平成23年 11月定例会 - 12月01日

平成23年 11月定例会 坂本議員一般質問関連質問

溝口芙美雄の発言にジャンプする
1.アジア・国際戦略について

◆29番(坂本智徳君) (拍手)〔登壇〕皆さん、こんにちは。
 久しぶりに、ここに立たせていただいておりますが、改めて、このような機会を与えていただきました、ふるさと対馬の皆様方に心から感謝を申し上げる次第でございます。
 私は、しまで生まれ、しまで育ち、そして、しまに暮らしております。自分の住むふるさとへの愛着や誇りというものは、誰もが共通して持っている感情ではないでしょうか。私も、ふるさと対馬への夢を語り、誇りと自信が持てる生きがいのあるまちにできないか、これまでいろんなことに取り組んでまいりました。
 4月の選挙以来、感慨を新たにしながらも、時に立ち止まりつつ、牛歩のような歩みをはじめております。
 それでは、通告に従い質問をさせていただきます。
 1、離島振興について。
 (1) 新たな離島振興法制定に向けた取り組み。
 私の生まれた昭和28年に、本県選出の故綱島正興代議士をはじめとした関係諸氏のご尽力により制定された「離島振興法」は、本土との隔絶性からくる後進性の除去を目的に、補助率のかさ上げによる公共事業の推進などにより、社会基盤の整備に大きな役割を果たしてまいりました。それから60年近くが経つわけでございますが、まさに隔世の感がございます。しかしながら、その地理的特性から、今なお解決すべき課題が数多くございます。
 離島の公共事業費は、平成9年度をピークに、今年度は70%も減少しており、基幹産業であります農林水産業の不振とも相まって、私の地元であります対馬市の人口を見ても、平成7年から平成12年にかけてはマイナス5.2%、平成12年から平成17年にかけてはマイナス6.7%、そして平成17年から平成22年にかけては、何とマイナス10.6%と人口減少に歯止めどころか、ますます拍車がかかっているという状況にございます。
 離島の住民は、本土との格差や不便さの中で、これまでひたむきに頑張ってまいりましたが、地域の努力だけでは限界がございます。
 少子・高齢化が進行し、このまま離島に人が住まなくなってしまえば、領海や排他的経済水域の保全や海洋資源の確保、豊かな自然やいやしの空間といった国家的、国民的な役割を果たすことができなくなり、我が国の国益を大きく損ねることにもなりかねないと危惧をいたしております。
 こうした中、「離島振興法」が平成24年度末で期限切れとなるのを控え、本県においては、これを抜本的に見直し、思い切った離島振興策に取り組むよう具体的な提案を盛り込んだ独自の意見書を作成し、知事や県議会、離島の市町が一体となって国に対して要望活動が行われたことにつきましては、これを高く評価をいたす次第でございます。
 しかしながら、新離島振興法が発効するのは平成25年度からであり、また、本県からの意見・提案がどれだけこれに反映されるかもわからないところがある中、国境離島に対する特別な配慮については、「全国的には内海離島であっても、地理的には厳しい制約を受けている」といった意見があると伺っており、本県からの提案の実現に向けては、さまざまなハードルがあるのではないかと心配をいたしております。
 そこで、改めて、新たな「離島振興法」の実現に向けた知事の不退転の決意をお聞かせください。
 (2) 離島における企業誘致。
 離島における雇用状況は、本年10月の有効求人倍率が0.53倍、県平均の0.60倍となっているなど、低水準の状況にございます。若者の島外への流出が止まらない状況では、今後、一層の過疎化、高齢化が進むことは明らかであります。
 このような中で、離島は、物流面でのハンディなどもあり、企業誘致がなかなか進んでおりません。離島における企業誘致の難しさは理解をいたしておりますが、その雇用状況を見る時、企業誘致は就業機会を増やす最も有効な手段であると考えますが、県として、今後、離島における企業誘致にどのように取り組んでいくおつもりなのかをお尋ねいたします。
 (3) 航路、航空路運賃引き下げ対策及び物流コスト低減対策。
 離島航路や航空路につきましては、現在、県では国の交付金を活用して船舶の建造費や長寿命化のための修理・点検に要する経費を補助することにより、間接的に運賃を引き下げる離島地域交流促進基盤強化事業を実施されております。
 既に新船が建造された長崎〜五島航路では、運賃が2割引き下げられ、また、県本土と離島を結ぶすべての基幹航路において、高齢者や学生などの運賃を半額とする島民割引が実施されていることは、県民からも大いに評価をされております。
 しかしながら、島民にとって航路、航空路における運賃負担並びに運航スケジュールの制約は、依然として離島の不利条件の大きな要素であります。本土との格差解消のためにも、一層の運賃低廉化や利便性の向上が重要課題であります。
 県として、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
 また、離島航路は、島民にとって生活航路であるとともに、物流の大動脈でもあり、離島の新鮮な農林水産物の本土への出荷だけでなく、肥料や飼料、日用品の本土からの入荷の両面での負担となっており、これが離島の物価高や産業競争力の低下の原因となっておりますことは、ご承知のとおりであります。
 こうした物流コストの負担軽減は、今回の県の意見書にも取り上げられているところではございますが、このような地域の声を受けて、国の来年度予算の概算要求においては、「離島振興法」の改正・延長を1年先取りする形で、離島の流通効率化やコスト改善のための交付金が盛り込まれたというふうにお伺いをいたしております。
 県として、この国の交付金をどう活用し、物流コストの低減にどのように取り組んでいこうと考えておられるのかをお尋ねいたします。
 2、農林水産業の振興について。
 (1) 「ながさき農林業・農山村活性化計画」が目指す強い経営体の育成について。
 本県は、離島・半島地域が大部分を占め、平坦地が少ないという厳しい生産条件にありますが、各地域の特性を活かした多様な農業が展開された結果、近年、農業産出額が国全体で減少する中、本県は増加傾向で推移し、平成21年度は1,376億円と、1,400億円突破が目前に迫っております。
