平成24年  2月定例会 農水経済委員会 - 03月07日−02号

平成24年  2月定例会 農水経済委員会

1、開催年月日時刻及び場所
  平成24年3月7日
       自  午前10時0分
       至  午後4時50分
       於  議会会議室
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2、出席委員の氏名
    委員長(分科会長) 山田博司君
    委員        加藤寛治君
     〃        馬込 彰君
     〃        野本三雄君
     〃        溝口芙美雄君
     〃        高比良末男君
     〃        中島廣義君
     〃        徳永達也君
     〃        陣内八郎君
     〃        高見 健君
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3、欠席委員の氏名
    副委員長(副会長) 前田哲也君
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4、委員外出席議員の氏名
     なし
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5、県側出席者の氏名
    水産部長            野口市太郎君
    水産部政策監          荒川敏久君
    水産部参事監          本田耕一君
    漁政課長            冨永房利君
    資源管理課長          柳村智彦君
    漁業取締室長          長嶋寛治君
    水産振興課長          五島愼一君
    水産加工・流通室長       山田芳則君
    漁港漁場課長          壱岐雅夫君
    総合水産試験場長        田添 伸君
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8、審査の経過次のとおり
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     −午前10時0分 開議−
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○山田[博]委員長 おはようございます。
 ただいまから、農水経済委員会及び予算特別委員会農水経済分科会を再開いたします。
 なお、前田副委員長兼副会長から本日も欠席する旨の届けが出ておりますので、ご了承をお願いしたいと思います。
 したがいまして、大変申しわけございませんが、本日も野本三雄委員に仮委員長をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 これより、水産部関係の審査を行います。
○山田[博]分科会長 まず、分科会による審査を行います。
 予算議案を議題といたします。
 水産部長より、予算議案の説明をお願いいたします。
◎野口水産部長 水産部関係の議案についてご説明いたします。
 予算特別委員会農水経済分科会関係議案説明資料の水産部をお開きください。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第1号議案「平成24年度長崎県一般会計予算」のうち関係部分、第6号議案「平成24年度長崎県沿岸漁業改善資金特別会計予算」、第9号議案「平成24年度長崎県長崎魚市場特別会計予算」、第13号議案「平成24年度長崎県港湾整備事業会計予算」のうち関係部分、第65号議案「平成23年度長崎県一般会計補正予算(第6号)」のうち関係部分、第68号議案「平成23年度長崎県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算(第1号)」、第73号議案「平成23年度長崎県港湾整備事業会計補正予算(第4号)」のうち関係部分であります。
 議案の説明に先立ちまして、直面する水産行政の課題及び今後の取組についてご説明申し上げます。
 本県の水産業は、造船、漁業資材、流通及び加工等の幅広い関連産業を支え、特に離島部においては、地域の経済・社会の維持に大きな役割を担う重要な基幹産業であります。しかしながら、生産量、生産額は、ピーク時に比べ大きく減少し、魚価の低迷、漁場環境の変化に加え、就業者の減少や高齢化、さらに、燃油等の価格高騰が加わり、漁家経営を圧迫しております。
 このような中、県におきましては、今年度スタートした長崎県水産業振興基本計画の基本理念である、「力強く豊かな水産業を育てる〜もうかる水産業をめざして〜」のもと、平成23年度から実施されている国の資源管理・漁業所得補償制度の積極的な推進を図るとともに、自主的な資源管理に取り組み、計画的に経営安定策や生産性向上を図る長崎認定漁業者への直接支援や、養殖業における収益性の高い安定した経営体づくりのため、新魚種の養殖技術の確立や、クロマグロの完全養殖に向けた取組等を推進しております。
 また、新たな加工技術を活用した水産加工業の育成や、震災後、一時中断していた中国への鮮魚輸出など、東アジアへの水産物輸出の促進を図るとともに、漁家師弟や新規参入者の着業支援により、意欲ある漁業者の育成に取り組んでおります。
 平成24年度当初予算におきましては、これらの施策のより効果ある展開を図るとともに、本県水産業の将来を見据え、水産業の維持発展のため緊急に解決すべき課題等に対し、新たな事業を立ち上げるとともに、必要な予算を計上いたしました。その主な内容といたしましては、今年度策定した長崎県水産物販売戦略に基づき、生産者、流通関係者、行政等が一体となって、これまでの生産に重点を置いた取り組みに加えて、総合的な流通販売対策を強化いたします。
 加えて、今後の養殖業の生産拡大と新規参入を促進するため、2年後をめどに陸上養殖振興プランを策定することとしており、来年度から新技術及び自然エネルギー等を利用した低コスト陸上養殖システムの開発等を進めてまいります。
 また、中国、上海での積極的なPRや中国全域への物流体制の構築、北京を新たな情報発信基地とするなど、アジア・国際戦略と連動して本県水産物の販路拡大に向けた取組を進めてまいります。
 さらに、漁村に蓄積された豊富な知恵、技術等を若い漁業者等が体系立てて習得する機会を創出し、水産業と漁村を担う人材の確保・育成を推進いたします。
 このような取組を通じ水産業の振興を図ってまいりたいと考えておりますので、委員各位のご理解とご指導を賜りますようお願いいたします。
 次に、平成24年度長崎県一般会計予算のうち関係部分の歳入歳出予算、当初予算の主な内容並びに債務負担行為については、それぞれ記載のとおりであります。
 次に、平成24年度長崎県沿岸漁業改善資金特別会計予算、平成24年度長崎県長崎魚市場特別会計予算、平成24年度長崎県港湾整備事業会計予算の歳入歳出予算は、それぞれ記載のとおりであります。
 次に、平成23年度一般会計補正予算のうち関係部分の歳入歳出予算、補正予算の主な内容、繰越明許費並びに債務負担行為については、それぞれ記載のとおりであります。
 次に、平成23年度長崎県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算、平成23年度長崎県港湾整備事業会計補正予算の歳入歳出予算は、それぞれ記載のとおりであります。
 なお、平成23年度一般会計補正予算で計上いたしております県栽培漁業センター施設整備費及び繰越明許費については、補足説明資料を配付させていただいております。
 最後に、平成23年度予算につきましては、今議会に補正をお願いいたしておりますが、国庫補助金等になお未確定のものがあり、また、歳出面でも年間の執行額確定に伴い整理を要するものがあります。
 したがいまして、これらの調整、整理を行うため、3月末をもって平成23年度予算の補正について専決処分により措置させていただきたいと考えておりますので、あらかじめご了承賜りますようお願いいたします。
 以上をもちまして、水産部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
○山田[博]分科会長 次に、補足説明を漁政課長及び資源管理課長からお願いいたします。
◎冨永漁政課長 繰越明許費について補足してご説明いたします。
 資料につきましては、表紙に「繰越事業理由別調書」を配付させていただいております。
 まず、1ページをお開きください。中段の表、「事業別(補正前・補正後)」でございますが、前回、11月定例会までに繰越明許費として3つの事業、29億9,797万2,000円を議決いただいておりましたが、本2月定例会において追加計上させていただき、水産部の繰越明許費は、補正後で53億6,063万円でございます。なお、下方欄外には、昨年度同じく2月定例会に計上いたしました繰越承認額を記載しておりますが、比較すると、件数で13件、金額で11億5,620万円の減となっております。
 次に、繰越理由についてご説明いたします。
 まず、@事業決定の遅れは、この後、補足説明いたしますけれども、栽培漁業センターの施設を国の4次補正予算を活用して整備するものなどで6件、10億4,068万5,000円、繰越全体のうち件数で10.7%、金額では19.4%を占めております。この中には東日本大震災における内示留保分の5%が11月上旬に内示され、その後の発注となったことから繰越となったものもございます。
 次に、A計画、設計及び工法の変更による遅れでございますが、これは長崎漁港の高度衛生管理の導入に当たり、国及び長崎魚市場関係者との計画、工法についての協議に時間を要したもので、40件、31億4,879万3,000円、件数で71.4%、金額では58.7%を占めております。
 なお、この中には事業進捗を図るために執行残額を活用し、継続事業の翌年度施行箇所の前倒し発注を行ったものがございます。
 次に、B用地補償交渉の遅れでございますが、これは用地交渉に不測の日数を要しているもので、2件、2億9,250万円、件数で3.6%、金額では5.5%を占めております。
 最後のC地元の調整に日時を要したものでございますが、これは施工時期などについて地元との調整に不測の日数を要しているもので、8件、8億7,865万2,000円、件数で14.3%、金額では16.4%を占めております。
 2ページをお開きください。繰越明許費事業別内訳として、所管課ごと、繰越事業ごとに、県予算額、繰越額及び繰越の理由別に箇所等をまとめております。
 まず、資源管理課関係の栽培漁業センター事業費につきましては、補正でございますが、繰越額5億5,000万円で、栽培漁業センター施設整備費1件でございます。
 次に、水産振興課関係の水産経営構造改善事業費につきましては、繰越額1,762万5,000円で、漁業経営構造改善事業費1件でございます。
 次に、漁港漁場課関係のうち、まず、漁場水産基盤整備費につきましては、繰越額9億8,583万3,000円で、生月地区漁村再生交付金工事ほか8件でございます。
 3ページに移ります。同じく漁港漁場課関係のうち県営漁港水産基盤整備費につきましては、繰越額32億2,364万5,000円で、小値賀地区水産生産基盤整備工事ほか18件でございます。
 4ページをお開きください。市町村営漁港水産基盤整備事業費につきましては、繰越額5億8,352万7,000円で、阿連漁港水産生産基盤整備事業ほか25件でございます。
 なお、5ページには漁港漁場課関係の合計額をお示ししております。
 今後も、事業の執行管理に努め、繰越額の縮減に努めてまいります。
 また、繰越を予定している事業の早期完成に向けて最大限に努力してまいりたいと存じます。
 以上でございます。よろしくご審議賜りますようお願いいたします。
◎柳村資源管理課長 お手元の資料2に基づいてご説明をさせていただきます。横長1枚の資料でございます。
 国の第4次補正を活用いたしまして2月補正予算で計上いたしました県栽培漁業センター施設整備費について、補足してご説明を申し上げます。
 まず、県栽培漁業センターの現状でございますが、当センターは、昭和53年に佐世保市小佐々町に開設されて以来、重要魚介類の放流用種苗を大量かつ安定的に供給する役割等を担い、また、漁業者の要望に応えるため、新魚種の導入等を行ってまいりました。
 課題といたしましては、昭和53年建設ですので、多くの施設が耐用年数を超過しております。施設の老朽化が進んでいること、構造面からも多くの魚種を一括して効率的生産を行うことが厳しいこと。さらに、毎年の補修費がかさみ、効率的な生産が困難で、生産コストの削減もままならないという状況にありますことから、施設整備が不可欠となっております。
 都道府県への種苗生産施設の国の支援ということにつきましては、左下の表に示しておりますが、去る2月8日に成立いたしました国の第4次補正予算において、水産業再生への対応といたしまして、新たにこうした栽培施設への補助の予算措置が図られたところでございます。
 また、同時に都道府県の負担分につきましても、地方債の充当率や後年度の元利償還金の交付税算入率の引き上げ、こうしたものにより財政措置が講じられることから、これを好機として既存施設の撤去も含めて5億5,000万円の施設整備を行おうとするものです。
 施設整備の基本的な考え方は、老朽化した施設や魚種の変化、生産技術の変化により使い勝手の悪くなった施設を、オニオコゼ、ウニ、ナマコ、こうした需要の高い魚種の生産に適した施設に建てかえることによりまして種苗生産の効率化を目指すものでございます。
 今後とも、栽培漁業を計画的、効率的に推進するため、当センターの機能を維持・向上させ、良質な放流用種苗を安定的に生産供給し、種苗放流による重要な水産資源の維持回復に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。
○山田[博]分科会長 ありがとうございました。
 以上で説明が終わりましたので、これより予算議案に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
◆高比良[末]委員 それでは、横長の資料に基づいて質問いたします。結構ありますので、よろしくお願いします。
 まず、8ページ、生産物売払収入として1億4,000万円計上しておりますが、これはどういう内容なんでしょうか。
◎柳村資源管理課長 これは、ただいま申し上げました県の栽培漁業センターに県費で2億1,000万円程度の生産を委託しております。この委託した魚は、大体4割ぐらいを一般財源をつけて6割ぐらいの原価で漁業者に売る格好になっております。この1億4,000万円は、センターに委託した種苗を県内の漁協、漁業者が買い上げる売払収入でございます。
 以上です。
◆高比良[末]委員 次に、10ページに歳入で農林水産業費国庫負担金として、今回、10億円ぐらいの減ですね。内容説明のところに水産業費負担金及び後進地域特例法補助率差額金と書いてありますが、ちょっと意味がわかりませんので、前年度と10億円違う理由と、そこに差額金と書いている内容の説明をお願いします。
◎本田水産部参事監 国庫支出金でございますけれども、まず、国庫負担金そのものにつきましては、国の補助事業、あるいは交付金事業等を活用して水産基盤整備、漁港でありますとか、漁場の整備の事業を行うための予算を組むための収入の内訳の中身ということになっております。
 10億円減っている部分につきましては、一部の漁港事業、あるいは漁場事業につきましては、いろいろな事業がございます。毎年度、事業の中身が変わってきますけれども、今回の場合は、例えば、県が事業主体になる事業が減って、市町が事業主体になる事業が多くなったりとか、あるいは離島にある事業が減って、本土にある事業が増えるということで、それに伴って国の補助事業の補助率が変わってきますので、事業費に対して国の負担金が変わってきます。この関係で一部、事業費が、国の負担金が、今回、ここの分に入っているというのが計上されております。
 その反面、次の11ページ、2の国庫補助金というのがありますが、これも同じ公共事業を行うための補助金ですけれども、また別の事業の補助事業の補助金については、こちらに計上させていただいております。
 先ほど申しましたように、いろいろな事業の中で逆に増えている部分がございまして、それについてはこちらの方で本年度、約8億円増えているというような形で計上いたしております。
 毎年度、事業が変わりますので、その分で負担金として計上している部分が減ったり、補助金と記載している部分が減ったり増えたりというような形で変動しているというような実情になっております。
 それから、後進地域特例法補助率差額でございますが、これは、各都道府県におきましては財政力に違いがございます。法律に基づきまして、財政力の弱いところにつきましては、その弱さに応じまして国から補助事業をやった分の大きさに応じまして、一部、国から交付金をいただけるということで、これが補助率差額というふうな名称で計上させていただいております。これが歳入ということで一部含まれているということでございます。
 以上です。
◆高比良[末]委員 わかりました。
 次、22ページに密漁取締連携強化事業費、漁業者自らが行う漁業監視体制の拡充強化等に要する経費、これは補助しているんでしょうが、3,483万3,000円、どういう根拠でこれだけの金を出しているのかについてお聞かせください。
◎長嶋漁業取締室長 この補助金につきましては、県内13海区で漁業者自らが漁場監視連絡協議会という協議会を立ち上げておりまして、この協議会に対する補助金ということでございます。
 内容につきましては、監視活動に伴います用船料、それから燃油代、こういうものが補助対象となっておりまして、補助率といたしまして3分の1を県から交付しているということでございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 その下に悪質漁業違反に対する夜間取締体制の整備及び効果的な夜間取締に要する経費とありますが、これは今言われた協議会ということで理解していいですか。
◎長嶋漁業取締室長 悪質漁業違反夜間取締対策事業につきましては、先ほどの漁場監視連絡協議会と連携して行う事業でございますけれども、その内容といたしましては、今、違反操業の7割から8割が夜間に発生しているという実態がございまして、これを漁業取締船だけでは効果的な取り締まりができないということで、夜間、セスナを飛ばしたり、車を借り上げて内偵作業をしたりするための使用料が主な内容でございます。夜間に取締室の職員が活動する関係経費という事業内容になっております。
◆高比良[末]委員 次は、23ページ、ライフジャケット着用推進事業費、漁協女性部等が取り組む漁船の海難事故防止対策事業費の支援に要する経費と。ライフジャケットの着用推進事業で漁協の女性部がそういう対策をやっているんですか。
◎柳村資源管理課長 実は、このライフジャケット着用というのは、1人乗りとか2人乗りの漁船、小型船からの転落、衝突、それから転覆、こうしたもので毎年、死亡、行方不明が多発しております。我々は、口酸っぱくライフジャケットを着用してくださいという話をするんですが、なかなか着用率が上がっていないという状況にございます。海上保安部さんあたりともよく話す中で、奥様とかお嬢様とか、そういう漁業者の身内、親戚、そういう女性の方々からの声でつけるというのが効果が非常に大きいということがございまして、今年度来、漁協の女性部の方々といろんな協議をしております。
 その中で、この事業は、できれば女性部、それから漁協の青壮年部、こういう方々を中心に海難防止の講習会をやる。それから、一番効果的なのは、ライフジャケットをつけて落ちる、落ちると、いわゆる苦しいというのがわかって着用率が上がるという他県での事例もございますので、そういうライフジャケットを着用して実地にやるような講習会を各地でやっていただきたいということでここに掲げております。
 ただいま、漁連とか女性を所管する信漁連さんといろいろ話をしておりまして、ライフジャケットの着用率の向上をとにかく目指していきたいという事業でございます。
 以上です。
◆高比良[末]委員 目的はわかりましたけど、何にこの500万円の金を使うのかという説明がないけど。
◎柳村資源管理課長 1点は、先ほど申しましたライフジャケットを付けて転落実習をします。そうするとライフジャケットのボンベが1回ごとに全部消耗してしまいます。ライフジャケットを膨らませるガスボンベがライフジャケットの中に入っているんですね。そういうライフジャケットのガスボンベの交換費とか、そういうものが1回あたり1万円とか5,000円とかかかります。県内各地域で、例えば15地域とか20地域、20名ぐらいずつ、そういう水中に飛び込むことをやっていただく。それからライフジャケットそのものも15着とか10着、購入をしていただこうと考えております。これを全額県費ではなくて地元と半分ずつの助成率でもってこういう事業を推進していこうと考えております。
 以上です。
◆高比良[末]委員 次は、いろいろ魚礁の設置とか県営漁港整備とか、いろいろな整備がありますね。後で一覧にして、どこどこ漁協ほか何箇所とか書いてあるのが結構あるんですよね。例えば、水産生産基盤整備費とか機能保全事業費とかで、説明欄に本土2港とか離島7港とか書いてあります。これはほかに補足資料が出ていましたかね。あるんでしょう、どこどこを平成24年度は工事をしますとか、機能を整備しますとか、この箇所づけの資料を後で結構ですので出していただけますか、もう一々は聞きませんので。
 それで、30ページから31ページに、職員給与をずっと10人ずつ書いているのは、どういう意味ですか。例えば30ページ、「漁港漁場課及び関係地方機関の職員給与費(37人)」と書いてあって、その下には10人、次のページにもこう書いていますよね。これは地方機関の、例えば水産環境整備費と、これは地方機関に何かあるんですか。その辺、見づらいものですから、職員のこれを挙げているのが。
◎壱岐漁港漁場課長 漁港漁場課の職員の給与ということですが、この分につきましては、いろいろ補助事業で事業をやっておりまして、その分を全体の案分でやっております。その分の比率案分で地方機関の職員も漁港の職員がおりますので、その分の給与を部門ごとに掲載しているという状況でございます。公共事業の事務費の支弁でやっているということです。
○山田[博]分科会長 ほかにありませんか。
◆陣内委員 説明資料では3ページ、横長の資料では14ページになりますけれども、日中・日韓水産関係交流促進事業について具体的にお聞きしたいんですが、これは毎年やっているのか、年に何回やるとか、どこでやるとか、そういう説明が全くわからないので、それをまずお聞きしたい。
 そして、交流促進ですから、とりわけ資源管理についての意見交換というのがあります。そういう意味では違法操業も含めて領海侵犯で事件が起こっている、そういった点についての話し合いもこの場でなされているのか、そこもお知らせいただきたいと思います。
◎冨永漁政課長 日中・日韓水産関係交流促進事業につきましては、大きく4つの事業に分かれております。
 まず、県内の市町、関係団体と一緒になって日中・日韓の水産関係の交流を促進していこうという協議会がございます。この事業に事務費が13万5,000円。
 それから、実質的な交流でございますが、韓国とは日韓海峡沿岸県市道水産関係交流事業というものを行っておりまして、韓国側の1市3道、日本側は九州北部3県と山口県が交流を行っております。これにつきましては相互に訪問、種苗放流、あるいは協議会、漁業者の交流といった事業で、平成24年度は韓国を訪問するという計画でございます。
 次に、福建省との関係につきましては、昭和60年から水産関係の交流をしておりまして、行政関係が主体でございますけれども、相互に行き来をしております。平成24年度は受け入れるという形で、福建省に我々が行って、来年は福建省の方がこちらに来るという関係で、この予算が111万6,000円でございます。当然、福建省、それから次にご説明します浙江省とも、日韓ともそうですけれども、同じ東シナ海を漁場にしている3ヶ国、関係する地方行政機関ですので、資源管理については、十分に協議を行っておりますし、一緒になって韓国とは種苗放流も行い、漁業者の認識も深めていこうという事業でございます。
 それから、浙江省につきましては、平成12年度から、これも同じようにお互いに交流を行っております。新年度は、我々、水産関係の行政関係者が浙江省にお邪魔するという事業で、予算的には201万7,000円、以上合計して542万9,000円という事業でございます。
 資源管理の一環として、当然、違反操業についてもいろんなお話をしておりますし、日中・日韓漁業協定がございますので、その中で資源管理の精神のもとにお互いきちんと操業しましょうという話は、会議をするたびに話し合っております。
 以上でございます。
◆陣内委員 その効果というのは着実に出てきているわけでしょうね。そういった会議、特に領海侵犯なんか、違法操業なんかについては、国際間のトラブルということになるわけですので。その割には頻繁に起こっているんじゃないかなという気がするものですから、その辺はもっと厳しく、交流とはいえども、厳しく交渉してもいいんじゃないかと思いますので、以後、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから、説明資料では8ページ、横長の資料では25ページです。長崎県の近郊、あるいは離島域でもそうですけれども、磯場が磯焼けといいますか、どんどん枯れてきている、藻場が少なくなってきているというのが現状ですね。
 そういう中で6,473万円調査費がついていますけれども、計画では大体どういうエリアをされるようにしているのか。藻場の維持・回復、拡大についての状況を教えていただきたいと思います。
◎柳村資源管理課長 25ページの漁場環境・生態系保全活動総合対策事業でございますけれども、実証事業ではございませんで、3本から成っております。
 1つ目は、磯焼け対策モデルの実証ということで、これは総合水産試験場が、いわゆる水温が上がってきたということで南方系の海藻が春に生える。これを根づいたアラメとかカジメとかこういうものではなかなか難しい状況があるものですから、とにかく藻を生やそうということで、今は大瀬戸町の1地区を主体としまして、周年、例えばウニ、ガンガゼを駆除するとか、それから春藻場の種を植えるとか、そういうふうに人の手をきちんとかけて、それなりに周年管理すればきちんと藻が生えるんだよという実証試験をやっています。
 昨年の6月からスタートしたものですから、今年の、恐らく今から先、3月、4月、5月ぐらいで春の海藻が生えてくるだろうという形で、これを2年なり3年なりのサイクルで実証して、これらをきちんとやれば、その手法を他地区にもお示しをして実施をさせていこうというモデル事業が1点、これが1,000万円程度。水産試験場と大瀬戸の漁業者の方々の、いわゆる潜水したりしますので、用船、人夫賃、そういうものが主体になります。
