたということまでは把握はいたしておりません。
◆溝口委員 わかりました。
 もう一つ、日本設電の高圧受電システムは、この融資を決める時に特許申請はもう行っていたのかどうか伺います。
◎平田産業振興課長 行われておりました。
◆溝口委員 初めての特許で最初にということであれば、本当は特許を申請した段階では通っていくと思うんですけれども、他社もその辺については一緒に特許申請をしていたということになるんですか。何か特許が出なかったというのが私としては不思議に思うんですけれども。
◎平田産業振興課長 私もそこが正直不思議で調べたんですけれども、結論からいうとよくわかりませんでした。
 ただ、実際今の時点でもこれと同じシステム、つまり自分で安く受電をして変換をすると、そうすると電気代が安くなりますよというシステムを売っている企業がほかに全国で数社あることは間違いないです。
 ですので、ここで特許を押さえられて、ほかのところができなかったという状況にはなっていなかったという事実があることは間違いないです。
◆溝口委員 わかりました。
 ただ、ここで特許をもし取っていたら、この企業としてはもしかしたら上場まで行くかもわからないとVCの方々は判断したんじゃないかと思うんですけれども、やはりその時に応じて会社設立する時には条件が整った形でいくんですけれども、社会の流れの中ではどうしても乗り越えられない、先ほどの為替の問題とか、いろいろな形がありますので、今後このベンチャー企業の投資についてはもう行わないということですけれども、中小企業の育成のためには補助金等について、よく見て、ぜひ補助をして育てていただくことを私からお願いして終わりたいと思います。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆陣内委員 産業労働部長からも、あるいは産業振興課長からも話が出ましたけれども、今後やっていかないという一方、やはり投資できるような環境をつくることも必要だろうという考えをお持ちのようですけれども、投資に対して改めてどういう方針で臨まれるのか。起業家がどんどん出てくるような環境をつくり出すということも大切でしょうし、それに対して補助金だけじゃなくて、そういった起業家、要するに業を起こす人たちが増えるような雰囲気をつくってやることも大切なことだろうと思うんですね。
 溝口委員からも話がありましたように、10億円を超す売上増、そして150人の雇用増という結果が出て、確実に効果はあっているわけです。もう一切しないという話も聞きましたけれども、産業労働部長からはこういう環境をつくるのも必要だろうという話も先ほどありましたのでどっちかなと。その意気込みを含めて、投資環境がいいような状況をつくり出すということはやはり必要だろうと思いますので、そこのところを改めてお聞きしたいと思います。
◎山田産業労働部長 私が先ほど「投資なのか、補助金なのか、形態はいろいろあると思いますけれども」と言ったことで誤解を生じたと思いますけれども、投資につきましては県は今後やらないということで決定しておるということでございますので、補助とか融資とか、新たな形態でそこを考えていくことになると思いますけれども、先ほども言いましたように、新規の創業というのは県内経済に刺激や活気を与えますし、ユニークな業態の、世界に冠たる中小企業というようなものが県内にたくさんあれば大変活気が出てくるだろうなというふうに私も思っております。
 したがいまして、結果として残念な結果になった企業もありましたけれども、一定の効果もしっかりと見られるところでございますので、ぜひ県内経済を活性化していくためにも新規創業については、県としても県民の皆様のご理解をいただきながらしっかりと支援をしていきたいと考えてございます。
◆中島[廣]委員 ちょっと聞きたいんですが、私はよくわからないけれども、投資と補助金ですね、破綻した場合のリスクは全然違うわけですか。そこら辺が私は全然わからないので教えてください。
◎山田産業労働部長 補助金は交付して活用していただくと。その補助金は悪いことがなければ返していただくということはありません。しかし、投資の方は回収するという措置が残ります。業態が伸びて企業の資産が増えていけば、将来投資した金額を上回る金額が回収できる可能性があるというところが違うと思います。
◆中島[廣]委員 例えば1,000万円補助金を出す。そして1,000万円投資をするでしょう。そして破綻した場合、この補助金もそのままでしょう。投資もそのままでしょう。破綻した場合は、戻らないから全く一緒でしょう。
 だから、補助金にしろ、投資にしろ、さっきから話が出るように、新しい産業を育てなければいけないのだから、必ずリスクは伴うんです。だから、13社に投資をして9社残っていれば、よしとしなければいけないと私は思うよ、リスクは必ず伴うんだから。それを怖がっていて、また投資をして、あるいは補助金を出して破綻したらまた議会からやられるんじゃなかろうかとか、もうそういうことを恐れていたら新しい企業は育たないですよ。リスクは必ず伴うんですから。もうこういうことでやってくださいよ、新しい起業を。私はそういう思いです。
◎山田産業労働部長 力づけていただきまして大変ありがたいと思います。
 実は私も投資については手控えるということについての決定の仕方等々についてはまだ十分勉強をしておりませんので、しっかりと勉強をしてみたいと思います。
◆馬込委員 産業労働部長、あなたたちのやっている仕事もリスクを伴っているんだから。ビジネスにはリスクを伴いますよ、今、中島(廣)委員が言われているように。
 ベンチャーキャピタルそのものがリスク覚悟で投資をやってきたわけだから、その結果がトータルでプラ・マイどっちなのかといったような話だと思うんですよ。
 今、資料を見ていて、産業振興財団が社債の購入なんかをやっているけれども、これだって暴落したらどうなるかわからないし、会社が倒産すればパーになるんだから、そういうことを考えると、やっぱりリスクをどこまでどうやって分散していくか、最小限に食い止めるかというのは当然考えていかなければならない問題だと思うんですよ。
 それは置いておいて、この十八銀行と親和銀行のキャピタルは今はやっていないんですか。やっているんでしょう。銀行そのもののキャピタルの問題はどうなんですか。
◎平田産業振興課長 十八キャピタルは解散をされております。会社としても解散をされております。
◆馬込委員 そのくらいじゃ困るね、県内の金融機関も。
 この親和と十八のキャピタルを立ち上げろというのは私が言ったんですよ、時の古川部長に。佐銀ベンチャーというのがあったですね、佐賀銀行のベンチャー。九州で最初に立ち上げたのが佐銀ベンチャーですよ。だから佐賀銀行は企業育成のノウハウがどこよりも蓄積されていた。だから佐賀銀行が応援するところは可能性が大きいんじゃないかというようなところもあって、当時、県内でベンチャー企業を立ち上げたいと言った時に古川部長が佐賀銀行を紹介したわけですよ。そうしたら、「あいつは佐賀の人間だから佐賀の銀行を紹介しやがって」というようなことを一時期言われたんだけれども、当時親和銀行も十八銀行も、私は部長に言って、部長は当時の金子知事に言ったわけですよ。金子知事は頭取を呼んでベンチャー資金を立ち上げてくれと頼んだ時に、両方の頭取はそんなリスクの多い事業はしたくないと断ったんですよ。そういう経緯が過去あるわけです。
 そうした時に、どこの金融機関もそういうリスクの多い事業には参加したくないというのが本音ですよ。しかし、長崎県の企業そのものが縮小をしていってだめになると、金融機関もそれだけのリスクをそのままもろにかぶるわけでしょう。県内の経済をどう振興していくかというのは、行政も我々も一体となって金融機関も一体とならないと、今産業を育成できないというのはわかっている。産官学と今まで言っていたけど、産官学に金融が入っているわけでしょう。それは何を意味しているかというのは、やっぱり企業を育成していく、ベンチャーを育てていくといったら当然必要なんですよ。外してできるわけない。
 今、農林の問題も明日が水産部、その次農林部があるから金融の問題を私は言いますけれども、農林中金とか基金協会をバックにした漁業組合を通した金融の在り方というのはもうそろそろ変えてくれなければ困ると。昔のように農業者、漁業者が多い時じゃないんだから。
 今、金融の問題というのは再編させなければならない。そして、競争をしてベンチャー資金が借りられるような形、そういうふうな県内の金融機関の在り方というのを変えてもらわないと、長崎県で本当に手を挙げてベンチャー企業を立ち上げようという人たちが出てこないよ。
 そして、県がベンチャー資金じゃなくて補助金に変えたと。バイオラボの問題があったとしても、このバイオラボは知事があんまり肩入れし過ぎていた。だから県内からいろんな人に「金出せ、金出せ」と知事が直接声をかけているんだよ。そして、あげくの果ては失敗したと。それで上海事務所は、バイオラボの久木野さんが自分の事務所のように使っていたんだよ。そんなこと考えられるか。だから、ベンチャー企業に県が余りにも肩入れし過ぎた結果がああいう形ですよ。経営者を代えろと言ったって、何で代えないといかんかと、俺は知事の信任を受けているんだぞと言ってないけれども、内心そういうふうな思いがあって、ベンチャーを育てていくためのアドバイザーの言うことは一切聞かなかった、こういうことなんですよ。
 だから、企業経営にとって経営者の責任というのは大きいですよ。人を見る目というものは当然ベンチャーキャピタルはある。そして、この人の本当にやろうとしていることは間違いなく成功できるのかどうかというのも、かなり事業に投資した人たちはよくわかる。
 だから、長崎県においてベンチャー企業を今後どう立ち上げていくのか、県はそれにどうかかわっていくのか、金融機関はどうかかわるのかといったようなことについて、今のような話を聞いていたら本当に長崎県で新しい産業をつくり上げようとか、あるいは企業を起こそうかという人たちはいなくなってしまう。若い人たちが長崎県に残らなくなる。
 昨日からそういう話をずっと皆さんが質問していますけれども、特許の問題にしてもみんなが持っていないような特許を開発したら、やっぱり企業を立ち上げたいと思う。しかし、資金が全くない。それじゃよそに出て行ってしまいます。
 当時、10年前、このベンチャーの問題をいろいろ言っていた時に、私はいろんな金融機関を回ったんですよ。三菱信託銀行の支店長から、東京にベンチャー企業を集めて、ベンチャーキャピタリストをがばっと呼んで、そこで発表会をやっているところがあるけれども、長崎の企業がそういう考えを持っていたら紹介しますよと。そこでいろんなプレゼンテーションをやって、それで金融機関、あるいはベンチャーキャピタルの人が彼の話をもっと聞きたいと、個室に呼んでがんがんやりまくるわけですよ。あなたは幾ら金が欲しいのか、5億円欲しいと。じゃ、5億円出しましょうと。そういう状況だったわけですよ、リーマンショック以前は。
 だから、非常に若い人たちが会社を立ち上げようという意欲がものすごくあった。長崎にもあったんだよ。長崎はあったけれども、親和銀行や十八銀行がそういう状況だから、かなり若い人たちが県外に去っていったんですよ。私はそういう人たちと直接話をして、そして長崎県はどうなっているのかと言われて、ベンチャー資金を県内で立ち上げてくれと、これがこの親和と十八のベンチャーだったんですよ。どれだけ逃げていったかといったらもう相当の人間が長崎県から逃げていっている。
 当時、長崎県のソフト産業というのは本当に芽を出そうとしていたんです。その時に県庁はホームページを誰につくらせたかというと、随意契約でそれぞれの課長が都合のいい人につくらせた。いろんなプレゼンテーションをしに行っても課長は聞きもしなかったと、そんな中で逃げていった人間がかなりいる。
 東京の渋谷に長崎県から逃げていった人が随分いる。博多にもいる。それで当時言われていたのは、ベンチャーは、IT産業は長崎県では失敗すると。行政が全く応援しない、見向きもしないと。これが当時のベンチャー企業、あるいはIT産業の人たちの共通した県に対する認識だったんですよ。
 だから、ベンチャーの問題を一般質問でもがんがん言った。IT産業のことも言った。なかなか県は取り上げなかった。あげくの果て、やったらバイオラボみたいに失敗した。君が一生懸命言ったからやったらこのざまだよというふうに金子知事からは言われたけれども。(笑声)しかし、それは1社、2社失敗したってしようがない。数からいけば20社、30社失敗して4〜5社生き残って、その4〜5社が数千億円の企業になるわけですよ。これがベンチャーの姿なんだから。
 だから、金融機関の問題も真剣に考えてもらわないと、長崎県で本当の起業は出てこない。どう考えていますか。そういう若い意欲のある人たちが企業を立ち上げたいと言った時に、財団はそれに対応できるのか。
◎山田産業労働部長 重ね重ね力づけていただきましてありがとうございます。
 今、ちょっとお話にもありましたけれども、私も何事にもよらず拠点化を図っていくことが大事だろうと思っていまして、例えば研究開発につきましても、いい研究者がいるとか、いい研究設備があるということになれば、おのずとそこに研究者も集まれば企業も集まってきて研究拠点というものが建設されると思います。
 創業につきましても、例えば創業の環境が整えられておれば、そこに創業者が集まって創業拠点ということになっていけば、あとはもう右肩上がりのスプロールになってくるんじゃなかろうかなと思っております。
 今後、何度も申し上げますけれども、私も産業労働部長を拝命しまして、諸先輩にもいろいろとご相談に参りましたところ、皆さん口を揃えて、経済を活性化しようと思ったら創業者数を増やすことだというアドバイスをいただきまして、やっぱり新規創業が経済に活力を与えるんだなと思っております。
 創業環境を整えていくために県として今後どういったことを準備すればいいのか、しっかりと勉強もして、体制を整えていきたいと思います。
◆馬込委員 創業環境、金融問題というのは今の長崎県の状態ではだめです。十八銀行の頭取とも部長は直接話をしてみてください。どう考えているのかと、長崎県の企業支援に対する融資・投資の在り方について。知事室に呼ばせたんですよ、直接頭取を知事室に呼んで。だから、知事に言って、知事室に十八銀行の頭取を呼んで、あなたが同席してどう考えているか真剣に聞いてみてください。そのぐらいのことをやらないと長崎県の経済界は活性化しない。見てみろ、みんな縮こまってしまって、金も何も借りられないようになってしまっている。
 私がベンチャー企業にかかわっていた時、東急ホテルが倒産と。今、全日空グラバーヒルになっているけれども、10年前、あそこをIT産業のメッカにしようということで動いたんですよ。グラバーが日本の近代化をスタートさせた、そこからソフト産業を長崎県から立ち上げようということで、ホテルの経営者のところも回ったんですよ。あのホテルがどういう評価をされているのかと。
 そうしたら、当時の東急ホテルは空調が悪いと。空調を変えるだけでも5億円はかかると。部屋が小さいと。ただ、あそこをソフト産業のメッカにして、部屋はベッドをとれば電話線は来ているわ、水道はあるわ、トイレはあるわ、言うことないわけですよ。そして一番上をゲストルームとして置いておいてくれと。そういうことをずっといろんな人のノウハウをいただきながら、じゃ、あそこをメッカにしようよと。一般質問でそのホテルの名前を出して通告をしたら、当時の小島課長がすっ飛んできて、東急ホテルの名前だけは消してくれと、観光産業に影響が出ると、民間のビルにしてくれと、民間の空きビルに変えてくれと言われたんですよ。そういうことがあったんですよ。
 私は当時、あそこを本当にメッカにしたいと。そして、IT産業の若手の人たちとがんがん何回も協議会を持った。そうしたら、ITは、ソフト産業は場所はどこでも構わないと。環境さえ整っていたら来ると。秋葉原や渋谷でどういう環境なのかというのもいっぱい聞かされた。部屋は3畳ないんですよ。机を置いてパソコンをぱぱぱっと設置したら、人が来たら立って話をしなければいかん。そういうところでソフトのアプリケーションを開発した。