 しかしながら、農業従事者の高齢化や担い手不足など、構造的な課題に加え、非効率な農地利用などから、農山村の活力の低下が著しいなど、多くの課題に直面をいたしております。
 県においては、本年1月に策定された「ながさき農林業・農山村活性化計画」に基づき、産業として成り立つ農業経営の確立に向けて、農業所得400万円以上を確保する経営体の増大を図り、所得に着目した担い手育成の方向性を示し、平成27年度の農業産出額1,504億円という政策目標を掲げておられます。
 この達成のためには、経営体の規模拡大や経営改善を早急に図っていくことが求められており、今後、活性化計画で目指す強い経営体の育成を加速化するため、どのように取り組んでいこうとされるのか、農林部長にお尋ねをいたします。
 (2) 対馬しいたけの振興。
 しいたけをはじめとした本県の特用林産物の総生産額は、林業産出額の約9割を占めており、林業の振興にとって重要な位置を占め、地域経済の振興や就業の場の確保といった面でも大きな役割を果たしております。
 木材の産出額が低迷する中、特用林産物の生産額は平成17年に39億7,000万円であったものが、平成21年には52億3,000万円と、4年前より約3割の増加となっております。これは、主として、栽培きのこ類の増加によるものとなっているようであります。
 乾ししいたけについては、昭和56年に生産額が14億7,000万円を記録しましたが、中国産しいたけの輸入増加に伴う価格の下落や生産者の高齢化等により、平成17年には2億7,000万円まで落ち込んでおります。
 このため、対馬市が中心となって「対馬しいたけ復活プラン」を策定し、関係機関の支援や生産者の努力もあって、結果、4億円まで生産額は増加をいたしております。
 しかしながら、林業を取り巻く環境は依然として厳しいものがあり、乾ししいたけの生産者からは、原木(ほだ木)の輸送に大きな労力を要することから、労力軽減のための支援や施設整備、栽培技術や経営改善に対する支援をしてほしいなど、悲痛な叫びとも言える声を聞いております。
 今後、この復活プランで設定された目標を達成するために、県としてどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
 (3) 後継者対策。
 本県の水産業は、生産量、生産額ともに全国屈指の地位を占め、漁業就業者数は北海道に次いで全国第2位となっております。
 しかし、平成20年の漁業就業者数を見ますと約1万7,500人で、5年前に比べ13%減少し、さらに65歳以上の漁業者が全体の3分の1を占めるまで高齢化が進んでおります。
 特に、水産業を基幹産業とする離島地域では、今後も漁業生産や漁村の活力を維持していく上で、担い手の不足は深刻な問題であります。
 県では、「長崎県総合計画」の基本理念であります「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く長崎県づくり」を実現するために、10年後の本県水産業のあるべき姿を見据えた「長崎県水産業振興基本計画」を策定され、さまざまな振興策を講じられているところであります。
 私は、まず、漁村の活力を維持・増大させることが必要であり、漁業への新規参入や漁家の後継者の確保を積極的に推進し、あわせて将来の水産業と漁村を担う人材を育成していくことが重要な課題と考えます。
 県として、この課題に関して、これまでどのような取組を実施し、そしてどのような成果が得られたのか、また、今後どのような取組を進めていかれるのか、水産部長のご所見をお尋ねいたします。
 (4) 水産基盤の整備。
 本県は、多くの離島を有し、水産業はこれら離島の経済を支える基幹産業であり、地域経済のためには、水産業を振興することが課題でありますが、水揚げの減少、魚価の低迷、燃油の高騰などにより、漁業者の生活はますます厳しい状況が続いております。
 このような状況を打開し、孫子の代まで漁業が続けられるよう、水産資源の回復、漁獲の増大を図るため、漁場の整備を一層推進することが重要と考えております。
 漁港の整備については、防災や就労環境の面からも施設の改良が必要な箇所がありますが、漁船が減少する中で、大規模な漁港の拡張も少なくなり、予算も平成10年度をピークとして減少の傾向にあると聞いておりますので、水産業の振興を図る観点から、水産基盤整備については漁業者の所得の向上につながるような漁場の整備に予算をシフトしていくべきだと思いますが、どのように考えているのか、水産部長にお尋ねをいたします。
 3、アジア・国際戦略について。
 (1) 中国戦略。
 中村知事は、就任以来、アジアからの観光客の誘致や県産品の輸出拡大、海外への企業進出の支援など、「アジア・国際戦略」を積極的に推進されておりますが、私も少子・高齢化、過疎化が進む本県にとって、成長著しいアジアの活力を取り込み、県内の活性化につなげていくことは必要不可欠であると考えております。
 先般、上海における「長崎県上海市友好交流関係樹立15周年」の記念祝賀会に私も出席をさせていただきましたが、その際の知事のスピーチをお聞きいたしました。大変感銘を受けた次第であります。
 同時に、本県と中国との歴史的なつながりの深さと、本県が取り組んできた上海をはじめとした中国との交流の積み重ねを改めて認識をしたところでございます。
 また、「長崎〜上海航路」の復活や「孫文・梅屋」関連事業の進展など、中国に対する県のプロジェクトが具体的な成果につながりつつあることに対しましても、大いに期待をいたすところであります。
 知事におかれましても、本年は6月と8月に北京市、9月に香港、10月に湖北省武漢市と上海市、11月には北京市と上海市と、自ら先頭に立って中国を多数訪問されるなど、非常に積極的な取組を行っている印象を受けておりますが、どのような思いで中国戦略に取り組まれていくのかをお聞かせいただきたいというふうに思います。
 (2) 韓国戦略。
 私は、「アジア・国際戦略」の推進に当たりましては、中国への取組もさることながら、韓国についても取組を強化すべきであると考えております。