 2つ目が磯焼け回復支援の実施ということで、公共事業で藻場礁とかそういうものはやれるんですけれども、公共になかなかのらない、例えば200万円とか300万円ぐらいのレベルでも地元でやりたいという要望は毎年1〜2件ございますので、こういう小規模の藻場を入れて、その藻場と人の手をかけて小規模な磯焼け回復を実証するというものがございます。これは来年度の地区が未定ですので、これは大体2地区程度を考えております。これが500〜600万円程度ということでございます。
 一番大きいのが、これは国の環境生態系事業というのが3年ほど前に始まりました。これは交付金事業です。国が半分、県が4分の1、地元の市町が4分の1、それを漁業者さんの集落じゃないんですけれども、地元地区に、漁業者がメインになりますけれども、NPOの方々も取り込んだ中で、藻場とかアオサとかいろいろなものがありますので、磯掃除とか、浅場の海底清掃とか、こういういろいろな藻場、干潟の取組がやれる事業がございます。この負担金が4,700万円でございまして、この6,000万円のうちのほとんどを占めるという事業でございます。
 以上、3本で成り立っております。
 生態系保全は、今、12市町の35地区で実施しております。
 以上でございます。
◆陣内委員 ありがとうございました。そういう地元から挙がってくるもので対応されているんでしょうけれども、実態調査というのは、これまでされているんですか。
◎柳村資源管理課長 総合水産試験場、それから水産業普及指導センター等の定点観測みたいなことはきちんとやっております。
 それから、もう一つ問題なのは、各漁協への聞き取り調査をある程度定期的にやるんですけれども、ただ、長崎県の沿岸距離が4,000キロメートルを超えるということで、実際に漁協に調査を依頼しても、実態として漁協が逐次ずっと回ってやっているわけではありません。役職員、もしくは主立った漁業者の主観的な判断でしかありません。そういうところで定期的に聞き取り調査もしております。
 ただ、これはどうしても主観的にならざるを得ませんので、何年前と比較してどう生えたとか、なかなかそのあたりがつかみにくいのが実態でございます。ただ、そういう主観でいっても、例えば壱岐とか、そういうところでは回復傾向にあるというような地区もありますけれども、全体的に見れば磯焼けが非常に進行している状況にあるようでございます。
 以上です。
○山田[博]分科会長 ほかにありませんか。
◆溝口委員 19ページですけれども、FRP漁船廃船処理対策事業費497万4,000円が組まれておりますけれども、この事業としては、どのような形で廃船処理をしていこうとしているのか、教えてください。
◎柳村資源管理課長 このFRP漁船廃船処理対策事業費は、根本的にはFRP漁船のこういう処理に対しては、本来は自分で処理するというのがベストですけれども、それにしても、いろんな制度とか、そういうものがなかなか整っていない状況にございます。
 現在、国土交通省が主導でやっているリサイクルシステムというのが山口県にございますけれども、集積箇所が少ないということで非常に困っているということです。
 平成21年度、平成22年度と県単事業で島原市で取り組ませていただいたんですが、基本的には国に制度要望を強力に進めたい。その一つの、我々の手持ちのデータとして実証的な部分をまとめたいと。特に、島原の事例はございますが、今回一番なのは、運搬費がかかる離島地区です。リサイクルシステムだけでも1隻30万円と言われていますけれども、離島地区だとここまでに、あと運搬費が何十万円かかるだろうと言われております。
 したがいまして、離島部、それから本土地区の縁辺部ですね、平戸市とか、南島原市とか、陸路で大村まで持って行くような時にどのくらいの実証費がかかるのか、そういうふうなものでございます。
 ですから、500万円ということですので、このうち450万円を各地区に補助しようと。補助率は2分の1で、ぜひ地元の市町に残りをつけていただきたいなということで今協議を進めているところです。
 そういうことで本格的にFRP船を処理していくということではなくて、実証的に3年間かけて本県のリサイクルシステム、もしくは産廃処理するためのいろんなデータを構築して国に強くぶつけていきたいと、そういうためのデータ実証の事業でございます。
 以上です。
◆溝口委員 今のところ、今回のこの500万円については、離島とか平戸とか遠いところから運搬する運搬費の2分の1助成ということなんですか。
◎柳村資源管理課長 いいえ、その運搬費を含めた全部の処理費用です。このお金で計算しますと、2分の1ですから450万円の倍額、900万円で処理できる隻数ということになりますから、大体30隻前後ぐらいしか処理できないのではないかと思っております。運搬費も込んだ例えば産廃、リサイクルシステムにかける費用全額でございます。
 以上です。
◆溝口委員 限られた地区だけということでしているんですけど、きれいに指定はしていくわけですか。例えば平戸市、離島は五島市とか対馬市とか指定はしていくんですか、しているんですか、その辺については。
◎柳村資源管理課長 指定をしているということではないんですが、ただ、先ほど申しましたように、リサイクルシステムそのものにかかるお金というのは大体わかっております、30万円なら30万円とですね。ただ、そこに各地区の事情によって、例えば運搬費がどのくらいかかるのか、陸路で例えば5隻とか10隻まとめて大村の中間処理場まで持って行く時にどのくらいかかるのか。そういうことを実証したいという事業でございますので、運搬とか、そのあたりにどのくらいかかるのか。例えば、離島の中でどこかに集めて、集めたものを船で大村まで持ってくるとか、産廃処理場まで持ってくる、そういうところが各離島で違うと思います。どうしても大村市周辺にあるところは、30万円なら30万円かかるんだということは既にわかっておりますので、ある程度、縁辺部、離島部に限ってこの事業は実証していきたいと考えております。
 以上です。
◆溝口委員 今年度、データを取るための30隻ですけれども、先着順というか、そういう形になってくると、もしかしたら予算が足りなくなってくるんじゃないかと思うんですけれども、その場合は補正でも組んで試験的にやっていくということになるんですか。一応これだけの形で来年度はやっていくということですか。
◎柳村資源管理課長 確かにそういう部分もありますが、ただ、これは地元の市町なり、そういう中心となるところにそのあたりの調整はぜひお願いしたいと思っています。やはり急ぐべきところ、もう少し待てるところ、そういう船はあると思いますので、そこらあたりはぜひ市町とお話をしながら進めていきたいと考えております。
◆溝口委員 そしたら、さっき言うように、必要だという市町があるということは、ある程度特定されてこないのかな。先ほどの答弁では特定はしませんという話でした。この予算は全体的に900万円ですけれども、隻数は30隻ということですから、市町が困って相談してこないと、その辺の予算は組めないんじゃないですか、はっきり言って。
◎柳村資源管理課長 説明に誤解があったかもしれません。具体的に、あなたのところで何年度にしてくださいという指定はしておりません。
 ただ、実は、この1〜2年でいろんな市町にアンケート調査をしております。どの市町もFRP船の処理には困っている。その中で、例えば南島原市は少額であっても平成24年度に予算を載せたとか、平戸市は要望の中にFRP処理というのを入れていらっしゃる。壱岐市、対馬市、新上五島町、五島市につきましても、それぞれ悩みを抱えていらっしゃるというのは、我々のいろんな協議の中でもわかっておりますので、そのあたりはわかってないじゃなくて、いろんなところに問題がある。
 今おっしゃるように、大村市周辺でもいろんなところに問題があるのは当然わかっておりますけれども、今回の趣旨は、いわゆる既存のシステム、既存の処理にどのくらい、島内の運搬とか海上運搬、そういうところにどのくらい実情かかってくるのかということを実証したいという事業でございます。よろしくお願いいたします。
○山田[博]分科会長 資源管理課長、今、溝口委員が質問されている中で、各市町にFRP船がどれぐらいあるというのは把握されているんでしょう。その資料を後で出してもらえませんか。
◆溝口委員 その辺は構わないんですが、これからFRP船の廃船がかなり増えてくるんじゃないかと思うんです。先ほど、国に要望をしているという話でしたが、漁業関係からもきていると思うんですけれども、ある程度、魚礁にできないかという話もきていたと思うんです。その辺については国の考え方はどうですか。
◎柳村資源管理課長 基本的にはFRP船を単独でやると、海上保安部が管轄する廃掃法、いわゆる勝手に捨ててはだめですという、ごみの扱いになってしまいますとなかなか難しいところがございます。
 ただ、今、水産庁が平成23年度から実証的にFRP船をきちんと処理して魚礁にできないかという実証事業、どこにも支援を出すという事業じゃないんですけれども、それをやっております。
 本年度は、この事業を進めていく事業主体を調査会社みたいなところに委託をして、その事業をどこでやるというところを長崎県内で調整をしているんですけれども、たしか五島で今やっていると思っております。
 以上でございます。
○山田[博]分科会長 参事監、答えられる範囲で答えてください。
◎本田水産部参事監 今、資源管理課長が申し上げましたとおり、FRP漁船が大きな問題になっているということで、離島なんかでは特に処理が困難であると。
 そういったことを背景にして、それをどうにか処理できないかという一つの方法として魚礁にして活用するということを念頭に検討をするという予算が今年度から国直轄の調査事業として実施が始まっており、五島を対象として、たしか3年間かけて調査をやるというような話を聞いております。
 ただ、単純に処理をするということだけの前提でとらえますと、先ほどから資源管理課長も申し上げておりますけれども、それぞれの所有者が自己責任で処分するということが前提にありますので、全部魚礁にしてもらえるという話になってもまた困るということもございます。
 そういうふうな背景もしっかりと確認した上で、どういうふうな形であれば魚礁としてそれが活用できるのか、法律的な面、廃棄物として捨てるというようなことでとらえられたら魚礁にもなりませんし、そういった法律的な面もしっかりと検証しながら、かつ魚礁として効果がきちんと発揮できるのか、そういったこともきちんと把握しながら、それが魚礁として使えるのであれば、今後、公共事業の魚礁事業の制度に反映させるとか、そういったことを念頭に置いて将来的な展望、活用の仕方を検討するというような形の調査が始まったというふうな形になっていると聞いております。
 以上です。
◆溝口委員 そのまま人工魚礁としたらちょっと無理があるということですけれども、処理してからということになれば、それを固めた形で違う形でつくっていくから、リサイクルにした形での魚礁というのはわからんでもないんですけれども、漁民の皆さん方は、自分たちの近くでもいいから、魚礁として成り立つなら、そのまま何か動かないような形をしてできないかという、そういうお願いが多いと思うんです。
 水産庁では、その辺を今研究しているか、していないかはわからないんですけれども、できれば廃棄物処理とした形ではなくて、そのままの形でどうにか魚礁的な形でできないか。その辺をもう少し研究していただきたいなと思うし、国の方にもそういう要望をしていただきたいなと思うんですけれども、国としては、原型のままでは絶対だめだという方針に立っているのかどうか、研究する余地があるかどうか、その辺についてはどのように考えていますか。
◎本田水産部参事監 FRP漁船は、ご案内のとおり、加工がしにくい材質であって軽いと。比較的小さな船に用いられているということで、そのもの自体が小さいので、単純にそのまま海の中に沈めてしまうと、そこの場所に安定的に設置できるかどうか、波とかで動いてしまうという問題もありますし、物自体が小さいので、従来やっている大きなコンクリート魚礁等と比べて同じような効果が発揮できるかどうかというところもなかなか難しい問題もあるのかなというふうに思っております。
○山田[博]分科会長 参事監、今おっしゃっていることは、午後から資料を提供して説明された方がいいと思います。溝口委員、いいですか。ぜひそういうふうにお願いできればと思います。よろしくお願いします。溝口委員、この件はまた午後からお願いします。
◆溝口委員 横長資料の28ページ、陸上養殖振興プロジェクト推進事業ということで5,207万1,000円組んでいると思うんですけれども、大体の説明は聞いたんですけれども、池中に流して温度調整をしながらということですが、特許を取っているということですが、糞とかなんとかの処理というのが結構難しくて、陸上生けすは、どこでも閉鎖した形での生けすは余り成功してないんですよね。島原の方でもマリノフォーラムかなんかの形でしていたと思うんですけれども、その辺については、今から2年間か3年間か検証すると言っているんでしょう。どのような形を考えているのか。
◎五島水産振興課長 糞とか残ったえさのろ過がうまくいかないでへい死があるというお話だと思います。
 まず、今回の事業で開発いたしますのは、閉鎖循環式の陸上養殖施設の中で、ろ過を生物ろ過方式から電解ろ過方式に変えようというものでございます。
 ろ過のやり方としましては、生物ろ過方式の場合、まず1次ろ過というものを、物理ろ過でございますが、ここでうろことか、それから残ったえさとか、糞とか、大きなものをまずろ過しまして、それから生物ろ過槽に水を流して、そこで有害なアンモニアをバクテリアによって窒素ガスに変えるというろ過をするものです。
 ただ、この生物ろ過方式ではろ過槽の容積が非常に広くなりますので、ここの部分を電解ろ過に変えて、普通、生物ろ過では飼育水槽の2分の1から3分の1必要だと言われておりますけれども、電解ろ過にいたしますと、飼育槽の50分の1から100分の1でできるのではないかと言われ、工業技術センターで開発した技術ですと、それぐらいのコンパクト化が可能ではないかということでございます。
◆溝口委員 電解ろ過方式ということで、これは特許を取っているんですかね。
◎五島水産振興課長 今、特許の申請中でございます。
◆溝口委員 今回、陸上養殖振興プロジェクト推進事業をしようとしているんですけれども、例えば、養殖の魚はクエかなんか、動きが少ないものに考えているのか、例えばフグとか、そういう形を考えているのか。ある程度実用化できる大きさ、例えば10メートルの枠とか、そういう具体的なことは何か考えているんですか。
◎田添総合水産試験場長 先ほどの質問の、3年か2年かというのは、2年間でございます。
 それから、対象魚種ですが、トラフグは、今、主流はかけ流し式です。水温帯が、かなり幅があっても成長しますので大丈夫でございますが、今回やろうとしていますのは、長崎県の特産魚であるクエです。種苗生産も20万匹以上の生産が3年以上で我が総合水産試験場は技術を持っているということと、本県の特産魚であるということでクエを考えています。
 クエをなぜ閉鎖式でやるかと申しますと、クエが一番成長する水温は24度から26度なんですね。かけ流しでやると1キロになるのに3年以上かかるんです。そうすると、どうしても採算が合わないということで、試験場としましては、24度から26度の水温調整をした上でやりますと2年弱で1キロになったという結果を持っておりますので、こういった閉鎖式で水温調整ができるというメリットを活かしながら、長崎県の特産魚であるクエを、これは高価でございます。2キロで4,500円ぐらいで取引されていますし、1キロでうまくすれば3,000円、悪くても2,500円ぐらいで売れるのではないかという予想を立てまして、そういったことでクエを対象としてやっていきたいと思っております。
 以上でございます。
◆溝口委員 尾数的にはどのくらいの実験をしようとしているんですかということを聞いたんです。
◎田添総合水産試験場長 30トン水槽でございまして、直径6メートルです。それで7,500尾を予定いたしております。
◆溝口委員 わかりました。せっかく2年間かけて実験するわけですから、全体的に漁協の方々がするか、養殖の方々がするか、その辺はそれぞれしていくと思うんですけれども、成功するためにある程度の匹数と、それから経費というものをかけながらしていかないと、これは2年間の事業で1億円ぐらい使っていくわけでしょうから、実用化されなかったら何の意味もないんですよね。だから、せっかくの新しい試みでございますので、力を入れて成功するように努力していただきたいなと思っております。
 一応、私の質問はこれで終わります。
○山田[博]分科会長 ほかに質問はありませんか。
◆馬込委員 まず、ここ4〜5年の流れの中での特許の出願状況を教えていただけませんか。(「ちょっとお待ちください」と呼ぶ者あり)そしたら後でいい。
 横長資料の13ページの新生水産県ながさき総合支援事業費についてちょっとお尋ねしたいんですけれども、この支援事業というのは補助事業になるんでしょうけれども、補助事業の中身について、どの辺まで精査されているんですか。今回、県議会・県政改革特別委員会の補助事業の中ででたらめなものが随分出てきたので。申請者が補助事業をやる、それで補助金を流すと。後は報告を聞くだけなのか、実際に金の流れを徹底的にあなた方で精査されているのか、その辺についてお尋ねしたいんです。
◎冨永漁政課長 新生水産県ながさき総合支援事業費につきましては、新年度では1億7,800万円、補助枠として1億7,000万円程度を考えております。これまで「新水産」という名称で昭和50年代から長くこの事業で総合的な水産の振興を、漁協、あるいは市町村に対し支援しております。
 例えば、この事業を挙げてくる時には、当然、普及センター、あるいは地域の水産課で計画を十分に練ります。その上で本庁のそれぞれ所管課でもう一度事業内容を見る、そういう審査を受けた上で部内の、今で言えば政策監をトップに各課長が全員集まりまして審査会をします。その審査会は、かなり厳しいやりとりをやっております。すべて通るわけじゃなくて、何遍も差し戻し、計画の妥当性を検討し直すといった形で十分に審査をして、匿名でA、B、Cとか評価をした上で厳しい審査をやっております。(「事業の採択の問題じゃなかとぞ」と呼ぶ者あり)
 内容について、資金の流れ、例えばソフト、ハードそれぞれ、我々としては事業計画についての妥当性について慎重に審議しているところでございます。
◆馬込委員 私は、そういう話を聞いているんじゃないんだ。事業採択の話じゃない。事業を採択して補助金を流した後のことを聞いているんだ。
◎冨永漁政課長 執行における適正な形については、平成22年5月に農林部長、水産部長連名で、市町の入札の手続に準じた形でしっかりやってくださいという指導をしております。というのは、前年の委員監査等でその辺の指導、チェックが十分じゃないということもありましたので、まず、市町の入札の規則に準じた形でやってくれという話をしております。
 その中で昨年以来、我々としても市町を通じて、あるいは各振興局等がかなり厳しいチェックをいたしておるつもりでございますけれども、今回、昨年来の県議会・県政改革特別委員会等でのご指摘等もございますので、我々、さらに市町、あるいは漁協を集めた会議において、そういった適正な運用をするように、入札についても透明性を増すような形でしっかりやってくれという指導は再々やっているところでございます。
◆馬込委員 そういうことを農林部もやっていたわけです。実際、中身を見たら全然違ったんですよ、でたらめな執行状況だった。だから言っているんだけれども、再度、通達とか、集めて話し合いをするとかそんな話じゃなくて、抜き打ち調査ぐらいはやるべきだ。補助金を流す以上は、その効果をしっかりと出してもらわなければいけないわけだから、ペーパーだけで終わってもらったら困る。それは指摘しておきたいというように思います。
 それと、先ほど、日中・日韓の問題が出ておりましたけれども、この資源管理の問題が出てくるんだけれども、国との関係は、どういう関係ですか。
○山田[博]分科会長 理事者の皆さん方は、答弁はベテランでしょうけれども、委員の皆さんが聞かれたことにしっかりと答えていただかないと、さっきから同じことを繰り返していますので、あえて言わなかったんですけど。そういったことでしっかりと答弁していただきたいと思います。
◎柳村資源管理課長 国の関係といいますと、日中・日韓交流促進事業費に関して国の関係ということでしょうか。
◆馬込委員 さっきの答弁を聞いていたら、資源管理の問題まで言っていたでしょう。TACの問題とかEEZの問題もひっくるめて、日中・日韓の中で関係者が集まって話をしていると言うけれども、その総枠の問題、国連海洋法にかかわる問題なんだけれども、そういう問題にもかかわっているのかということを言っているんですよ。
◎柳村資源管理課長 例えば、TAC制度で言えば、TACの評価をする時に、7魚種に係る評価が要りますので、そういう総合水産試験場を含めた研究員の評価会議がございます。
 それから、TACの割り当てそのものに関連して言えば、これは国の委員会で決めてしまって、その後、我々の方におりてくるという形になります。ただ、7魚種のうち5魚種が長崎県にかかりますけれども、この5魚種について要望枠が長崎県だけ小さくならないような、そういう要望は国の方に委員会が開催される前に差し上げております。また、期中にあってもオーバーしそうな時は、評価を国の方でしていただいた上でそういうものをやっております。国の全体の会議として(「そういう話じゃなかとて」と呼ぶ者あり)。
◎荒川水産部政策監 今、馬込委員からご質問があったことでございますけれども、私ども、国に対して、東海、黄海というところは、日本、中国、韓国が共通の資源を利用しておりますので、そこの資源管理体制を整えてくれというようなお話は要望させていただいております。
 ところが、残念ながらと申しますか、国の方では、例えばですけれども、3ヶ国集まっての資源管理体制というところまではまだ熟度が進んでいないと。例えば、日本と韓国、日本と中国といった形の資源管理の話し合いを進めたいということを申しております。
 また、研究者サイドでは、日中韓の研究者が資源の状態についての話し合いをしていると聞いております。
 ご質問は、それと、私どもが取り組んでおります中国とか韓国に対する資源管理の取組という点であったかと思います。
 私どもは、国でそういうふうな仕事をしていただいているということとは別に、漁政課長の答弁にもございましたけれども、適正な操業と、それから資源を守るような操業ができないだろうかということを中国、韓国に対しては、ここ何年も言ってきております。中国においても夏場の禁漁期を設けたり、それから、放流をしっかりやるようになってきたりでございますとか、韓国でも、資源管理とか放流に対する考え方が非常に高まってまいりましたので、私どもの交流もその一助になっているのではないかと考えているところでございます。
◆馬込委員 日中・日韓で何を具体的に話していくのかといったら、漁民のためになるような話をしていかなきゃならないわけでしょう。資源管理のあり方、国は現場を持っていないわけですよ、現場を持っている長崎県の水産部が、韓国、中国の現場を抱えている実務者同士でどういう話し合いをしているのかというようなことだったわけですよ。
 それと、こういう話し合いをする時に、それぞれの国がデータを持ち寄るんでしょうけれども、かなり効果のあるような、効果というか、交流する意味というか、効果が出ているのかどうかというところについては、どうですか。
◎荒川水産部政策監 この2年ほど私も団長として中国へ行かせていただきました。それで、馬込委員ご質問の効果のあるデータが出てきておるのかということに対する答えにつきましては、私ども、交流という側面がございますので、相手から提出されたデータを信用すると、こういうことをやっていますということを信用して、それに対して質問はいたしますけれども、実際にどうかというところは、もう信用するしかないということでございます。
 ただし、先ほども答弁させていただきましたとおり、当初、中国、韓国というのは資源管理に対する意識は低かったと私は思いますけれども、その意識が醸成されてきて、先ほどの答弁のとおりでございますけど、中国の夏期休漁でございますとか、放流が増えてきたということがございますので、私どもの交流も多少は効果があっているものと考えているところでございます。
◆馬込委員 例えば、フグの問題でも中国から逆輸出されているんだけれども、中国はフグを食べる習慣がない、フグ調理師の制度もないと。そういうことをひっくるめた時に、本県のフグ養殖というのは非常に活発にされているわけですので、そういうところも、今、民間で動いていますけれども、公的な場で中国の方に要請というか、中国の皆さん方がフグを食べられるような環境をつくってほしいというような要請などもぜひやっていただきたいなと思うんですよ。
 食生活の違いというのがありますけれども、それも魚を中心にした魚食の食生活が、だんだん格差がなくなりつつあるんじゃないかなというようなところがあるものですから、もっと魚食文化についての積極的な提案というのが日本の方からなされたら、ものすごくおもしろいんじゃないかなと思うんですよ。
 そういう魚食なんかについていろんな話し合いをするとすれば、もっと金額を取って交流を綿密にやっていただきたいなというような感じがするんですけれども、その件についてはどう思いますか。
◎荒川水産部政策監 魚食の普及、水産物の輸出に対して食文化の提案からしなければならないというご提案をいただたきましたが、私どももそのとおりだと思っております。実は、この予算ではなくて、予算事項名は後ほど室長の方から申しますけれども、私ども、中国等に鮮魚を輸出する時には、そのまま持って行くと長崎県の非常によい魚を、よいと評価していただけないことがございますので、日本の食文化、こうやって食べればいいですよということを示しながら、中国には鮮魚の輸出をさせていただいているところでございます。
 予算等については、室長から回答させていただきます。
◎山田水産加工・流通室長 中国を初めとする東アジアへの本県水産物の輸出につきましては、本県の水産物のPRを中心にやっているところでございまして、魚食文化の普及につきましても、例えば、中国におきましては、今年度はなかなか放射能の関係で輸出が少し減少しましたけれども、昨年につきましては、例えば、日本料理のコンテストを上海で開催しまして、その中で長崎の、日本の魚を使った料理を料理人の方につくっていただいて、それを皆さんに食べていただく。そういうような形で(「予算はどのくらいですか」と呼ぶ者あり)それは平成22年度でございまして、来年度は1,450万円でございます。
◆馬込委員 全体でどのくらいの交流を予定しているのか、そういうのはぱっと出してもらいたいなと思うんだけれども。
 あと、その下の離島漁業再生支援事業で、これまで数年間取り組まれてきているわけですけれども、私も何度か、いろんなところの現場に顔を出したりしたんだけれども、何か特筆すべきものがありますか。