 そういうところに比べたら、長崎のあそこをソフトのメッカにしたら、日本国中から若手が集まってくると、こういうふうに言われた。自分たちもいろんなネットで呼び寄せるからやりましょうと。結局、県はこれに全く理解を示してくれなかった。
 いいですか。そういう時にどこを考えているのか。私は随分やってきたんですよ。だからあなた方にもうちょっと真剣にやれと。それで経済が没落したら長崎県はだめだと。昨日も中島(廣)委員からも言われたでしょう。
 そして空き店舗対策として、私はちょっと時間があるから言うけれども、韓国の明洞にデザイナーを紹介してもらって行ったんですよ、長崎コレクションを立ち上げたいと。考えていたことは、ここに台湾の人、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、それぞれの2流、3流のデザイナーを呼んで、それぞれの民族衣装をベースにした、日本の若い人たちの注文に応じるデザインをやって服をつくってもらおうと。そうしたら、浜町には日本の若い女の子が絶対集まってくると。東京の原宿みたいになるというふうに私は考えて、それで韓国に行った。
 それで、明洞で芸能人もいっぱい来る、そういうお客を抱えているところの女社長にも会ってきた。それで、ぼろかすにやられた。長崎を代表するデザイナーの名前を何名ご存じですか、教えてください。まず、これからスタートした。素材産業はどのくらいありますか。そして、服飾デザイナーを養成する学校がどれだけありますか。そんなことをぼろかす質問されて、そして、あなたが言う長崎コレクションに協力しましょうと。滞在費は誰が持ちますか。仮に部屋を借りたとした場合に、その借り賃は自腹ですか、県が出してくれるんですか。もう至ることをがんがんやられて何一つ答えきれなかった。
 で、帰ってきて県の幹部にご相談をしたわけです。県は、「それはさえんばい、やめた方がよか」と言われてやめちゃったんですよ。
 それをたまたま酒を飲みながらいろんな人に言ったら、遅くないから今からでもやりましょうと言われる。博多コレクションだったかな、福岡コレクションが2〜3年前にスタートした。新潟コレクションもやった。それは何か。新潟コレクションを始めたのは東京コレクションに参加したデザイナーに新潟出身が1人いた。この1人の人が新潟コレクションを立ち上げた。それで、ミラノコレクション、パリコレクション、ニューヨークコレクション、東京コレクション、上海、名古屋、そのレベルがどんなものなのか。ミラノとパリがどういうコレクションの状態なのかというようなことも専門家から随分聞かされた。そして、何しろ長崎に全世界の人間が集まるようにしようかと。一流のデザイナーは要らんとプロが言う。みんな一流になった人も三流、四流からスタートしているんだと。いいんですよと、登竜門にしましょうと。
 ところが、県庁の中には誰一人そういうのに賛同者がいなかった。それでも諦めないで一生懸命やったけれども、結局あなた方は本当に将来を見据えて、この長崎に新しい産業を根付かせようという意欲があるのかというのを常に私は感じるんです。
 金融機関の頭取と本当に真剣な話をしてみてください。私はそういう話を日銀の歴代の支店長と常にやっているんですよ。私は一時期日銀の支店長の応接間を喫茶店代わりにしていたんだから。フリーパスですよ、裏からも表からも。表からは入ったら2つばかり鍵をガチャガチャあけて入るけれども。
 それは何かといったら、長崎県の金融情勢をどうにかしてくれと。そして、日銀の支店長の発表する日銀短観はでたらめだと。なんであんなでたらめなことを言うんだと。長崎県は不景気じゃないかと。そういう話も私は日銀の支店長にがんがん文句を言っているんです。日銀の短観は定点観測で同じ業種を全部やる。造船なら造船。だから、長崎県の経済をそのまま映しているのは日銀短観じゃないというのも知った。
 そういうのを一生懸命やって、そしていろんなところで質問するけれども、馬込が思いつきて言いよる、適当なもんというような感じです。調査は相当やっているんだ、私は。
 しかし、あなた方はこういう委員会で私が言ったって取り上げもしなかったけれども、石崎部長が初めて中央から来て部長になった。そして、帰った部長の後にあなたがなったわけだから、それは相当腹をくくってやってもらわないと、長崎県の今の経済状況を改善する、そして新しい産業を根付かせていくということからいけば、まず金融機関にも腹をくくらせなければいかん。十八銀行にももうちょっと頑張ってもらわない、親和銀行の二の舞にならないような形で。親和銀行は、地元の企業に、十八銀行の倍融資していますよ。結局地元がだめになってああいうふうな形になってしまったけれども、本当に地元の企業を支援しようという気持ちは十八銀行より親和銀行の方が強かった。
 だから、もっと地元企業に対して、そして若い人たちに、保証人がいなかったら500万円、1,000万円ぐらいのものだったら県が保証するぐらいの形で若い人たちに意欲を持たせないといかんですよ。立ち上がらんぞ、長崎県の経済はこのままじゃ。
 山田部長が山田(博)委員長と一緒になって県内の経済を活性化できるんじゃないかと思っておりますから、両山田でぜひやっていただきたいなと思いますよ。
◎山田産業労働部長 私はやっぱり先ほども言いましたが、拠点化していくことが大変重要と思っておりまして、さらには長崎県としての他県に対しての競争力をつくっていくことが大事だろうと思っております。
 先ほど委員のお話にもありましたデザイン関係をやると、ファッション関係をやろうとしたら服飾学校がどのくらいあるんだとか、デザイナーは何人いるんだとか、こういったことが競争力だろうというふうに思います。
 したがって競争力を付けていく、創業でいいますと創業環境を整えていくことで競争力が付いてくると思っておりますので、使命感を持って取り組んでいきたいと思っております。
 実は4月6日に産業労働部の職員を集めましてお話をさせていただきましたけれども、私は3つお願いをしたように覚えておりまして、1つはやったふりとか、やったつもりとか、帳面消しの仕事はやめて本気で取り組もうということですとか、前例にこだわり過ぎずに積極的にやろうと。前例は自分たちがつくっていくんだというつもりで取り組んでいこうということとか、難しい課題だからといって逃げずに、難しい課題だからこそ腕の見せどころだということで頑張ろうということをお話をさせていただきました。県職員もそれぞれに使命感を持って県勢の活性化のために頑張っておりますので、みんなと力を合わせて県内の活性化、経済の活性化に向けて、微力ですけれども頑張っていきたいと思っております。
◆馬込委員 昨日、中島(廣)委員が言っていたでしょう。あれは何という機械だったのか。三千何百万円の機械。(発言する者あり)そういうのを例えば部長、担当課長と2人で行って若手の窯業関係者に集まってもらって、直接話を聞いたらすぐ答えが出るわけですよ。中島(廣)委員が入口をつくってくれたんだから。波佐見に行って、窯業試験場の所長から報告を受けて判断するんじゃなくて、やっぱり現場に行って、中島(廣)委員の家に行ったっていいんです。座敷も広いんだから、20人も30人も入られる座敷があるんだから。そこに関係者を集めてもらって、この機械を入れたらどうなるか、実際生の声を聞けばいいんですよ。本当につぶれますよ、昨日の話を私も聞いておったら。
 そういうことにどこまで真剣にあなた方が応えきれるのか。地元に窯業試験場があるから、所長、ちょっと行って聞いて来いと、こんなことでは産業は起きない、続かない、没落していく。あなたは部長ですから公用車を使えるでしょう。公用車ですぐ走って行きなさいよ。明日は暇なんだから、明日行ってきませんか。
◎山田産業労働部長 昨日も言いましたように、所長からお話がありまして、早速現地には参りまして、現地で3軸のモデリングマシーンですけれども見せていただいて、3軸と5軸の違いは何ですかということと、5軸が入ればどういうことができるんですかということをしっかりと研究員の方々から聞きまして、ここで最後の言葉は言えませんけれども、しっかりと胸の内を固めまして、昨日「来年度の予算を見てください」という発言をしたところでございますので。
 私はどちらかといいますと、机の前に座っているよりも現場が大好きでありまして、現地の方にはできるだけ行くように努めております。ただ、産業労働部長というのは大変内勤も多いものだなと思っておりますけれども、現場にはとにかく足を運びたいと思っております。
◆馬込委員 部長、別に新年度の予算まで待たなくてもいいからね。(笑声)あなたがどうも厳しいと言うのだったら委員会に報告してください。この委員会で総務部長、知事と対応するから、補正ですぐつけろと。いいですか。
 我々が100万円年俸から引いて4,600万円浮いているんですよ。この議会に総務委員会の歳入の補正で上げているんですよ。私は資料を見なかったのでわからなかったんだけど、昨日総務委員会の人から言われた。
 そうしたら、早く中島(廣)委員がそういう話をしていたら、この金を充てておけばすぐ買えたんですよ。今月でも買えているんです。だから、我々もそれだけの身を削って4,600万円、2年で9,200万円の金を浮かせているんですよ。いいですか。これは一般財源ですよ。窯業の機械を買おうと思えば補助事業で買えると私は思うんです。そんな難しい話じゃないんだ。
 特にそういう地場産業を育成していく、その中から次の世代が育ってこなければならないわけですよ。次の世代が育ってくるような環境整備をやっていく。まず波佐見からスタートしたらどうですか。そして、波佐見の若い人たちが来年の波佐見陶器祭りの時にまた違った形での姿を見せてくれるかもしれない。そうやって地場産業が活気づいていけば、それぞれの地域の意欲が出てくる。やっていきましょうよ。そんな金のことはここで報告してください、すぐ対応するから。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
◆前田副委員長 私も今期からですので、前期のバイオラボの経過というのは議事録等でしか見ていませんけれども、やっぱりバイオラボの件が一つのターニングポイントとなって、先ほど言われたように投資的なことをやらないという方針を立てたというふうに聞いておりました。
 そういうことを含めて、皆さんが言われるようにリスクが伴う中で失敗したからといってそのことだけを見て支流がすぼむというか、そういうことであってはいけないと思っていて、もしかすると現在、県としてはベンチャー関係に対しては余り熱意というか、取組は薄いんじゃないかなと思って、ベンチャー支援について個人的にお聞きをしておりました。
 その時にベンチャー支援のスキームといって、これは各委員にも昨日配らせていただきましたけれども、こういう形で追々やっているんだということで説明を受けました。その時にベンチャー関係の予算推移ということで、これは当初予算ベースで5箇年分もいただいたわけですが、このスキームを見て、それからこの予算推移を見る中で、まだまだベンチャー支援というのを馬込委員が言われるように深めていっていいのかなという感覚を私は持っております。
 予算の中でも相談事業とか、各種サロンとか支援プラザ、そういうものに予算が割かれていて、実際的なベンチャー個々の部分のフォローアップがどれぐらいできているのかなというのもちょっとお聞きしたいんですけれども、今のこのベンチャー支援のスキームを見る中で創業前から成長期というふうになっていますよね。そのステージごとに今県や財団、もしくは国、中小企業、民間でそれぞれ役割分担しながら応援しようとなっているんですが、実際に今県下のベンチャー企業というのが、この創業前か成長期の中でどれぐらいいるんですかね。まず現況についてちょっとお知らせをしてほしいなと思っています。
◎平田産業振興課長 そのセミナー相談の創業期の企業がどのくらいあるか、すみません、数で数えたことはないんですけれども、セミナーの参加者、例えば創業セミナーですと平成23年度は11回やっておりますけれども全体の参加者数は266人ということで、1回当たりにすると20〜30人というところで、もちろん地区によって違います。それと、ここのスキームの中に窓口相談というのがありますけれども、その産業振興財団にマネージャーがいて経営相談、それからベンチャーの創業相談を受けておりますけれども、私どもの方にずっと報告も上がってきておりますが、ほぼ毎日のように何らかの形での相談があっていると、そういう経営に関する相談とか、その中にはもちろん今からこういうことで創業したいんだけどというような相談というのは、かなり相当頻繁にあってはおります。
◆前田副委員長 平成24年度のベンチャー全体の当初予算ベースで7,500万円近くあって、そのうち確かに言われるように相談事業に2,800万円ですか、かなりの金額を使っています。そういう形で日々相談を受けていると思うんですけれども、相談を受けていく中でそれぞれ相談をしたベンチャー企業というのが、ここの創業前から成長期の方にどんどん移行していかなくてはいけないと思うんですよね。それを推進するためにフォローアップが必要だと思いますし、その中でもし足りないとするならば結局事業化調査や商品化研究開発の中でファンドがありますよね、補助率3分の2、上限300万円、それから補助率3分の2、上限500万円ですか、商品化研究。そして、平成22年から新たに新事業チャレンジ応援事業ということでいよいよ事業化・販売開始になったところにも、投資はしないけれども補助率4分の3の上限300万円ということでやっていくべきだということで、1,500万円ずつ予算が付いていると思うんですよ。
 だから、やっぱり県下のベンチャー企業がどんどん成長していけば、もっともっと補助のメニューであったり補助の内容というのがある意味発展というか、進化していかなければいけないと思うんです。
 そこが見えるようにしていかないといけないと思うし、国や中小企業、民間で県とか地元企業の投資事業有限責任組合としての投資という制度はなくなったけれども、よく見ると民間ベンチャーからの投資というのはあるわけじゃないですか。そこにつなげていく作業とか、やろうと思ったらまだまだやれることがたくさんあるし、そういう意味でいえば、この7,400万円という予算が果たして他県と比べた時にどうなのかと見た時に、もっともっと金を使えばすべていいというものじゃないけれども、内容が濃くなればもっと予算も認めていいと思うので、何かここまでのスキームができているのに、それぞれの数とか検証とかしていく中で、もう少し後押しできるんじゃないかなということを思っているので、種々の委員からもいろいろ出ていましたけれども、やっぱりこのスキームでやるのだったら最大限このスキームを活かして後押しをしてほしいなということを要望もしたいし、所見があったらお聞かせいただきたいと思います。
◎山田産業労働部長 ありがとうございます。
 このベンチャー支援のスキームの中を形づくっています各々の事業、これの一つひとつの磨き上げとメニューの充実、これが他県に対しての長崎県の競争力の強化につながるというふうに思っていますので、いろいろと関係者の皆様からもお知恵を拝借して、部内でも十分話をして、委員の皆様方からもアイデアをちょうだいして事業を組み立てていきたいと思っておりますので、ご指導をよろしくお願いいたします。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 委員長を交代します。
○前田副委員長 委員長を交代します。委員長。
◆山田[博]委員長 それでは、私の方から幾つかお尋ねしたいと思います。
 まず、この投資事業有限責任組合というのは法律に基づいてできているわけですけれども、これは先ほどこういったスキームというか、仕組みというのは県の指導で行ったというふうにありましたけど、これは間違いございませんか。確認です。
◎平田産業振興課長 そのとおりでございます。
◆山田[博]委員長 それで、これは県の指導でやったと。これは法律に基づいてやったということでありましたけど、各県でこれは全国的にできていたんですか、できてなかったんですか。まず、それをお答えいただけますか。