 本県は、平成5年にソウル事務所を開設し、「ハンナ会」など、長崎ゆかりの韓国の方々とのネットワークの構築をはじめ、観光客の誘致対策や長崎〜ソウル便の運航開始の支援に積極的に取り組むなど、一定の成果を上げてきましたが、残念ながら行政改革の流れの中で平成14年度末をもって廃止されました。
 その後、韓国の状況は大きく変化をしており、平成21年には、一人当たりGDPが2万ドルを超えるなど、経済力は近年格段に高まっております。
 また、日本を訪れる観光客は、平成17年からのノービザ化や日本文化の段階的な開放により、ビザ解禁前と比較すると1.5倍に増えております。平成22年には、新幹線が全線開通し、ソウル〜釜山間は2時間強で結ばれる時代となっております。
 一方、本県におきましては、韓国からの観光客は外国人観光客の半数以上を占め、その数も日本全体と同様、ビザ解禁前と比較すると1.5倍に増えており、世界遺産候補である長崎の教会群をめぐる「巡礼ツアー」が、カトリック教徒が1割を占める韓国人観光客に人気となっております。
 さらに、対馬と釜山と結ぶ航路は、これまでの1社運航から、本年10月には3社運航体制に増えたほか、佐世保〜釜山航路は、平成26年度の開設を目指して佐世保港の整備が進んでいるところであります。これまで以上に交流の拡大が期待されております。
 市町の交流につきましても、平成19年に雲仙市とく求れ礼ぐん郡、平成20年に佐世保市とぱじゅ坡州し市、平成22年には波佐見町とかんじんぐん康津郡が姉妹交流を開始し、草の根レベルの交流も近年一層盛んになってきております。
 しかしながら、韓国人観光客数は、福岡県、熊本県、大分県に次いで九州で4番目でありまして、対馬という地の利がある本県は、もっともっと上位を目指す必要があると考えます。
 また、航空路につきましては、現在運休中の大韓航空は本年12月末から運航を再開するものの、平成15年以降の運休が計4回に上っております。運休の阻止に向けましては、人脈の構築が有効な手段であると考えていますが、韓国の元国会議長でありますキム・スハン先生や元郵政大臣でありますイ・デスン先生など、長崎を応援してくれている方々との人脈も残念ながら途絶えつつあります。
 「アジア・国際戦略」の中で、県が韓国に対しても取り組まれていることは承知をいたしておりますが、現在の韓国の状況を考えれば、これから県として、韓国に対してもっともっと力を入れるべきではないかと考えます。このままでは、私も含めて、これまで築いてきた韓国とのつながりも、いずれ切れてしまうのではないかと危惧をいたしております。
 今後、韓国に対しましても、中国と同様に重点的に取り組んでいただき、本県との人的、文化的交流はもちろんのこと、経済交流につなげることにより、これまで以上に韓国の活力を取り込むべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 4、地域医療について。
 (1) 地域医療の確保と地域医療再生計画。
 私は、国民皆保険制度と高い医療水準に支えられた我が国の医療は、世界に誇るべきものであり、これを将来にわたって維持していかなければならないと考えている者の一人であります。
 しかしながら、近年、医師不足による病院閉鎖、診療科休止や、いわゆる救急患者搬送のたらい回しの事例が相次ぎ、「医療崩壊」という言葉に象徴されるように、将来に向けての安定的な地域医療の確保について、大いに心配されているところでもあります。
 従前、医師は国家試験合格後、大学医局に所属して臨床研修を受け、その後、大学医局から地域の病院に派遣され、それらの医師が地域医療を支えておりました。
 私の地元の対馬いづはら病院においても、以前は長崎大学の医局から医師が派遣されておりました。ところが、もともと課題となっていた医師の勤務体制や待遇を放置したまま、平成16年度から臨床研修を義務化したことに伴い、都市部の病院などに人気が集まり、結果として、大学医局に新たに所属する医師が減少したことから、地域の病院に派遣される医師が引き揚げられるという事態に陥っております。
 さらには、過重労働が見られる診療科や、いわゆる訴訟リスクの高い診療科を避ける傾向が見られるようになってきて、それが産婦人科、小児科、外科などの診療科医師不足を招いております。つまり、診療科における医師の偏在であります。
 この地域的偏在と診療科の偏在が絶対数の不足と相まって、現在の医師不足になっていると認識をいたしております。
 こういった全国的、構造的な背景があって、非常に困難な問題であると承知はいたしておりますが、県としてできる限りのことはしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。
 また、一方では、地域医療を支える公立病院が経営の悪化と医師不足等による医療機能の低下に直面していたことから、国では、持続可能な経営を目指して、平成19年に「公立病院改革ガイドライン」をまとめ、公立病院の経営の効率化、再編統合、ネットワーク化、経営形態の見直しを求めたと伺っております。
 これにより、本県でも各市町により「公立病院改革プラン」が策定され、経営の効率化はもとより、病院の統合や診療所化、民営化などが進められております。
 これらの医師不足、医師偏在や医療提供体制の充実といった、地域が直面する医療課題の解決を目的として、平成21年、国においては、「地域医療再生臨時特例交付金」を設け、これを活用する「地域医療再生計画」の策定を各都道府県に促しており、本県でも、佐世保・県北地域における救命救急センター設置を中心とした「救急医療体制確保」と、離島地域における病院再編統合による「持続可能で安定的な医療体制確保」を図る2つの再生計画が策定され、それぞれの事業が進められております。
 また、昨年には、国において交付金の追加が決定され、先般、本県においても、県下全域を対象に、質の高い地域完結型医療体制の構築をコンセプトとした「第二次地域医療再生計画」が取りまとめられ、個々の病院で医療を完結するのではなく、各機関の連携により地域全体で医療の充実を図るということになっているようであります。
 一次、二次合わせて約85億円もの国からの交付金は、国、地方とも財政状況が逼迫する中、地域医療を再生するための、おそらく最後の機会ではなかろうかと思います。だからこそ、本県地域医療の充実・確保のため、最大限に有効活用していかなければなりません。