◎冨永漁政課長 この離島漁業再生支援交付金は、平成17年度から始まりまして、平成22年度から第2期事業として実施しております。例えば、効果について過去アンケート等をとったこともございますけれども、直近で言えば、それぞれの参加集落の95%以上が、この事業をやって、「よかった」、あるいは「効果があった」という話もあっております。国が導入効果を測定したところ、1人当たりの生産額が22万円程度上がったのではないかという計算もございます。
 その中で具体的な事業として目立ったものは何かということでございますけれども、集落ごとに種苗放流、あるいは産卵場育成場の整備等も行っておりますし、新たな漁具、漁法を導入してみたり、この資金を使って漁業者みんなが資源管理に取り組もうという形で積極的に取り組んで、さらに前向きにやっていこう、あるいは活魚コンテナの導入とか、活・鮮魚の高付加価値化についても、この資金を利用して効果を上げているところでございます。
 以上でございます。
◆馬込委員 どんどん進めていただきたいと思います。
 それは県の広報なんかでもやっているんですか、中身について。いい事例の紹介というか、そういうのは行っていますか。
◎冨永漁政課長 対象集落が六千幾らということで限定されて世帯数も決まっておりますが、ほかの地域へは市町を通じて効果について広報するように努めております。
◆馬込委員 あと、金融対策についていろんな制度資金を持っているんだけれども、近代化資金もひっくるめて若手の漁業者を伸ばしてもらいたいとか、育成しなければならないという現状を考えた時に、利用されている人たちの年齢層というか、若手の皆さん方が今までの流れの中で、全体的に高齢化になっているんだけれども、事業意欲のある若い経営者の皆さん方の利用というのはどんなものですか。
◎冨永漁政課長 さまざまな制度資金で新規就業者、担い手対策をやっておりますけれども、例えば、近代化資金、沿岸漁業改善資金、この沿岸漁業改善資金というのは無利子の県、国の資金でやっている事業でございますけれども、件数としては、年齢別というか、対象者ごとのものとしては、沿岸漁業改善資金の事例しかございませんけれども、年間1〜2件程度の利用にまだとどまっている状況でございます。
◆馬込委員 近代化資金は、漁協を経由しなければだめですか。その辺に問題があるんだな。それはそれでいいです。
 17ページの試験研究費について、こういう研究をするんだったら、もうちょっとスピードアップしてもらいたい。今の長崎県の漁業就業者の実態を見たら非常に厳しいわけですよ。悠長な感覚でおってもらったら非常に困ると。
 例えば、研究に幅を持たせるために予算が足りないということであれば、委員会から予算の増額要求を出してもいいというように思うんだけれども、若手の、新しい生産技術、あるいは種苗の問題とかいろいろ出てくるんだけれども、スピードアップしてもらわないと非常に困るというように思うんだけれども、その点についてどうお考えですか。
◎田添総合水産試験場長 今ご指摘があったことは、まさにそのとおりでございます。今までは研究、基本的なデータが必要だとか、原因解明が必要だとかあったんですけれども、結果を出すということが大事でございまして、漁業者はもう待ってはいられないという現状でございます。
 今日も話が出ました陸上養殖といったもので結果を出す。あと、加工品をどんどん出しながら、イカのすり身とかいろいろございますが、結果を出していく。養殖も新たな養殖魚種をやるとか、そういった出口を見据えて、それを短期間でやっていきたいと思っております。
 先ほどの陸上養殖にしましても、3年ぐらい必要なのかなという思いもあったんですが、これは早く現場に出さなきゃいけないということで2年、そういったことで期間を短くしながら、とにかく成果を出していきたいと思っているところでございます。
◆馬込委員 18ページの漁業公社の問題について、この漁業公社も随分古くなっていると思うんだけれども、今、出資団体の見直しでいろいろ指摘されているところもあるんだけれども、県が2分の1出資されている、あるいは漁連とか関係団体が出資しているんだけれども、この漁業公社の存続のあり方、あるいは移管するかどうかは別として、どういうふうに見ているわけですか、5年、10年先の漁業公社のあり方について。
○山田[博]分科会長 総合水産試験場長、その前に先ほどの馬込委員の。
◎田添総合水産試験場長 先ほど、資料がすぐ出せなくて申しわけございませんでした。
 特許の話でございます。特許につきましては、知的財産で予算も挙げておりますが、実は、水産試験場においては、種苗生産等々いろんな技術を開発してきた中で10年ほど前まではあまり特許を取得しようとしておりませんでした。ところが、やはり知的財産は非常に重要だということで、平成16年ぐらいから特許申請をいたしておりまして、現在、全部で16件出願をしまして、現在、10件が特許になっております。
 主なものは、種苗生産に係るもの、魚類、貝類、それから水産加工が主体でございまして、例えば、最近で話題になっていますのはイカのすり身、それから無塩・無糖のすり身、こういったものは国際特許も出願しているところでございます。
○山田[博]分科会長 それは大変すばらしいことだから、特許の一覧表を委員の皆さんにください。頑張ってください。
◎柳村資源管理課長 漁業公社の今後ですけれども、その前にセンターと一体的ですから、センターの役割についてもう一度ご説明をさせてください。
 13種類の種苗放流の魚種をつくっております。これだけを全部つくれるような技術を持っている民間の企業は、県内では公社だけでございます。そういった意味でセンターで13種類つくるというのは、いわゆる県内の漁業者の要望に応じて我々は対応している部分がございますので、こういう委託事業を受けられる業者が公社しかいないということでございます。
 かつ、養殖業の部分においても、例えばトラフグであるとかマダイであるとか、公社の役割は非常に大きいものがございます。
 もう1点、総合水産試験場の新たな魚種をまず第1番目に受け入れて技術をつくって、それを県内の民間種苗業者に普及していくという役割も1つ持っております。
 したがいまして、センター、漁業公社ともども、長期的にもまだ必要だというふうに我々は思っておりますので、施設整備なり、公社の経営は今非常に悪い状況にございますけれども、このあたりの指導強化を図っているところでございます。
 以上です。
◆馬込委員 漁業公社に種苗を専門に扱っている研究員がいると思うんだけれども、これからの資源管理型の漁業を考えた時に、養殖にもっと力を入れていこうかとなれば、一生懸命頑張ってもらわなきゃならないんだけれども、研究員の数についてはどうなんですか、足りているわけですか。今後の事業展開を見た時に、そういうのもあわせてですよ。
◎柳村資源管理課長 漁業公社は株式でございますので、いわゆる企業で、営利を目的に営んでいる会社でございます。
 したがいまして、技術員は研究員ではなくて、全部、正職員、いわゆる生産をきちんと受け持ってもうけるという形でやっていますので、研究員というポジションではございません。
 現在、そういう技術の方々が全部で14名、生産技術にかかわる方々がいらっしゃいます。
 ただ、経営が非常に厳しいという状況がございまして、今、退職者の不補充ということでやっております。ですから、ここ2〜3年で見れば技術員が多少減っています。
 今後、公社が新たな取組をする上では、当然、新しい魚種に取組んでいかなければなりません。その際は、やはり技術員の不足という部分も否めませんので、とりあえず現状で頑張っているのは経営改善、毎年、黒字を計上して累積欠損を出さないという状況をまずつくり出す。その後に新たな種苗にも挑戦できるような、もしくは技術員をきちんと雇えるような経営体制に持っていきたい。そのための準備も含めた段階をこの2〜3年は続けていかざるを得ないと考えております。
 以上です。
◆馬込委員 つくってから30年ぐらいですか。それで、これからの漁業を考えた時に、少ない人数で生産を上げていくということからいけば、海の資源管理の問題もあるんだけれども、日本は養殖技術が非常に高い。養殖をしていく。そして、生産性を上げていくということから考えると、株式会社がつくられた当時は、漁業者も多くて、漁協も経営がしっかりしていたということもあって、支える側がしっかりしていたということもあるんだけれども、今の漁協の経営状況を見たら、どこも厳しいと。そして、漁民は減っている。放流を一生懸命やったところで、釣る人間もいなくなってきているというようなことから考えると、あり方について見直すべき時期にきているのではないかというように思うんだけれども、その点についてはいかがですか。
◎柳村資源管理課長 確かに、昭和53年に公社が、実は公社は古い組織です。昭和53年以前にもマグロ・カツオという国策の漁業があった会社があって、その後、栽培漁業が発展し始めた時に、こういう種苗業者に特化していった企業でございます。昭和53年度にセンターができて、それ以来ずっと継続しております。
 確かに、馬込委員がおっしゃるように、昭和50年代当時といえば、マダイ、それからブリですね。ブリの種苗はなかなかできなかったので置いておきますけれども、マダイというのが非常に伸びた時期です。公社の委託とは違う部分のプロパーの方も、このマダイでとにかく大儲けをした時期がございます。ただ、このマダイもだんだん需要と供給のバランスが崩れていって需要がなくなっていく。そういう中で、例えばシマアジとかトラフグとか、そういう魚種転換を逐次図っていった形がございます。
 我々としても、公社は委託だけでやろうとすれば技術員をものすごく極端に減らしていかなければいけません。ですから、もう一本立ての養殖、プロパーで行う部分をどう強化していくか、これが経営改善にもつながっていくところですので、このあたりは新たな魚種をどう入れていくかという部分は、総合水試なり我々なり、それから公社が一体となって今後考えていきたいと考えております。
 以上です。
◆馬込委員 先ほど、FRP船の問題が出ていたけれども、一番の問題は漁船の不法投棄なんです。確かに、テストケースでどのくらい金がかかるかということはやってもらうのは結構なんだけれども、不法投棄の問題が一番大きい。今の隻数も、船齢も全部わかるでしょうけれども、かなりの数、不法投棄されている。この漁船をどうするかというような問題もある。
 それと、どういう状態で大村まで運ぶのか。例えば、五島でエンジンを取って壊して、そして船に積めるだけ積んで持って行くのか。本来であれば、去年、この委員会からFRP船の問題について国に意見書を挙げたんだけれども、国はあんまり真剣に考えていない、漁民のことを。本来だと、車と同じような手続で簡単に廃船できるような状態にしなきゃならない。漁民は、これは荷が重過ぎる。4〜5トンの船でも大変ですよ。あれを運ぶだけでも。
 だから、国に対して我々委員会としても、再度、そういうことを真剣に考えなければならない、不法投棄の問題は早急に取り組まなければならないと思うんだけれども、プレジャーボートもひっくるめて、その辺は話し合いができておりますか、漁船、プレジャーボート、プレジャーボートはここじゃないんでしょう。
○山田[博]分科会長 資源管理課長、漁業公社のあり方の報告書、まとめたものがありますよね。午後、各委員に配っていただけませんか。
◎柳村資源管理課長 先ほど、技術員が14名と申しましたが、現在、10名です。
 以上です。
◎壱岐漁港漁場課長 プレジャーボートとか漁船の不法投棄について、漁港内の、施設用地とかに漁船を係留したままの投棄については私どもが所管しておりまして調査も行っております。海上に不法に投棄している部分については、私どもはまだ十分把握していない状態でございます。
 陸上部分のプレジャーボートの不法投棄については、現在、長崎県内の漁港区域内に176隻ございまして、その部分で所有者が判明しているのが55隻ありまして、121隻が所有者が不明の状態で放置されている状況でございます。
◆馬込委員 それもこれもFRPの廃船処理が確立されていないからそういう問題が起きてくるのであって、やっぱり早急に確立させなければならないと思います。国が全然動かない。参事監、水産庁長官にちょっと電話を入れて、やかましく言われていると。そのくらいのことは、あなた、言ってもいいんじゃないか。委員会に出たら、しっちゃかめっちゃかやられると。長崎県から出ている国会議員もあんまり動いていないようだから。あなたが直接、水産庁長官に電話した方がいいんじゃないか。ひとつ頼みます。
 それと、20ページの漁業調整費全体についてお尋ねいたしますけれども、知事許可の問題とか、漁獲情報のネットワークシステムなどもひっくるめて、若手漁業者を育成していかなきゃならない、育てていかなきゃならないというような視点で取り組んでおられるわけですか。
◎柳村資源管理課長 この予算に限らず、いわゆる後継者に対して、この許可をどう与えていくかというところは、例えば、全体的に一律に差し上げるというのは今なかなか難しい部分がございます。例えば、各地方局で限定的に、例えば5とか10とか数漁業種類で後継者枠を設けて対策を講じていく、それによって後継者の自立を図っていくという見直しはこの中でやっております。
 以上です。
◆馬込委員 現実問題として、若手の人たちがそれによって数が増えるとか、あるいは設備投資をするというようなことは見られているわけですか。
◎柳村資源管理課長 なかなかそこまで実態的にはないのが実情です。例えば、ご親戚の方が廃業するにつれて、若い方がその古い船を譲り受けるとか、そういうことで新船建造とか、新規の漁業者の展開がこの許可で伸びていったという事例は、かつて、対馬のアナゴとか、そういうところでは新しい後継者が入って、そこで随分儲けているという実例はございます。ただ、これも一部の地域にとどまっているのが現状だと考えております。
 以上です。
◆馬込委員 次に、22ページの漁業取締費、1億円増えているんですね。新しい船が入って、省エネ船と私は聞いていたんだけれども、取り締まりの回数を余計にするわけですか、増えた分については。
◎長嶋漁業取締室長 この1億円の増は、現在、5隻、取締船がございまして、この取締船は5年に1回、定期検査を受けます。平成23年度は1隻だったのですが、平成24年度は2隻が受験するので、その分の増でございます。
◆馬込委員 わかりました。
 29ページの水産物流通対策費ですが、これだけの金を使ってやっているんだけれども、販売、加工までひっくるめた売り上げの推移についてはどうですか、伸びていますか、長崎県の水産加工全体は。
◎山田水産加工・流通室長 水産加工品の生産額の推移でございますけれども、(「伸びているか、伸びていないかでいいです」と呼ぶ者あり)平成19年から20年は伸びたんですけれども、平成21年が下がりまして472億円、平成22年が434億円ということで減少しております。これは冷凍水産物、餌の増減が大きいということで、この2年は減少している状況でございます。
◆馬込委員 食品加工、水産、農林もひっくるめてそうなんだけれども、いろんなところで聞く話が、いいものをつくる人が結構いるんだよと。そういう人たちは職人かたぎの人が多いので行政にへつらわんと。だから、行政が相手にしないというところもある。また、そういう人たちは、行政の力を借りようとも考えないというわけです。ところが、非常にいいものをつくっているということを言われているんだけれども、そういうふうな話を聞かれて調査をされたことがありますか。
◎野口水産部長 私は、水産部に来て、水産加工で売り上げを上げているところのランクを見るんですが、本来あるべき姿とでもいうんでしょうか、かなり売り上げを上げているところは、例えば、俵物にしても取り扱っていませんし、本県の補助とか、そういったことはなしに自分たちで材料を県内、県外、国内外問わず調達をし、量産をしてかなりを売り上げているという状況にございます。
 これは本来はそういうふうにあるべきだろうと。今、いろいろ助成をしたりしていますけれども、そういった形でいずれは一人立ちをしていただきたいという気持ちがありますので、できればそういった会社がどんどん伸びていくということは、一つの大きな刺激になるのではないかと思っております。
◆馬込委員 最後に、30ページの国の直轄漁場整備に係る負担金は、橋下現大阪市長が大阪府知事になった時に、「国からの負担金はぼったくりバーの請求書と一緒だ」というようなことを言ったわけですけれども、これも似たような性格のものですか。
◎本田水産部参事監 国の直轄事業をやる場合に地元の都道府県が負担する負担金ということでございます。当時の橋下知事が言っていた負担金の、これを指しては言っていないと思いますけれども、公共事業の都道府県負担金という意味でいえば同じような部類の範疇に入るものだと思います。(笑声・発言する者あり)
◎野口水産部長 当時の橋下知事が言われたのは、例えば直轄事業についても、大阪の状況は詳しくは存じませんけれども、どの箇所をやるとか、そういったものについて都市部については、かなり国主導でやられているのではないかと思っております。
 ただ、この直轄の漁場については、我々はやってくれということで一生懸命お願いをし、採択していただいたものでございますので、いわゆるぼったくりということとは全く考えておりません。おまけに、この分については予算だけではなくて、こういった負担をさせていただきますということで毎年議案として出させていただくという手続も取っておりますので、性格は全く異なるものと思っております。
○山田[博]分科会長 参事監、今の水産部長の発言についてどうですか。
◎本田水産部参事監 大変失礼いたしました。上辺だけを判断して分類させていただきましたが、今、部長が答弁しましたとおりでございます。
◆馬込委員 あと、魚礁、増殖場とか漁場の問題もそうなんだけれども、箇所を決定する時に組合長会に丸投げしているのかどうかよくわからない。この場所の決定については、あくまでも水産部が責任を持って決定していただかなければ困ると私は思うんだけれども、利権が絡んでくるから。組合長の皆さん方も、それで動く人間もおる、正直言って。そしたら、本当に漁民を育てなければならない、どこが本当に磯焼けで大変なのか、そこに力を入れることによって漁民の漁獲にどう効果が出てくるのか。そういうことは組合長の皆さんよりはあなた方が知っているわけですよ。
 組合長会の皆さん方がそれぞれいろんな話を持ってくるでしょうが、トータルとして、水産行政の事業決定においては、あなた方が全責任を持たなければならないと思うんですよ。そういう点について各地区の組合長会から挙がってきた要請というか、陳情と、あなた方が判断する時の材料というか、情報等も含めた時に、どのような状況で箇所づけの決定をされているわけですか。
◎本田水産部参事監 例えば、魚礁の設置場所の決定ということについてどのような経緯でという話でございますけれども、今回、我々、後ほど漁港漁場整備長期計画というものをご説明させていただきますけれども、そういった中で事業量を定める場合にも、地元の組合長さん方にももちろんお話を聞いております。それプラス組合長さん以外の漁業者の方にもお話を聞いて、どういうところが適地かというような話も聞いております。
 その上で、事業をするのは我々県であり、あるいは市町が事業主体で公共事業としての漁場整備をやっておりますので、そういった要望も踏まえた上で現場の調査を我々としても実施しまして、その上でそこが適地であるのかどうかということを技術的な側面からよく調査をした上で、再度、漁業者の方々とも調整をして、例えば、実施する場合に漁業の関係で問題がないのかとか、そういった面での調査をさせていただいた上で最終的に場所を決定すると、こういった形で十分調整もしつつ、技術的な検討も調査をした上で決定をさせていただいていると考えております。
◎田添総合水産試験場長 先ほど、特許の件数を報告させていただいたんですが、ちょっと間違いがございましたので訂正させていただきます。
 国内特許を出願しているのは23件で、国際特許を3件出願しておりますので、合計で延べ26件の特許出願です。そのうち12件が特許登録済みでございまして、14件がまだ特許出願中ということでございます。
 後ほど一覧表を差し上げますので、よろしくお願いいたします。
○山田[博]分科会長 場合によっては説明を求めるかもしれませんから、準備をしておいてください。
◎壱岐漁港漁場課長 先ほど、馬込委員から放置の船舶の質問がありまして、車両と船舶を合わせた部分を報告しておりまして、船舶については116隻でございます。申しわけございません。
◆高比良[末]委員 残していた分を質問します。
 まず、21ページです。まず、漁業調整委員会というのはどういうことですか、教えてください。
◎柳村資源管理課長 漁業調整委員会というのは、特別職の地方公務員ということになります。漁業法という根本法がございます。この漁業法の中で各地区の免許とか許可とか、それから漁業紛争とか、そういう調停を行う役目の委員会を設置するとなっています。
 本県海区は、全部で4海区、長崎県南部、長崎県北部、五島、対馬の4海区がございます。もう一つ、これを束ねる長崎県連合海区漁業調整委員会というのがございます。こういう漁業調整委員会の皆様の報酬なり事務費なり会議費なり、そういう費用でございます。
 以上です。
◆高比良[末]委員 今、会の名前だけ聞いたんです。費用は聞いておりません。
 それで、委員報酬が3,700万円ということですが、何名おられるの。委員報酬がどれくらい出ているのか知りたいんですが。
◎柳村資源管理課長 先ほど申しました4海区、合わせて50名です。それから、連合海区には、それぞれの海区から1人ずつと、連合海区だけの委員が2名おられますので、トータルで海区50名、連合海区2名、計52名の委員報酬でございます。月当たり大体6万円ということになっております。
◆高比良[末]委員 その下に内水面漁場管理委員会というのがありますが、これはどういう委員会ですか。
◎柳村資源管理課長 先ほどの漁業調整委員会というのは、いわゆる海のほうの委員会でございます。内水面、川とか湖ですね。本県は内水面漁業というのは盛んじゃない、ほとんどやっていないというのが現状ですけれども、これが法定で必置になっております。必ず置かなければならないということになっておりまして、内水面漁場管理委員さんがおられます。これが全部で8名、委員がおります。こちらの報酬が、会長が月5万4,000円、委員が月4万4,000円ということで、この12月分でございます。
 以上です。
◆高比良[末]委員 次は、28ページに陸上養殖振興プロジェクト推進事業費が計上されておりますが、これは財源内訳がその他となっているんですが、その他というのは、どういう財源ですか。
○山田[博]分科会長 しばらく休憩します。
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     −午前11時50分 休憩−
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     −午前11時50分 再開−
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○山田[博]分科会長 分科会を再開します。
◆高比良[末]委員 29ページ、長崎魚市に特別会計繰出金ですね。これは毎年どれくらいするというのが決められると思うんですが、今年度は8,800万円減額なんですよね。魚市場の方が収益が上がったから減らしたのか、その辺の理由。それと繰出金はどのような規定になっているか教えていただけますか。
◎五島水産振興課長 今回の繰入金の減は、おっしゃいますように、現在の魚市の建設の時に企業債の返還の公債費の部分が前年度よりも9,000万円減になっているということで繰入金の額も減となっております。
 来年度当初予算の分につきましては、まず、使用料の収入としまして、受託物使用料、それから通過物使用料、施設使用料等、ほぼ前年度同にしておりますけれども、駐車場の使用料、そういう施設使用料で若干の減を見ております。
 それから、運営費につきまして、これもほぼ前年同額にしておりますけれども、管理委託費関係の増を若干見ておりまして、清掃等の委託費ですけれども、この分で若干の増を見ております。そういう計算の中で今回の繰入金の額が出ております。
 それから、陸上養殖の財源の件でございますけれども、これは産業文化振興基金というところからの繰入金ということでなされますので、その他の分類とされております。
◆高比良[末]委員 魚市の特別会計で運営費については先ほど話がありましたが、2億6,000万円ぐらいですか、これは魚市の維持管理運営に要する経費と書いてあります。この2億6,000万円はどういうものに使われるのか、まず教えてください。
 もう一つは、魚市の使用料が1億7,900万円ですが、これはどういう算定根拠ですか。
◎五島水産振興課長 まず、魚市場管理費の主なものは、魚市場の警備とか清掃委託、魚市場設備の監視委託、使用料の徴収事務の委託、こういう管理委託関係が約9,600万円程度ございます。それから、施設の修繕関係で約2,000万円。その他といたしまして設備の保守点検委託費、それから魚市場の建物の用地占用料、それから長崎市に払います固定資産税見合いの市町交付金、これらのものが魚市場管理費ということで約2億6,400万円ということになります。
 それから、使用料につきましては、まず、受託物使用料ということで、魚市株式会社が生産者から受託した魚を販売した時の販売高の0.38%に相当する受託物使用料でございますが、これが約8,200万円ございます。それから、通過物使用料といたしまして生産者が魚市場の方に荷を持ってきて、それで各地に発送していくもので市場の競りにはかからないんですけれども、市場の施設を使用するということで生産者が払います通過物使用料というのが約90万円ぐらい。それから、施設使用料が、仲卸売場とか関連等の売場、仲卸事務所、そういう施設の使用料関係で約9,700万円ございまして、この使用料の合計が1億7,900万円ぐらいになるということでございます。
◆高比良[末]委員 魚市の運営費は、後で明細を出していただけますか。委託費もいろいろありまして興味があるところもありますので。
 最後ですが、港湾整備事業会計。まず、土地売却収益を1億7,000万円見込んでいます。これはどういうところを想定しているのか。
 それで、固定資産売却5,000万円ですか、この内容についてお伺いいたします。
◎壱岐漁港漁場課長 高比良(末)委員の質問でございますけれども、まず、土地売却収益の1億7,100万円でございますけれども、予算額の内訳の中で1億2,750万円分は土木部所管分の神ノ島等の工業団地の部分で、水産部の分は4,330万1,000円になっておりまして、この部分につきましては、マリンヒル三京の10区画の販売、臨港道路の畦刈琴海線の道路の残地がございまして、その分の売却が240平米で約300万円で、約4,300万円です。
 それと、先ほどの固定資産の売却収益ということで5,113万1,000円挙がっていますけれども、この部分は水産部の所管はございません。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 確認しますが、土地売却は神ノ島と言われましたか。