◎平田産業振興課長 現在把握をしているところでは、34都道府県でできております。長崎県がつくった段階は全国で5番目でございます。
◆山田[博]委員長 では、これは必ずしもつくらないといけないということじゃなかったということですね。長崎県では、先ほどの馬込委員のお話があったようにベンチャー企業を支援しようということでやったと。
 そこでお尋ねするけれども、先ほどの馬込委員のお話であれば、もともと地元の銀行はあんまりこれに乗り気じゃなかったという経緯が話されました。5期もされて、いろんな活動をされて、さすがだと本当に耳を澄ませて聞かせていただき、大変勉強になったなと思ったんですけど、実際どうだったのか、それを知っている範囲でお答えいただけますか。
◎平田産業振興課長 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、その時点では、先ほど馬込委員もおっしゃいましたように、佐賀県には銀行がつくっているベンチャーキャピタルがあって活動が結構有名だったんですけれども、長崎県内でのそういう地元地銀でのベンチャーに対する投資というものは必ずしも活発ではなかった状況だというふうに認識しております。
◆山田[博]委員長 そうしますと、今回これをつくった時に、銀行もあんまり乗り気じゃなかったということなんですか、この投資事業有限責任組合をつくる時にも。それはどうなんですか。
◎平田産業振興課長 乗り気じゃなかったというその度合いの判断もありますけれども、最終的にはいずれにしても協力をしてやろうということでやったということです。
◆山田[博]委員長 皆さん方の意見を大体集約していくと、やっぱりベンチャー企業に支援をしていかないといけないんじゃないかということでありますね、バイオラボはバイオラボで問題があったとしても。
 そこの中で、今、一番問題になっているのは、例えば委員の皆さん方から支援をしていかないといけないんじゃないかという話に集約されてくるんですが、私もこの委員会が始まる前に、今組合があって、1つの投資事業組合ですか、1つはもう解散したんでしょう。解散した経過というのは何で解散したんですか。ここでもやっぱりとられるわけですよ。長崎県としてこれでやっていきましょうと旗を振ったら、地元の銀行の投資組合がやる気がなかったら、これは笛吹けど誰もついて来ず、やっていけないわけですね。何かこの経過を聞いていますか。それをお答えください。
◎平田産業振興課長 最終的に解散を決められた理由等については私どもは聞いておりません。時期的にはこの投資組合の解散がまず10月に満期が来まして、その清算が終わって、時期的にはその時期をもって会社としても解散をするということについて決められたということであります
◆山田[博]委員長 どこの組合かということは言えますか。
◎平田産業振興課長 それは先ほど申し上げましたように、十八キャピタルが解散をいたしております。
◆山田[博]委員長 十八銀行は長崎県の指定金融機関か、指定金融機関じゃないか、それをお答えください。
◎平田産業振興課長 指定金融機関であると認識をしております。
◆山田[博]委員長 長崎県の指定金融機関で、長崎県と一緒になってやろうという銀行がこういった態度では、これは産業労働部長、私も今トータル的に委員の皆さん方はやっていかないといけないんじゃないかと。そうすると、足並みをこれからも銀行にこういったベンチャー支援をするとなると、これは要するに地元指定金融機関である十八銀行はトーンダウンですよ。そういったことで認識してよろしいんですか。
 今、バイオラボでいろいろ問題があったとしても、これからやっぱりベンチャー企業を支援していかないといけないというのは、後で委員長報告の中で総体的にそういった意見が多数を占めたんじゃないかと私は思うわけですね、個別の企業は別として。それだけのリスクはあってでも今回、産業振興課長が売上高、従業員数がどれだけこれで増えたかというのは、増えているのは確かなんですね。その投資した金額が果たして2億円のうち返還が大体6,500万円ぐらいだと、これをよしとするかどうかというのは、要するに2億円投資して戻ってきたのが6,500万円弱だったと。売上が42%、従業員数が64%、これが高かった、低かったというのはいろいろな考えがあるでしょうけれども、いずれにしてもこの委員会におきましてはそれ相当の一定の評価が要るということで、やっぱりベンチャー企業を支援しないといかんということになっていますけど、どうですか、地銀としてはこれを支援する意向があるのか、ないのか。それによってはこの銀行に対して、場合によっては委員の皆さんのご理解をいただいて、十八銀行さんは今後ベンチャー企業に対して支援の意向があるか、ないかというのは参考人として来てもらう場合もあるからですね。そういったことを考えて、ちょっと部長の見解を聞かせていただければと思います。
◎山田産業労働部長 すべての委員の皆様から力強いお言葉をいただきまして、大変ありがとうございます。
 私としましては、先ほどもちょっと申しましたけれども、県が投資については積極的に行わないと決めたということでございますので、その決定した過程や決定のしぶりなどについて少しひも解いて勉強してみたいということと、当該の銀行とはしっかりと意見交換をしてみたいというふうに考えてございます。
◆山田[博]委員長 私としては、長崎県としては、今から、この委員会では総体的にベンチャー支援に対して再度前向きに検討すべきじゃないかという意見が出ております。だけど、地元の銀行がそれではついていけないような状況なんですね。そうしたらやれないじゃないかと言っているんですよ、私は。
 部長としては、銀行と意見交換会をするというふうに言われましたけれども、そういった時期を見て、部長、その意見交換をして、特に十八銀行さんはどんな見解があるかというのはまた機会を見て委員会に提示していただけますか。その見解を聞かせてください。
◎山田産業労働部長 当該の銀行とは早目に意見交換をいたしまして、内容についてはご報告するようにいたしたいと思います。
◆山田[博]委員長 そういうふうにしていただきたいと思うんですね。
 最後に幾つかまたこの資料2ページで、いろんな事業の投資のうまくいかなかった理由とか、時の対応だとかいろいろありますね。これはもちろん県の見解で書いているんですね。間違いないですか。県側の見解ですか、それとも投資組合とか何かの見解ですか。
◎平田産業振興課長 もちろん出もとは投資組合から状況を聞き取り、あるいは残っている資料を踏まえて、県の方で作成した資料でございます。
◆山田[博]委員長 そういうことですね。今後のスキームの参考にしてもらいたいというか、さっき私もいろいろ聞いたら、一番びっくりしたのは、破綻しているのが4社のうち3社はもうほとんど銀行からの支援だと言っていましたけど、これは銀行からの支援があったですけど、これはどこの銀行からの紹介だったかは話ができますか。
◎平田産業振興課長 ニューアグリネットワークは十八銀行です。それから日本設電については親和銀行です。たらみは十八銀行です。
◆山田[博]委員長 そうすると、総体的にこのベンチャー企業に対して損失が一番多かったのはやっぱり十八銀行だったから解散したというふうにとられてもおかしくないのかなと思ったわけです。そうじゃないですか。
◎平田産業振興課長 先ほどトータルで6,500万円弱の返還があっておりますけれども、それぞれ返ってきた十八グループ、親和グループから配当があっています額は、ほぼこの半分ずつということで、そこについては大きな差はないということです。
◆山田[博]委員長 ちょっと質問の仕方がおかしかったですね。そうじゃなくて、破綻したこの会社の紹介もとがどれだけの負債を抱えていたかというのが、回収じゃなくて、会社的には審査の信頼とかからすると、これはやっぱり普通だったら責任を感じるだろうなと思って、それで話したわけですね。
 それと、最後にニューアグリネットワークというのがありますね。これは平成17年休眠状態で、破産したのは4年後なんですね。なんでこれだけ4年間遅くなったのか、それを答えていただけますか。
◎平田産業振興課長 そこのいきさつについては、すみませんがよくわかっておりません。事実上は平成17年度から事業活動は行われていなかったということで、最終的にきれいに整理したのが平成21年ということです。
◆山田[博]委員長 そこは今後のこともあるから調べて後で報告してもらえませんか。
 私の感想としては、やっぱりいずれにしても地元の銀行がベンチャー支援に対して積極的に取り組む姿勢を、やはりここでも馬込委員が言われるように腰が引けているような状態であれば、長崎県としても積極的にやっていけるような状況じゃないということが十分わかりましたので、また委員の皆さんともいろいろ協議をさせていただきたいと思います。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 それでは、時間がきましたので、しばらく休憩いたします。
 午後は、1時30分から再開いたします。
 お疲れ様さまでした。
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     −午後零時2分 休憩−
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     −午後1時30分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 ほかに質問はございませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ないようですので、ベンチャー企業の集中審査の結果について整理をしたいと思います。
 しばらく休憩いたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後1時31分 休憩−
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     −午後1時32分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 ベンチャー企業についての審査の整理は、正副委員長に一任ということでよろしいですか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 それでは、ベンチャー企業についての集中審査はこれにてとどめ、次に、産業振興財団の運営についての集中審査を行います。
 まず、産業振興課長より説明をお願いします。
◎平田産業振興課長 配付させていただいております資料につきまして、簡単に最初にご説明させていただきます。
 まず、産業振興財団の概要につきましてパンフレットをお配りしております。
 表紙をめくっていただきまして、「4つの柱」としまして、地場企業の支援、企業誘致、ベンチャー企業支援、研究開発という大きな柱立てとなっております。
 それぞれの組織については、2ページに記載のとおりでございます。
 具体的な事業の内容については、3ページ以降になります。地場企業の支援については、取引の紹介やあっせん、ホームページの作成支援などの営業力強化のための支援、そのほかの経営に関する相談受付などの事業でございます。
 それから、5ページをお開きいただきますと、研究開発や販路開拓に対する支援ということで、ナガサキ型新産業創造ファンド、長崎県地場企業支援ファンドという2つの基金を持っておりまして、その運用益をもって記載しておりますような企業の事業に対して助成を行っているところです。
 そのほか6ページに企業の設備導入等に対する金融支援ということで、国の制度、あるいは県単の財団独自の資金の貸し付け、あるいは設備リース制度等の制度を持っております。
 それから、7ページが企業誘致の支援です。
 そして、9ページがベンチャー企業の支援ということで、これは午前中の資料にもありましたけれども、窓口相談、セミナー、ベンチャーサロン、NAGASAKI企業家大学、インストラクター派遣というような内容によって支援いたしております。
 そして、11ページ、12ページが研究開発による支援ということで、産学官連携促進のための事業、あるいは新エネルギー産業等プロジェクト推進ということで、国、県の委託なども含めて事業を実施されているところでございます。
 最後に情報化の支援ということで、IT活用のためということでの相談等の支援をされているところでございます。
 パンフレットの説明は以上です。
 次に、別の配付資料ということで、午前中使用しました資料の続きで資料3というペーパーをお配りしております。
 産業振興財団の職員の雇用形態別といいますか、採用別の職員の人数でございます。合計で70名の職員がおりますが、このうち県職員の派遣が13名、財団プロパー職員が11名、有期雇用職員が18名となっております。そのほかに県ないしは国からの受託事業について6名、市町派遣職員が6名、スタッフが16名という内訳でございます。
 次に、資料4でございます。
 資料4は、産業振興財団の基金の運用実績の平成13年度以降の一覧表でございます。運用の内訳として、預金、国債や社債、EB債、その他の債券、株式の種類に分けております。右から2つ目のところに各年度の運用益と運用額に対する利回りを記載いたしております。
 平成18年度以降については2段書きにしておりまして、運用額と、その下の段が時価評価額ということになっております。
 あらかじめご説明しておきますと、平成18年度から平成21年度までについては、預金から債券までは運用額と時価評価額が同じ額になっております。ここについては、まず平成18年度以降から時価評価という考え方が財団の会計基準の中に入ってきております。ただ、平成18年度からは満期保有目的ではない運用の分だけを時価評価ということになっておりまして、そこでは株式が満期保有目的ではない。ほかの分は満期になれば元金が返ってくるということで、その分は時価評価という考え方がありませんでしたので運用額と時価評価額は同じということになっております。株式だけが運用額と評価額が違うという形になります。
 ただ、平成22年度以降は、保有しているすべての債権、株式について時価評価を行うということで会計基準が変わりましたので、財団の会計もそういうことで平成22年度からは、国債、県債、社債等についても、すべて時価評価額ということでの評価を行っているところであります。
 平成23年度の運用額と時価評価額で申し上げますと、トータルでは132億8,000万円程度の運用額に対して時価評価額は130億8,000万円ということでの2億円余りの評価減損。だた、そのうち株式の部分では16億円余りの運用に対して時価評価額が8億2,700万円ということで、ここで評価損が生じているということであります。
 それから、参考資料として、これはご指示がありました資料を入れさせていただいております。産業振興財団の就業規程について、一般の就業規程とスタッフ職等の就業規程をお配りするようにという指示でしたので、その2つについても配付いたしております。
 基本的に就業規程については、勤務時間、休暇等については、私ども県職員と同じということになっております。一般のプロパー職員と有期職員との違いと申しますと、定年という考え方が有期の方にはないということと、退職金は支給しないという規定がございます。大きくはその2点があるということでございます。
 以上です。
○山田[博]委員長 ありがとうございました。
 質問はありませんか。
◆前田副委員長 質問に入る前に、パンフレットの2ページに組織図がありますね。この中で、資料3で今、職員の内訳をおっしゃっていただいたので、この職員の内訳が職務ごとに何人に分かれているのか説明してください。
 それと、プロパー職員の11名の職員になった勤続年数の内訳。それと、有期雇用職員が1年なのか、2年なのか、その辺の内訳をお知らせください。
◎平田産業振興課長 すべて4月1日現在で申し上げます。