 (2) 対馬の新病院建設。
 私の地元対馬においても、対馬いづはら病院と中対馬病院の統合移転・新病院建設が進められております。
 背景として、医師確保が厳しい中、医師に選ばれるためには、医師の疲弊を防ぐための勤務環境の整備が必要であること、また、中対馬病院の老朽化が進み、建て替えの検討が必要であることなどの事情がございました。そのため、地域医療再生基金を活用し、統合移転することで、施設整備の充実や病院における医師の勤務条件緩和を図ることとしたものであります。
 地元においても、2つの病院が1つになることから、通院が不便になることもあり、苦渋の決断であったと思っております。
 そこで、お尋ねをいたします。
 地域医療の確保対策について、県はどのような基本認識を持ち、「地域医療再生計画」で課題解決を図ろうとしているのか。
 また、具体的な事例として、対馬における対馬いづはら病院と中対馬病院の統合移転・新病院建設により、どのような医療提供体制を目指そうとしているのか、以上の2点についてのご所見をお伺いいたします。
 以上で、本壇からの質問を終わり、答弁の後、対面演壇席より再質問をさせていただきます。
 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(宮内雪夫君) 知事。
◎知事(中村法道君) 〔登壇〕坂本議員のご質問にお答えをさせていただきます。
 まず、新たな「離島振興法」の制定に向けた取組についてのお尋ねでございます。
 私は、かねてから、しまの振興なくして長崎県の発展はないのではないかと強く考えてきたところでございます。そのため、新しい「離島振興法」の実現に向けては、輸送コストの低廉化やガソリン等燃油価格の本土との格差是正といった離島の不利条件の解消、ソフト事業充実のための一括交付金の創設、あるいは離島振興債の創設、国境離島に対するさらなる補助率のかさ上げや立地企業等への税の減免など、思い切った提案をまとめまして、去る9月29日に、県議会、離島市町の皆様と一緒になって国に対する要望活動を行ったところであります。
 特に、国境離島につきましては、内海離島と比べ、厳しい条件下にある一方で、領海や排他的経済水域の保全といった、国家的な極めて重要な役割を果たしているものと考えており、全国の国境離島関係都道県に対しましても、連携した活動を呼びかけているところでございます。
 今回の意見書の提案内容が、国の新たな離島振興対策に確実に盛り込まれてまいりますよう、今後も引き続きあらゆる機会をとらえて、国に対して訴えてまいりたいと考えております。
 次に、アジア・国際戦略のうち、中国戦略についてのお尋ねでございます。
 本県におきましては、地理的、歴史的な優位性を十分に活かし、成長著しいアジアの活力の取組を重点的に行ってまいりますため、「アジア・国際戦略」を推進しているところであります。
 中国につきましては、まず、「孫文と梅屋庄吉プロジェクト」を通して、二人の知られざる友情に光を当て、日中両国の多くの方々に知ってもらうことにより、友好交流の絆をさらに強化してまいりたいと考えております。
 今日、この取組が契機となりまして、本県と湖北省、長崎市と中山市との友好交流協定につながってまいりました。また、二人が出会った地であります香港との交流も芽生えたところであります。
 今後は、これらの交流のさらなる具体化を図り、拡大に努めてまいりたいと考えております。
 こうした友好交流の絆を基盤といたしまして、本年度増設をいたしました「ビジネスサポートデスク」などによりまして、個々具体的な企業等の中国への進出を支援し、最終的には観光客の誘致や県産品の輸出拡大など、具体的な成果に結びつけてまいりたいと考えております。
 さらに、来年は、日中国交正常化40周年、長崎県と福建省との友好県省30周年という節目を迎えてまいりますので、いよいよ本格就航を迎える上海航路を最大限に活用しながら、一層の友好交流の拡大、そして、それを本県の経済活性化につなげてまいりたいと考えております。
 次に、韓国戦略にもっと力を入れて取り組むべきではないかとのお尋ねでございます。
 本県と韓国との関係は、まさに対馬から韓国までは至近距離にあり、鎖国時代においては、対馬藩が朝鮮通信使の窓口としての役割を果たし、朝鮮半島との交易を担うなど、中国と同様に、地理的にも、歴史的にも極めて深いつながりがあります。
 今日におきましても、韓国における長崎の応援団であります「ハンナ会」との交流をはじめ、本県が提唱いたしました「日韓海峡沿岸県市道交流知事会議」、そして本県議会における「日韓友好長崎県議会議員連盟」や、全国に先駆けて設立されました「長崎県日韓親善協会」などの活動を通しながら、本県と韓国とは、官民双方においてさまざまな交流を積み重ねてこられたところであります。
 ご指摘のとおり、韓国におきましては、近年における著しい経済発展、平成17年からのノービザ化、ソウル〜釜山間の交通アクセスの拡充など、さまざまな状況の変化が生じており、本県への外国人観光客も、その半分以上は韓国人であるという状況にあります。そういった観点からいたしますと、今後、さらに韓国への取組を強化していくべきであると考えております。
 したがいまして、今後は、「ハンナ会」をはじめとした韓国における人脈の再構築を進めてまいりますとともに、県の支援体制の強化に努めながら、市町や民間団体とも連携しつつ、文化・友好交流の拡大、観光客やクルーズ客船の誘致強化、そして交通アクセスの改善、県産品の輸出拡大など、経済的な道筋につながるような取組をさらに重点的に推進してまいりたいと考えているところでございます。
 残余のご質問につきましては、関係部局長の方からお答えをさせていただきたいと存じます。
○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(上村昌博君) 今後、離島における企業誘致にどういうふうに取り組むのかというお尋ねでございますが、議員ご指摘のように、離島地域における企業誘致については、物流面でのコスト、あるいは時間を要するといったハンディがあるというふうに思っています。