◎壱岐漁港漁場課長 水産部の所管の部分につきましては、マリンヒル三京です。神ノ島等の分が土木部所管になっていますので、そっちの方で売却の収益が挙がっているということだと思っております。
◆高比良[末]委員 これは一緒になっているわけですね。神ノ島は土木部所管ですが、ほとんど売れないと思いますが、そっちの方に確認はしたいと思います。
 終わります。
○山田[博]分科会長 水産振興課長、先ほど高比良(末)委員から質問があった魚市場の管理運営費の明細表、それと平成23年度の警備等の委託先を、どこに出しているかという資料を出していただけますか。
 理事者におかれましては、資料請求についてはよろしいですか。
 それでは、午前中の審査はこれにてとどめまして、午後は、1時30分から再開したいと思いますので、よろしくお願いします。
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     −午後零時1分 休憩−
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     −午後1時30分 再開−
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○山田[博]分科会長 分科会を再開いたします。
 午前中に引き続き、予算議案に対する質問を行います。
 質問はありませんか。
◆高見委員 概要の4ページ、漁業協同組合の合併、5,375万円です。予算額はいいとしても、現在、正組合員70名未満の小規模漁協を中心に、70ある漁協を5年後の平成27年に50漁協にすると。正組合員70名未満の漁協が20漁協あるということで理解していいんですか。
◎冨永漁政課長 漁協の状況につきましては、現在、県内の沿岸漁協で70ございます。そのうち70名以下の漁協が19漁協ございます。また、100名未満で今後の状況を見たら小規模漁協と同等規模になると見込まれたものが8漁協あります。合わせて27漁協あります。5年間で27漁協すべてをしたいという気持ちもあるんですけれども、場合によっては、自主的な合併を進めておりますので、できないところもあるかもしれません。ただし、広域的に小規模漁協以外でも大村湾海区とか西海市とか西彼海区とか南島原市とか、そういった広域的な合併を進めている区域もありますので、そういった小規模漁協、あるいは広域的な合併を中心に進めながら70を50に合併を進めたいという状況でございます。
◆高見委員 この概要の中には、平成7年から平成12年までの5年間、平成13年から17年までの5年間、18年から22年までの5年間、現在、70漁協と。この漁協数の変遷についてもあるんですけれども、44漁協減った、16漁協減った、8漁協減った、残りは27あるけれども、20を目指そうと。実際に現実的な数なのかなというふうに思っていますが、その辺はそれぞれ単協の状況などがあると思いますから、その辺についてお知らせいただきたいと思います。
◎冨永漁政課長 この計画の前に系統団体の方が20にしたいという計画も過去ございました。しかし、我々としては、着実に合併を進めたいということで、広域的な合併及び小規模なものを中心として20程度は努力すれば届くという感じで系統と一緒に一生懸命努力していきたいという数字でございます。
◆高見委員 わかりました。では、それに向けて努力をしていただきたいと思います。
 前年度の予算に比べますと4,570万円増額となっています。この増額の理由といいましょうか、どういったものが前年度と比べて新たに取り組むというようなことになっているのか、その辺をお示しください。
◎冨永漁政課長 昨年度から継続しているものが、組合員が販売手数料を漁協に払うんですけれども、近隣の小規模漁協同士で合併する時に、その取り扱い手数料が若干違うという時に同じ負担にしようということでの補助事業が一つ継続してございます。
 もう一つ継続してあるのが、信漁連、県漁連を通じていろんな具体的な計画等を作成したり、個別に診断に行ったり、合併後の指導をしたり、そういった事業も継続でございます。
 それから、新たに市町を中心として自主的な合併を進めたいということで、地区内でいろんな検討会を開いてもらおうという計画をしております。その検討会に県が市に対して補助し、市も負担をして漁協と勉強会をするという新たな事業もございます。
 それから、合併に至るまでにいろんな共同事業をしてみてはどうか。やはり合併に対するいろんな意識の醸成を図る必要もあるので、共同事業をするためのモデルプランを作成したり、その実証試験をしたり、そういったものの予算を加えております。
 それから、過去、合併した漁協に対する施設整備ということで平成19年度までに合併したものについて平成24年度までに支援するという施設整備の補助金がございます。そういった状況でございます。
◆高見委員 内容については理解をいたします。
 午前中も馬込委員の方から、今は漁協を通じていろんな施策を、政策を展開するというふうなことになっているけれども、これから先については、漁協の合併も進むでしょうし、また、経営体ごとに大きなものになっていくのではなかろうか、そんな話もあった上に、これからは経営体ごとにいろいろな支援措置をとるべきではないか、育成措置をとるべきではないかというようなお話もございました。私も、平成27年以降、漁協数がどうなっているのか、また、漁協の中身がどうなっているのか、想定はなかなかつきませんけれども、そういった方向性もぜひ検討いただきたいなと思っているところでございます。これはもういいです。
 次の質問に移りますが、横長の説明資料でいきますと、19ページ、有害赤潮等総合対策事業費、これが今年度と比べれば大幅に削減されていますね。この分については、これで大丈夫なのかなという気がするんですが、いかがでしょうか。
◎柳村資源管理課長 この有害赤潮等総合対策事業と申しますのは、実は、一昨年度、昨年度と大規模な赤潮が橘湾で発生いたしまして、養殖業者が大きな被害を受けました。そのため、平成22年度中の補正予算とか、それから、今年度の当初予算で国が定額助成、100%の助成という事業がございました。それが平成23年度の1億2,000万円でございます。これはシャットネラという赤潮の種が底にいると。そこを砂できれいに覆ってしまうという事業でございました。これが1億2,000万円でしたが、これが単年度限りの予算でございます。今年度のこの300万円というのは、これと絡む平成22年度の補正予算で赤潮の観測機を固定で5台、それからポータブルで2台、整備いたしました。今年度は、その機械の維持管理、調査、それのみでございますので、これだけ大きな額が減っているということでございます。
 以上です。
◆高見委員 今の件については、事業としてはほぼやり終えたというようなことですね。
 次は、28ページ、カキ人工種苗実用実証化緊急対策事業費、これは平成24年度の予算で全額というふうな中身になっていますが、去年の3月11日の震災からほぼ1年近くなりますけれども、その時にも、要するに宮城県産の種ガキを使って県内のカキを養殖していたという話があって、1年間の時間があるんですが、随分と研究といいましょうか、そういったものも取り組まれてきたのではなかろうかというように思っていますが、前年度、ゼロということですから、経過状況についてはどうなのかなということをお伺いしたいと思います。
◎五島水産振興課長 昨年度、宮城県の震災の影響で養殖用種ガキの入手が困難になるというところから、県内での養殖用種ガキの人工種苗の試験を6月補正予算で実施いたしました。当初、18万枚で計画しましたけれども、3つの種苗生産機関の生産能力から16万枚の種苗生産の計画で実施をいたしております。
 その実績といたしまして、種苗生産した数量は15万1,000枚でございました。それを県下の11の養殖関係漁協に配布いたしまして、大体5ミリから10ミリサイズで10月から12月にかけまして配布をいたしております。今、各漁協での養殖に入っているところでございます。
 それから、今回の試験の中で1つ試験的にやっておりましたのが、通常よりも早期に採卵するということで、1月、2月の冬場の採卵を加温施設で行ったものが1万貝ございまして、それにつきましても3月8日までに養殖試験の実施漁協へ配布するということでございます。
 来年度につきましても、引き続き人工種苗生産試験と養殖試験を実施することにしております。
◆高見委員 そしたら順調に推移をしているというふうに理解していいわけですね。
 次は、主な計上事業概要版の42ページ、陸上養殖振興プロジェクト推進事業の関係です。
 先ほど、ほかの委員から質問があっておりましたが、総合水産試験場長の答えでは、2年弱で1キロになりますよと。2キロで4,500円ぐらい、悪くても1キロで2,000円ぐらいということでしたけれども、陸上養殖システムは、コストをどれくらいと見込んで取り組まれようとしているのか、教えていただけますか。
◎田添総合水産試験場長 今から試験をする関係で、まだ試算の試算の段階でございますが、海面養殖でやる場合は生残率が悪いとか、成長が悪いということで、1キログラムにするのに約2,800円ぐらいかかるだろうということです。これは大量へい死もありますので、もっと高くなることがあると思います。これは陸上養殖の方式にはかけ流し方式と閉鎖循環式というのがありますが、それらの組み合わせによりましては、あと100円から200円は安くできるだろうと。ただ、これは施設の耐用年数を7年で見ているんですが、実際聞くと10年ぐらいは使えるだろうということで、さらに300円、400円安くなって2,300円台、2,400円台ぐらいでできるのではないかと考えています。
 もう一つ、今回は単に施設の技術開発だけではございませんで、クエのさらに成長がいい養殖方法といいますか、そういったものも技術開発しますので、1キロ成長のクエが1.2キロの成長になりますと、それだけ単価も上がりますし、生産コストが下がりますので、もうちょっと採算的に良くなるのではないかと考えているところでございます。
 今言いましたのは、減価償却すべて入っての試算の試算でございます。
 以上でございます。
◆高見委員 試算の試算ですから、余り詳しく聞いてもいけないんだろうと思いますけれども、かなり厳しい研究というように言えるんだろうと思います。ぜひコストを下げ、利益が出るようにやっていただきたいと思います。
 先ほど、財源についてもその他ということでちょっと聞かれて、産業文化振興基金と答弁になりましたね。基金は基金名でいいんでしょうけれども、どこが、どういうふうに持っていて、その中でこの基金の使い途がこういうふうにあってというようなことで多分流れてきているんだろうと思いますが、その辺詳しく教えていただけますか。
◎五島水産振興課長 この産業文化振興基金につきましては、財政課の所管になっておりまして、今、資料が手元にございませんので、後ほどよろしゅうございますか。
○山田[博]分科会長 水産振興課長、その資料は後から出せるわけですか。
◎五島水産振興課長 はい、準備します。
◆高見委員 聞いたのは、県庁内の基金なのか、それとも全く別の、例えば、いろんな企業がいろいろと研究開発のための補助とかありますね。そういったものなのかなとちょっと思ったものですから聞いたわけです。
 この陸上の養殖振興プロジェクト、例えばクエが24度から26度の水温で活発にというようなお話もございました。最近は地球温暖化が大分進んでいますから、海水温の上昇なども考えれば、今の気象条件といいましょうか、そういったものに合ったいい魚種ではないかなと思います。また、陸上養殖そのものが、養殖を外海で見た時に、餌の残渣といいましょうか、それが下にたまってとか、奇形魚の要因になったり、また、海洋汚染といいましょうか、そういったことを引き起こしているというようにも聞いておりましたから、こういったものが実用化できれば本当に環境にもいいものになるんだろうなと思っています。そういう意味で私も期待をかける一人でございますから、ぜひ成果が上がるようにしっかりやっていただきたい。
 また、研究費がこれで足りるのかどうかわかりませんけれども、足りないとすれば、馬込委員も言われましたように、委員会を挙げて長崎県を売り出していくプロジェクトにはしっかりと予算をつけていく、そういった努力をやっていきたいと思いますので、どうぞ頑張っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
◎野口水産部長 先ほど財源の話がございましたけれども、直接的には産業文化振興基金から繰り入れておりますが、この産業文化振興基金に繰り入れたものは、国からの交付金を県の基金で一旦受け入れて、それを今回の財源に当てはめているということで、もとを正せば財源としては国の交付金ということになります。
○山田[博]分科会長 午前中、委員の皆さんから指摘された資料請求の中で、委員の皆さん方から質問があればと思います。
 それと、今日、後ろの方に傍聴者が来られておりまして、今回、特に関心の高い長崎漁港管理の予算等が入っているんですけれども、その中で長崎漁港の用地の利活用促進について、漁港漁場課長、資料の説明をしていただきたいと。
 地元の野本委員の方から、まず最初に代表して質問させていただきたいということです。その前に準備もあるでしょうから、溝口委員の方から午前中の資料について質問がしたいという申し出があっておりますので、よろしくお願いします。
◆溝口委員 午前中に廃船FRP漁船の魚礁について水産庁はどのように取り組んでいるのかという質問をさせていただきましたが、このことについて大まかに説明をしていただければと思います。
◎本田水産部参事監 お手元に、「廃船FRP漁船の魚礁等への活用実証事業について」というペーパーを配らせていただいております。
 現在、水産庁が民間団体に委託いたしまして、廃船FRP漁船の魚礁等への活用実証事業という事業名で事業を開始しております。平成23年度から25年度までの3箇年の事業でございまして、平成23年度が3,000万円、平成24年度予算が1,500万円ということで予算を計上されていると聞いております。
 中身でございますけれども、FRP漁船を魚礁化することにつきましては、今まだその有効性でありますとか、コスト面の経済性、あるいは耐久性等のはっきりしたものがつかめておりませんので、どういう形であれば魚礁にできるのかというようなシステムがございません。そういった意味で実際にFRP漁船を魚礁として加工いたしまして、その効果等を検証するというような実証を行うのが今回の事業となっております。
 4番の方法のところに書いておりますが、内容といたしましては、平成23年度から平成25年度にかけまして実際に魚礁化した施設等を沈設しまして、その効果、それから安定性等の調査を行っております。
 平成24年度は、その中でも魚礁から設置までの一般魚礁とのコストの比較、平成25年度は効率的な製作手法の検討、結果の分析、それから、FRP廃船の魚礁への活用指針の作成ということで、今後、それを魚礁として活用するための指針のような形で取りまとめるということを目標に、今、事業をやられているということでございます。
 現在の進捗状況でございますが、今年度、1月15日に五島市奈留町葛島の北側、沿岸からすぐのところでございますけれども、FRP漁船、1隻60トンの型のものですが、これを加工いたしまして実際に沈設が済んでおります。聞いているところでは、先月にはその周辺の水質の調査でありますとか、魚礁としての効果等の調査が今行われてきて、その辺の分析をされていると、こういう状況にあると聞いております。
 以上です。
◆溝口委員 わかりました。廃船FRP漁船の場合は、結局はばらばらに崩してからコンクリートと混ぜてから魚礁として使っているんですか、どのようにして使っているんですか。
◎本田水産部参事監 現在、漁船を魚礁化する場合、実際に行われているのは、鋼製の漁船を魚礁化しているのみでございまして、FRP漁船を魚礁化するというのは実態としてはございません。
 鋼製に関しましては、例えば、船内に残っている油をきれいに除去して清掃する、それから、魚礁としての効果を発揮させるために一部穴をあけて魚の通り道、あるいは隠れ家みたいな場所を空間としてつくってあげた上で沈設しているというような形になっております。
 FRP漁船の場合についても、そういった加工が必要になってくるというふうに考えております。
◆溝口委員 そしたら、設置日が平成24年1月15日になっていますので、もう入れているんですよね。だから、これをどのようにして入れたのかということを聞いているんですけど。
◎本田水産部参事監 失礼いたしました。
 今回のFRP漁船につきましては、漁船の側面に穴を幾つかあけております。それから、船居といいますか、キャビンになっているところの上にも穴をあけております。穴をあけているのは、そういう形です。それから、重さが足りませんので、海底に沈んで設置したところで安定するように船体の中にある程度大きな石をかなりのボリュームで詰め込んでおります。その上で沈めているという状態になっていると聞いております。
○山田[博]分科会長 水産庁でそういった経過などを撮影した記録はないんですか、ビデオとかなんか。
◎本田水産部参事監 まだ私どもの手元には報告書等の形ではもらっておりませんので、また、そういう機会があって資料とかあればPRされるのではないかと思います。まだ調査が始まったばかりの段階でございますので、これからだと思います。
◆溝口委員 わかりました。ただ、私たちも、できれば原型のまま、穴をあけたり、いろんな形で漁船をそのまま魚礁に使えるようなことができればいいなと私は思っております。今回、平成24年1月15日に行った魚礁については、ぜひ検証していただいて、そして、できる限り、各都道府県でそれが実行できるようにしていただければと思っていますので、水産庁の方に力強く訴えていただきたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。
○山田[博]分科会長 参事監、廃船FRP漁船の魚礁等への活用実証事業ですね、これは本県選出の山田正彦代議士が政務官か大臣の時にやられているわけです。
 それで、そういった経過は真っ先に、長崎県で全国に先駆けてやられているわけですから、そこは当委員会に、私もあの方の秘書を10年間させていただいたわけですから、それは別として、やっぱりこういったところにそういったことをきちんと報告していただきたいと思います。これは先ほど溝口委員が質問されたように、馬込委員が質問されたように、これは大きな課題であって、こういう全国に先駆けてやられているようなことはきちんと報告していただかないと。山田正彦代議士は何のためにやったかというと、長崎県で一番知らなければいけない議員が知らないということは、とんでもない話ですよ、参事監、そうでしょう。今、溝口委員が言われたように、しっかりと調査して結果を真っ先に報告してもらいたいと思います。参事監、決意を。
◎本田水産部参事監 我々県として、国が行っているこの事業の打ち合わせ等には参加させていただいて情報も収集しておりますので、その中で得られた情報等、速やかにまた委員会の方にご報告させていただきたいと考えております。
○山田[博]分科会長 続きまして、漁港漁場課の方から、野本委員の方からも、漁港の利活用ということで質問したいということで、私も質問しようということでしていたんですけれども、しかし、野本委員が地元の議員でございますので、まず最初にさせていただきますけれども、その前に、長崎漁港がんばランドの状況を説明していただけますか。
◎壱岐漁港漁場課長 長崎漁港がんばランドについてご説明いたします。
 説明資料がございます。説明資料が3と、図面2部の分がございます。よろしいでしょうか。
 まず、最初のペーパーの方からご説明します。昨年3月に、新長崎漁港にオープンしました「長崎漁港がんばランド」について、これまでの経過をご報告いたします。
 資料は、先ほど説明しました3ページのものとカラーの平面図の分がございます。
 まず、長崎漁港がんばランドの営業主体、目的など、概要についてご説明いたします。
 運営主体ですが、新三重漁港を初め、計8つの産業関係団体から構成されます「長崎漁師村運営協議会」が平成22年11月に設立されまして、この運営に当たっております。
 設置目的は、県内の水産物・農産物のPRを兼ねた施設整備と、高鮮度で安全・安心な水産物・農産物の供給、販売を行い、県水産物・農産物のPR、消費拡大など、地産地消の推進を図ろうとしているものでございます。
 場所は、長崎市京泊の新長崎漁港の中心部の魚市埠頭の北側、今現在、カラーの図面を配布していますけれども、その部分の左側のB区画というところでやっておりまして、水産物・農産物の直売所と魚食普及施設としての魚食レストランや寿司処などを配置しております。
 なお、この2期工事につきましては、現在の施設を拡大し、体験型施設など、現在検討の段階にあります。
 次に、長崎漁港がんばランドが立地している用地が、どのような経過をたどり、どのような利用形態が可能な土地であるかについてご説明いたします。
 2ページをご覧ください。
 新長崎漁港は平成元年9月に開港し、20年を経過したものの、当漁港の一等地である現在のがんばランドの土地については十分活用されていない状況でありましたので、このため、補助用地の活用のままでは困難と判断したことから、県単用地と交換し、利用計画の変更の手続を行って、漁港施設用地の間口を広げて、使い勝手のいい漁港関連施設にして、平成21年12月から公募を実施したものでございます。
 公募内容につきましては、3ページに抜粋を掲載しておりますが、応募要件につきましては、資料の中段に下線を引いておりますが、水産業、水産加工業、水産物消費・流通拡大に寄与する施設、漁港施設または漁港関連施設、例えばといいますと、下の枠に示しておりますが、陸上養殖施設、水産漁船用販売施設、産直販売施設などとしておりまして、水産物以外に生活用品を含めるあらゆる商品を販売しているようないわゆるスーパーマーケットやショッピングセンターについては公募の対象外としておりました。
 それで公募しておりましたけれども、残念ながら応募期間中には応募者がありませんでした。その後、現在の長崎漁師村運営協議会に属しているがんばランドの運営の携わっている水産関係会社から、生産・加工・流通・販売まで一貫したフードチェーンを構築した事業をこの用地に起こしたいというご相談がございました。それで、県としてもぜひ実現して、地域の活性化に努めてもらいたいということで、長崎市等と現在の運営協議会のメンバーとともに幾度となく協議を進め、昨年の3月にオープンし、現在に至ったところでございます。
 オープンから1年経過したわけでございますが、運営は順調にいっているとお伺いしております。そして、2期計画も検討中ということですけれども、水産振興の観点からのみならず、地域活性化の観点からも、がんばランドが当地区の核になっていると思っております。
 県としても、できる範囲で後押しをしていきたいと思っております。しかしながら、漁港施設としての関連施設用地という一定の規制がございますので、この規制は十分ご理解していただき、今後の展開を進めてもらいたいと思っております。
 以上でございます。
○山田[博]分科会長 それでは、これに関しての、長崎漁港の利活用の予算に関連して質問をお受けしたいと思います。
◆野本委員 今、漁港漁場課長より、長崎漁港がんばランドについての報告と資料をいただきました。
 この問題につきましては、私の先輩である前県議会議員の佐藤 了議員が、この設立を長崎漁師村運営協議会、平成22年11月に設立されていますが、これ以来、佐藤先輩がこの中で必死になって頑張って、そして、今ご説明を受けましたように、平成23年3月にオープンしたということで、そういう中で、私どもも地元の出身者として、あの漁港の背後地の活かし方というのは前々から、これは何とか活かしてもらわなければ、あれだけの広大な土地が死んでしまっているということで、これは地元はさることながら、周辺の方々も何かあの活かし方はないのかという中で、今言ったように漁師村協議会が設置されて、そして、1期目の仕事を完成して、水産物・農産物直売所として頑張っておられて、今、順調に伸展しているということでありまして、我々も非常にうれしく思っております。
 しかし、そういう時点で、既にもう1期工事の時から2期工事の計画は立てていたそうでありまして、しかし、公募の時、この期間中に応募してなかったと今説明がありまして、その辺が何か引っかかっているのかなということもありますけれども、しかし、これは長崎県が率先して、今言った漁港施設区域ということで網はかぶさっているといえども、こういう問題をやはり国へも働きかけるとか、いろんな手段を講じてこれを実現させてもらうように、これは県当局が率先してやってもらうことであると私は思うわけであります。
 そういうことについて、先般、要望等を委員長が受けているということで、昼の時間にちょっと我々も参加したんですけれども、私は北海道の函館の和商市場に行って、あそこの状況を見ると、ああいうものが長崎市にも必要だなということで、函館の和商市場に行ったらいつもそういうふうに思っておるわけでありますが、そういう意味からしても、今、がんばランドを頑張ってやってもらっているということの中で、もう一つスペースを含めた、規模を含めたそういう問題について、やはり消費者が、あるいはそれにまつわる方々が、せっかくやってもらっているけれども、あれはもっと大きくできなかったんですかという声も実は聞いてきたわけであります。
 そういう中での2期計画について、今、種々説明がありましたけれども、一つのこのハードルがあるということでありますが、これこそ我々議会も県と一緒になって、今、いろんな意味で規制緩和もされてきている時代ですし、そして、時代の背景がこの漁港をつくった時からすると全く様変わりですよ。時代の流れを考える時は、やっぱり時代の流れに沿って何かをせにゃいかんという時は、そういう法の網がかぶっていたら、それをまず取っ払うことが大事ではないかと思うわけですね。
 そういうためにやっておられたでしょうけれども、実現していないということは、まだそこに引っかかっているということであれば、この辺はひとつぜひ一生懸命やってもらっていまして、長崎県水産業振興基本計画の中に、「力強く豊かな水産業を育てる〜もうかる水産業をめざして〜」ということでうたってありますし、中でも本計画の趣旨として、やはりこれを育てていこうじゃないかということから考えてみても、私はまさにこの基本計画の中に取り含められた問題であると、その中に位置付けられたものであるということを理解しておるわけであります。
 この問題について、実は佐藤 了先輩から、「野本さん、とにかく自分は引退したけれども、どうしてもまだまだこの問題については一生懸命になって働かなくてはいけない。その分、あなたは幸い議員で現職でおられるから、ぜひひとつ県の方に話しかけていただいて、働きかけていただいて、この2期工事がいち早く着工、完成できるように」ということで。この前陳情の中では、もう既に設計計画もして、あるいは施工者も既にもう決定しているということで、これはもう決して勇み足とか何とかという意味ではなくして、もうそこに切羽詰まってきている、この状況を打破するためにはそうしなければ生き延びられないという考え方が背景にあると私は思っていますので、その点、もう一つ前に進むために何をどうすればいいのかということで、問題点があるということでありますけれども、これをクリアするための努力は、今、漁港漁場課の方も努力する意向は伝わりましたけれども、しかし、これはもう時間がないわけでありますので、この辺についてぜひ実現に向けての前向きなご答弁をお願いしたいと思います。