 まず、上から言いますと、技術統括が1名です。(発言する者あり)違います、有期です。
 次に、総務情報企画グループが全部で8名です。派遣職員が1名、プロパー4名、有期職員が2名、そのほかスタッフが1名の合計8名です。
 続きまして、企業誘致推進グループが14名。県派遣が4名、プロパーが2名、有期雇用職員が1名、市町派遣職員が5名、スタッフ2名。それと、誘致推進グループの横に東京企業誘致センターがございまして、ここに4名おります。内訳は、県派遣が1名、有期雇用が2名、市町派遣が1名です。
 それから、企業支援グループが全部で12名です。この中には取引拡大と金融を入れておりますけれども、12名。県派遣が1名、プロパーが4名、有期雇用が4名、スタッフが3名です。
 それから、ベンチャー企業支援グループが全部で6名おります。県派遣が1名、有期雇用が3名、スタッフが2名です。
 次は大村ですが、全部で16名です。県派遣が2名、有期雇用が1名、受託事業の有期の雇用職員が6名、スタッフが7名です。
 最後に佐世保事業所が5名。そのうち有期雇用職員が4名、スタッフが1名という内訳になっております。
 このほかにプロパー職員について、産業振興財団に研修で派遣を受け入れているプロパー職員が1名おります。
 勤続年数について、私が整理している分で、有期雇用職員が、3年以下が6名、3年以上6年以下が4名、6年以上9年以下が6名、9年を超える方が2名です。
 プロパーについては、勤続年数はわかっているんですけれども、内訳を整理しておりませんので、お時間をいただければと思います。
 以上です。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆溝口委員 今回、産業振興財団の役員の方々が代わっているんじゃないかと思いますが、もしよかったら名簿を提出していただければと思います。
◎平田産業振興課長 コピー資料を用意しておりますので、お配りさせていただければと思います。
○山田[博]委員長 しばらく休憩します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後1時45分 休憩−
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     −午後1時46分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
◆溝口委員 どうもありがとうございます。さまざまな分野から出ておられるようですけれども、この理事の選任については、例えば、十八銀行なら十八銀行から1人とか、十八銀行じゃなくて銀行関係から1人とか、そういう選び方については大体決まっているんですか。
◎平田産業振興課長 役員の改選を行います時に、実は、平成22年にかなり大きく役員の見直しをいたしておりまして、その折に最初から決まっているということではありませんで、財団の運営に対して地元の経済界の方を含めて積極的に意見をいただこうということで、できるだけ各界からの意見をいただくということの考え方で役員の候補を選任されているということでございます。
 一つは自治体、金融機関、それから企業さんも、例えば地域的に県北、長崎市、あるいは島原半島というような地域性のバランスとか、あるいは地場の企業だけではなくて誘致をした誘致企業、そのほか情報系の企業というように、地域、あるいは地場、誘致というようなバランスをとる中で候補を挙げて、その中から就任をお願いして選任されているというようないきさつがございます。
◆溝口委員 人選について決まった形じゃなくて、バランスのとれた形で選んでいるということですけれども、一番の目的は企業誘致等になってくるんじゃないかという気がするんですけれども、この中で産業振興財団で力を入れているのは1番目の地場企業の支援と、それから2番目の企業誘致になってくるんですか。その辺、財団の力の入れ方についてどのような計画を持ってやっているのか、聞かせていただければと思います。
◎平田産業振興課長 一つの仕事のボリュームをはかる時の一つの指標としては、そこに何人が従事しているかということで申し上げますと、先ほどご説明しましたように、企業誘致が最も多い。その次が取引拡大、金融支援、地場企業であるということからしますと、取り組んでいる事業の中のボリューム感としては、そういうことになろうかと思っておりますが、あくまでも先ほど申し上げた4本の柱というのが財団の活動の内容であるということは間違いないところでございます。
◆溝口委員 わかりました。ただ、見てみますと、大企業的な方々ばかりが入っていて、地場企業というか、中小企業というか、そういう関係の方々は余り見えないようですけれども、私の見誤りかもわかりませんけど、その辺についての配慮はどの辺に出てきているわけですか。
◎平田産業振興課長 大企業だけではなくて、地場の中小企業の、例えばここにも上がっているように(株)富士商工さんであるとか、浸透工業(株)さんであるとか、これは長崎、佐世保の中小企業ですし、あるいは評議員の中でも協和機電工業(株)さん、大阪鋼管(株)さん、この辺も長崎、佐世保です。あと、理事となっています(株)新田鉄工所の松尾理事は島原半島の口之津の中小企業の社長の方ですので、そういう皆さんにもお願いをしているところでございます。
◆溝口委員 わかりました。ありがとうございました。
 この理事会は、年に何回ぐらい開かれているんですか。
◎平田産業振興課長 年3回ないしは4回開かれております。
◆溝口委員 例えば、年3回とか4回が、企業を誘致できた時とか、定期的に3〜4回というのは、例えば3カ月に1回とか、4カ月に1回とか、そういう感じで開いているわけですか。
◎平田産業振興課長 基本的に、まず年2回は、年度末であり、年度の頭でありというのがありまして、あとはその年度中に1回ないし2回については、それぞれ議案としてお諮りすべき議案がございますので、その折に開いております。
◆溝口委員 企業を誘致するという時に、いろいろな条件に合った形じゃないと企業は来ないと思うんですけれども、佐世保の場合、17ヘクタールを1社ということになれば、ある程度絞られてくると思います。そのような時に条件をもう少しいい条件というか、そういうことにしていただきたいという注文等があった時は、産業振興財団で協議していかないといけないと思うんですけれども、そういう時には緊急的に会議等は開かれているんですか。
◎平田産業振興課長 実際の誘致活動、そのほかの条件云々ということになってまいりますと、そこは業務執行ということで理事長を初めとした執行部隊の判断の中で執り行われていると認識しております。
◆溝口委員 わかりました。なぜこんなに会議等のことを聞くのかというと、前回のバイオラボの時にいろいろと問題があったので、問題を先延ばしにしたら産業振興財団のせいというか、せいと言ったらおかしいですが、産業振興財団の責任等がものすごく問われたので、その辺の改善を財団の中でどのように検討してきたのかなと思って、その辺を、前回とは違いますよということがあれば聞かせていただきたいと思います。
◎永橋企業立地課長 誘致関係の情報等の理事会へのご報告でございますけれども、産業振興課長が申しましたとおり、実際に誘致をすることにつきましては、財団の執行ということでやっておりますけれども、先ほど年に2回必ずやる理事会、評議員会では、その年度の事業報告、途中経過等をその都度、その都度ご報告して、委員の皆様方にご説明をしているところでございます。
◆溝口委員 今、委員と言われたのは、評議員、理事会の関係ですか、この常任委員会のことかちょっとわからなかったんですけれども。それはいいです。
 それで、企業誘致に対して18名でやっているということですけれども、県外の企業誘致だけですよね。
◎永橋企業立地課長 産業振興財団の企業誘致部門というのは、基本的には県外から長崎県に企業を誘致するということで取り組んでいるところでございます。
◆溝口委員 わかりました。ただ、企業誘致が県外ということになると、1,500〜1,600社回らないと1社を誘致することができないと言われましたが、この18名体制の中で東京が4名ということで動いているんですけれども、例えば、大阪とか、そちらのスタッフというのは見えないんですけれども、東京に4人置いておって、東京の大企業をこの4名の方々は毎日のように訪問しているということで理解していいんですか。
◎永橋企業立地課長 先ほど申し上げました財団の誘致グループのスタッフは、東京が4名、長崎が14名でございまして、基本的に地区割ということで担当を分けております。東京の4名につきましては、基本的には関東圏以北ということでございます。残り長崎の14名で中部担当、関西担当、中・四国担当、九州担当というふうに地区割をいたしまして企業訪問をやっているところでございます。
 ただし、まさに今そうですが、一昨日、本年度は新潟県、長野県、静岡県あたりを集中訪問いたしますというお話をいたしましたけれども、今週は新潟県の集中訪問ということで、この場合には東京地区担当の4人も長崎地区の14人も、すべて新潟の方に集まりまして、そこで一緒になって企業訪問をしているところでございます。
◆溝口委員 企業誘致のことで、今、佐世保等にも17ヘクタールの工業団地を造成しているわけですけれども、全体では市とか県を入れたら30ヘクタールぐらいが有効的に使われるような工業団地を造成することになっておりますけれども、その中でなぜ急いで造成していかなければいけないかということについては、東日本大震災があって精密機械等の製造業が九州の方に来るのではないかということで急いでいる感じになっていると思うんですけれども、その辺についての誘致活動はどのようにしているんですか。
◎永橋企業立地課長 まさに委員おっしゃいますとおり、昨年の東日本大震災以降、私どもはリスク分散ということで企業回りをいたしまして、今年、1名、有期の職員を新しく雇用させていただいております。現在、長崎で研修をしておりますけれども、その方は基本的にリスクの対応ということで採用をしておりますので、そこの主戦場は関東地区、中部地区になりますので、こちらでしばらく研修をした後に向こうの方に派遣して、向こうの方の駐在ということで企業回りをしていただくということに考えております。
◆溝口委員 1名増やしたということですけれども、そのようなことを考える時に、東京の4名というのが今までも増強してきたのかどうか。現在4名ということですが、今までより増やしているのかどうか。
◎永橋企業立地課長 リスク分散ということで回るものですから、あちらでの訪問の数が増えるということで、私ども、あちらを厚くしようということを考えております。
◆溝口委員 震災があってから増やしたのかということを聞きたかったんですけれども、私としては、東京の企業誘致センターというのにもう少し力を入れて誘致活動に励まないと、本当に企業を誘致できるのかなという、大きな企業を1社、17ヘクタールの中に入れるのに大きな会社をねらっていかないといけないと思うんですけれども、その辺についてもう少し真剣な取り組みをしていかないと企業誘致はできないんじゃないかという気がしてならないんですけれども、これは産業振興財団の考え方によるかもわかりませんけど、県として、産業振興財団とどのような形で、一致協力してということを聞いていますが、どのような県の考え方を財団についてしているのか。
◎永橋企業立地課長 まずもって、先ほどご質問の1名増員というのは、震災を受けて今年から1名増員をした次第でございます。
 それと、企業誘致の県と財団との、県からどういうことを言っているのかというお話でございますけれども、基本的には、団地をできるだけ早く完売をしたいということで財団の方にはたくさん回ってくださいと。それから、一昨日、この団地にはこういう企業をというお話をいたしましたけれども、そういうところのすり合わせを十分して、今、財団の方で動いていただいているという状況でございます。
◆溝口委員 財団については、もう少し力を入れて、増強してでも、今、工業団地を開発しているところに早く企業を誘致していかなければいけないと思うんですけれども、財団の増強ということについてはどのように考えているんですか。
◎永橋企業立地課長 昨年度から本委員会でのご議論、それから、経済雇用・災害対策特別委員会でも同様の趣旨で財団の誘致の担当部隊をもっと厚くというようなご意見をいただいております。そういうご意見も受けて今年の4月から県の職員を1名増員をしております。
 それから、6月からでございますが、1名、有期の職員を増やさせていただいた次第でございます。
 なお、現在、誘致のために企業を実際に回っている本県の職員は18名でございますが、九州各県を比べますと18名というのは一番多い数字でございます。2番目が宮崎県の16名ということになっております。
 ただし、私どもの18名の職員の構成を見た時に、県職員が6名、市町派遣が6名、有期職員が4名、財団のプロパーが2名の18名の職員構成でございますが、市町からの派遣職員というのは、概ね2年ぐらいで各町にお戻りになられますので、研修というような意識が濃うございます。そういう意味では中身をもう少し充実させていくということを今後も財団と協議をしてまいりたいと思っている次第でございます。
◆溝口委員 もう終わりにしますけれども、今は産業振興財団が企業誘致等については力を入れていると思いますので、長崎県としては企業誘致じゃないと雇用拡大になかなかつながっていかないと思うんですね。今、地場支援について、そこのところでも雇用拡大が図られておりますけれども、経済的な発展を願っていくためには企業誘致に力を入れていかなければいけないと私は思っておりますので、今後も産業労働部と産業振興財団が一致協力して企業誘致に励んでいただきたいと、このように思っております。部長から何かあったらよろしくお願いします。
◎山田産業労働部長 どうもありがとうございます。一昨日、昨日の委員会でも企業誘致の重要性につきましては、委員の皆様からもご意見を種々いただきましたし、私どもの方からも企業誘致について頑張っていきたいということを申し上げました。
 この誘致につきましては、財団が実行部隊でございまして、県が後方支援部隊、補助金を準備したりですとか、補助金を支出したりですとか、そういったことをやっているわけでございます。
 実行部隊につきましては、今、私も財団の方といろいろ意見交換をさせていただいております。財団の方からは、今、企業立地課長が申しましたように、体制の整備について一緒になって考えていこうというようなことも言われておりまして、私も産業振興財団は県内の産業活性化に取り組むに当たっての重要なパートナーでございますので、これらの体制が足らざるところがあるのであれば、ぜひ頑張れる範囲で体制を充実させていきたいというつもりで臨んでいきたと思っているところでございます。
◎平田産業振興課長 先ほどの副委員長のお尋ねに対してお答えできなかった分です。
 プロパー職員の勤続年数ですけれども、先ほどの誘致とは区分が違いますが、まず、5年以下の職員はいません。5年超で10年以下が5名、10年超で20年以下が4名、20年超が2名、合わせて11名ということになっております。
◆高見委員 事務的なことになります。産業振興財団の理事の名簿をいただきました。1人欠員になっています。今日は6月末ですよね。これは4月1日現在ではありますけれども、部長、やっぱりちゃんと名前を入れてもらわんばね。
◎平田産業振興課長 申しわけございません。理事の選任については、6月の理事会で選任されて、そこで部長も理事に選任されましたので、今の時点ではそのとおりです。申しわけございません。4月1日現在でコピーしてしまいましたのでそういうことになりました。大変失礼いたしました。
○山田[博]委員長 産業労働部におきましては、最新の資料があるのであればちゃんと出していただかないと、適当に扱ったら困りますから、以後気をつけてください。
◆高見委員 次に、同じく名簿からですが、理事の中に佐世保の副市長、評議員には平戸市長が入っておられますが、ほかの自治体はなぜ入っていないのか。