 そういう意味で、企業誘致には一定の不利感というのがあろうかと思いますが、近年において、そういった物流面での影響を受けにくい業種の立地というのが見られております。平成17年度以降で7社、雇用では211人の実績が上がってきております。
 具体的には、産業機械用組電線、いわゆるワイヤーハーネスなどの軽量で高付加価値製品を製造する企業、あるいはコールセンターやデータ入力代行を行う情報通信関連企業などが立地をしてきております。
 それから、県の補助制度においても、離島をはじめとします過疎地域を対象としては、特例措置を設けておりまして、補助要件の緩和などの支援策を講じているところであります。
 今後とも、これまで取り組んでまいりました業種等を中心に誘致を進めながら、さらに各地域における人材の状況、地元の産品、あるいは地理的特徴など、活用可能な地域資源を地元の市町、県においても十分把握をして、どういった業種、どういう企業、あるいはどういった工程等であれば誘致可能であるかということを、当然これは企業の意向もございますけれども、しっかり確認、検討しながら、離島への誘致を図っていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。
◎企画振興部長(永川重幸君) 航路、航空路の運賃の低廉化、そして、利便性の向上についてどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございます。
 議員ご指摘のとおり、離島振興を図る上で、人流、そして物流の活性化は不可欠であると思っております。そのために本土と離島の航路、航空路の運賃引き下げについては、重要な課題であると考えております。
 離島の基幹航路につきましては、平成21年度から、国の交付金を活用して運賃の低廉化に取り組んでおります。平成22年度に着手しました九州郵船の博多〜壱岐〜対馬航路につきましても、来年4月、フェリー「きずな」が就航し、ジェットフォイル、フェリーとも2割程度の旅客運賃の値下げが予定をされているところでございます。
 今後とも、離島基幹航路の老朽船舶の更新、長寿命化に取り組み、運賃低廉化に反映をさせていくということで、離島地域の交流活性化と島民の負担軽減に努めてまいりたいと思っております。
 離島の航空路につきましては、交付金の適用がございませんので、離島基幹航路と同様の制度の実施は難しい状況でございます。
 現在は、県営離島空港の着陸料につきまして、県が減免措置を行いまして、これを原資といたしまして、約3割程度の島民割引を実施させていただいておりますが、ORCの経営も非常に厳しい状況でございます。これ以上の運賃の値下げは、なかなか難しいという状況がございますので、国に対しまして事業者に対する財源補てん等の拡充を要望してまいりたいと思っております。
 次に、物流コストの低減対策でございます。
 海上輸送にかかりますコスト高が、離島の産業競争力の低下につながっております。平成24年度の国の概算要求におきまして「離島の流通効率化・コスト改善事業費交付金」が新たに全国枠で10億円要求をされております。
 輸送コストに対しまして、直接支援をする制度の創設ということで、本県から提案いたしました意見書の内容にも沿うものでございますので、期待をいたしておりますが、全国の必要額を考えますと、金額的には十分とは言えないのではないかと考えております。
 そういった中で、県といたしましては、どのような品目を対象に支援した方がより効果的なものかも含めまして、離島の市町と十分に協議をいたしまして、国の交付金を活用しながら、輸送コストに対する支援を行いたいというふうに考えております。
 また、輸送、保管、荷さばき、そして集配といった物流の実態を把握して、流通構造の改善、効率化につきましても検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 農林部長。
◎農林部長(濱本磨毅穂君) 2点、お答えをいたします。
 まず、活性化計画で目指す強い経営体の育成を加速化するためにどのように取り組んでいくのかというお尋ねですが、強い経営体の育成につきましては、経営規模の拡大対策、売れるものづくりや販路拡大対策を進めることで農業所得の向上を図り、また、その成功事例を見せることで新規就農者の確保につなげていくといった一連の取組が必要であると考えております。
 そのため、この取組を牽引する農業所得600万円以上を確保する先導的農業者の育成を図るため、対象農家に振興局の普及指導員を張り付け、所得が上がる営農類型や規模拡大等を具体的に提案し、経営指導を行っているところでございます。
 平成24年度におきましては、農業者の経営拡大や雇用型農業への転換を図るため、必要な労働力を継続的に確保できる労力支援システムの導入に取り組んでまいります。
 また、担い手への農地集積を図るため、市町、農業委員会、農協、県等の役割を明確にした上で、地域における推進体制を整備し、担い手への農地の集積を一層促進してまいります。
 また、販路拡大対策としましては、例えばブロッコリーの契約取引や高菜の塩蔵等の加工の取組を各地域に拡大するため、技術の開発ノウハウを持つ農林技術開発センターで、農業者と流通業者、実需者との間で交流会等を開催し、新たなサプライチェーンの構築を支援してまいります。
 さらに、就農支援対策として、自営就農者を確保するため、国の事業も活用しながら、先導的農業者を受け皿とする実践研修の拡大や農地のあっせん、資金手当等をワンストップで支援する体制の整備に取り組んでまいります。
 これらの取組を一体的に推進することで、強い経営体の育成を加速化してまいります。
 次に、対馬しいたけの振興対策についてのお尋ねですが、県におきましては、対馬市が策定した平成27年に150トンの生産を目標とする「対馬しいたけ復活プラン」の達成のために、異業種からの参入や規模拡大を目的とした16協業体の育成や低コスト化のための作業道59キロメートルの開設の支援を行うことといたしております。
 また、意欲ある生産者や協業体の収量増加のために、マイスターによる栽培技術や経営改善の指導についても、支援をしているところであります。