○山田[博]分科会長 漁港漁場課長、前向きな答弁を。
◎壱岐漁港漁場課長 私どもも、長崎地区の長崎漁港がんばランドが活性化に努めていらして、今度、魚市のところを日本全国、世界に向けて高度衛生化を先駆けてやろうというところで、水産振興には当然こういった施設が必要だと思っています。
 その中で、私どもも今までは漁港施設ということでできなかった部分と漁港関連施設に変える中で直販売所とか、こういう施設ができるようになりました。その中で、どうしてもここが今の土地が漁港関連施設用地ということで、ここに全く水産関連じゃない施設がきたらどうなるかということで用途も決まっております。漁港関連施設の中には、スーパーマーケットとかショッピングセンターを除外しているというのが、最初に公募した平等性とかそういうのもございます。その辺は実際問題としてできませんけれども、販売方法とか、いろんな部分を今度詳細に見せていただきまして、この地域の活性化につながるように、私どもも努力してがんばランドの2期工事についても推進していきたいと考えております。
◆野本委員 何か紙一重の問題だけれども、スーパーマーケットとショッピングセンターができないと、ここが一番大事なところなんですね。この辺の問題について、やっぱり法の解釈を含めて、またこの辺の規制緩和も含めたものの中で、ここが一つの山ではないかなと私は思っておるわけですけれども、この点どうですか。
 政策監にもこの前ちょっと話したことがありますけれども、この問題の取組について、その後、検討されておりましたらちょっとお尋ねしたいと思います。
◎荒川水産部政策監 先ほど漁港漁場課長が申したことと同じでございますけれども、水産の振興に役立つような施設を今運営していただいておりまして、これについては非常にありがたいと思っているところでございます。
 ただし、前回公募をした時に、今おつけさせていただきましたような条件で公募をしているということがございます。その中に、できるものとできないものの区別をした上で公募をしているということがございます。具体的に申しますと、スーパーマーケット、ショッピングセンターは応募対象外と申しておりましたので、それ以外のところで水産業の振興に役立っていただけるということで、まだ詳細を詰めている段階でございますけれども、打ち合わせをさせていただきまして、この条件をクリアしていただきまして、私どもも一生懸命頑張ってまいりたいと考えております。
◆野本委員 担当の課長、そして政策監から考え方を、これからの問題点を含めてご説明を受けたわけですが、確かにこういうものというのは一回決めてしまうと、なかなかこれを変えるということが難しいことでありますけれども、しかし、先ほど申しましたように、このような厳しい時代を迎えていて、言うなれば土地は遊んでいるし、これを活かそうという形の中で、そのためにはやはりこういうものについてやっていかなければ活かせないではないかという、ちょうど三重というところは、長崎市の中心を通っていくとハウステンボスの中間点ぐらいで、観光客、あるいはそういうことでの流れにしてもちょうど中間に位置するし、地の利もあると思っていますので、そのためにはいろんなことであそこを拡大して、拡張してその受け皿をつくらなければ、私は人の流れが変わってしまうと思いますので、今、漁港漁場課長並びに政策監のもとで問題点は把握されているようでありますので、この問題点をクリアすることについて、水産部長、ぜひ長崎県が一丸となって取り組んでいただきたいと、一応そこで私の要望とさせていただきます。
◎野口水産部長 このがんばランドについては、構想の段階から我々も非常にいい計画であり、1期工事について、ずっとご相談に応じて参りました。ただ、この用地の制約についてはこれまでも関係者の皆様には説明をし、ずっとこれまでやってまいりました。
 1期目が順調にいっているということで、2期目について、我々が聞いていたのは、当初は漁業体験施設とか、あるいは福利厚生施設とか、そういったものについて2期工事で取り組みたいというお話を中心にいただいておりました。
 ただ、具体的にお話を聞かせていただく中で、これまで漁港漁場課長が申し上げたような内容のものが含まれておりまして、この辺の問題については、がんばランドの責任者についても十分ご理解をいただいていると思っていますし、また、今、そこら辺に向けて何とかクリアできるようなことで検討をしていただいていると思っております。そういったものを見つめながら、本当に水産を支えるという意味では我々も一生懸命取り組んでいきたいと思っていますので、それについてはまた今から、今後、関係者の皆さんと協議を進めたいというふうに思っております。
◆高比良[末]委員 長崎漁港がんばランドについて、水産部漁港漁場課長からお話を聞きましたけど、何を報告したか全然わからん。設置の目的はわかったけど、課題は何なのか、問題は何なのか。何か自分たちだけわかって、これだけ委員会で説明するのに、ちょっと用地の制約が何とかかんとか、何をクリアしなければいかんとか。何かその辺をもう少し明確にして、これはいいことをやっているわけでしょう。県も認めてきて、一生懸命頑張らんばだけど、金は一銭も出しておらんとでしょう。ただ敷地を貸しているだけ。(発言する者あり)その中で何か一生懸命頑張るとか言っていたけど、今、何が課題なのか、ちょっと明確にしてください。よくわからない。
◎壱岐漁港漁場課長 今の要件でございますけれども、今の漁港関連施設用地にはスーパーマーケットとかショッピングセンターができないということで、長崎漁港がんばランドが直販売所とか福利厚生施設とかいうのはいいんですけれども、これがスーパーマーケットになったらいけないということでございます。
◆高比良[末]委員 スーパーをもってくることが今問題になっているだけですか。よそにもありますよね、下関にね。あれ、どういうのかわからんけど。
 せっかく修学旅行とか、あるいは観光客が来て、朝市に行ったり、そこで料理して食べるとか、そういうものが水産県長崎には必要なんでしょう。そういうものを民間の人が、とにかくつくろうとして、今、2期工事をやっているということでしょう。補助金も何も出さないで、補助金ぐらい出していいんじゃないですか。こういうものを一緒にやって、できんとですかね。そういう気持ちはないんですか。
◎野口水産部長 施設の整備費については、独自、自前でやっていただいていますが、その職員の人件費の分については、雇用対策基金でもって応援をさせていただいております。
 ただ、今後については、そのまま、基金がなくても、正規のまま、雇用していただくというふうな話も聞いております。
 それで、問題になっている分を直接的に申し上げますと、2期工事を拡張する際に、そこに一部、スーパーの売り場を設けると。この面積と水産物の販売の面積の関係を見た時に、一般の方が見て、これはスーパーマーケットじゃないかというふうなことになりますと、平成22年に公募した際に、一応こういうものは除いて利活用される方はいませんかということでやったようなこととか、あるいはもともとの施設の性格からいって、今のまま拡大していただけるのであれば、もう我々は何も申し上げません。ただそこに、ちょっと我々が想定していなかった部分が入り込んできたものですから、あとはそこの割合の問題ということになろうかと思います。
○山田[博]分科会長 委員長を交代します。
○野本仮分科会長 委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]分科会長 私は、長崎市選出の野本委員、また、高比良(末)委員、陣内委員のお許しをいただいて質問させていただきますけれども、まず最初にお尋ねしますけれども、皆さん方に、水産部の方、野本委員、高比良(末)委員が質問している時に、「私は関係ございません」とかね、あさっての方を見ている人がいるわけだよ。今、私が立った時にはぱっとしたけどね。大体、この問題に関しては、水産部全体が取り組まないといけないんだよ、はっきり申し上げて。誰とは言わんけれども。今だって下を向いている人がいるだろうが。この問題は、水産部全体の問題なんですよ。水産部長が、今、率先してやらんといかんと言って。そうした中で、まず最初に姿勢を問わせていただきたいと思います。
 続きまして、今回、漁港漁場課長、応募する時、今、野本委員の質問の時に、1期工事の時には、これは募集した時には誰もいなかったでしょう。まず確認です。
 今、高比良(末)委員とか野本委員が質問した時に、ショッピングセンターはだめですとか、スーパーマーケットはだめですよといった時に、募集要綱をしました。その時、いたか、いなかったか、お答えいただけますか。
◎壱岐漁港漁場課長 応募期間中には応募者がございませんでした。
◆山田[博]分科会長 そうすると、その時はなかったんです。それで、競争性とかなんかと言うけれども、実際、その時、いなかったでしょう。その後に、誰もいなかった。そしたら、今回、要するに、柏木会長を含む皆さん方が、これはやっぱり野口水産部長初め、長崎県の水産部は一生懸命頑張っていると。これは柏木会長を含め、皆さん方が、地元の方が長崎魚市、長崎漁港水産加工団地の協同組合の方、長崎蒲鉾水産加工業協同組合の方が、これはぜひやらんといかんだろうと、応援してやろうと、長崎県の水産を盛り上げようということで話があったんでしょう、それはどうですか、事実をまずお尋ねしたいと思います。お答えください。
◎壱岐漁港漁場課長 水産を盛り上げようということで皆様が頑張られて1期工事を始められました。
◆山田[博]分科会長 そうすると、先ほど、募集した時の平等とかなんかと言うけれども、その時、応募者はいなかったんだよ、誰もいなかったんだ。そこで今、募集してきてくれたんだ。それで1期工事は済んだ、そこの中で今流れがあったわけです。
 だから、先ほどの平等性とかなんかという論理というのは通らないわけだ、私に言わせると、いなかったんだから。いなくて、それで皆さん方を盛り上げようと、中村県政を盛り上げようとして地元の人が立ち上がったんだから。だから、平等性というのは何もないんだよ、私に言わせると。そうでしょうが、そうなるわけだよ、見方としてはね。
 そこの中で今問題になっているのは、今、高比良(末)委員も言ったように、こういった中で今やろうとしているのに、前向きにですね。確かに、このA工区、B工区の募集要綱は、確かにそう書いておりますよ。しかし、その時はいなかったんだから。いなくて締め切った後に募集が再度きたんだから。
 だから、今回、確かに、百歩か二百歩譲ったとしても、そう言ったとしても、今、こういうふうに頑張っているということで理解してもらうというのがね、それは皆さん方もね、全部ですね、取り組んでもらいたいと私は思っているわけですよ、これはね。地元の人が立ち上がったんだから、そうでしょう、漁港漁場課長。どですか、お答えいただけますか。
◎壱岐漁港漁場課長 地元の方が団結して、8社の方々が団結して長崎漁港を盛り上げていこうということで立ち上げられたと思います。
◆山田[博]分科会長 ですから、そういった意味では、そういったショッピングセンターとかなんかというのが、確かに募集した時に要綱があったから、その時は誰もいなかったんだよ、誰もいなかったんだ。そういった中で締め切った後にきたんでしょう。
 それで、例えば、百歩、二百歩譲ったとしても、ショッピングセンターが大々的に出てもらったら困るというのであれば、それは中の調整とかなんかしながら、ぜひ前向きにやってもらいたいと思うんですよ。
 それで、この中に、私がいろいろ聞いてみたら、今、2期工事がストップしていると。「長崎漁港がんばランドが、やめんばならんどというふうになっている」と聞いて、誰がそんなこと言っているのかということなんだよ、誰が。「がんばランドが、やめんばらんど」になっていると、誰がそんなこと言っているんだと。そういうふうなことを言っている人がいるというからね。地元の人は一生懸命やっているのを、これをそういったことをさせるのはけしからんと。私たちは、このメンバーの方々を見たら、五島の漁業者も大変お世話になっているんですよ、消費拡大、流通拡大。聞いたら、参加する方々のメンバーで、野口水産部長の五島の魚も、この協議会で流通拡大を図ろうとして、もう画期的なことをやっているんですよ、これは。漁港漁場課長、そうでしょう、これ。この2期工事を通じて長崎県の魚の流通拡大を大きく飛躍させるという計画もあるのでしょう。それはどうですか、あるかないか、お答えいただけますか。
◎壱岐漁港漁場課長 拡大することで倍の面積になって、雇用も拡大しますし、活性化にもつながっていくと思います。
◆山田[博]分科会長 だからね、ここは水産部の皆さん方におかれましては、確かに、1期工事のそういったのがあったかもしれませんけど、地元の人が頑張って盛り上げようとして、驚いたことに、柏木会長は90歳、高齢ながら頑張っている姿というのは、これは私たち政治家も見習わんといかんですよ。特に水産部長ね、柏木会長が、「野口水産部長は立派な方で、あの人が水産部長になってよかった。山田さんもしっかり勉強してください」と言って、逆に私が勉強しろと言われたんですね。なるほどね、この柏木会長は大したものだなと思ってね、私はもう長崎県の水産部と一緒になって盛り上げて頑張っていきたいと、特に地元の県議会議員の方も盛り上げておられますので、そういったことを言いたいということで、私はこれで一旦終わりたいと思います。
○野本仮分科会長 委員長を交代します。
◆高比良[末]委員 山田(博)委員長が質問されて少しわかったような気がしますが、確認します。
 資料の3ページに「募集要領抜粋」と書いている、これは県が募集要領をつくったわけですか。この辺の経緯を説明してください。
◎壱岐漁港漁場課長 この募集要綱は、県がつくっております。それで、この分を利活用することで、漁港施設ではいろんな制約がかかりますので、もう少し間口を広げた格好で、漁港関連施設用地ということで、こういうふうな募集をしているということです。
◆高比良[末]委員 その中にスーパーマーケット、ショッピングセンターは応募対象外ということで一応したわけね。そしたら誰も応募しなかった。それで、運営主体の会長が、三重漁協協同組合長など8団体が、1期工事としてレストランとかそういうところをつくって順調にいったと。だから、もう少し水産の振興に寄与するように第2期工事をやろうとした時に、ここが少し引っかかってきたというわけですね。その辺は少し、いろいろやる方向で、いいことですから、あんまりこだわらんでいいんじゃないですか、法律的に何かあるんですか。よっぽどなければ、その辺の規約を改正するなりして、方向としてはいいことでしょう、水産県長崎の振興のためには。そういうところで私もようやくわかりましたので、県も一生懸命頑張ると。補助金も何も出さずにやろうとしているから、県も最大限の支援をしていただきたいことを要望しておきたいと思います。
◆高見委員 私も、質問じゃないですけれども、1つお伺いしたいところは、部長が、自分たちが最初想定したよりもというようなお話をちょっとされたんですね。具体的に言ってもらわなければ理解しがたいんですけれども、よかですか、何があったのか。
◎野口水産部長 先ほど言いましたように、1期、2期あわせたところ、全体で水産物の販売、あとは福利厚生施設、あるいは漁業体験施設という話がございました。こういう話は途中の経過とか公募の状況とかというのはがんばランドの担当課長にもずっと申し上げております。
 ただ、話を聞くと、今度の2期工事の部分にスーパーの売り場が入り込んでくるという時に、ぱっとひと目みた段階では、かなりの部分が、かなりといっても、半分ちょっとぐらいな感じのところであったものですから、対外的に、やっぱりここは水産物を中心にした売場なんだということで一般の方が思っていただけるような、そういったものにしないと、例えば、そこでショッピングセンターなりスーパーができるということであれば、平成22年に応募していたのにという人があらわれた時に対応できないのではないかということもございまして、この件については、今、担当の方とも話をさせていただいておりますので、これから調整を進めたいと思っております。
◆高見委員 部長から聞いてわかりましたけれども、一つは、運営の主体、構成員の皆さん方が漁業関係者ばっかりですね。その方々が自前の品物を売られると。加えて、あそこは周辺がまちでしょうから、幾分か周りの人たちが利活用できるような購買物というか、売り物も置かれると。だた、面積的に5・5はいかがなものかと。せめて6・4で漁業関係の皆さん方の、地産地消も含めて6割をやっぱり中心にしていただいて、その他を4割ぐらいにしてもらえばというようなことで理解していいんですか、そういうことで。
◎野口水産部長 はっきりした比率を申し上げると、またいろいろあれだと思います。ただ、一般の方が見た時に、ここは水産物中心の直売所、あるいは漁業体験施設、あるいは福利厚生施設、そういったものというふうな理解をいただくような感じにしていただければと思っております。
◆高見委員 そういうことであれば、多分、運営主体の長崎漁師村運営協議会の皆さん方のご理解はいただけるのであろうというように思っています。
 今年2月から上海航路も再開しましたし、ぜひ日本の、長崎県の水産物、加工品も含めていいものがあるというふうに中国でも随分宣伝していると思います。ですから、ぜひこういったところを拡大していただいて寄っていただけるような、そういう施設になっていただけるように、水産部の皆さん方もご協力、ご理解をしていただきたいと思います。お願いします。
○山田[博]分科会長 委員長を交代します。
○野本仮分科会長 委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]分科会長 水産部長、今、高見委員との話を聞いておりまして、スーパーが出てきた時に、その前の時に応募はなかったけれども、できるのであればね、私たちも応募できたということで、じゃ、実際そういった声があったんですか。そしたら私も出たんですよということがあったんですか。あるか、ないかでいいです、答えていただけますか。部長は細かいことはわからないでしょうから、担当課長からお答えいただけますか。
◎壱岐漁港漁場課長 その前に、がんばランドを許可する前に、応募がなかったので、我々も、1,200平米という広い面積ですので、区間割りを小さくしたり、どうしようかということで公募方法を少し検討しながらやっている中で、がんばランドさんが手を挙げてこられたということで、本来、内部でも公募すべきじゃないかといういろいろ意見もございましたけれども、一応、最初に応募しておりました要件に合致していたということ。それと、再度公募すると、また半年とか先になりますので、早期に実現していただきたくて、その分については公募をしないで、今までの条件に合致した分で運営されているということで占用の許可になったということでございます。
 そのほか、応募があったかどうかということについては、公募はやっていませんので、正式には応募はあっておりません。平成22年の時には、コンビニとかスーパーができればというような声があったというのは聞いております。
◆山田[博]委員長 要は、漁港漁場課長、今回、がんばランドの、新しく2期工事をする時に、要は、私たちもそこに入りたいんですよとか、私たちも行こうと思っていたんですよという話があったかどうか。募集の時にはなかったということはわかりました。その後にきたんですか、ほかの会社から。あるか、ないか、それだけでいいんですよ。
◎壱岐漁港漁場課長 1件、問い合わせがございました。
◆山田[博]分科会長 問い合わせがあって、名前はいいですから、大体わかっているんだから。名前は別にいいんですけど。要は、ここは、水産部長ですね、私は、第三者の目でいろいろ調査して勉強させてもらったんですよ。
 そうすると、今、ここに入っていこうという、提携していく、いろいろと協力をさせていただこうというところが今一緒になって、長崎県の流通と消費拡大を頑張っていこうということで、これはすべて長崎県の水産の資源管理、水産振興、水産加工・流通、全部にかかわってくるわけです。
 そうすると、こういった状況の中で最終的にどういった形がこの長崎県の水産にとっていいか、この施設をどう活用するのが一番いいかというのが一番大きな命題なんですよ。長崎県の水産行政にとってどういった施設があった方がいいかというのが、漁港漁場課長、あなたのすばらしい、頭脳明晰で、ぴしゃっと決めてやっていただきたいと思うんですよ。私は、それだけなんですよ。長崎県にとって、どういった形の漁港施設があって、地域が賑わうのか、雇用が生まれるのか。また、それが長崎県の水産行政全体のプラスになるのかということを第一に考えてもらいたいんですよ。どうですか。漁港漁場課長、第一ですよ、それが。国民の生活が第一と一緒ですから。最後にお答えください。
◎壱岐漁港漁場課長 我々も、長崎の漁業の振興、地域の活性、それと雇用につながる部分については、大きく推進していかなければならないと考えております。一生懸命やっていきたいと考えております。
○野本仮分科会長 委員長を交代します。
○山田[博]分科会長 漁港漁場課長、水産部長初め、この施設に関しては、委員の皆さん方も、そういった認識で一致していますから、そういうことでぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。よろしいですか、漁港漁場課長、答弁してください。
◎壱岐漁港漁場課長 地域の活性化のために努力していきたいと考えております。
○山田[博]分科会長 この件についてはいいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 以上で予算議案に対する質疑を終了したいと思いますが、よろしいですか。
     〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 予算議案に対する質疑・討論が終了いたしましたので、採決いたします。
 第1号議案のうち関係部分、第6号議案、第9号議案、第13号議案のうち関係部分、第65号議案のうち関係部分、第68号議案及び第73号議案のうち関係部分は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]分科会長 ご異議なしと認めます。
 よって、予算議案は、原案のとおり可決すべきものと決定されました。
○山田[博]分科会長 休憩します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     −午後2時38分 休憩−
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     −午後2時38分 再開−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○山田[博]分科会長 再開します。
○山田[博]委員長 次に、委員会による審査を行います。
 議案を議題といたします。
 水産部長より、総括説明をお願いいたします。
◎野口水産部長 水産部関係の議案について、ご説明いたします。
 農水経済委員会関係議案説明資料追加修正版の水産部をお開きください。
 今回、ご審議をお願いいたしておりますのは、第21号議案「長崎県手数料条例の一部を改正する条例」のうち関係部分、第62号議案「県が行なう建設事業に対する市町村負担金の徴収についての一部変更について」、第63号議案「直轄特定漁港漁場整備事業に対する県の負担について」で、その内容は記載のとおりであります。
 今回、ご報告いたしますのは、「長崎県漁港漁場整備長期計画2012」の策定について、有明海等特別措置法に基づく県計画の変更について、中国漁船による違法操業について、マグロ養殖の振興について、ノリ養殖の状況について、全国海水養殖シンポジウムの開催について、全国青年・女性漁業者交流大会における受賞について、長崎県水産加工振興祭について、水産物の販売促進について、水産物の輸出促進について、漁業取締船の重点配備及び連携取締りについて、住宅団地マリンヒル三京の販売促進についてで、その内容は記載のとおりであります。
 以上をもちまして、水産部関係の説明を終わります。
 よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。
◎本田水産部参事監 「長崎県漁港漁場整備長期計画2012」について、補足説明をさせていただきます。
 資料につきましては、事前にお配りしております資料3をご覧ください。
 まず、1ページをご覧ください。策定の経緯について、ご説明いたします。
 本県の漁港・漁場・漁村の整備につきましては、現在、平成19年度から平成23年度までを計画期間とする長崎県漁港漁場整備長期計画に基づき各種事業を実施しております。
 この現計画が本年度末をもって終期を迎えますので、次期の長期計画の策定に向けて平成21年度から平成22年度にかけましては、各市町及び県の担当者、漁業関係者と意見交換を行いますとともに、整備の要望の聞き取りを行ってまいりました。また、今年度は行政関係者による検討会を3回開催し、次期長期計画で対応するべき課題の洗い出しを行っております。
 その後、平成23年11月の定例県議会農水経済委員会では、次期長期計画の策定の状況、それから、そこで抽出された課題と具体的な対応策をご説明させていただき、平成20年1月には長崎県漁港漁場整備長期計画2012の素案という形で委員の方々にご説明させていただいております。そして、その後、約1箇月かけてパブリックコメントを実施しているというような状況になっております。
 次に、長期計画案の概要について、ご説明いたします。
 まず、本計画の位置づけでございますが、本計画は、これは国の補助事業を主体にしてやっておりますので、国の公共事業の予算が大幅に削減されている中で、今後5年間の本県の漁港、漁場、漁村の整備を計画的かつ効果的に実施していくために計画としてまとめようとするものであり、長崎県総合計画水産業振興基本計画を踏まえつつ、また、今年度末に同じように策定が予定されております国の次期漁港漁場整備長期計画とも連携を図っていくというものになっております。計画期間は平成24年度から平成28年度の5年間。
 計画の内容でございますが、後継者不足や高齢化、資源水準の低迷、魚価安、海洋環境の変化、資材確保など、本県水産業を取り巻く厳しい現状、また、一方ではマグロ養殖の拡大や中国への水産物輸出といった新たな取組、さらに東日本大震災を契機としまして、今後、本県でも想定されるような自然災害への対応といったことを背景といたしまして、取り組むべき課題を次の4項目に取りまとめて、それぞれ目標と事業量を掲げております。