○山田[博]委員長 私も聞こうと思っていたんだけど、要は、理事と評議員の選び方のルールがあるのであればきちんと説明してもらえませんか。ないんだったらないで、きちんとルールをつくった方がいいんじゃないかと私は思うけど。
◎平田産業振興課長 はっきりしたルールがあるわけではございません。それぞれの考え方で各界各層からということで、こういう方はどうかということでの選任が上がってきた中での選定ということになっております。
○山田[博]委員長 誰が選んだんですか。
◎平田産業振興課長 それは理事長を初めとして、事務局の中で案をつくることになります。最終的には理事については評議員会に、評議員については理事会に諮って選任をするということになります。
◆高見委員 そういう意味では理解が得られるような説明ではなかったんですけど、先ほどの溝口委員の話でいえば、17ヘクタールを佐世保が持っているからという話につながるのかなと。ある意味、ねらいというか、思い、そういったものが反映されるのがこういう人選だろうと思います。そういう意味では的確、明確に答えられるように、説明できるようにしておいていただきたいと思います。
 それから、先ほど、理事会は年に3回から4回というお話で、2回については定時の年度初め、あるいは年度終わりというお話がございました。他の民間の企業から出ていらっしゃる皆さん方、多分、誘致の関係だと思いますから、あるいはまた支援の関係だと思いますから、理事会の後、例えば4回のうち2回がそういうことで定時だとすれば、あと2回がある意味フリーに、お互いに理事が意見を、あるいは情報を交換する、こういう理事会になるだろうと思っているんですが、実際、そういうふうな情報交換というふうな、財団の運営にかかわってというか、方向性にかかわってというか、そういった情報交換ができているのかどうかお願いします。
◎平田産業振興課長 その点につきましては、毎回の定時的な理事会、評議員会の中でそういう意見交換の時間を必ず設けられておりまして、各委員から意見をいただく。議案だけで終わらせるのではなく、せっかく来ていただいた以上は意見をいただくということでされております。
◆高見委員 それから、先ほど来、ベンチャーキャピタルの話もありましたけれども、十八銀行は入っていらっしゃるけど、親和銀行は入ってないんですね。評議員にも入ってないんですよね。ですから、ここにも挙げられているベンチャー企業支援グループという格好でありますから、4つのうちの大きな柱の1つですから、ここはそれだけの公金取り扱いというか、県内の大手の金融機関については入ってもらう必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
◎平田産業振興課長 これは相手様のご意向もあるというふうにお伺いしております。その辺はいろんないきさつがあると思っております。地元地銀はもちろん2つあります。理事会の役員を引き受ける、引き受けないということについては、それぞれの考え方があるだろうと思います。そのことはそれぞれの判断があったろうかと思いますが、それは選考の中でのいきさつでございますので、あくまでも産業振興財団の理事としてこういう方にお願いしているということでございます。
◆高見委員 どういう事情があられるのか具体的にはわかりませんけれども、親和銀行さんは福岡銀行グループですよね。経営基盤もかなり大きくなっておりますし、ぜひ今後のベンチャー企業支援を考える時に入っていただきたいなと私自身は思っています。ですから、できるだけそういう努力を積み上げていただきたいと思います。
 それから、先ほど、職員内訳、また、前田副委員長から雇用されている職員さん方の勤務年数の質問もございました。やっぱりこの手の仕事は熟練といいましょうか、一人前になるのにかなり時間を要するのではなかろうかという感じがいたします。市や町から派遣されている皆さん方の派遣期間が2年ぐらいというお話もございました。
 そこで、市と町との連携の関係ですが、以前は、例えば大村市でも東京事務所をつくったりというようなことがございました。現在、市町から派遣されている6名の方々は、以前の東京事務所なんかがなくなって、県との連携という意味合いで来られているのかどうか、その辺の連携について聞きたいと思います。
◎永橋企業立地課長 もちろん、企業誘致に対して県と連携して地元にという側面はあろうかと思います。
 それと、市町からの研修で来られている方たちは、長崎市から来られた方が1名、東京におりますけれども、残りの方はすべて長崎の方で財団の職員と一緒に企業訪問しているという状況でございます。
◆高見委員 2年間で市役所、あるいは町役場に帰られる方については、それぞれの役場、あるいは市役所に企業誘致のセクションがあるということで、その中で2年間なりで研修をされたことがそれぞれの自治体の中で活かせるという格好になっているんでしょうか。
◎永橋企業立地課長 ほとんどの職員さん、各市町によっては人事の関係もございますけれども、ほとんどの方がそれぞれに戻られて誘致関係の部門で仕事をして、戻られた後も我々と一緒に情報交換等をやっている次第でございます。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
◆高比良[末]委員 企業誘致の関係でお尋ねします。
 企業立地課長は、企業誘致の経験はおありですか。
◎永橋企業立地課長 4月からでございます。それまでは誘致のことに携わったことはございません。
◆高比良[末]委員 産業振興財団には行ったことがないわけですね。
◎永橋企業立地課長 企業立地推進本部の時にベンチャー関係の仕事をしておりました。(「バイオラボですか」と呼ぶ者あり)バイオラボもやっておりました。
◆高比良[末]委員 高見委員から、熟練を要するという話がありましたが、企業誘致は簡単にはいかないだろうと思っております。最初はリーダーについていって顔を売って、ノウハウを覚えて。大体どのくらいせんと一人前になりませんか。
◎永橋企業立地課長 4月から参った私が申すのもなんですけれども、市町の方が2年すると大体ノウハウを覚えて戻っていかれるということを言っておりますし、有期の職員を採用する時に、まずは3年間はその人の勤務内容とかを見て、その後の継続を判断するということをしておりますので、2年から3年は必要だというふうに思っております。
◆高比良[末]委員 県からの派遣も有期でそこに何年かおられるのでしょうが、平均的な派遣期間はどれくらいですか。
◎永橋企業立地課長 現在、誘致部門に6名の県からの派遣職員がおりますけれども、一番長い職員で丸9年を終えて、今年が10年目という職員がおります。次に長い者が7年目の職員がおります。あとの職員は、3年未満の職員でございます。
◆高比良[末]委員 ある程度、仕事の内容を吟味して、派遣の期間もいろいろ吟味されているようですね。
 14名という企業誘致推進グループは、県からの派遣が4名携わっております。あと市町からの派遣が5名、この人たちは教育ですから、県からの派遣者が主になっていろんなブロックの責任者になってやられているんじゃないかというふうに私は思いますが、ここにスタッフというのがおりますが、これはどういう人たちなんでしょうか。
◎永橋企業立地課長 スタッフというのは、企業誘致部隊が企業回りをいたしますので、その人たちの旅費とか宿泊費とかいろんな活動費等の精算というか、そういうお手伝いをする方で、2人は全く長崎におって回られる人たちのそういう世話をしているという職員でございます。
◆高比良[末]委員 東京事務所も入れて18名ということを言われましたが、よく調べるとスタッフ2名はいろいろな世話をすると。市町からの派遣が5名、この人たちはすぐ帰るからね。戦力になるのは、県からの4名、プロパー2名、有期職員が4名、長崎市からの職員を入れた7名が主力になって頑張っておるわけですね。そういう見方でいいんですか、陣容的には。
◎永橋企業立地課長 私どもとして、市町の方が戦力にならないというのは失礼ですが、2年ぐらいで卒業していかれますので、東京と長崎と合わせると県の職員が6名、それから財団のプロパーが2名おります。それと有期の職員は民間でパイプを持った方たちを入れていますので、この人たちはまさに戦力でございます。その方たちが6月に1名追加で採用させていただきましたので、現在、4名。ですから、そういう意味では12名が中心になって業務を担っていただく、それに市町から来ている6名の職員が研修を兼ねて動いているという状況でございます。
◆前田副委員長 今日は、それぞれの業務の中身について触れる場じゃないのかなと思っていて、組織のありようについてお聞きしたいと思います。
 私がお尋ねしたいのは、県の職員とプロパー職員と有期雇用職員が混在した中で業務に励まれているという話の中で、それぞれのグループのグループ長というのはどなたですか。県ですか。
◎永橋企業立地課長 誘致部門につきましては、誘致担当の理事ということで県の職員を置いております。
◎平田産業振興課長 私どもは、地場企業支援とベンチャーの分ですが、いずれもグループ長は県の派遣職員でございます。
◎上原産業技術課長 大村にあります研究開発プロジェクト推進グループについても、県の職員の派遣です。
◆前田副委員長 あわせて、事務局長は県の職員ですか。大体何年ぐらいで代わられるんですか。
◎平田産業振興課長 今、理事長が松尾理事長ですけれども、専務理事が6年目でございます。現時点の事務局長は2年目、専務理事が6年目でございます。
◆前田副委員長 次に、プロパーの職員は勤務年数によって給料は違うと思うんですが、県の職員に準じた場合、どれぐらい、2割ぐらい低い設定ということで理解していいんですか。
 それと、有期雇用については、1年契約の更新だと伺っていますけれども、年俸制ですか。それと平均の給与を教えてください。
◎平田産業振興課長 まず、プロパー職員についてですけれども、年齢を県職員の給料に当てはめた場合と今の給料の平均を出した場合に、財団の今の給料の平均がおよそ32万7,000円、これを県の給与規定に当てはめた場合には34万9,000円。月額の給与ベースではそういうことになっております。
 有期職員については、年俸制といいますか、月額の給料のベースになっておりまして、平均というのは出していないんですけれども、およそ40万円超というところが概ねの、人数的に多いところが月額40万円超です。これについては賞与はありません。月額分の12月分のみとなっております。
◆前田副委員長 プロパー職員は、年齢が同じということであれば1割弱というか、そんなに差はないという理解をしましたけれども、有期雇用の場合は賞与がないということで、これは長い方は9年以上の方がお2人おられるということですが、この人たちの年間の報酬というのは、毎年スライドして上がっているんですか。
◎平田産業振興課長 単純にスライドして上がっていくようにはなっておりません。毎年、業績の評価を行われまして、その評価に応じてプラスになったり、あるいはマイナスになったりというような変化があっているとお伺いしております。
◆前田副委員長 財政的な面とかいろいろ考えた中でこういう形で、県の職員の方がおられて、長い方は7年、9年おられるけれども、3年ぐらいの中で移動されていく。それから、プロパー職員も5年以下はゼロということで、この5年間、採用していないということですよね。そうした中でやられている。それから、有期雇用職員も毎年毎年の査定の中で、賞与がないという話の中で仕事に励まれているという話の中で、産業振興財団として一つの大きな目標がそれぞれあって、当然、これからさらに産業振興財団に課せられる期待というものが大きくなっていくと思う中で、個人的に私から見れば少し変則的な職員の体制でやっていくことが、果たしてこれから役割が大きくなる中で弊害が出ないのかなということが非常に気になっています。それぞれのグループ長は県の職員がやられているということで、その方だって3年ぐらいしたら交代していく。事務局長も何年か周期で代わっていくという中で、プロパーの職員、有期雇用の職員は、高比良(末)委員が昨年、経済雇用・災害対策特別委員会の委員長の時に私も質疑をさせてもらったんだけども、有期雇用は1年1年の業績の評価の中で次の契約を考えるという話の中で、企業誘致等はやり始めて1年ぐらいでは成果は出ないんじゃないですかということで、少しスパンを長くして見てあげないと、来年、自分が雇用してもらえるかどうかわからないと。当然、働く中では結婚もする、子どもも増えていくという話の中で、そういう給与の査定という形でいいのかなということに非常に疑問を感じます。
 特に、有期雇用が長い6年以上、9年以上の方というのは、これはご本人の希望でプロパーにならないという理解をしていいんですか。それともそういう制度がないからプロパー職員になれないということですか。ご本人たちの希望はどこにあるんですか。
◎平田産業振興課長 ご本人たちの希望でならないというよりも、プロパーとしての採用を行っていないということの方が正しいと思います。
◆前田副委員長 そこのとこですが、どうなるのかな、プロパーとしての採用。例えば、今、国会で検討されている雇用のあり方、ちょっと名前を忘れましたけれども、そういうのが今後5年間、これは契約だから規制にならないけれども、5年たったら正規雇用に切りかえなければいけないというのが、どうなるかわかりませんけど、そういう方向性がある中で、有期雇用でこれだけ専門化した職員さんで頑張っておられる方がいて、その方たちがプロパーを希望するのであれば、やはりプロパーの道を閉ざすというのは、その方々の仕事のモチベーションを含めて、さっき言った人生設計も含めて、果たしていいのかなと思うんですけれども、もろもろこういったことを含めて組織のあり方としての課題とか、今現在の問題点とは言わないけれども、今後の課題という認識が何かおありだったら、私も幾つか例示的にお話ししましたけれども、示していただきたいと思います。もし何の問題意識もないということだったらないで結構ですけれども、本当にそれでいいのかなという思いがいたしておりますので、総括的なところでご答弁いただきたいと思います。
◎山田産業労働部長 私も今勉強をしている真っ最中でございまして、財団の専務理事と数回意見を交換したところでございます。
 その意見交換をした結果として現時点で私が思っておりますのは、産業振興財団の職種構成がかなり多い、多いといいますか、県職員もおり、プロパーもおり、有期雇用の方もいらっしゃり、委託の方もいらっしゃり、スタッフと言われている方もいらっしゃるということ。しかも、それぞれに給与体系も違うということもございまして、その辺をすべて一本化するということは無理ではございますけれども、できるだけ職種を整理をしていくというような努力をしていくことで一体感をつくっていくことも職場環境としては大切ではなかろうかと思っているところでございます。
 そのほかの課題としましては、今日の議題にもなっております基金の運用等、そういったところが現時点での産業振興財団の課題かなと受け止めているところでございます。
◆前田副委員長 今、部長から答弁をいただきましたけれども、これからさらに活発に活動していただく中では、組織の形態というのは非常に大事だと思いますし、職員一人ひとりが本当にやる気と自信を持って臨んでいただかなければいけないと思います。
 そうした中で、何時間か勉強した中で、これが本当にいいのかなというか、疑問も感じる中で、本来だったらこういうことは問題意識を持って理事会等で検討すべき内容だと思います。そういう意味では、理事会、評議員会を含めて十分にそういう内容について問題意識が持てているのかということも若干足らないかなと私としては思っていますので、こういう意見があったということを含めまして、今後また検討し、どこかの時点できちんとしたご報告というものをしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
○山田[博]委員長 委員長を交代します。
○前田副委員長 委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 私の方から幾つか質問させていただきたいと思います。