 こうした取組の結果、新たに建設業から参入した5協業体を含む12の協業体が設立され、平成22年には全体生産量の3割を占めるまでに至っており、新規参入者の中には、平成23年度「ながさき農林業大賞」で知事賞の受賞や、対馬では前例がなかった周年栽培、品質管理の徹底により、対馬市でトップクラスの生産量を上げる、すぐれた経営者も出るなど、一定の成果も出てきているところです。
 県といたしましては、目標の達成を支援するため、さらに市や地元関係者と協力して、対馬しいたけの振興に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 水産部長。
◎水産部長(野口市太郎君) 漁業後継者対策についてのお尋ねでございますが、県では、平成17年から国に先駆けて新規就業の促進のため、漁業研修期間中の生活費や漁船の取得支援等に取り組んでおり、この結果、平成17年度から平成22年度に県全体で851名、うち離島地区では433名の新規就業者を確保しております。
 本年度からは、新規就業者の研修受入体制を強化するとともに、新たに学校卒業後間もない漁家子弟も支援対象に加えるなど、事業を拡充して、新規就業促進に取り組んでおります。
 また、意欲的な中核的漁業者を育成するために、生産向上等に積極的に取り組む漁業者等を今年度から新たに「ながさき認定漁業者」として直接支援するとともに、各地で活躍されている142名の漁業士、漁村の中心となる漁協青壮年部、それから女性部、こういった活動も支援しております。
 今後は、こうしたこれまでの取組に加えまして、豊富な知識や技術等を若い漁業者等が体系立てて習得できる機会や、経験の浅い漁業就業者にベテラン漁業者のすぐれた漁業技術を伝授する機会などの創出により、水産業と漁村を担う人材の確保、育成を図りたいと考えております。
 次に、水産基盤整備についてのお尋ねでございますが、平成23年度からスタートさせました新たな「長崎県総合計画」では、「次代へつなぐ水産資源と漁場づくり」、これを施策の一つに掲げまして、水産資源の回復に努めながら、海面漁業生産額30万トンを確保することとしております。
 このため、マダイなど、水産資源の維持、回復を図るため、魚類の産卵やえさ場となる藻場の造成、稚魚の隠れ場となる保護・育成ブロックの設置による増殖場の整備をこれまで以上に推進するとともに、効率的な漁獲を可能とする人工魚礁を計画的に設置することとしております。
 今後の水産基盤整備につきましては、防災対策、就労環境改善、施設の長寿命化等、必要な漁港事業は引き続き実施するものの、生産性や所得の向上につながる漁場事業へ予算をシフトさせまして、漁場整備を推進するために必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(岩本公明君) 地域医療の確保対策について、県はどのような基本認識を持ち、地域医療再生計画で課題解決を図ろうとしているのかというお尋ねでございました。
 本県では、県総合計画において、「一人ひとりをきめ細かく支える」という政策を掲げ、「医療をみんなで支える体制づくり」を施策の柱としており、離島をはじめとする地域医療の確保は、県民の生活に必要不可欠な社会基盤と認識をいたしております。
 最大の課題であります医師の確保対策では、医学修学資金や自治医科大学による県養成医制度等の既存事業に加えまして、地域医療再生計画事業として、県下17の臨床研修病院が協議会を設置し、研修医にとって魅力あるプログラムの策定や合同の募集活動など、新・鳴滝塾構想推進事業の実施を通しまして、初期研修医及び後期研修医の確保を図っております。
 さらに、後期研修以降の専門医研修、指導医研修と段階を追って、指導・育成する体制を構築することで、若い医師の定着を図り、医師の確保や医師の偏在是正に努めてまいります。
 また、救急医療体制の構築では、「地域医療再生計画」で県内3拠点化のため、新たに佐世保市立総合病院に「救命救急センター」を設置するなど、救急医療体制の充実に努めております。
 このほか、離島・僻地医療、小児救急医療、周産期医療などについて、同じように既存事業と地域医療再生事業をあわせて実施し、それぞれの医療体制の充実に努めてまいります。
 次に、具体的な事例として、対馬における対馬いづはら病院と中対馬病院の統合移転・新病院建設により、どのような医療提供体制を目指しているのかとのお尋ねでございます。
 対馬いづはら病院と中対馬病院の統合移転・新病院建設では、入院医療機能を集約化することになどにより、限られた医療資源の中で医療水準を維持、向上することを目指しております。
 具体的には、救急医療については、医師当直を現在の1名から、内科系と外科系の2名の配置に加え、急性期病棟を30床設置して体制を充実いたします。
 さらに、放射線治療装置を新たに導入するとともに、現在の2病院を合わせたものよりも人工透析設備と手術室を増やし、設備の充実を図ることといたしております。
 この統合による医師の集約化により、勤務環境の改善が図られること、また、多様な症例を数多く経験できるようになることから、病院の魅力が増し、医師の確保にも資するものと考えております。
 これらにより、新病院の医療レベルが確保されるとともに、市立診療所への定期的な診療応援の強化につながるなど、地域全体での安定的な医療確保が図られるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(宮内雪夫君) 坂本議員−29番。
◆29番(坂本智徳君) それぞれにご答弁をいただきました。
 改めて再質問をさせていただきますが、その前に、先ほど知事から、新たな「離島振興法」の制定に向けての取組について積極的なご答弁をいただきましたが、今議会の冒頭にも知事の説明がございまして、「平成25年3月に期限を迎える『離島振興法』の改正に向けては、国策による思い切った振興策を法に盛り込むよう引き続き国へ訴えていく」と、先ほどと同じような力強いお言葉、お話があったわけでございます。