 具体的な中身といたしましては、4ページ、黄色い横表をご覧いただければと思いますが、その右側に書いておりますとおり、まず第1項目めとしまして、水産資源の維持回復では、成果目標として、海面漁業生産量30万トンの維持を掲げ、魚類の産卵や稚魚の保護・育成の場となる増殖場を概ね450ヘクタール整備をするとともに、持続的な漁業生産量を確保するための魚礁、漁場を概ね4,200ヘクタール、マウンド礁を概ね730ヘクタール整備してまいります。
 また、水産資源の有効活用や保全を図る上で大変重要な海域に面する国境離島周辺の漁港の整備については、周辺の利用状況や関係者の意向、今後の国の検討状況を注視しながら慎重に検討を進めてまいります。
 次に、2項目めの水産物の品質、鮮度保持と安全性確保では、成果目標として、高度に衛生管理された水産物の出荷量を5万トンに増加させることを掲げまして、平成23年度から着手した長崎漁港の陸揚岸壁の耐震化と水産物の高度衛生管理に資する荷捌所の整備を推進いたします。
 3項目めの持続的な漁業生産力の確保では、まず、1つ目の成果目標としまして、概ね20%の漁港で就労環境や生活環境の改善を図ることを掲げ、概ね60の漁港で簡易浮体や浮桟橋、暴風フェンスや防潮施設といったものの整備を行います。あわせて、現在、2つの漁港で漁業集落排水の整備を推進したいと考えております。
 2つ目の成果目標として、概ね50%の漁港で漁港施設の機能診断を実施することを掲げ、約80の漁港で老朽化が進む漁港施設において、超寿命化のための調査や工事を実施します。
 3つ目の成果目標としまして、漁港の再編を推進し、漁港数を概ね20%削減することを掲げ、全国最多の286という漁港が本県には指定されておりますが、将来的には効率的な施設の維持管理をしたり、重点的な施設の更新整備を可能とするために漁港を統合再編するということを考えております。
 さらに、漁港・漁村のエコ化につきましても、国の動きと連携しながら必要な対策を検討してまいります。
 最後に、4項目めの災害に強い漁港・漁村の形成では、成果目標に事業を実施するすべての漁港におけるソフト対策の実施と、避難拠点や流通拠点となる漁港のうち、台風避難後や災害発生後も迅速な生産流通活動が再開できる漁港の割合を44%から概ね80%に向上させることを掲げ、台風や高潮などの自然災害に対応するための防波堤や護岸、避難路等の整備、所要の耐震性を確保した施設の整備を概ね50の漁港で進めるとともに、施設整備で対応が困難な自然災害に対しては、地域防災計画の見直し等に合わせまして、ハザードマップの作成などのソフト対策を実施していくこととしております。
 2ページに戻っていただきまして、3番といたしましてパブリックコメントの実施結果についてまとめております。
 パブリックコメントは、去る1月20日から2月20日までの32日間実施し、7件の意見をいただいております。
 いただいたご意見を分類しますと、カテゴリーのBの案の中に既に盛り込まれているものや、素案の考え方や姿勢に合致し、具体的な対策を遂行する中で反映、検討していくものが4件。それから、Dの当計画では対応が困難なものが3件ございました。
 具体的な内容としましては、3ページの一覧表に書いておりますが、例えば、「小さな漁港でも利用されている漁港への生きた投資が必要ではないか」、「漁業者が安全・安心な仕事ができる漁港整備をしてほしい」、「地域再生の観点からも建設的な漁港整備に取り組んでほしい」という素案に既に盛り込まれているものや、計画案の考え方に合致したご意見がございました。
 一方で、漁港の管理や利活用に関するご意見もいただいておりまして、整備に関する内容ではございませんので、本計画にそのまま反映はできませんでしたが、今後の漁港を管理していく上での参考とさせていただきたいと考えております。
 以上の結果、パブリックコメントを踏まえた計画案の変更は行っておりません。
 最後に、2ページの4番ですが、今後のスケジュールに記載をしておりますが、本日の委員会説明の後、今月末に予定をされております国の次期漁港漁場整備長期計画の策定に合わせまして、この長崎県漁港漁場整備長期計画2012という形で正式に策定、公表したいと考えております。
 以上でございます。
○山田[博]委員長 以上で説明が終わりましたので、これより議案に対する質疑を行いたいと思いますが、しばらく休憩いたします。
 3時から再開したいと思います。よろしくお願いします。
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     −午後2時48分 休憩−
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     −午後3時0分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 質問はありませんか。
◆溝口委員 第21号議案ですけれども、長崎県手数料条例の一部を改正する条例の件についてお尋ねしたいと思います。
 小型漁船の総トン数の測度に関する政令の一部が改正されたということで、5トン未満の手数料が1万4,000円ということになっていますが、今まではなかったということでゼロだったんですか。
◎柳村資源管理課長 実は、測度というのは、必ず20トン未満の船でも、どんな船でも、漁船登録をする前に測度をいたします。今までは20トン未満の漁船について県が測度するという形になっています。小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令というのがございまして、これが平成14年4月に改定されて、それまで測度義務がなかった5トン未満漁船についても、平成14年に実は改正されています。全船について測度をしなければならないとなっておりました。
 ただ、5トン未満の漁船は漁協の職員に県の職員がアドバイスを与えながら、漁協の担当者もしくは造船所、こういうところが測度を実際に作成した調書に基づいて、我々はそれを受け取って総トン数を計算するという処理を行っておりましたが、そういう実測を伴う、伴わないにかかわらず、やはりきちんとお金を取るべきだというのがございまして、現状、20トン未満しか規定をしておりませんので、例えば3万7,000円とか2万6,000円とか非常に大きい金額になってしまいます。
 ですから、今回、条例を改正しまして5トン未満の船に当たっては、例えば、全部を県職員が実測するものについては、例えば1万9,000円、部分的なものは例えば1万4,000円とか金額を下げて条例改正をしようとするものです。
 ただ、これにかかわらず、今までどおり漁協がきちんと測度までやってくださるという分には、それなりの手数料が発生しないように我々も指導していきたいと思います。
 ただ、近年、漁協を介しない、遊漁船から漁船に転向するような船が増えておりますので、こういう条例を改正してきちんとお金を取るべきところは取っていきたいと考えているところでございます。
 以上です。
◆溝口委員 わかりました。今までは20トン未満ということで3万7,000円とか2万6,000円取っていたのを、これを1万4,000円と1万9,000円ということにしましたということですか。わかりました。どうもありがとうございます。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 委員長を交代します。
○野本仮委員長 委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 今回の第63号議案の直轄の件についてお尋ねしますけれども、漁港漁場課長、これはどういった状況かというのは県当局はきちんと把握されていますよね。それで、この予算を計上する中で進捗状況はチェックされておりますか。話によると、コンクリート製品ですか、うまくできていないという話もお聞きしております。私が見に行くと、地元の人が「何しに来たんだろうか」と言ってまた変なうわさが立ったら困るからね。すぐ野口水産部長のところに連絡がいって迷惑がかかるんじゃないかと思って。その状況は確認しておりますか。
◎壱岐漁港漁場課長 状況については、国の負担金の申請等の際に打ち合わせながら状況を把握しております。先ほどのブロックについても、現地の分も見せてもらって確認をしながら進捗を見守っておるところでございます。
◆山田[博]委員長 見守っていると、つくってからずっと見ているんですか。違うんでしょう。私が言っているのは、野口水産部長初め、水産部の方が国に大分働きかけをしてもらったおかげで、長崎県内の会社が製造については受注させていただいていると。聞いたら、ブロックの製作はコンクリートというか、石炭灰の配合がうまくいかなくて、製造がうまくいっていないという状況だと私はお聞きしております。そういったことを私は聞いておりますが、そういったことを把握しておりますか、状況として。ある会社に言うと、海水がだめなんですよと。じゃ、上五島はうまくいっているのに、下五島の海水と上五島の海水はどう違うのかと思ってですね。上五島の海水はきれいで下五島の海水は私みたいにドロドロしているのかと思ってですね。それはどういうふうになっているんでしょうか。そう言う人もおったんですよ、私が聞いたら。そんなばかみたいなことを私に言ってですね。そういったことでしたが、聞いていますか、状況を教えてください。
◎壱岐漁港漁場課長 1月19日に国の方とお話をしまして、その状況も聞いております。その中で、最初にする時については慣れないもので、なかなか固まりが悪かったというような状況でございましたけれども、今は順調に製品もできて進捗もしていると聞いております。
◆山田[博]委員長 最初はだめだったけど、今は慣れて固まってきていると。そこで、型枠は、1つの型枠になっているんですか、なってないんですか。1種類でしょう、この型枠というのは。1種類の型枠か、型枠でないかだけお答えください。それだけでいいです。
◎壱岐漁港漁場課長 型枠は、形として1つですので、1つの型枠です。
◆山田[博]委員長 そうしますと、型枠は1つしかないということは、入札において、型枠の会社というのが大きな影響力がある、入札に影響が出てくるんじゃないかと思うんですよ。何種類かの、これは徳永委員が詳しいところでして、型枠が幾つもあって、そこの中でするのはわかるけど、もうそれじゃないとだめとなっているわけですか。その点お答えください。
◎壱岐漁港漁場課長 型枠につきましては、国がいろいろな実験をやりながら、そういう形状にしたというふうに聞いております。私ども、実際にその形しかないということしか知りませんので、型枠というか、形が1個でいろいろ実験をやりながらブロックをつくって造成をしていると聞いております。
◆山田[博]委員長 これはほかの水産部の皆さん方にもわかってもらいたいんですけれども、要するに、入札に当たっては1つの商品しか、ものをつくる時、これでしかできないとなれば、必然と入札にある程度の影響力が出てくるんですよ。
 それで、私がなんでそれを質問しているかというと、長崎県で予算をつぎ込むに当たってはそういった状況があるということの中で入札が行われているということになればいかがなものかと思ったわけですよ。しかしながら、これは水産庁におきまして、参事監がわざわざ水産庁から来られているから、これ以上、また、馬込委員みたいに、先ほどの橋下知事の質問みたいなことは私はしませんから。そういった意味合いがあって私は質問しているということをご理解いただければと思います、参事監ですね。こういった状況にあるということを地元の県議会議員は認識しているということで、順調に工事をやっていただきたい一方で、こういったことを指摘されているということをご理解いただきながらやっていただきたいと思います。
 終わります。
○野本仮委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質疑がないようですので、これをもって質疑を終了いたします。
 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 討論がないようですので、これをもって討論を終了いたします。
 議案に対する質疑・討論が終了しましたので、採決を行います。
 第21号議案のうち関係部分、第62号議案及び第63号議案は、原案のとおり可決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ご異議なしと認めます。
 よって、各議案は、原案のとおり可決すべきものと決定されました。
 次に、お手元に配付いたしております陳情書一覧表のとおり陳情書の送付を受けておりますので、ご覧願います。
 陳情書について、何かご質問はありませんか。
 委員の皆様方にご連絡ですけれども、先日、委員会の冒頭にお諮りしましたように、陳情番号の12番、提出者は佐世保市黒島刺し網部会ですが、これは宮内議長の方から話がきておりますので、金曜日午前中に集中審議をするということでご理解いただきたいと思います。
 ほかの陳情書について質問がありましたら、お願いいたします。
◆高比良[末]委員 所管事項でも出しておりましたけど、中国漁船による違法操業に関する陳情書がきております。国も、九州海区ですか、いろいろ警戒しております。県もそれ以上の取締強化を国に要望しておりますが、県としてはどういうことをもう少し国にしてもらいたいというふうにお願いされておりますか、具体的には。今、国に要望していますよね、いろいろ。
◎柳村資源管理課長 昨年の11月、12月に発生しました中国船の領海侵犯、それから、領海侵犯しての違法操業につきまして、それ以降、海上保安庁、水産庁にも重点配備を常々お願いをしております。現状では、海上保安部が2隻、水産庁の九州漁業調整事務所が2隻、それらの船が1隻ずつ、必ず男女群島、鳥島周辺を監視しているという状況にございます。それだけ重点配備を行っていただいております。
 ただ、それにしても、我が国EEZの中に中国を含めて韓国船も入ってきますので、水産庁九州漁業調整事務所には、例えば巡視船艇、漁業取締船、こういうもののさらなる増強、人員増強したものを機会あるごとに要望しているという状況にございます。
 それから、政府施策要望でいえば、常々ずっと入れている部分は、外国漁船に対する取締監視体制の一層の拡充強化、監視・通報を行う本県漁業取締体制への助成ということで、こういうものを含めて今後とも強く要望してまいりたいと考えております。
◆高比良[末]委員 取締船を増やすこと、もちろん人員もですね。そういうことを今要望しているわけですね。
 それで、今、長崎県の海域が一番違法操業が起こっているんですかね。参考までに、他県で外国船の違法操業というのは聞いていますか。
◎柳村資源管理課長 ここに持っている資料だけで説明いたしますと、平成23年度でいえば韓国船が8隻、中国船が2隻ということですが、実は、韓国船に関しては、島根県沖とか、そういうところにも当然違反があります。その件数を今手元に持っておりませんので、すぐに調べて後ほどお知らせしたいと思います。
 それから、中国漁船に関しては、日中の漁業協定が平成12年にできあがりました。その中で中間水域、暫定措置水域がものすごく広く東シナ海にとられております。その中間水域暫定水域から一番近いところといったら、やっぱり本県海域なり鹿児島沖になります。それから尖閣列島の方がそういう協定から全く外れておりますので、そういう形になるかと思います。
 ただ、こちら側では、中国船は実は検挙件数は非常に少ないです。毎年1隻ないしは2隻というところです。ただし、中国船の違反は、今回の領海侵犯みたいな重大な違反が多い。韓国船に対しては、例えば魚を何トンとるという日誌をつけないといけません。その日誌と違うような、不実記載といいますけれども、そういう軽微な違反が多いところがあります。中国船は、本県水域の1〜2隻しか今把握しておりませんので、すぐに調べて後ほどお知らせしたいと思います。
 以上でございます。
○山田[博]委員長 ほかにありませんか。
 委員長を交代します。
○野本仮委員長 委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 今回、「五島市鳥島等の保全・整備を求める期成会」から長崎県に陳情させてもらったんですけれども、この中で水産部に関係するのは、国境離島における漁船の燃料代支援、また、漁業者の安全操業確保のための携帯電話基地局の整備ということで、これは長嶋漁業取締室長、あなたの部下も何回も県庁に遠いところから来ていろいろしてもらって本当に感謝しております。
 そこで、お聞きしたら、携帯電話の基地局をつくるのは莫大な費用がかかると。1つの基地をつくるのに1億円かかって、鳥島周辺で携帯電話が通じるようにするためには大体10億円ぐらいかかるんじゃないかと、それ以上のお金がかかるということでね。
 そこで、漁船の無線というのを新たにしようと思っているんですけれども、その無線が、これまた2年後には現機器は使えないと、新しい機種を使わないといけないということです。こうなると、これは長崎県全体の漁業者に大きな影響を及ぼすわけですが、こういった現状は間違いございませんね。漁船の船舶電話といいますか、衛星電話といいますか、それが2年後には使えなくなるというのは。どういった使用状況というか、調査していただいておりますか、お答えいただけますか。
◎長嶋漁業取締室長 今、2点、委員長からお話がありました。まず、漁船が積んでおります衛星回線を使った船舶電話については、現在の回線方式が2014年の上旬をもって新しい通信システムに変わるということになっております。
 次に、この衛星船舶電話を使っている本県の漁船ですけれども、関係漁協に問いあわせましたところ、約80隻という数字が出てきております。
 これは沿岸で操業する船ではなく、例えば沖合で操業するはえ縄船であるとか、日本海を北上しながら漁をしていくイカ釣り船であるとか、そういう船を中心に約80隻が衛星船舶電話を使っている状況にあるということで把握しております。
◆山田[博]委員長 そしたら長嶋室長、80隻の内訳を教えてもらえませんか。
◎長嶋漁業取締室長 約80隻の内訳といたしまして、まず、対馬がイカ釣りとシイラ漬けですね、それからひき縄等で18隻。それから、五島がひき縄、それから、モジャコをとる船などで14隻。壱岐は、イカ釣りとシイラ漬けで24隻。県北4隻、県南13隻ですが、昨日、全漁協を対象に調査したつもりでしたが、未回答がございましたので、計73隻にプラスアルファを見て約80隻と先ほど申し上げました。
◆山田[博]委員長 大体80隻ということですね。それは教えてくれればよかったですね。わかりました。
 いずれにしても、この機会に調査してそういったことがわかったということであれば、この機会に、これはどちらが担当になるんでしょうか。今後の漁船の無線のあり方というのは、水産部として取り組んでいただきたいと思います。取り組まないといけないんです。2014年からこういったことであればですね。これは沖合で漁業者が安全情報を更新する中で今後莫大な費用がかかるわけですから。今回の鳥島におきましても、そういったことを含めて新しい制度なり無線のあり方について取り組んでもらいたいと思うんですけど、見解を聞かせていただけますか。
◎長嶋漁業取締室長 衛星船舶電話につきましては、漁船登録等には掲載されておりませんので、先ほど申し上げたような概数的な数字の使用実態でございますが、漁船間の通信とか、安全航行、それから水揚げ、緊急通報等の関係で使われている実態がございます。ですから、そういうことを踏まえまして、もう少しきちっと実態を調べた上で水産部として対応するということで、あと2年間ございますから、それに間に合うような形で対応してまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 漁業取締室長、あと2年あるからということで悠長なことは言ってられませんから、2年の間、あなたはそこにいらっしゃいますか。出世して別の部署にいるかもしれないし、働きが悪くて別のところに行くかもしれませんから、2年間ありますからと、そんな悠長なことを言わんでくださいよ。次のある程度のめどを立てて、2年間のうちに使えなくなるわけだから、しっかりやっていただきたいと思います。ぜひそれはお願いしたいと思います。
 それと水産部長、今回、これだけ海上保安庁の国境監視の強化とか、あと、国境離島における漁船の燃料代支援ですね。これは先ほどの無線も含めて、離島において安全な操業ができるようにぜひ取り組まないといけないわけですけど、水産部としてしっかりと、議会もそうですけれども、取り組んでもらいたいと思うんですよ。水産部長、改めて要望がきたわけですけれども、取り組む姿勢、考えを聞かせていただきたいと思います。
◎野口水産部長 この問題については、離島振興法の見直し、あるいは国境離島に関する新たな法律という動きの中で、県全体としても沿岸漁業の方がEEZ内で操業することによって、それが結果として国境監視につながるという観点に立って燃油の助成のお願いをしているわけですが、これは水産部としても、ぜひともこういう方向で進めていただきたいということで、特に水産庁には我々も強く要望していきたいと思っております。
○野本仮委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかに陳情に対してご質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、陳情につきましては、承っておくことにいたします。
 次に、議案外の所管事務一般に対する質問を行うことといたします。
 質問はありませんか。
◆陣内委員 漁港漁場整備の長期計画について説明をいただきましたので、もうちょっと基本方針についてお聞きしたかったんですが、基本方針については十分説明していただいたのでそれはいいとして、具体的に1つ、この中で気になっていることがあるのは、漁港を再編して20%縮減するとあります。この縮減された漁港は、パブリックコメントにも入っていましたが、小さな漁港が縮減されて、しかし、必要なものは整備していくということになるでしょうが、あとの、言ってみれば漁港としては切ってしまうのか。後の維持管理はどうなるのか、その辺を教えていただきたいと思います。
◎本田水産部参事監 今回、再編をすることによって20%の漁港数が減るという表現をさせていただきました。その中で実際に懸念されていますように、小さな漁港、漁船が少ない漁港がなくなってしまうんじゃないかというようなご懸念があるかと思います。そういうことではなくて、やり方としては、近隣にある漁港と合併させるようなイメージで、大きな漁港の中の一つの施設ですよという位置づけに変えて漁港数を減らしていくというようなイメージで考えております。
 と申しますのは、現在、漁港の整備、特に補助事業でやっている部分が多分に多いわけでございますけれども、どうしても漁港の補助事業を適用するに当たりまして補助事業の条件というのが、かなり厳しい条件がついておりまして、例えば、漁船が非常に少ないところでありますとか、水揚げが少ないところでありますと、その補助事業の採択の対象にならなくなってくるという現状が生じているのが実情でございます。
 そういったところはもう何もできないという話になってきますので、そういうのをちょっと工夫することによって、大きな漁港の中の一部の施設ですよという位置づけで、全体としては補助事業の条件に合う施設というふうに位置づけて、必要な施設を小さな漁港全部ではなくて、その中でも必要な部分をきちっと手当てできるような形で今後取り組んでいきたいということで、今回、この漁港の再編ということを考えております。
 そういう意味で、実態として漁港そのものがなくなってしまうということじゃなくて、漁港の数が減っていくと。それによって事業ができる、あるいは数が減りますので、管理者側としても、たくさんの漁港をばらばらに管理するよりも大きな漁港の一部ということで認識してきちんと把握できるということの利点もありますので、効率的な管理ができるのかなと考えておりまして、そういう方向でこれを示させていただいているところでございます。
◆陣内委員 それを聞きまして安心いたしましたが、そうしますと、漁港の1種から4種までの区分けとして、あるいは市町、県管理、それはそのままそういう形で残るんですか。
◎本田水産部参事監 今回、統合して一緒にする漁港が幾つかあると申し上げましたけれども、基本的には市町が管理している漁港が、特に1種の漁港がその対象になってくると思います。周辺の市町の管理漁港と一緒になるというようなイメージで考えてもらえばいいわけですので、それはほとんどの漁港が従前どおり同じ管理者が管理をするという形になっていくのかなと思います。
 ただ、場合によっては市町管理だった漁港が県管理の漁港に統合する、あるいは幾つかまとめて県管理漁港にするということも想定されますので、管理者が変わって別の漁港として管理をしていくというケースも今後出てくるかなと考えております。
◆陣内委員 ありがとうございました。
 それと、この基本計画を立てられる中で、質問項目に挙げさせていただいておりましたが、磯場の問題ですね、磯焼けしているということで。予算の中でもお聞きしましたが、そのように漁港のハード整備、あるいは漁場整備という形でいきますと、水産業の中核をなす分野ですね。そういう意味では流通まで含めて大きな計画の中身だろうと思うんですが、そういう意味で横の連携がしっかりとれた中で計画を立案されたのかどうか。といいますのが、先ほど、磯枯れのことについてはお聞きしましたが、全体的な把握というのがまだしっかりできていないような感じも受けました。私も、こちらの仕事をしてきたのはご存じだと思うんですが、整備している時に地元の人から言われたんですね。港を整備してくれるのは本当にうれしいと、安全に停泊できるし、非常にすばらしいと。しかしながら、整備してもらったはいいけれども、漁に出ようとしたら魚がいなくなっていると。というのは、漁港を整備するところが稚魚が育つところ、孵卵場であったりするところ、入り江ですからね。しかも、藻場があったり、昔は磯が本当に豊かな状況でしたけども、そういうところをつぶしているので魚がいなくなったということを言われて、それはそうかなという感じがしました。
 その中で、よくよく注意して見ますと、確かに藻場が少なくなってきている。最近特にひどいですね。長崎半島を見ても、藻場が大分なくなってきているということを感じているわけです。そういう点で特に漁場整備は資源管理という面から大事なことなので、そういった横の連携をしっかりとった形での計画だろうと思うんですが、その辺のいきさつを聞かせていただきたいと思います。
◎本田水産部参事監 今回、「長崎県漁港漁場整備長期計画2012」をまとめるに先立ちまして、まず、先にスタートしております県の総合計画、水産業振興基本計画というのがございますが、その中でも水産資源の維持・回復、漁場の生産力の維持・向上といったことを目標として掲げております。その中にはいろんな施策が盛り込まれているかと思います。例えば、資源管理だったり、栽培漁業だったり、漁港漁場関係のハード整備だったりというのが入ってくるかと思います。そういう意味では、ほかの施策と連携しながらハードの整備を考えているというのが実情でございます。