 最初に、先ほど各委員から産業振興財団の理事、また、産業振興財団の評議員についていろいろ質問がありました。確認ですけれども、この理事の選出に当たっては、明確な規定がないということでよろしいんですね。それをお答えください。
◎平田産業振興課長 どういう方を選任するかということについての明確な規定はございません。
 先ほど、ご質問がありました件で、今、新しい名簿をお配りさせていただきました。大変申しわけございませんでした。
 親和銀行からも評議員についてはご審議いただくということになっておりました。大変失礼いたしました。
◆山田[博]委員長 それで、産業振興財団の評議員というのは、産業労働部長、そこあたりの仲よしクラブじゃないんですよね。これは長崎県の企業立地をする上の精鋭部隊であって、そこの理事とか評議員は財団を運営するに当たっての核となるものです。その方々の選考ルールというのが明確にされていないと。つまり、たまたまその時の理事長である方が、この人と仲がいいからとか、そんなことで選ばれると困るわけですよ。きちんとしたルールにのっとってやっていただかないと、何のためにやっているのかと。そのもとで働いている職員はたまったものじゃないということになるわけです。仲よしクラブで、あの人が好きで、あの人が嫌いだから、山田博司という職員は声が大きくてやかましいからいじめて追い出せというふうになるかもしれない。だから、私が言っているように明確なルールが必要だと思います。
 なぜこのことを言うかというと、職員の方が働きやすい環境をつくるためには明確なルールをもってやっていかないと、やってられないんじゃないかと私は言っているわけです。ここはきちんと明確なルールをもって、時の理事長が、理事長が悪いという意味じゃないんですよ。理事長は、今は松尾さんです。松尾さんは立派な方で優秀な方、すばらしい人と思っていますけれども、松尾さんが個人的に選んでいるからというふうなことを言っているんじゃないんですよ。明確なルールをもってしておかないと、今、松尾さんがいるから大丈夫だけど、今後の、今から質問しようとしている基金のあり方とか運用の仕方にしても明確なルールにのっとってやっていかないといけないわけだから、そこはきちんとしたルールをもってやっていくということに取り組んでいかないといけないんじゃないかと思いますが、見解を聞かせていただけますか。
◎山田産業労働部長 理事会、評議員会につきましては、産業振興財団の定款に規定がされておりまして、その定款の中で理事会の所掌事務、評議員会の所掌事務というのが決められている中で財団の運営が進められているわけでございます。
 私どもも、産業振興財団の評議員会、理事会も、そういう認識を持って取り組んでおるものと思いますし、恐らくは、今、そういう性質や決定権などを評議員会、理事会が持って、業務運営、財団運営をやっているところでございまして、評議員会や理事会が財団運営のかぎの一環を握っているということは間違いございませんので、今後もしっかりとした方々に理事、評議員に就任していただくことが重要だろうというふうに思っております。
 また、それらのことをシステム化していく、その努力も怠ってはいけないと認識をしております。
◆山田[博]委員長 認識をしているのであれば、これは実務的には産業振興課長がやるでしょうから、企業立地課長、財団の方にちゃんと伝えて一緒に取り組んでもらいたいと思いますが、その点についてどうですか。
◎平田産業振興課長 今の委員長のご意見につきましては、産業振興財団の方にもお伝えをいたしまして協議をいたしてまいりたいと思っております。
◆山田[博]委員長 職員の内訳の資料を出してもらいました。そこの中で、今聞いたら職員の給与というのは、要するに、県の職員の給与に合わせて、賞与はないけれども、大体これぐらいでどうでしょうかということなんでしょう、産業振興課長。要するに、これも給与規定もはっきり言ってあいまいなところがあるわけですか、見解を聞かせてください。
◎平田産業振興課長 まず、プロパー職員については、きちんと給料表がございます。評価によって変動する部分もありますけれども、給料表に基づいて実施されております。
 有期雇用職員につきましては、有期雇用契約に基づく雇用ということになりまして、1年ごとに更新になるんですけれども、その時に月額報酬は幾らという決め方をするということで、それについては前年度の業績の評価などが反映されていくという形になっております。
◆山田[博]委員長 ここでずっと議論になっているのは、この方たちが企業立地ということで最前線で働かれる中で、プロパー職員を採用していないという話がありましたね。採用していないというのは、理由としては、財源というか、予算が大変厳しいということですか。あと、有期職員も1年契約で複数年の契約をしていないということは、はっきり言ってお金がないのか。具体的になんでそういうふうにやっているのか答えてください。
◎平田産業振興課長 もちろんそこは財源的な制約があるということは間違いないと思っております。基本的には財団の職員の人件費については、大半が県からの負担金ないしは補助金で賄われてございます。
◆山田[博]委員長 そうすると、いずれにしても、職員の方々に頑張ってもらって企業誘致をやってもらわないといけないと。そこで、高比良(末)委員長の経済雇用・災害対策特別委員会でも指摘されたように、今回、まだそれが反映されていないわけですね。経済雇用・災害対策特別委員会でも指摘されて、常任委員会でも再度同じ指摘をされているわけですね。これは急を要するわけだから、こういった現状であるということについては、県民の皆さんにとっては驚きですね。要するに、有期雇用職員というのは、働かない人は食うべからずで、メモをとらない人もいると。そういった人はすぐぱっと職員として不適格ということで切るということで、現実的にはそうでしょうけれども、実際、今、職員の方々のやる気をどのようにして起こすかというと、安定した雇用期間、それか高額な報酬、このいずれかだと思うんですよね。短期間でも、有期でも高額な報酬をもらうから頑張る、報酬が少なくても雇用形態が安定しているからやる等、さまざまあると思うんですよ。そういったことも柔軟にいろいろ考えながら、財源が必要であれば、これはしっかりと当委員会において、平成25年度予算も当委員会で審議していくわけですから、それはしっかりと反映していただきたいと思います、遠慮することなく。そうしないとやる気が出ないでしょうから。どうですか、産業労働部長。職員のことを一番聞いているのは産業振興課長とか企業立地課長でしょうから、私の発言を聞いたら、財団の、特に有期雇用職員は拍手喝采を上げるか上げんかは別として、そう思っているんじゃないかと思うんですよ。どうですか、見解を聞かせてください。
◎山田産業労働部長 昨年度の経済雇用・災害対策特別委員会の報告を見てみますと、有期雇用職員については、できるだけ長期的な雇用契約ができないのかというようなご提案をいただいております。
 実際、この件につきましては、単年度の1年契約だけでなく、その方の能力に応じてということにもなりましょうが、例えば2年、3年というような期間を決めた契約は現時点でも大丈夫ではなかろうかと思っております。もちろん、財団の方も、すべての有期雇用職員を全員、長期にしたいというところまでのご意向はないようでございますから、財団の方でこの職員をということで長期的な契約をしたいということであれば、それは現時点でも可能ではなかろうかと思っております。
◆山田[博]委員長 産業労働部長、長期的な雇用を含めて予算的な増額も、平成25年度予算も審議するじゃないですか。11月か9月かに産業振興財団のあり方として、今からまた議論を深めていきますけど、そういったことも含めて協議した結果を出していただきたいと思います、職員の処遇とか。どうですか、6月定例月議会には間に合わないでしょうから、少なくとも9月までに、今から運用の件についても質問しますけれども、そういったことの協議した結果をまとめて提出していただけませんか。どうですか、それは。
◎山田産業労働部長 財団の体制の整備ということで、現在、財団とも意見交換をしておりますので、その成果をできるだけ早く取りまとめて、しかるべき時期に皆さんにも内容を見ていただきたいと思います。
◆山田[博]委員長 次に、運用についてお尋ねしたいと思います。
 平成13年度から平成23年度まで運用を出しているわけですね。この運用というのは、長崎県公金管理運用方針とありますね。この方針の趣旨は、「ペイオフ解禁下で県公金の確実な保管及び効率的な運用を図るため、その管理運用について必要な事項を定める」とあります。この長崎県の公金管理運用方針の中で、公金ですから、適用範囲とか、基本原則、公金運用等の原則とありますが、この中で一番重要なのは安全性の確保ということを基本原則としているんですね。元本の確保を図ることを最優先にするということになっておりますけれども、まずお尋ねしたいことは、産業振興財団は、長崎県の公金だから、この公金管理運用方針に基づいて運用されているか、されていないか、答えていただけますか。
◎平田産業振興課長 私どもの認識といたしましては、産業振興財団の基金については、長崎県公金管理運用方針の対象とはならないというふうに認識をしております。
 この適用範囲については、運用方針そのものにも書いてありますけれども、制度融資の預託金でありますとか、県が保有しています基金に属する現金、企業会計の資金については適用されるわけですけれども、財団の基金といいますのは、県ないしは市町、あるいは企業が出えんという形で拠出をして造成をした基金でございます。財団の基金運用については、公益法人の指導監督基準という国で定められております統一的な基準がございまして、その基準にのっとっての、その範囲内での運用ということになろうかと思っておりまして、県の公金管理運用方針がそのまま適用になるというふうには考えておりません。
◆山田[博]委員長 そうすると、お尋ねしたいのは、財団のお金というのは公金じゃないんですね。長崎県がやっているのは公金じゃないんですね。
◎平田産業振興課長 財団に出捐をした時点では、もちろん公金ですが、財団に基金を積んだ時点では、民法上の法律上のことでいいますと、これは県が財団に対して贈与したことと同じになっておりますので、これについてはあくまでも財団の財産という形になります。
◆山田[博]委員長 財団にあげたので、後は知りませんよと。ではお尋ねしますけれども、長崎県産業振興財団に贈与したので、これは公金ではありませんよと。この運用が、例えば2億円出しましたと、それが1億円になろうが、1,000万円になろうが、それはどうでもいいということになるわけですね、極端に言えば。どうなんですか。
◎平田産業振興課長 その際の財団法人の基金の運用については、先ほど申し上げましたように、国が定めております指導監督基準というのがございまして、その中で基金の運用についても指針が示されております。例えば、最も基本となる基本財産については、元本が確実に回収できる方法でやらなければならないというような規定があるわけですけれども、それ以外の運用財産という部分については、元本が回収できる可能性が高く、かつなるべく高い運用益が得られる方法ということで、具体的な運用指針としては、もちろん、安全確実な方法であることが望ましいけれども、その時々の経済金融情勢にかんがみ、一定のリスクはあるが、高い運用益の得られる可能性のある方法で管理、運用し、公益事業の安定的、積極的な遂行に資することが望まれるというような運用指針もあります。
 ですので、先ほど委員長が言われましたように、これは公金とは違いまして、財団の場合は一定のリスクをとる運用は認められている。ただ、際限なくリスクをとって幾らでも減っていいというわけではありませんので、そこはもちろんおのずと限界があると思いますので、そこについては財団の方も十分認識されていると私どもは考えておりますし、そのことは県としても指導、あるいは監督をしていく役割があると考えております。
◆山田[博]委員長 そしたら、産業振興財団で今までEB債で運用したんですね、仕組債というんですか。平成13年度から資料をいただいていますが、平成13年度からEB債で赤字が出たのか、黒字が出たのか、金額を言っていただけますか。
◎平田産業振興課長 まず、赤字が出た、黒字が出たという考え方ですけれども、運用ということについては。
◆山田[博]委員長 では、運用でその年に元本、例えば1億円預けたとするでしょう、EB債ならEB債で。そしたら、その評価が幾らになって、それが例えば8,000万円だったら2,000万円の運用赤字になるじゃないですか。そういう金額を年々で出してくださいと。
◎平田産業振興課長 それをあらわしているのがお配りしている資料の4でございまして、株式の方で、例えば平成23年度でいきますと、先ほど申しましたように、株式が16億円に対して評価額としては8億円になっていると。これはあくまでも評価額でありまして、この株を今売れば8億円の価値しかないということでありまして、イコール赤字というわけではありません。売ればもちろん赤字になるんですけれども、売らない限りは赤字にならない。裏返して言いますと、国債、県債の方でいいますと、国債、県債は100億円弱の運用額に対して評価額は100億円を超えると、逆に評価増になっているわけですけれども、これも売らなければ出てきません。それぞれ持っている債権については、金利という形で利息が入ってまいりますので、その利息、株式についても配当が入ってまいりますので、その配当、そういうのが現実の収入になるということです。
◆山田[博]委員長 ちょっと見方が、そちらからはっきり言ってもらった方が早いだろうと思って言ったんです。平成18年度は運用額と時価評価額が一緒だったんですね。そうでしょう。平成19年度からがくっと減っているんです。この運用額と時価評価額を累計したら幾らになりますか、ぱっと計算して。私は数字が弱いものだからね。ざっと計算して幾らですか。
 要するに、平成19年度から平成23年度までを計算したら累計は幾らになりますか。運用額と時価評価額はどれだけ違いますか。
◎平田産業振興課長 恐れ入りますが、累計する意味がないんです。つまり毎年毎年、35億円の財産を何の形で持っているかということをあらわしている表でありまして、毎年の運用額そのものとしては、あくまでも額面が32億円、平成20年度は132億円余りですけれども、その額面の運用を毎年毎年ずっと財産として運用しているわけです。
◆山田[博]委員長 産業振興課長、1,000万円、2,000万円だったらまだしも、なんでここまでしないといけないのかと私は言いたいんです。例えば、平成20年度は株式が13億円でしょう。時価評価額が5億円でしょう。そしたら単純に言って8億円も違うんです。8億円も違うところに、なんでそこまでずっとやらないといけないのか。ということは、そこまでしないと財団の職員の給与が払えないんだったら、そこまでリスクを負ってやらなければいけないんだったら、きちんと支援をせんといかんのじゃないかと私は言いたいわけです。財団に対して、そこまでハイリスク・ハイリターンのような運用に任せるということではいかんから。結局は、産業振興財団も職員に対していろんな待遇をしたいけれども、こういうことが現実なんでしょう。だから、そういったことはできるだけさせないようにして、ハイリスク・ハイリターンをしないように、県の方でしっかりとしたらどうかと私は言いたいわけです。こうせざるを得ない状況にあるということを私たちは認識をせんといかんということを私は言いたいわけです、まずは。だから、これがここまでなんでせんといかんかというと、職員の給与をこういった運用をして回さんといかんから、だから、こうせざるを得ない状況と私たちは理解せんといかんということですよ、これは。
 だから、こういうふうにせんでもいいように、しっかりとした財団の支援をせんといかんのじゃないかと私は言いたいわけですよ。部長、何か見解がありますか。
◎平田産業振興課長 すみません。補足して1点だけご説明をさせてください。