 先日、東京からの帰りに偶然に浜松町で新上五島町の井上町長とお会いをすることができまして、モノレールの中で羽田に着くまでずっとお話をしたのでありますが、その2〜3日前に、ちょうど議会の「離島・半島地域振興特別委員会」がございました。そこで、私は、国境離島と内海離島の首長さんたち、いわゆる「全国離島振興協議会」の首長さんたちの中でいろんなご議論があっているというふうに話をちょっと聞いたことがあったものですから、そこら辺で非常に危惧をしているんですが、いかがでございましょうかと町長さんにお尋ねをしましたら、もうまさに大変な話になっているんだと。会長の佐渡市長も非常に苦慮なさっておられるというようなお話をお聞きいたしました。来年が、それこそヤマになるわけでございますが、これはもう大変な覚悟を持って臨まなければいけないのではないかなというふうに思っておりまして、一緒になって取り組んでいただいて、そして、必ずやこれを法律に盛り込んでいただくように、改めてご尽力をお願いしたいというふうに思うわけであります。
 そこで、離島振興につきまして、離島の企業誘致のことで改めてお尋ねをさせていただきます。
 産業労働部長の説明では、平成17年から7社の誘致がなされて、211名の雇用が各離島でなされているというふうにお話がございましたが、内訳はどのようになっているのか、お示しをいただけませんでしょうか。
○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(上村昌博君) 7社の内訳でございますけれども、まず、立地企業数で言いますと、五島市が3社、壱岐市が2社、新上五島町が2社、それが7社の内訳でございます。
 211名の内訳で見ますと、五島市が72名でございます。そして、壱岐市が96名、新上五島町が43名、これが211名の内訳でございます。
○議長(宮内雪夫君) 坂本議員−29番。
◆29番(坂本智徳君) 新上五島町が2社、壱岐市が2社、五島市が3社ということでありまして、自分の地元のことで大変恐縮なんですが、対馬市が入っておりません。いろいろと理由があったのでありましょう。地元の積極的な働きかけがなかったのかどうかわかりません。あるいは距離が遠かったのか、コールセンター等々がございますので、距離が遠いというのは理由にはならないと思うんですが、いかがでございましょうか、対馬においても積極的に企業誘致に取り組むべきだというふうに私は思うのでありますが、そこら辺のご所見をお尋ねいたします。
○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(上村昌博君) 対馬をはじめ、離島は人口面でも1割、面積でも45%を占めますから、大変重要だというふうに考えてございます。ただ、さきの答弁でも申し上げましたように、なかなか不利な条件があるのも事実ではございます。
 ただ、そうした中においても、やはりあきらめずに可能な誘致というのはしていこうということでございまして、現状は先ほど申し上げたようなコールセンター、あるいはデータセンターのような情報通信関係、それから、軽量な製造品関係、ワイヤーハーネス等、こういったものについても継続して努力してまいりたいと思っておりますし、さらに、対馬という場合において、やはり本土地区に比べて相対的にお安い、強みになるであろう人件費の面、それから、韓国にも近いという土地柄を何か活かせないだろうかということ。当然、企業の意向もあるでしょうが、企業の製造工程の一部、これも企業によってそれぞれでしょうが、例えば検査部門だけを移すとか、そういう可能性、あらゆる可能性を、離島においても対応可能な業務についての可能性というのをしっかり考えながら、具体的な提案をしていけるようなことが肝要だろうし、そういう方向で努めていきたいと思っております。
 さらに、対馬出身の方、ゆかりのある方々とおそらく関係が深いであろう市の方々、地元の市からも情報収集を図って、誘致活動に活かせるものは、お互い情報交換をしながら活かしていく、こういった形で、対馬をはじめとして離島に対する誘致にも頑張ってもらいたいというふうに考えてございます。
○議長(宮内雪夫君) 坂本議員−29番。
◆29番(坂本智徳君) ご多分に漏れず、対馬も合併前、6町がそれぞれ企業誘致をされておりました。ほとんど製造業でございましたが、11か12か企業誘致に成功はしたのでありますが、製造業でございますので、お話にありましたように、やはり資材を入れて、そしてまた、その製品を送るという往復の運賃コスト、輸送コストでもって、全部撤退をいたしました。
 ですから、コールセンターとかは五島にも、壱岐にもあるわけでございますし、あるいはまた、その業界では超大手のオーナーというか、社長が対馬の出身ということもあるものですから、その辺をちょっと私も市と一緒になって、あるいは県と一緒になって追っかけてみたいなというふうに思っておりますので、ぜひひとつ大きなバックアップをお願いしたいというふうに思います。
 次に、アジア・国際戦略についての韓国戦略について、知事に改めてお尋ねをしたいというふうに思いますが、本壇でも申し上げましたし、知事からもお話がございました。
 中国に関しては、長崎県と中国の関係は私が今さら言うまでもなく、ずっと長い間、歴代の知事をはじめ、先達が時間をかけて交流、あるいは友好の輪を広げてきた、その結果が今日に至っているのだろうというふうに理解をいたしております。ですから、韓国と中国とを同じものさしではかるわけにはいかないというふうには思っております。
 でも、アジア・国際戦略という観点からしますと、以前、不幸な時代を経て、そして長崎県と韓国も結構いい友好の時代があったわけでありまして、私は久しぶりにこの議場に戻ってきましたので、こういうふうな状況になっているということは知りませんでしたけれども、また、あの時のような、ああいう友好交流が活発になされるような、そういう時代に一緒に頑張って戻ろうじゃありませんか。
 今こういう質問をしながら思い出したんですが、知事が対馬支庁に支庁長として勤務をなされた時、私は議員として一緒に韓国に行って、いろんな、当時は対馬のことに関してが多かったというふうに思いますが、今回、私がこの質問を改めてさせていただいたのは、もう言うまでもなく県下全域のことでございます。そういうことで、中国にあれほど一生懸命やっている、その半分でも、3分の1でも、韓国に向けていくべきではないかというふうに思うわけでありますし、先ほど壇上でも申し上げましたように、キム・スハン先生、あるいはイ・デスン先生も、こう言っては大変失礼なんですが、もうお年でございまして、この間、私は9月定例会が終わった翌日、10月6日だったと思いますが、閉会日の翌日にソウルに飛びまして、イ・デスン先生のオフィスをお訪ねいたしまして、「ぜひ長崎に来た時にはご懇談をいただけませんか」と申し上げましたら、気持ちよく、快くお引き受けをいただきました。