 特に、事業量を考える際には、地元の方々、漁業者の方々のご意見を聞くんですけれども、漁師の方々がおっしゃるには、資源の問題が非常に深刻だということで、魚礁もほしいんだけど、むしろ、今後は資源対策のための増殖場とかをやってほしいというような話もあります。
 そういった形での資源の維持・回復、漁業生産力の維持・向上ということを我々も認識しながら、いろんな施策と一緒に取り組んでいきたいということで今回まとめております。
 実際、事業量を載せておりますが、施行するに当たりましても、例えば増殖場でありましたら、増殖場を単につくるだけじゃなくて、その増殖場をうまく管理してもらう。例えば、今、磯焼け対策でやっておりますほかのソフト事業と連携して増殖場をうまく活用してもらうとか、そこで種苗放流とか資源管理対策をやってもらうとか、そういったソフトの対策がしっかりできるようなところでハード整備をやっていきたいと。こういうような関係の連携を取り入れて計画を考えてきたところでございます。
◆陣内委員 ありがとうございました。
 それでは、長崎県のマグロの養殖振興プランということで確認をさせていただきたいんですが、具体的な連携をそれぞれの関係者と取りながら、今後、県としても持続的な投資をしていかなきゃいかんと思うんですが、基本的な考え方をお知らせいただきたいと思います。
◎五島水産振興課長 マグロ振興の具体的な連携と、それから、今後の県の投資の方針ということでございます。
 まず、マグロ養殖の振興に向けて取り組む際の指針としまして、平成20年度に「県マグロ養殖振興プラン」を策定いたしまして、このプランに基づきまして養殖業者、種苗となりますマグロ幼魚の採捕漁業者、餌料調達に係ります漁協系統、それから流通関係者、関係市町、これらで構成いたします「県マグロ養殖協議会」というものを設置しまして、種苗やえさの確保、それから流通販売の課題、今後の取組について情報交換、意見交換等を関係者の連携で行っておりまして、適正な養殖を図るように努めているところでございます。
 具体的に申しますと、種苗調達でのひき縄漁業者や漁協との連携、それから、えさの調達では漁協系統などとの連携、それから、販売やPRで地元の飲食業者、ホテル、魚市、そういうところとの連携が取り組まれているところでございます。
 県といたしましても、種苗の安定確保に向けて、天然種苗のみに依存しないクロマグロ完全養殖に向けた人工種苗の実証試験、それから、生餌にかわります人工配合飼料の開発等に係ります試験、それから、加工・販売等の取組や中国への養殖マグロの輸出、これらにつきましても関係団体と連携して推進しているところでございます。
 今後とも、これらの取組を引き続き推進しまして、高品質な養殖マグロづくり、それから、安定的な販路確保ということで地域振興に寄与できるように取り組んでいきたいと考えております。
◆陣内委員 ぜひ精力的に続けてほしいと思いますが、実際に業者の方は増えているんですか。
◎五島水産振興課長 現在、県下で40の業者さんがされておりまして、当初37業者でございましたので、若干増えております。
◆陣内委員 ありがとうございました。
 次に、有明海の対策について説明がありました。これは4県でやっているわけでしょうけれども、今回、有明海の国の方針が見直されて区域が広がりました。そういう中で今後の有明海の特別法にのっとった施策の推進についてのスケジュール、あるいは今後の県の方針、他県と比べながらお聞きしたいんですが、他県のデータはないでしょうね。
◎冨永漁政課長 まず、法改正に伴う諸作業のスケジュールでございますけれども、この法律は、平成14年に施行されまして、その後、補助事業のかさ上げの終期が今年度、あるいは総合調査評価検討委員会の位置づけが平成19年以降不明確になっていたということで、法律改正の要望を県議会のご支援をいただきながら進めておりましたけれども、昨年8月に改正されました。その後、我々といたしましても、県内の関係市及び漁協に対して法の改正内容等の説明会を開催しておりましたけれども、国が正式に1月1日に指定地域の告示をいたしました。その後、1月31日に基本方針の変更の告示もされました。
 この間、我々は市や漁協に対していろんなご意見を伺っておりまして、県といたしましては、変更された国の基本方針に沿った事務的な県計画の変更案を作成し、国との事前協議を行っているところでございます。
 策定すべき事項と手続については、法で定められておりますので、個々の事業、執行計画等について、市町、あるいは県庁各課と協議をした上で、今後、21日に国の促進協議会幹事会で事前協議をし、3月末頃、国に正式協議を行って、4月中には国の同意をいただき公表してまいりたいと考えております。
 それから、改正方針についてでございますが、ほかの県はそれぞれの計画を今策定中でございまして、内容については承知していない状況でございますが、本県におきましては、この法律の大きな改正点が、まず、対象海域が、橘湾海域が加わったということ、それから、赤潮被害に対するいろんな支援措置を、これまでは「努めるものとする」というふうな表現だったんですが、改正になって「努めなければならない」という義務規定になりましたので、その辺の積極的な対応、あるいは対象海域が拡大されたことに伴いまして計画の中に入れております具体的な個別事業を追加するという作業がございます。
 私どもとしては、この事業が国の6省庁にまたがる事業であるということ。県庁内部でも幅広い機関と協議をする、あるいは市漁協と検討する必要があります。例えば、有明海は今までも指定されておりましたので、順次、この改善について積極的に対応していくつもりでございますが、橘湾につきましては、海域の編入というのが8月に突然あったという状況もありまして、下水道事業、港湾整備事業、漁港整備事業のもろもろのハード事業については長期的に考える事業でございますので、なかなかすぐには追加ができないというところもございますので、できるだけ今年度のこの方針の計画策定の中に入れながら、今後、順次話し合いを進めながら総合的な海域改善の方策を進めていきたいと考えているところでございます。
 以上です。
◆陣内委員 ありがとうございました。国の関係省庁は6省庁ということでしたけど、どこですか。
◎冨永漁政課長 主務大臣が、総務大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣及び環境大臣ということになっております。
◆高比良[末]委員 質問通告で、中国漁船による違法操業については、先ほど陳情の中で質問しましたので、今、陣内委員も質問しましたマグロ養殖の振興について伺いたいと思います。
 本県が日本有数の生産地となるための取組をやっていきたいということで、今、マグロ養殖協議会のお話もるる聞きました。今、マグロ養殖の日本一はどこですか。
◎五島水産振興課長 現在、生産量では鹿児島県がトップで約4,000トンぐらいだと推計されております。
◆高比良[末]委員 鹿児島県と長崎県で技術面とか設備面とか体制面で比較してみたことはありますか。
◎五島水産振興課長 具体的に技術とか、そういうところでの比較というのは行っておりませんけれども、例えば、鹿児島県は長崎県よりも水温が高いということで、マグロ養殖には水温的に高いということで成長もいい環境にあると思います。そういうところから、まず鹿児島の方でマグロ養殖が発展したのではないかと思います。
◆高比良[末]委員 他県に学ぶという姿勢もあっていいんじゃないかと思いました。独自でやっていると言わずにね。その辺からしないと日本有数の取組にならないんじゃないかと思います。そういうところと連携を取るとか、向こうが嫌がりますかね、冗談じゃないと。その辺、今後の課題かなと思います。
 今後の課題というのは何ですか。今、餌の調達方法とか種苗の調達方法とかいろいろ聞きましたが、日本有数の生産量になるための課題というのは、今どういうふうにとらまえておられますか。
◎五島水産振興課長 先ほど申しましたように、長崎県は鹿児島県に次いで2番目の生産量ということでございますが、本県でのマグロの取組、先ほど申しました養殖振興プランの中で2,000トンを目標にということで平成20年度から取組を進めてきました。
 そうした中で、平成25年に2,000トンを目指すということで進めましたが、実は、平成22年には2,287トンの生産があります。それから、平成23年には2,503トンということで、この生産目標を達成していると、そして順調に生産が伸びているところでございます。
 今後、さらに振興していくということでは、委員おっしゃいましたように、種苗や餌の安定確保、販路拡大、それから、魚の品質向上といいますか、ブランド化によります付加価値向上、そういう課題に取り組む必要があると考えております。
 こういう課題に対する取組としましては、例えば、種苗の安定確保のためにはクロマグロの完全養殖に向けた人工種苗の実証試験。餌の安定確保のための生餌にかわります人工配合飼料の開発、推進。それから、消費者の信頼につながるような高品質な養殖マグロづくりへの取組。また、販売や流通関係者と連携していきながら安定的な販路の開拓、中国へのマグロ輸出も一つの取組でございます。
 こうしたことで、先般、1月に長崎市におきまして、県のマグロ養殖協議会が開催されまして、この中でマグロ養殖の生産者の方々から、本県産の養殖マグロの知名度向上、それから、消費拡大を図るためのイベントを平成24年度に県内で開催するということが決定されましたので、こうした取組に県も必要な支援を行うことで、養殖マグロの高品質化と消費拡大、それから全国へのPRということでやっていきたいと考えております。
◆高比良[末]委員 技術的には一定のレベルにきておるわけですね。
 それで、今言われましたクロマグロの完全養殖を目指すというのはどういうことですか
◎田添総合水産試験場長 マグロは、もともとヨコワひき縄で子どもをとってやるか、それから、まき網で若干大きいものをとって、それを種苗とします。要するに、天然界から稚魚をもらって育てます。それを天然界に依存しますと、今、国際的にクロマグロをとってはいけないという情勢もありますので、親から採卵しまして、それで稚魚をつくりまして親に育てます。それをぐるぐる回していこうという天然界に頼らないことを完全養殖といいます。
 今、本県で試験に取り組んでおりますのは、奄美に国の水産総合研究センターというのがありまして、その奄美のセンターから卵をもらいまして、その卵を育成又は種苗生産しまして、7センチぐらいにしまして民間に渡して試験養殖してもらっています。それは今、技術開発をしているところでございますが、皆さんよくご存じの近畿大学が完全養殖をできたということで進んでいるように思われるかもしれませんけれども、実は、生まれてすぐにぶつかったり、共食いしたり、いろんなことがあって、ものすごく生残率が悪いんです。それを来年度、4月から、これはオールジャパンで取り組まなきゃいけないだろうということで、国の水産総合研究センターが中心となりまして、採卵から稚魚、ある程度大きくしてヨコワサイズまできちんと成長させようということで取り組もうとしています。これは近畿大学、水産総合研究センター、長崎県、鹿児島大学とかオールジャパンでやろうと考えております。
 問題の親ですが、今、皆さんご存じのように、西海区水産研究所が水産試験場の隣にありますけど、その隣に安定的に採卵しようという陸上施設の整備に世界で初めて入っておりまして、本年中にできあがります。今、海面で自然に採卵したものを使っているんですけれども、今度、陸上で採卵しまして安定的に種苗を生産していこうということです。そうなるとさらに飛躍的に完全養殖に近づくであろうと考えておりまして、そういった取組を今後やっていこうと考えているところです。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 夢のある、聞いておってわくわくするような話でした。しっかり頑張っていただきたいと思います。
 次は、水産物の販売促進についてですが、前は物産流通でやっておったのがこっちにきたわけですかね。それで、いろいろやられていますが、行政と民間の役割分担をどこまでやるかというのがあろうかと思います。県庁がいろいろするわけじゃなくて、基本的には民間がするのを、どこまで、どう支援するのか、あるいはリーダー的になるのか。これは税金も使いますし、人も使います。水産物の販売促進に対する基本的な考えというのは、水産部としてどういう立ち位置にあるかとか、税金を投入するのはこういう場合にとか、そういうことについて考えをお持ちですか。まず、基本的なことをお答えください。
◎山田水産加工・流通室長 水産物の販売促進に係る行政と民間との役割分担はどうしているかということでございます。
 水産業者の所得の向上を図るため、昨年6月に漁連、仲卸業者、水産加工団体、あるいは県が入って「長崎県水産物販売戦略会議」というものを設置しました。この中で水産物販売戦略というものをつくりまして、生産から流通・販売まで、こういった関係者が一体となって取組を推進しているところでございます。
 この中で販売促進活動につきましては、県は、生産者が大都市圏で水産物を売っていくための支援をするということで、例えば、関西とか県内において、本県水産物の「見本市」を開催して、そこに水産関係団体に参加していただきまして、県内の生産者とか水産加工団体と消費地の卸、仲卸業者、あるいは小売業者、こういった方々を結びつける商談の場、PRの場、こういったものを提供しているということでございます。
 もう一つは、そういった水産加工団体とか漁連が福岡とか、関西とか、そういったところに売り込みに行く時に県の職員が同行いたしまして、県の信用力を活かして水産物全般の、長崎の水産物の特性、あるいは品質の高さといったものを一緒に説明して商談が成立しやすいようにサポートしていくといったことをやっております。
 いずれにしましても、個別の商品の商談につきましては民間がやることでございますので、県は民間の販売促進活動を側面から支援していくという立場で支援をしているところでございます。
◆高比良[末]委員 いろいろな水産物の年間の販売量といいますか、額は把握されていますか。例えば、農業の年間の出荷額というのが出ていますが、水産物の生産額ですか、そういうデータをとっていますか。
◎山田水産加工・流通室長 これは、一つは水産加工品で申し上げますと、これは工業統計の数字になりますけれども、水産加工品の生産額は平成22年で434億円でございます。それから、水産物、鮮魚等の生産額は平成21年で959億円でございます。
 以上でございます。
◆高比良[末]委員 例えば、企業誘致で今73社ですね。年間経済効果は3,161億円、税金とかなんとかも全部捕捉して経済効果というものを出しております。先ほど、どういう立ち位置におりますかということを質問しましたが、税金を使いますので、その効果というのもちゃんと把握をして県民に知らせるべきだと。そしたら税金を使ってくださいということになりますので。1年ずれていますが、959億円と434億円、こういうものを産業連関表に入れて経済効果というものを出す時期にきているんじゃないかと思います。そういうことをずっとやっていけば、長崎県は、例えば県民所得を上げるために何をしなければいけないかということにつながると思うんです。だから、水産部でも産業連関表を使ってやれる技術は持っているんでしょう。ない時は統計課と連携を取りながら、企業立地課でもそういうのができていますので、ぜひそういうことをやりながら経済効果あたりも、税金を投じたものがどういうふうになっているかというところを検証していく時代にきているんじゃないかと思いますが、何かご見解があれば。
◎冨永漁政課長 例えば、県民経済を活用した投資の効果がいかにあるかということについては、先だって、知事も議会で申し上げましたとおり、そういった統計を十分に考えた上で投資をすべきだという考え方に我々も立っております。
 今、統計課、あるいは政策企画課、各生産部門でいろんな勉強会を進めまして、そういった統計の本当の数字がどういう効果があるのか、本当の県民経済の姿がどういったものであるかを再検討した上で評価して、いわゆる県政振興に寄与するような事業を重点的に行っていきたいということで今検討している最中でございます。
◆高比良[末]委員 そういうことで今後の課題にしていただきたいと思います。近い時期にそういう成果が出せるように取組をしていただきたいと思います。質問項目に挙げておりますように、輸出促進も頑張っておられるわけですね。ところが、それだけしても一部の人たちだけの対策になるのか、県全体にその効果がいっているかは、よく検証しなければ、何か特定の人たちだけ恩恵を受けて、水産とか農林なんか結構税金を使っています。そしたらサービス業とか製造業の人たちは、自分たちも頑張っているのにあんまり税の恩恵を受けてないとか不公平感が出てこないとも限りませんので、その辺はひとつ頭に入れて頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
◆馬込委員 外国漁船の違法操業と資源管理型漁業について関連性があるので、沖合、遠洋漁業をひっくるめてね。例えば、最近、中国漁船の違法操業がたびたび報道されている。監視されない、監視しない時も違法操業がかなり行われているのではないかと思うんですよ。こういうものを放置しているとどういう状態になるのか。
 例えば、大型まき網が中国のトロール船と競合しながら東シナ海から撤退を余儀なくされた。これは現場では相当厳しい声が出ていたわけなんだけれども、結局、このことで国が動かなかった。私もいろんな機会をとらえて当時の国会議員に話をしたこともあるんだけれども、やっぱりそれは事実だったのかと、うわさ話かと思っておったと、この程度の感覚だったんですよ。
 中国漁船が五島近海まで来るということになれば、いずれ、尖閣諸島じゃないけれども、それが中国の漁場として中国漁船が平気で五島近海まで来るような形になりはしないかといったような不安があるわけです。
 先ほど議案の中で、3カ国で、長崎県も入ってどういう話をされているのかなというようなことだったんだけれども、そういう国の産業としての位置づけの中で漁業をどう進めていくかといった中国政府の問題については、長崎県としては何とも、手も足も出ないだろうから、これを放置していると本当に五島の沿岸まで中国漁船が出てくる可能性は十分ある。
 台風時期、玉之浦に、今も入っているのかどうかわからないけれども、避難されていた姿を何度か私も見てびっくりしたんだけれども、こんなに来るのかというような感じです。
 島の産業としては、五島市は平地が多いということもあって農業も盛んなんだけれども、島に住んでいる人たちの仕事は水産業がすべてだと言っても過言ではないと思うんです。そうした時に、島で生計を立てている人たちのことを考えた時に、違法操業を見ていたら、10年後は本当に食われてしまうという危機感を私は持っております。
 そういう違法操業と、それと資源管理型漁業について日本が一生懸命言ったとしても、最近、遠洋まき網の皆さん方といろいろ話をするんだけれども、サバの資源量はどうかと。今、済州島のサバは身が厚くて丸々していたと。対馬近海のサバは、同じ大きさでも厚みが違うと。魚体が全然違うでしょうけれども、魚の資源そのものが毎年毎年少なくなっている。そうした時に、今、手を打つべきだと思うんですよ。
 長崎県の水産部として、このことをどういうふうに考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎荒川水産部政策監 馬込委員からご指摘いただいたことは、そのとおりでございます。
 まず、違法操業ということで、我が県、我が国の漁業者が直接被害を受けるという部分と、中国、韓国という川上側で魚をとることによって長崎、我が国の漁業者のとる分が少なくなる、これはもうおっしゃられたとおり資源管理の問題がございます。
 そこで、長崎県といたしましては、3カ国で共に資源の管理ができるような組織を長崎県につくっていただけないかという要望を国に対して出しているところでございますけれども、まだまだそこまでは行き着いていないのが実情でございます。
 ただし、問題意識は馬込委員と一緒でございますので、県として直接、韓国や中国に手を出すことはできませんけれども、国を通じまして、共通の資源でございますので、共通の資源が管理できますように、今後とも働きかけを努めてまいりたいと考えます。
◆馬込委員 長崎県の場合、国境離島がある。鹿児島県、沖縄県もそうなんだけれども、まず、離島に住む人の生活の糧を保障してやるというのがまず基本だと思うんですよ。そうすれは漁業を足腰の強い産業としてしっかり育てていかなければならないということがある。
 島の水産業、第1次産業のすべてについて言えるんだけれども、何をやるにも買ってから送り返すというようなことをやっているわけですよ。本土に比べてコストが非常にかかる、倍かかる、所得も低いとなれば、当然、生活は厳しくなっていく。
 そこで、お尋ねしたいんだけれども、離島の漁業の競争力をつけるために、どういうふうな事業で支援しようとしているのか。私も今までの予算とあんまり変わらないような感じだったので、具体的にお尋ねしたいなというように思うんですよ。どういう形で島の漁業の競争力をつけようとしているのか。
◎山田水産加工・流通室長 水産加工の面から申し上げますと、離島にはいい素材、水産物がたくさんございますので、これを付加価値を付けて売るということが重要だと思っておりまして、委員がおっしゃられたように、今まで俵物でありますとか、あるいは地域ブランド、こういったものに対して支援をしております。来年度はこれに加えて、当然、流通の面からも支援をしていかないと、ただものをつくっただけでは売れないということもございますので、来年度は流通の面で支援をしていくようにしております。これにつきましては関係の団体等からも意見を聞いて、それに基づいた支援策をつくりまして、手を挙げたところに支援をしていくという形で離島の加工の振興についても支援をしっかりやっていきたいと思っております。
◎野口水産部長 昨年からずっと農水経済委員会の中で輸送コストについて何らかの対応をやりたいということをずっと申し上げてまいりました。できれば今度の予算に輸送コストの直接支援といったものを計上してご審議をお願いするのが、この1年間の私の夢であったんですが、何とか予算要求の、「こぎ出せ」枠までは要求することができました。ただ、その後、国土交通省の方で10億円の予算がついて、私としては非常に追い風だなということで、これは実現性があるかなと思ったんですけど。
 最初は、発泡スチロールを離島から本土に送るだけで、年によって量が違いますけれども、8億円から9億円かかっております。この直接支援をということで検討していたんですが、国土交通省の分については、農業も、あるいは工業製品も、そういったことも含めて全体の事業費になっていたということで、この予算要求自体を水産部から企画振興部に移しました。ところが、財務省の査定の中で直接支援がゼロになったということで、その分について予算が今回の計上は見送られたんですが、ただ、我々はまだ諦めておりません。この分については何とかまた企画振興部の方で検討中の予算というのもまだ残っていますので、これについては来年度以降になるか、あるいは今年度中になるかわかりませんけれども、何としても直接支援というものについて取り組めないか、もうちょっと粘り強く頑張っていきたいと思います。
 まず、本土であれば負担しなくていい8億円から9億円のお金、これはただでさえ少ない水揚げの中から引かれているわけですから、これを幾らかでも補てんすることによって漁業者に夢を与えることができるんじゃないか、そういう思いであります。
◆馬込委員 統計的に第1次産業全体の生産額は年々落ちている、人口も減少していると。若い人たちが残って漁業をやりたいというような環境をつくるには、全力で取り組んでスピードアップしてもらわなきゃならない。島を抱えている選挙区から出ている国会議員が、国に対してそれをしっかりと主張しなければならないわけです。
 今言われている中で、中国の防衛費が年々伸びている、今回もすごく伸びている、空母をつくる予算が入っているから云々言っているけれども、いずれ、五島海域まで来やしないかと。片一方はロシアが北方で南下してくるんじゃないか。漁民が安心して生活できなくなってくるんじゃないかというようなことを考えると、島に残って漁業をやろうという人がいなくなってしまう。そういう点では県だけの限界をもう超えていると思うんだな。目先の話じゃなくて、若い人が漁業に参入すれば、そこで30年、40年、漁業で飯を食っていかなきゃならないんだから。そうした時に、五島でも、壱岐でも、対馬でも、対馬なんか特に漁船漁業が主でやっているわけですから、養殖も一部ありますけれども、イカ釣りとか漁船漁業で安心して生計を立てて、そして島に残って生活していくということになれば、国をがんがん巻き込んで、我々議会の方も国を巻き込んで動かなきゃならないし、行政サイドは行政サイドで、その辺は横並びじゃなくて、もう長崎県が先頭を切ってがんがんやっていくと。水産行政を変えていくというぐらいの気持ちで取り組んでいただかなければ島の産業として本当に危ぶまれてくるのではないかと思っておりますので、その辺の決意をお聞かせいただきたいと思います。
◎野口水産部長 確かに、国境ということに関しては、日本の場合は陸ではなくて海で接しているということもあって、ほかの国に比べると危機感というのが、一般的に言うとないのではないかという気が個人的にはしております。
 今回の鳥島の件にしても、あるいは尖閣列島の件にしても、竹島の件にしても、多分、全国の都道府県で見た場合でも、例えば島根県とか長崎県、鹿児島県、沖縄県、これぐらいのところしか危機感は多分感じておられないと思うんです。太平洋側の県は、ほとんど「何のことだ」ということだろうと思うんですね。
 そういう意味では、今申し上げたような県が集って国境離島を含めて対応策ということについては、我々、水産も一生懸命頑張りますけれども、これは県の問題として強く訴えていくように、これは企画振興部にもしっかり申し伝えたいと思っております。
○山田[博]委員長 委員長を交代します。
○野本仮委員長 委員長、発言をどうぞ。
◆山田[博]委員長 私も通告をしておりますので、通告に従って質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、磯焼け対策の漁業集落排水整備事業ということで、実は、私の地元の五島の高崎もこの事業をさせていただいているわけですね。漁港漁場課長、こういった事業において、これが磯焼け対策として一定の効果があるということを認められるか、認められないか、それだけお答えいただけますか。
◎本田水産部参事監 漁業集落排水整備事業におきまして、漁業集落から排出されます生活排水でありますとか、あるいは加工排水でありますとか、港で取り扱われる水の浄化がなされるということになりますので、そのまま汚水を流しているという環境が水産生物にとってよくないということから考えますと、浄化された水によってすむ環境がよくなるということは確かなことだろうというふうに認識しております。ただ、それをすれば磯焼けに対するすべての問題が解決するということはなかなか言えないと思うんですけれども、磯焼け対策の面においても一つの助けになっているのではないかと認識しております。