 まず、EB債なるものがどういうものかということと、株式が、例えば平成19年度から20年度にかけて一挙に9億円増えているわけですけれども、要するに、ここが実はEB債との関係がございまして、EB債と申しますのは、基本的には満期になれば元金と利息がついて返ってくるんですけれども、ある特定の上場銘柄を指定いたしまして、その株価がその運用期間中、例えば1年なら1年の期間中の間に幾らとあらかじめ設定した金額、何割か下がったぐらいの金額を指定して、株価がその期間中に下回らなければ元金と利息が返ってくる。株価がその設定をした金額を下回れば株の形になって償還されるという種類の債権でございまして、最初から株式で運用するというわけではありません。
 ですから、現時点では株がこれだけの高額の分が引き続き14億円、16億円を持っているというのは、その時に転換した株を、結局、評価が低いものですから、今の時点では売らずに保有をし続けているというのが現状でございます。
 委員長がおっしゃいましたように、これまで一定のリスクをとっての運用ということについては、財団としても財源を確保しなければいけないという要素があったことは事実でございます。監査での意見等も踏まえまして、一定の見直しを一昨年、平成22年度に1度、見直しを行ったところであります。その時に収支改善措置をとりまして、その時の収支の不足額等を前年度の決算をベースにして、基本的にはそういうリスクをとるような運用をしなくても間に合うようにということで計算をして、その時、1,600万円の財源調整をして補助金の振り替えなども行って財源補てんをしたんですけれども、その後にも毎年毎年、運用というのは実際変わってまいりますので、またこれからも実際の財団の運用に必要な額というものについては、毎年、精査をしながら、どういう手当てが必要なのか、あるいは財団として実際の運営上の見直しができる要素があるのかということも含めて両面での検討について引き続きやっていきたいと思っています。
◆山田[博]委員長 はっきり申し上げて、財団は今まで松尾専務に任せっきりで、いろんな精神的負担があったと思いますよ。企業誘致はせんといかん、財団の運営はせんといかん。こういったことのツケが回ったからこうなっているわけですよ。一人の人に任せっきりになっていて、そういうふうなことで現実はこうなってきているわけですよ。
 極端に言うと、産業振興課長、財団の運営というのは、去年は1,300万円の赤字補てんをしたわけでしょう。そしたら今後も引き続き、場合によってはそれが出てくる可能性が大だということでしょう、それは。ハイリスク・ハイリターンの株、景気動向によっていろいろあるわけだから、出てくる可能性も出てくるわけでしょう、収支改善、どうなんですか。
◎平田産業振興課長 当然、毎年得られるであろう配当も見通しは異なりますし、実際、財団の支出としても毎年変動要素があると思います。その辺については引き続き財団とも協議をしながら、どういう措置ができるのかということについては検討していかなければならないと考えております。
◆山田[博]委員長 時間も3時になりますので、副委員長、よけれは15分ほど休憩してやりたいと思うんですけどね。
○前田副委員長 暫時休憩します。
 再開は3時15分からといたします。
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     −午後2時58分 休憩−
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     −午後3時14分 再開−
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○前田副委員長 委員会を再開します。
◆山田[博]委員長 先ほど言った13億円の、例えば平成24年度に13億円の株を買って実際の評価額が5億円になっていると、こういった状況であれば、普通、会社であれば、株式をこれだけ買って、評価損は幾らと出すでしょう。それを産業振興課長は、売らないから評価は出ませんと簡単に言うけど、普通の一般企業だったら株を自分のところで持っていて、実際の額面はこうだけど、実際の評価額はこれだけ損していますよと出すわけだな。
 だから、本来であれば、普通の一般的な発想からすると、これだけの状況であれば今後は差し控えないといけないんじゃないかというふうな考えを普通は持つのじゃないかと私は思うわけです。そういうふうなことをせざるを得ないような状況まで実際に産業振興財団がせざるを得なかったというのは、これは私たちは反省しなければいけないんじゃないかと思っているわけです。
 それで、そこを全く気づかなかったのか、知らなかったのか、まずそれをお尋ねします。
◎平田産業振興課長 大変失礼いたしました。実際、毎年の評価損については、前年度に比べてこれだけの評価損が出ているということは、財団の経理の中でも評価損として出てきております。私が先ほど申し上げたのは、あくまでも実損、現金の収支としての損益ということで申し上げておりましたので誤解を与えてしまいまして大変失礼いたしました。
 財団の基金運用の中身の詳細までは、私ども、正直申し上げて把握はしておりませんでしたけれども、財団の方でこういう高い運用をされているという前提のもとで、県としてはどういう支援をするのかということについては、財団がそういう高い運用をされているという前提があったということは、そういう状態であったろうというふうに考えております。
◆山田[博]委員長 それで単純に計算したら、平成20年度からしても大体8億円、平成21年度で6億円、平成22年度で7億円、平成23年度で8億円ぐらいで、合計して大体30億円近くの、これはずっと足したらと言っているんですよ。そういうふうにならないということはわかっているんですよ。だけど、累積したらそういうふうになるだろうと私は言っているわけです。今、マスコミの方もいないからあえて言ったんだよ。
 いずれにしても、産業振興課長、こういった状況を県としては全く把握していなかったと、知らなかったということは、これはやっぱり松尾専務、今の理事長に任せっきりで、これは反省しないといけないと思いますよ、県としては。そうせざるを得ないような状況であったということで反省しなければいけない。
 では、もっとお尋ねしますけど、この運用をどこに任せていたんですか。証券会社ですか。どういった証券会社なのか。
◎平田産業振興課長 運用をどこに任せておったということではありませんで、例えば、国債なら国債をどこの証券会社から買うのか、あるいはEB債ならEB債、株式を、どこの証券会社を通じて購入するのかということでございます。
 その証券会社については、具体名を申し上げますと、三菱UFJ証券でありますとか、日興コーディアル証券、あるいは前田証券というような証券会社でございます。
◆山田[博]委員長 そこは、誰が、どうやって選ぶわけですか。
◎平田産業振興課長 基本的には財団の考え方といたしまして、証券会社そのものが財団の運営に出資という形で協力をされている証券会社が今申し上げた3社でございます。そこを通じて調達をする。
 では、その中でどこから調達するかということについては、それぞれ提案される商品があります、こういう商品はどうですか、こういう運用のやり方がありますけどと。そこで商品の提案を受けて、産業振興財団の中で、今であれば理事長、専務理事、それから総務のマネージャーというようなことで、基金の運用についての検討委員会というものを設けられておりまして、そこで、その商品で運用するのかどうかという判断をされて、最終的には理事長の決裁で運用については決定をされているというふうに聞いております。
◆山田[博]委員長 その運用を任せているのは検討委員会ですか、その委員会のメンバーをどういうふうにするかとか、その記録というのはちゃんと残っているわけですか。それはどうなんですか。
◎平田産業振興課長 検討委員会については、運用責任者である理事長が委員会の委員は指名するということになっております。先ほど申し上げましたように、現時点では理事長と専務理事と事務局長の3者が検討委員ということになっております。
 これについては、私が見た範囲では議事録というものはございませんけれども、その商品について購入するかどうかということを検討されて、購入することに決定したという記録は残っております。あります。
◆山田[博]委員長 そこの検討委員会のメンバーというのは、きちんとつくっているわけですか、規則に基づいて。私が何を言いたいかというと、規定がなくてなあなあでやっていて、結果的には100条委員会じゃないけれども、すぐいろいろ言われるわけです。
 私は何が言いたいかというと、その時々の職員がおって、いろいろ巻き込まれないようにちゃんと運用規則に基づいてやりましたということにしないといけないだろうと私は言っているわけです。何でもかんでも松尾さんが選んで、何かあったら松尾さんの責任だとなったら、松尾さんがやってられませんよ。
 松尾さんは、今、長崎県のために頑張ろうという意気込みがあって、今回、この委員会をやっているでしょう。別に松尾さん本人について個人的なことをやっているわけじゃないんだけれども、松尾さんの後継者として来る人も、やりましょうという意気込みを持って来る環境をつくっておかないといけないわけですよ。全部が全部、問題があったら理事長の責任ですよ、専務理事の責任ですよということになったら、たまったものじゃない、誰も来ませんよ。そういうことにならないために今のうちに。
 今、はっきり言って長崎県農業振興公社は、職員の職務規程もない、入植者選定の記録もない、あやふやなままでずっとやっていたらいろんな問題が出てきて、あなたがこうしたんじゃないか、ああしたんじゃないかといろいろ言われているわけです。だから、そういうことにならないためにきちんとしないといけないのじゃないかと私は言っているわけです。
 そういうものがあるんですか、ないんですか、お答えください。
◎平田産業振興課長 財団が定めております資産運用規程というのがございます。その中で、例えば預金とか国債以外の商品で運用する場合には検討委員会で協議をして決定するということで定められております。その検討委員会のメンバーについては、運用責任者が任命をするということになっております。
 先ほどの記録につきましては、資産運用についてということで、その時の検討委員会の出席者が誰々ということと、最終的に購入することを決定したという記録が残っております。
◆山田[博]委員長 運用先を決めるのは理事のメンバーでやるんでしょう。理事会の中で理事のメンバーでやるんですか。専務理事とかなんかでやるんでしょう、どうなんですか。
◎平田産業振興課長 理事といいますか、今であれば理事長と専務理事と事務局長。以前は知事が理事長だったんですけれども、運用については、決裁規程の中で専務理事の権限ということになっておりまして、専務理事と事務局長と総務・情報企画グループのゼネラルマネージャーが検討委員会のメンバーになっております。
◆山田[博]委員長 そしたら、当時は理事長であった金子原二郎氏は、どこに運用されているかということは全く知らなかったということなんですね。そうなんですか、お答えください。
◎平田産業振興課長 具体的な運用については、産業振興財団の、先ほど申しました専務理事の決裁のもとで、検討委員会の決定に基づいて行われていたということでございます。
◆山田[博]委員長 そうすると、極端に言うと、当時の理事長が知らずに専務理事がやっていましたよということであって、部長、これは果たしていいのか、悪いのか、どう思われますか。
◎平田産業振興課長 その前に資産運用規程の定めの中で、運用の基本方針としましては、「元本返還への確実性が高い運用を第一義とし、かつ可能な限り高い運用益が得られる方法で運用を行う」ということで、もちろん、元本の確実性が第一義ですが、かつ可能な限り高い運用益が得られる方法で行うという基本方針が資産運用規程で定められております。この規程を定めるに当たっては、当然ながら、理事長も含めたところでの了解を得た上で決められているというふうに聞いております。
◎山田産業労働部長 まず、資産運用規程によりますと、「資産運用の責任者は理事長が指名をし、財団に常勤する者とする」となっております。「財団内に運用責任者を長とする資産運用検討委員会を設置し、運用について協議するものとする」となっておりますので、これは財団内の正式な運用規程に基づいた取り扱いでございますので、正当性があるものと認識しております。
◆山田[博]委員長 そうすると、最終的に、今、これだけの、例えば平成20年度で8億円違うわけですね。会社でいうと、これだけの評価損が出ているわけですね。そうすると、現実的に8億円の穴埋めをしろといった時は、どういうふうになるわけですか、そうなった場合は。
◎山田産業労働部長 株式の額面価格は、基金残高の額になっておるわけでございまして、資料の4を見ていただきますと、平成23年度現在で132億8,265万1,000円となっておりまして、この運用額自体は変更はないわけでございまして、その持っておる株式の評価が下がっておると。それは先ほど産業振興課長が言いましたように、売ればその評価額でしか売れないけれども、持っておれば額面の価格で資産計上がされて、そして、所要の配当があると。そういった配当等の利回りが、ここで見ていただきますと1.6%で、年間、国債、県債、社債、その他株式を含めまして1.6%の利回りで2億1,200万円の運用益を得ているということでございます。これは販売をしたら赤字が出ますが、販売をせずに所持をしておって景気の好転によったら評価額自体も上がる可能性があるということでございます。
◆山田[博]委員長 それは売らなかったらということですけど、評価は評価できちんと出されているわけですね。私の質問は、その穴埋めをせろと言われた時にどういうふうになるかということを答えてもらいたいと言っているわけです。
◎山田産業労働部長 したがいまして、資産の総額としましては132億8,200万円ございまして、現時点で穴埋めをする必要はございませんし、運用も2億1,000万円を超える1.6%の利回りで確保されているということでございます。
◆山田[博]委員長 これは私からすると、部長、答えになってないんだけれども、もういいですよ、答えにくいんでしょうけど。
 極端に言うと、これからもこういったことをやるんですか。株式のこれは今までどおり、出資をしてもらっている証券会社に対して、今までどおり株式をやっていくのか、やっていかないのか、それをお答えください。
◎山田産業労働部長 先ほども産業振興課長の方からお答えしましたけど、今、私と山田(博)委員長の間で2つの争点があるようでございまして、一つは、財団にこういうハイリスクな運用をしなければ運用財源が手当てできないようにしているのはいけないじゃないかということ。もう一つは、資産評価額が落ちているけれども、穴埋めをどうするんだという話、この2つがあります。この2つをきっちり分けて議論をさせていただいた方がわかりやすいと思います。
 まず、ハイリスクの運用をしないでいいような体制となるようにということで、平成21年度の決算をもとにして平成22年度に検討をして、平成23年度の予算に反映をさせておりまして、1,600万円の運用に回せる県からの支援金を予算増資をしたと。そうしましたら平成23年度はそれで1年間、財団を回したわけでございます。平成23年度の決算も出ましたので、その成果を見た上で、では、これでよかったのか、もしくは平成25年度に向けてまた新たな対策を打つのかということについては、今年度中に検討しようという取り決めになっておりますので、今年度、そこはしっかりと検討させていただくというのが一つでございます。
 もう一つの評価が落ちているけれども、穴埋めをするということになったらどうするのかということにつきましては、先ほど申し上げましたとおりで、資産としてはございますので、販売しなければ穴埋めをする必要はないと。この販売をしないことでどんな、株式をたくさん保有していることでどんなデメリットがあるのかと言えば、資産の保有形態を変えられないというところでございます、株式で持っておかなければいけないわけですから。そこがございますけれども、配当金はちょうだいしているわけでございますので、現在のやり方でやっていくことになるのかなと思っております。
◆山田[博]委員長 今後は、こういったハイリスクな運用をしないでもいいようにやってもらいたいと。実際、株式を持っている分を、もうやめようとなった場合は、評価損が出てきて大変なことになるし、もう持たざるを得ない状況だと、正直言って、そういうふうになるんじゃないかと。今、持っているんでしょう、これ、実際に。これを持たないようにするとなると、今の状態では大幅な赤字が出てくるわけだから。今の状態で維持しなければいけないということになるわけですね。しかし、今後はもうそういったことをせんでいいように、それは産業労働部長、産業振興課長、企業立地課長、今からそれを協議していくということであればやっていただきたいと思うんですよ。
 これは、先ほどの理事の選定、株式、国債、県債、社債をどこで買うかということをルールに基づいて行い、きちんと議事録を残して透明化を図って、100条委員会とかなんかが起きないとも限りませんからね、ささいなことで疑われてもたまったものじゃないから、そういったことをしっかりやっていただきたいと思うんですよ。そういったことをぜひこれからやっていただきたいと思います。それと職員の処遇改善もしっかりやっていただきたいと思います。
 話が戻りますが、理事の名簿を見たら、現在だけでも、これは産業振興財団の理事長が決めているんでしょう、先ほどの話では。理事長が理事を、この人がいいだろうということで選んでいるということでしょう。そういうことでしょう、現段階では、どうですか、お答えください。
◎平田産業振興課長 理事長が選んでいると言うとちょっと語弊があるかと思いますけれども、そこは専務理事以下を含めた職員の中で候補者を立てて、最終的に理事については評議員会に諮って決定をするということでございます。
◆山田[博]委員長 評議員会も、要するに同じ人が選ぶんでしょう。評議員会のメンバーも理事長が選んで、そのたたき台を理事会にかけるわけでしょう。要するに、結局、同じ人が理事と評議員のメンバーを選んでいるということでしょう。そういったことで理解していいんですね。確認です。
◎平田産業振興課長 はい。流れとしてはそういうことになります。
◆山田[博]委員長 それで、この理事、評議員のルール化とか、先ほどの運用のあり方とか、財団といろいろ協議して、それは当委員会に1度出していただきたいと思います、こういうふうな方針でやりたいということを。それはどうですか、産業労働部長。そこでお互いに議会と議論をして、議会は予算を出す方だから。そうすると、議会にも一定の責任があるわけです。議会で審議して、理事の選び方とか、評議員の選び方とか、運用をどうするか、規程をどうするかと。ただ単に県と財団だけに責任を負わせるんじゃなくて、議会に出せば、議会もある一定の責任があるわけだから、こうした方がいいんじゃないかとか、いろいろお互いに議論していいものをつくっていくべきじゃないかと私は思うわけでございますが、見解を聞かせてください。
◎山田産業労働部長 理事の選任方法、評議員の選任方法については、財団の理事長、専務理事等としっかりと協議をしたいと思います。
◆山田[博]委員長 そのようにやっていただきたいと思います。何度も言いますけど、私は、今の松尾理事長、一生懸命やっている職員の皆さん方がしやすい財団の運営のあり方、職員の方も企業誘致に専念してやっていただけるような、ほかの分野もそうですけど。それで、後からでも、財団に私も入れてくださいとか、極端に言うと、他県の市町村からも長崎県の産業振興財団でぜひ働かせてくださいとか、研修させてくださいとか、それぐらい言われるような財団になってもらいたいというのが私の本音なんです。今回はそういう思いもあって委員の皆さん方にご理解いただいて産業振興財団の集中審査をさせていただいたということをご理解いただければと思います。ほかの委員の皆さん方も質問があるでしょうから、私の質問は一旦終わります。
○前田副委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
◆中島[廣]委員 私はただ一言、今までいろんな議論を聞いてお願いしたいのは、県と産業労働部と産業振興財団とよく話をして。ただ、あそこは本当に民間的な発想でやられているんだから、そこを損なわないように、本当に民間企業的なことでやっておられるんだから、あまり窮屈にならんように、これだけは注意してやってくださいよ。それだけお願いしておきます。
◆高見委員 基金のところ、運用実績のところ、平成19年度から平成20年度に、基金は計の額でしょうからね。100億円増えているんですよね。このいきさつについてお伺いいたします。
◎平田産業振興課長 まず、平成20年度に70億円のナガサキ型新産業創造ファンド、これは新商品開発ですとか販路拡大を支援するファンドです。それと、地場企業支援ファンドということで、これは地場企業さんの人材確保ですとか設備投資に対する支援を行うための基金を30億円、合わせて100億円の基金を新たに造成いたしております。その分で丸々100億円増加しているということでございます。
◆高見委員 わかりました。
 問題なのは、この運用益をどういうふうに使われているのかなという疑問が残るんですよね。というか、一番最初にベンチャーキャピタルの2億円をなんでこれから出さないのかと言ったら、これは出せないんですよという話で、では、これは何に使われているのかなと。就業規則があって、給料がどうだこうだということがありますけど、その金はどこから持ってくるのかなとか、要するに、マネーの回り方というのが全然見えてこない。今まで業務内容を中心に質問があったものですから、その辺がわからないので、運用益についてどういうふうな使われ方をされているのか。
◎平田産業振興課長 財団では、基金の運用益を使って幾つかの助成事業を初めとした事業をされております。例えば、海洋の技術開発に対する支援、それから、連携して販路拡大に取り組む企業に対する助成制度など、基金の運用益を活用した助成金。先ほど、100億ファンドの話をしましたけれども、それ以外の基金についても、そういうような助成事業をされております。
 それと、例えば情報関係の支援等で、例えば人件費の一部に充てたりとか、そういうような事業の中での使用という形になっております。
◆高見委員 ということは、運用益を発生させないと、産業振興財団の役割というのも十分に発揮されないということになるわけですね。であるとすれば、先ほど来、どういう運用をするのかという決定、責任が重くなるなと思います。それぞれリスクを含めて考えられながらやられて、現在まで運用益を出されていますから安心はしているんですけれども、ただ、常勤の3名の方は大変大きな責任があられると思います。新しい情報といいましょうか、正確な情報を迅速に仕入れることが決定、判断を的確にするということでありましょうから、そういう意味では基金を引き上げるという話ではなく、しっかりと運用益を生じられるような体制で今後頑張っていただきたいということをお願いしたいと思います。
 以上です。
◆前田副委員長 今までお金の話ばっかりになっているのであれですけど、収支の状況の資料を見せてもらわないと何とも言えないなと思って見ているんですけれども、出せる資料が今ありますか。全くもって収入もわからないし、どう使っているかもわからないし、集中審査であるならばそこを出してもらわないと。
○山田[博]委員長 しばらく休憩します。
 4時から再開します。
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     −午後3時42分 休憩−
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     −午後4時1分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 前田副委員長から請求された資料について説明してください。
◎平田産業振興課長 字が小さくて大変申しわけないんですけれども、平成22年度の収支計算書でございます。
 まず、事業活動の中の収入ということで筆頭に上がっておりますのが基本財産の受取利息収入及び基金の運用収入ということで、それぞれ330万円でありますとか1億8,600万円という、これがいわゆる基金を運用することによる利息の収入ということになります。
 それともう一つ、運用の収入としては3枚目をめくっていただきまして、そこの投資活動収入のA固定資産売却収入という欄があります。そこに投資有価証券売却益という数字で2,850万円程度が上がっております。この3本がいわゆる運用益、クーポンと、一部の債権については、値上がりした分で売って利益を確定するという行為が行われておりますので、その3本を足しますと、先ほどの表に上げております、資料4に書いております運用益の2億1,830万円ということになります。
 それと、基金の運用収入は、一番最初の紙ですが、基金運用収入の右側の欄を見ていただきますと、それぞれどの事業にその収入が振り分けられているかということになっております。例えば、さっき言いました100億円ファンド、地場企業の支援ファンドですとか、70億円のファンド等は、地場企業支援事業会計ですとか、スタートアップ応援事業会計というところに振り分けられている。あるいはほかの30数億円の基金の運用益については、情報化であったり起業創出、いわゆるベンチャー支援の一部、研究開発の事業会計、海洋技術振興事業会計というところに運用益は当たっているということです。
 さらに、同じ収入の欄の真ん中あたりですが、補助金収入というところがございます。ここに国庫の補助金、あるいは県からの補助金、平成22年度でいいますと、県の補助金が3億4,000万円、加えまして、その下のF委託料収入のところに県の委託料収入ということで1,290万円。それと、Gの負担金収入の中に県負担金収入として、これは企業誘致に対する負担金ですけれども、8,196万円というような額、これが県からの拠出ということです。
 H償還金・保証金というのは、財団が行っております設備リース事業ですとか譲渡事業とか、そういう分の償還金、貸した分のお金が返ってきているというような収入であります。
 基本的には@からGの収入が事業の財源ということからしますと、先ほど申しましたように、大半は県ないし国からの負担金ないし補助金というのが財源の多くになっているということでございます。
 それと、次のページが支出ですけれども、支出の多くは@事業費支出、A管理費支出ということで、事業費の分、管理費の分ということで書いておりますけれども、それぞれ中身を見ていただいたらわかりますように、最も大きいのは給料、手当の人件費の分が最も大きな支出ということになっております。管理費についても、事業費についてもそういうことになっております。
 Bにつきましては、金融事業の出入りになりますので、財団の収支そのものには大きくは影響ございません。
 続きまして、3枚目ですが、そういういろいろな収入や支出がありまして、一番下に欄外に収入総額13億6,800万円、支出総額13億6,800万円で、当期収支差額はゼロ円ということになっておりますけれども、同じページの一番上の特定資産取崩収入というところの上から3つ目に体制整備準備金特定預金取崩収入という欄がございます。ここに平成22年度決算で2,852万8,000円という数字が上がっておりますけれども、いわゆるこれが財団が持っております貯金、例えば、県でいえば財政調整基金みたいなものですけれども、そういう貯金の取り崩しということで、この2,800万円を取り崩すことによって収支はゼロになっているということですので、平成22年度においては実質上の収支の赤字というのは、この2,800万円であったというふうに我々としては理解をしています。これについては先ほど申しましたように、平成22年度に一定の見直しをして、平成23年度に先ほど言いましたように1,600万円の手を打ちましたが、この2,800万円もずっと続くという赤字だけではなくて、中には一時的なものというのがありますので、丸々がずっと継続するわけではないんですけれども、さらに今回、平成23年度の決算も出ましたので、ここの部分の中身を再度精査をして、来年度以降、どういう手当てなり対策が必要なのかということを引き続き検討していきたいということでございます。
 以上です。
◆前田副委員長 質疑の中で、運用益を出すために、そこまで高いリスクを背負ってやるのかというようなことだったと思うんですよ。その中で、そこは是正していきたいというか、見直していきたいという話が出ていましたね。それが出た後に、かといって運用益が出ないと各種事業ができないんだというやりとりだと私は聞いたものですから、全体的な収支を見せてほしいということで出してもらって、大変だったと思います、ありがとうございます。
 ただ、今の説明を聞くと、運用益が出ているところには、例えば地場企業の支援事業であったり、スタートアップ応援事業であったり、それぞれ充てられていますね。ということは、やはり個々の細かいところは別としても、運用益を出していかないと各種の事業がやれないというような理解をしていいんですか、しなければいけないんですか、そこだけ確認いたします。
◎平田産業振興課長 その基金を使った事業そのものは、運用益によって大きくなったり小さくなったりという面があることは事実です。運用益の中で執行するという部分がありますので。
◆前田副委員長 地場企業を育成するという意味において、運用益の出方によって出せるお金が、要は、財布の中身が毎年それで違ってくるんですよという話なんでしょうけれども、果たして、継続的に各種事業をすそ野広く支援する際に、そういう財源の拠出の仕方というか、確保の仕方というのは、果たして適正というか、望ましいということでやらざるを得ないということですか。そこも含めて検討するということで今答弁が出ているんですか。
◎平田産業振興課長 基金事業として、例えばここまで確保しなければいけないという最低限の部分については、それを確保するためにどうするかという部分はあると思っております。ただ、かつてのように、例えばEB債のようなもので大量に運用しなくても現時点でも一定程度の利益は上げられております。
 先ほど言いましたように、その一定程度の事業はもちろん確保しなければいけないと思っておりますけれども、それ以上を超える部分については、やはり運用益によって変動する部分があるだろうと思っております。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質疑がないようですので、本件についての審査は終了いたします。
 それでは、産業振興財団の運営に関する審査結果について整理したいと思いますので、しばらく休憩します。
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     −午後4時12分 休憩−
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     −午後4時13分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 当委員会における産業振興財団の運営については、内容は正副委員長に一任ということでよろしいでしょうか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 それでは、これをもちまして産業労働部関係の審査を終了いたします。
 本日の審査は、これにてとどめ、明日は午前10時より水産部関係の審査を行いますのでよろしくお願いします。
 どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。
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     −午後4時14分 散会−
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