◆山田[博]委員長 そういうことで一定の効果があるということで認めていただきました。
 今回、漁港のいろんな整備を新規でしていただいておりますね。
 そこの中で、防波堤をつくることはいいことなんですね。そうすると、残念なことに1つ懸念されるのが、海水の流れですね。私もずっと地域を回っていると、それによって逆に湾内の汚染が増すと。というのは、生活雑排水をきちんと浄化していないものだから。これは漁港漁場課長、こういった相談をされて痛感したんですよ。
 そうであれば、こういった整備に伴って漁業集落排水整備事業を進めないといけないんじゃないかと。参事監、どうですか。防波堤をどんどん、どんどんつくって海水に影響を及ぼす、今度は中から出てくるわけだから。そういったことを考えると漁業集落排水整備事業をやっていかないといけないんじゃないかと私は思うんですが、見解を聞かせていただけますか。
◎本田水産部参事監 まさに、委員長ご指摘のとおり、外から守るということも大事ですけれども、集落からの排水というものもしっかり抑えなきゃいけない。それはひいては沿岸地域での漁業活動に影響が出るということが懸念されますので、我々も以前からそういう意味で排水整備の推進に力を入れてきたところでございます。
◆山田[博]委員長 そうしますと、今回、新規で、特に離島の漁港の整備が入ってきますね。それに伴って漁業集落排水整備事業の調査も同時に取り組んでもらいたいと思うんですが、見解を聞かせていただけますか。
◎本田水産部参事監 排水処理の調査ということでございます。
 我々のところで支援をしております漁業集落排水整備事業につきましては、基本的にはそれぞれの集落が立地する市、あるいは町が事業主体になって整備をしておりますので、漁港の整備とはまた別に市町自体がそれぞれ考えて、その背後の集落、生活環境の面から必要性の調査を実施しているということでございますので、すべて漁港の整備とセットにしてということは、なかなか現実問題としては難しいところがございます。
◆山田[博]委員長 それは確かに難しいのはわかるんだけれども、それに伴って調査に取り組んでもらいたい、姿勢を示していただきたいということなんです。それは確かにやれるか、やれないかというのは調査しないとわからないわけだから、それは事業主体が、市がする場合もあるし、県がする場合もあるでしょうから、その点を取り組んでもらいたいということをお願いしたいということです。もう一度見解を聞かせてもらえますか。お願いします。
◎本田水産部参事監 基本的に事業主体は市町になりますので、市町がやってもらわなければ難しいのでございますけれども、そういう意味におきまして、我々県としましては、漁業集落排水整備事業のPRということも兼ねて、市町が、あるいは地域の住民の人たちに対して事業の必要性なり効果なり、やればこういうふうないいことがあるよというような話をさせていただくような活動もこれまでやってきております。そういう意味では、市町に対して集落排水施設整備事業の導入の気持ちがあるのであれば、一生懸命そういった調査をしてはどうかという話もしますし、支援もしていきたいと思っております。
◆山田[博]委員長 参事監ね、私は簡単にいいんですよ。私は単純な人間だから。「はい、わかりました、検討させていただきます、頑張っています」と、それだけでいいんだから。長々と国会答弁みたいなことをせんでいいんですから、私は単純なんだから、お願いしたいと思います。
 続きまして、中国の漁船について、先ほど馬込委員の話もありましたけれども、漁政課長の認識が、随分取り組んでいただいております。外国漁船の操業調査で、長崎以西底びき網とか、遠洋漁業協同組合の方には各3,000万円ずつ水産庁からいっておりますけど、確かに、この2つは役割が大きいということは認められるところがあります。
 先ほど言った沿岸の国境離島で漁業を営む漁業者に対して、長崎県もしくは国で応分の、先ほど、衛星電話とか、漁船無線とか、船舶電話という形でそういった支援もとっていくべきじゃないかと私は思うわけです、実際、国はやっているんだから。漁業者の方も年間の収入が大変厳しい、経営が厳しい中で、新たな船舶の電話が新たな投資となれば漁業経営にも大きな打撃を与えるわけですから、そういったことで国境の離島で漁業を営む漁業者に対して、国、県のいずれかでそういった支援に取り組んでいくべきじゃないか、もうそういった時期にきていると思うんですよね。それについて見解を聞かせていただけますか。
◎柳村資源管理課長 山田(博)委員長への答弁の前に、高比良(末)委員からご質問がありました、中国船と韓国船が本県を含めて九州・山口等でどのくらい捕まっているのかということですけれども、平成23年中、1月から12月までの間で、他県海域で韓国船が2隻、他県海域で中国船が1隻。ですから、だ捕された海域は本県海域がメインであるということでございます。
 それから、山田(博)委員長がおっしゃった事業は、国の外国漁船操業等調査という事業で行っております。本県関連では、先ほど委員長が申されました以西底びき網協会、それから、遠まき組合の2団体でございます。
 この事業の趣旨は、我が国のEEZ海域を監視するのではなくて、中間水域、暫定措置水域、そういうふうに中国船が非常にたくさんいるような海域で、いわゆる我が国も中国の実態がなかなか見えない部分もありまして、そういう暫定水域にフリーに我が国漁船と中国漁船が入れ混じって中国漁船から駆逐されたというところもありますから、入っていった時にどのくらいの漁船が本当に操業されているのかということをやっている事業です。
 日本近海に来る中国船は、すべて総トン数100トンを超える船でございます。したがいまして、大中まきが監視する、操業する時分に操業妨害等を受ける事例もございまして悪質な漁船も多いことから、小型の、本県漁船で言えば20トン未満の船になりますので非常にリスクが大きいのではないか。それから、国が財政当局とそういうふうな事業を組み立てていますので、ここに例えば我が国、EEZの中を本県漁船で監視をしたらどうかというところは、根本的には事業の趣旨が違うものと思います。
 ただ、本県漁業者にそういう意向があるならば、こういうことを国に伝えて事業を新たに立てていただくのか、事業の趣旨を変えるのか、そういうことはわかりませんけれども、そういうことを国には伝えてまいりたいと思います。
 ただ、この事業は、漁業をしながら監視するという事業ではありません。監視は監視で漁業を一切しないで監視をして回るという事業ですので、本来的には、いわゆる国境離島とか離島振興法で漁業をしながら監視する。そこに例えば燃費助成をくれとか、そういうものが本来の漁業者の意向に沿うものじゃないかなと思う部分もありますので、地元の意向をよく聞いた上で国には伝えてまいりたいと思います。
◆山田[博]委員長 資源管理課長、漁業者の意向を酌みながら、ぜひそういった対応をやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。私は、今回特にこういった事業で安全で安心して漁業ができるように取り組むべきだと思っておりますので、ぜひご理解とご協力を賜りたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それと、今回、知事の漁業の許可のあり方について、基本的にどうなんですかね。知事許可というのは、長崎県の出先機関があるわけだから、そこを通して直接できるのか、絶対、漁業協同組合を通さないといけないのか、見解を聞かせていただけますか。
◎柳村資源管理課長 知事許可漁業というのが県下では5,000件を超えております。こういう5,000件を超える漁業許可制度は、水産資源の保護、それから、その地区のいろいろな漁業調整を図る目的から設けられた許可でございます。
 県としては、資源保護と漁業調整の観点から、漁業種類、操業区域、操業期間、こういう許可内容についていろいろ調整を行っている。
 その最も大きな手段が、やはり地元の組合が、どういう漁業者を、その許可漁業が、地元で十分に漁業調整ができているのかどうか、そういう目的で漁協を経由して漁業許可申請を行わせております。
 この方法は、個別に、例えば1件1件問題になってくれば、当然に県が直接その調整に入るということは可能なんですけど、先ほど申し上げました5,000件を超える許可がほぼ1年なり3年の間に許可更新をしていく、それが十分に許可調整が図られているのかどうか。それが地元の組合、それから組合の理事会、こういうところの意見が非常に重要だろうと思っていますので、こういうことを現在まで継続しておりますし、今後も続けたいと考えております。
◆山田[博]委員長 確かに、資源管理課長が言われることは私も十分理解できるんですよ。しかしながら、余りにも逸脱したところがあるわけです。私は実際、体験したわけだけどね。山田博司を応援すると、漁協組合を通じてしないとかね、それは一例です。もう一つは、組合を通さないと、油を買ってくれとか、氷を買ってくれとか、箱を買ってくれとか言うんですよ。それをしないと手続は協力をしないとか公然と言うわけだな。それで漁業協同組合に対して不信感が出てくるわけです、どこの組合とは言わんけれども。私は、本会議でこれを質問したらまずいかなと思って、資源管理課長が気を使って根回しとか、確かにあなたみたいに管理とか調整をしながら、あなたが直接したかどうかはわからないですよ。ひょっとしたら別の方があなたの意向を聞いてしたのかもわかりませんし。いずれにしても、そういうことがあったわけです。
 そういった現状がある中で、5,000件を全部個人で出したら大変でしょうけど、組合からじゃなくても直接持ってくることができるようにしてもらわないと、さっき言ったような取引もできないし、公正な手続もできないわけだよ。ましてや、こういった圧力をかけるんだったら私も徹底せんといかんなと思っているんですよ。組合は何のためにあるのかと。山田博司を選挙から落とすための組合なのかということになるわけだよな。こういったことではいけないわけだよ、はっきり申し上げて。言語道断ですよ。今はそういったことはなくて穏便にお互いに手を握ったり仲良くさせていただいておりますけれども、実際はそういったことがあったということになれば、漁業者の方も組合に対して不信感が出てきているわけですよ。不信感があるから、今、いろんな陳情も出てきているし、いろんな話も出てきているわけですよ。
 資源管理課長、確かに、5,000件というのはできませんけれども、そういったことでできないこともないということ。調査したら沖合漁業調整要綱というのがある。要綱はあくまでも行政側がつくった要綱だから、あくまでも要綱だから、絶対やらないといけないというわけではないんだよ。条例じゃないんだから。
 それで、資源管理課長、そういった事例もあるわけだから、そこは柔軟な対応をしてもらいたいと思うわけですよ。もう一度見解を聞かせていただきたいと思います。
◎柳村資源管理課長 今、委員長がおっしゃったようなことを、本来、強要するような話では、それはまずいと思います。
 ただし、この組合長の意見書、同意書というのは、本来は漁業調整規則という規則に載せたいところなんですね。ただ、この規則は国の模範規程というのがございまして、各県が独自には設けられないということで、基本的には沖合要綱にかかわらず、すべての許可の要綱なり許可方針の中で組合長の意見書、場合によっては同意書を付けていただくようになっております。
 したがいまして、これを個別、具体的判断の中で1件1件外して、直に許可申請を県にでもいいですよということになると、漁業調整、先ほどから申しておりますけれども、やはり地元の漁業の実態をよっぽど知っているのは漁協だというふうに我々は考えております。だから、そこらあたりの基本的な判断がないままに我々が受け付けて調整を始めるというのはなかなか難しいと考えております。
 先ほど申しましたように、1件1件許可があれば、当然に県も調整に入ってまいります。ただ、概ねのこういう方針というものは、これまでどおり運用してまいりたいと考えております。
 以上です。
◆山田[博]委員長 資源管理課長、あなたの立場もあるでしょうからね。実際、こういった事例があったわけです。それで、こういった状態が続くということはとんでもないこと、言語道断なことであるわけです。資源管理課長、あなたの言わんとすることは私も十分理解できるわけです。
 そこで、この要綱の中におきまして、調整が必要な場合には長崎県としても調整に入るみたいなことで要綱を改正して取り組んでもらいたいと思うんです。今のままだったら絶対受け付けないとなっているんだから。受け付けられない。受け付けないけれども、漁業協同組合と漁業者の間に県が入って調整を図るような文言を沖合漁業調整要綱の中に項目として入れてもらいたいと思うんですよ。もう一度見解を聞かせていただけますか。
◎柳村資源管理課長 そうした調整はこれまでも、例えば五島地区に限らず、いろんなところで我々も行っております。これを文言化してどうのこうのという問題ではなくて、トータルのお話で、一つの漁法の要綱だけじゃなくて、例えば、全体の許可方針のお話だと思いますので、そのあたりが1件1件入りますよという明言ができるかどうか、そのあたりはまた内部でも検討したいと思います。
◆山田[博]委員長 それはぜひ検討してもらって、本来、こういったことはあってはならないんだな、あるはずがないんだ。あるはずがないけど、私は体験したわけですね。それだけ私が抵抗勢力なのかね、どちらが抵抗勢力かわかりませんけれども。別に私は私利私欲のためにやっているわけじゃないんですよ、議員活動でね、そういうわけないんだよ。本当に漁業者の立場に立って、漁業協同組合の立場に立って、両方の立場に立ってやっているわけだから、そういったことがあったということでご理解いただいてお願いできればと思います。
 それと、漁業公社の経営状況ですね。これは大切な漁業公社なんですよ。私としては、時間がありませんから、委員の皆さん方のご理解とご協力を賜りまして、この公社のあり方を水産部と一緒になって、理事者の皆さん方と一緒になって現地視察をしながら、いろいろ見て取り組んでいきたいと思います。それぐらいやらないと、これは大切なところですから。
 こういった公社と民間の方々と組んで再建を図っていくような、例えばマグロの業者とかいろいろあるわけだから、長崎県だけじゃなくて、民間企業でもどんどん人事交流を図って盛り上げてやっていこうという考えが私はあるんですけど、どうですか、その見解に関して。
◎柳村資源管理課長 公社の経営状況につきましては、平成21年度末で債務超過ということで資本金を欠損が上回るという状況になりました。平成22年度が当期利益1,400万円が出まして何とか債務超過の状況は免れたと。それから、今年度の9月の中間決算では、当期利益が4,500万円ほどプラスに出ていますので、計画を上回って恐らく改善できるんじゃないかと今期待しているところです。
 委員長が言われたことにつきましては非常にありがたいことだと思っております。ただ、民間種苗業者同士というのは、なかなか手を組むんじゃなくてライバルなんですね。いわゆる儲けをどれだけ稼いでいくかということに主目的がなっていますので、公社がいろんなところで組むとしたら、長崎市の水産センター、これが公営ですね。それから、佐世保市の水産センター。それから、壱岐、対馬にも栽培センターがあって、そのほかにもアワビのセンターがあります。こういうところとは恐らく手を組んでいけるだろうと思います。
 もう1点は、今言われているのが広域連携という形の中で、福岡も、佐賀も、熊本も同じような魚を育てていますので、こうしたセンター同士が手を組んで、例えば、マダイはどこかで、トラフグは長崎だとか、そういういわゆる大量生産すれば効率よく生産できる面もありますので、そういうことを含めて今後長期に検討していくべき課題かなと思っております。なかなか民間の株式同士が仲良くというよりも、儲けですから、ライバル関係にあります。
 以上です。
◆山田[博]委員長 そうですか、大変勉強不足でね。私も、この公社というのは監査で入った時、資源管理課長は総括でおったのかな。あの時のあなたの顔を覚えておりますよ。嫌な顔されてですね、なんで山田さんが監査でここに来っとかなと思ってですね、嫌な顔をされて。ショックでしたよ、私は。あなたから嫌な顔をされてですね。私は、これを何とかせんといかんということで守ろうとしているのに、私が攻撃しているような顔をされて、もうショックでしたよ。馬込委員がおっしゃったように、公社は必要不可欠ですから。
 そこで、私はさっき思ったんですけど、水産部が所管している建物がありますね、公社も大変老朽化しておりますけれども。ほかに老朽化しているところがあるんですか。今回、予算を計上しておりますけれども。水産部として所管している公社が30年たっているでしょう。
 実は、昨日、農林部と勉強会をしたんですよ。そしたら農業学校とか試験場も30年、40年たっているということだったんですよ。そしたら、あっ、忘れてた、水産部もあるんだと。
 それで、水産部として、試験場とかいろいろあるじゃないですか。今、老朽化しているのはどれだけあるのか。農林部は耐震化診断もやってなかったんだよ。これはまいったなということで、あとは農政課に、整備の優先順位、耐震化の優先順位を付けて調整してくださいと。そしたら農政課長が頭を抱えながら帰っていきましたけれども。
 漁政課長、すぐやっていただきたい、公社もそうですけど。水産部として、あなたがまとめていかんといけませんから、ちょっと見解を聞かせていただけますか。
◎冨永漁政課長 ただいま漁業公社の話がございましたけれども、他に水産部でと直接管理しているところにつきましては総合水試がございますが、まだ老朽化まではいっておりませんけれども、維持、補修については必要なものを毎年行われているかと思っております。
 それから、長崎魚市については、県が開設者でございます。ここについては今年度以降、10年程度を要して高度衛生化ということで漁港整備、あるいは建物、荷捌所の整備を考えているところでございますので、それを活用して改善をしていきたいと考えております。
 他には、いろんな施設が振興局の中に入って管理されております。
◆山田[博]委員長 今回、漁業公社の整備をずっと長期的にやろうとしていますね、あと市場とですね。水産試験場はそっちのけだったんですが、大丈夫ですか。場長、はっきり言ってもらいたいんですよ。この機会だからね。今、学校の耐震化は大体終わったんですよ。そうすると、水産部が所管している試験場においては、今からいろんな新しい技術を開発しなければいけないでしょう。そうすると整備をいろいろやっていかないといけないじゃないですか。もう正直に言ってもらいたいんですよ、包み隠さず。
◎田添総合水産試験場長 水産試験場が新長崎漁港にできまして15年経過しております。短いように感じられるかもしれませんけど、ただ、ほかのところと違って海水を使うということ、あと海にも近いということで若干傷みがきていますが、漁政課長が申しましたように、小規模な修繕をやりながら、それから、水槽につきましては、当初の水槽の大きさをかえなきゃいけないことがありますので、その辺は計画的に修繕といいますか、一部ずつやっているところでございます。ですから、抜本的にどうのうこうのということは今のところございませんが、今後は出てくることもあろうかと思います。そこはまた漁政課と相談しながら検討していきたいと思います。
 以上でございます。
◆山田[博]委員長 公共施設の長寿命化対策マニュアルというのをつくっているんですね。これは野本委員が大変詳しい分野ですけどね。そういったこともあなたが主導的に取りまとめて、水産部長は部長として忙しいし、政策監は中国に行ったりしているから、最近はいないから、肝心な時にいつもいないから。漁政課長、あなたがしっかりやっていただきたいと思います。見解を聞かせていただけますか、大切なことですから。公社も含めて長寿命化の対策をしっかりやってもらいたいわけですよ。ぜひ見解を聞かせてください。
◎野口水産部長 施設の長寿命化というのは非常に大切なことです。結果として財政支出の負担軽減ということにつながりますので、魚市場、それから総合水産試験場、そして栽培漁業センターを含めて検討させていただきたいと思います。
◆山田[博]委員長 最後に、実は、今、私の地元でも大変問題になっているんですね。市場に暴力団関係者が仲買に入るというのがあってね、さっきの敵対じゃありませんけどね。
 実は、今、仲買の方も経営が大変厳しい中で、1円でも高く買おうということで私の地元の仲買の方は努力してやっていたんですね。そうすると、暴力団関係者の仲買が入るということで、もう大変な問題になったんですよ。そしたら市場の方が、この方が人生経験豊富で、要するに、のらりくらりしてやって、それでちょっと排除したんですよ。大したもんですよ、この方は。
 それで、実際、五島の市場では暴力団対策の条例がなかったんですよ。なかったから、それをその方がうまく切り抜けたんですよ。もしそこに入っていたらどうなっていたか。多分、一生懸命競ろうとしても競れないと。要するに、暴力団が、「こらっ、これは俺が買うんだ」とか言ってね、「俺に手を出したら承知せんぞ」というふうに言われるんじゃないかと思うと怖くて買えないと。仲買の人たちは、もう漁業者のために1円でも高く買うためにはどうしたらいいかということでお互いに知恵を絞っているんですよ。五島の魚市場はね。そこの中で長崎魚市もそういうふうにしてもらいたいと思っているわけですよ。
 そこで、五島市の方は、今、ご存じのとおり、暴力団対策に、県営住宅でも暴力団は入れないんだから。そういうことできちんとやろうとしている中で、長崎魚市もそういった取り組みをすべきじゃないかと思って、僕もこういった質問をして大丈夫かなと思って、半分、半分というか、90%は怯えながら質問しているわけだけど、見解を聞かせていただけますか。
◎五島水産振興課長 今、委員長がおっしゃいましたように、暴力団が魚市場の仲買なんかに入ってくることを排除するというのは非常に大事なことだと私どもも思っております。五島の魚市では、そういう排除に向けた取組をされているということも聞いておりますので、遅ればせながら、長崎魚市につきましても、今、そういうことで取組を始めておりますので、ぜひとも、これを進めていく上では、当然、警察とか法律上の問題もいろいろございますので、総務文書課とか、そういうところと、今、やろうということで話を始めております。経過については、またご報告をさせていただきたいと思います。
◆山田[博]委員長 私は地元に帰った時、必ず魚市場に顔を出すようにしているんですよ。そこの中で仲買の方々の深刻な悩みというのが2箇月続いたかな。私もその間に入って市の担当者と話をさせてもらったんですよ。市場の場長というか、代表の方が、これは本当にすばらしい采配で、よく切り抜けたと思いますよ。
 こういったことがありますので、野口水産部長初め、4月以降は部長がどういった役職にいらっしゃるかわかりませんけど、とにかく3月31日までは水産部長としていらっしゃるわけだから、野口水産部長を筆頭に、この問題についてはしっかり取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 終わります。
○野本仮委員長 委員長を交代します。
○山田[博]委員長 ほかに質問はありませんか。
◆高見委員 通告はしておりましたけれども、時間がありませんので、1点、考え方を、後ほど資料をいただければと思っております。
 通告内容は、大村湾という大きな湖があるんですが、長崎県は全国第2位の水産県と言われています。今日も予算、あるいは事業をいろいろと見てみますと、特に外海に向けての取組といいましょうか、そういったものが多くて、果たして水産県長崎を支えているであろう湾内漁業の現状がどうなっているのかな、あるいはまた、ここに「適地適作」という表現を使っていますけれども、大村湾の地理的な、あるいはまた環境的な、あるいは気象的な、そういったいろんな要因を見た時に、どういう漁業を果たしてやっていったら漁業者として誇りある状態にもっていけるのかな、こんなことを考えたりもしてみたところでした。
 ですから、これから1年間、この委員会でそういった状況を受け止めながら、どういうふうに参画をし、伸ばしていこうかなと思っておりますので、その検討に値する資料をお願いしたいと思っていますが、委員長、いかがでしょうか。
○山田[博]委員長 すばらしいことですから。
◆高見委員 よろしくお願いします。
○山田[博]委員長 資料を出していただけますか。いつまでに出せますか、時間がかかりますか。
 休憩します。
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     −午後4時47分 休憩−
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     −午後4時47分 再開−
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○山田[博]委員長 委員会を再開いたします。
 ただいま、高見委員から質問がありました件で、漁政課長、資料を各委員に配付していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、事前通告のあった質問について、皆さんの方で関連して質問されたい方がいらっしゃいましたらお願いします。
◆野本委員 先ほど説明がありました長崎魚市場の高度衛生管理型施設整備事業について、これは10年間ぐらいで144億6,000万円と多額の事業費でありますが、これは入札方法とか、WTOの関係とかいろいろあろうかと思うんですけれども、こういうものについてどういう入札方針をとっていくのか。要するに、地場企業をどう救っていくかという問題もありますので、発注方法とか、そういうものも含めて後で書類で出していただければありがたいと思います。
○山田[博]委員長 それはごもっともなご指摘でございますので、漁港漁場課長、いいですか。何か見解がありましたら。
◎壱岐漁港漁場課長 高度衛生の部分の発注につきましては、個々の補助事業でやっていますので、従来どおり、長崎県内業者への発注ということをスタンスにやっていくように考えております。
○山田[博]委員長 今、野本委員からおっしゃったように、発注方法とか時期とか大まかなスケジュールとか、後で資料で提出していただけますか。場合によっては集中審議をする場合もあるかもしれませんので。その前に配っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 ほかに質問はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田[博]委員長 ほかに質問がないようですので、これをもって水産部関係の審査を終了いたします。
 どうもお疲れさまでした。
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     −午後4時50分 散会−
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