 ただ、ご自身もおっしゃっていたんです。「もうしょっちゅう、しょっちゅう長崎に行くのもね、年だからね」というようなやわらかい言い方ではございましたけれども、真に迫ったような言い方だったんです。
 元国会議長のキム・スハン先生もやはりお年でございまして、もう今からは、こういう言い方は大変失礼かもしれませんが、その次の代の、いわゆる後継者の方々とのパイプをつなぐという意味も含めて活性化を図っていくべきではないかなというふうな意味からして、平成14年度末をもって閉鎖された長崎県ソウル事務所をもう一度復活させるという気持ちはございませんか。
○議長(宮内雪夫君) 知事。
◎知事(中村法道君) 県の大変重要な政策の一分野として、アジア・国際戦略に取り組んでいるところでありますけれども、その一番ターゲットに考えておりますのは、中国に限らず、やはり韓半島との関係も新しいものを組み立てていかないといけないと考えているところであります。
 今、議員からご指摘をいただきましたように、ソウルにも県の事務所を構えて諸活動を展開していた時期がありまして、その時は情報も随時入ってきていたわけでありますけれども、私も改めて、こういう立場で韓国との関係を考えました時に、ご指摘のようにその後の人脈の開拓がほとんどなされていない。これも未来につながる関係を構築していく上では、関係が弱まっているという思いをしみじみ実感をいたしているところであります。やはりこれまで対馬が築いてきたように、日韓関係を考える時に、長崎県が担うべき分野というのをしっかりとアピールして、両国の関係構築のために果たすべき役割があるものと、そしてまた、そういった役割をしっかり担っていかないといけないと、こう思っておりますので、ぜひそうした可能性も含めて全方位で検討をしていかないといけないと思っております。
 ただ、平成14年には、やはり財政改革の側面もあって、このソウル事務所も廃止された経過もあると思いますので、どういった方策が可能であるのか、いま少し時間をかけて研究、検討をさせていただきたいと考えているところでございます。
○議長(宮内雪夫君) 坂本議員−29番。
◆29番(坂本智徳君) ありがとうございます。
 本県の職員の中には、韓国勤務の経験がおありで、韓国語に堪能な職員もいるやに聞いておりますし、あるいはまた、現在、クレアのソウル事務所にも本県出身の職員がいらっしゃるということで、非常に有能な職員だというふうに伺っております。そういう方々をぜひ活かす手段というものがあろうかと思いますので、ただいまの知事からのお話は、前向きと私はとらえさせていただきましたけれども、もう一つ前向きなお話がいただきたかったんであります。
 今議会の知事の冒頭説明では、ページをめくってみますと、中国に関することが7〜8ページございました。今いろいろやっていらっしゃるからですね。韓国に関しても、近い将来の議会で、3ページか4ページにわたって韓国のことが知事説明で述べられるような、そういう日が一日も早くくることを私は願っておりますので、このことに関してはぜひひとつ積極的にお取組をいただくよう強く申し上げておきたいというふうに思います。
 もう時間がございませんので、ここに1枚の紙を用意いたしております。紙といいましても、破れてはいけませんからガードしております。読みあげさせていただきます。
 「この道より、我を生かす道なし、この道を歩く 武者小路実篤」。このことを、私は政治の道を歩きながら、いつも心に秘めて、50年の政治生活を力の限り前進してきました。
 「ふるさとの輝かしい未来をつくるために、若い諸君、どうか島を愛し、頑張っていこうではありませんか」。これは本当に細い字で、小さな字で書かれた文章でありますが、私が尊敬してやまない、今は亡き虎島和夫先生が晩年に病床で書かれたものというふうにお伺いをいたしております。
 先生のお気持ちが、この一面にすべてあらわれているというふうに私は理解をいたしました。これをはじめて読ませていただいた時、背筋が寒くなるような思いをいたしました。
 この虎島先生のお心を心として、私も微力ではございますが、今後とも離島振興に努めてまいりたいというふうに申し上げまして、(発言する者あり)私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(宮内雪夫君) これより、関連質問に入ります。
 金澤議員−24番。
     〔関連質問〕
◆24番(金澤秀三郎君) 同僚坂本議員の離島振興、農林水産業振興に関連をして、財源確保の観点から、非常に気になっておりますので、合併特例債をはじめとする合併後の新市町への支援策について、お尋ねをいたします。
 坂本議員の地元の例えば対馬市では、平成16年3月1日に合併をされたので、現行制度では合併特例債が平成25年度までしか活用できません。
 また、現行制度のまま普通交付税の合併算定替期間が終了をすると、その影響額が対馬市で約11億円、普通交付税が減少するという試算が出ています。
 私の地元雲仙市においても、昨日、本庁舎の位置を合併協定で決めた愛野町から、現在、仮の本庁舎として使っている旧吾妻町役場に変更する条例改正案が上程をされました。これも合併後10年間という合併特例債の適用期間終了後の極めて厳しい財政状況を勘案した奥村雲仙市長の苦渋の決断であろうというふうに思います。
 そこで、長崎県では、来年度の政府施策に関する提案要望書において、3つのことを要望しておられます。
 1点目、合併特例債について、適用期間の延長など弾力的な対応を図ること。
 2点目、普通交付税の合併算定替期間終了後のさらなる財政支援措置を講じることとして、そのうちの1つ、合併団体であるがゆえに削減できない経費の財政需要をとらえた新たな補正の創設を行うこと。
 その2、これは対馬市等の一島一市町村について、合併後も医療や交通対策等、住民生活に密着した行政サービスの維持向上が図られるよう、隔遠地補正の継続を行うこと。
 3点目、合併後の新市町への支援に積極的に取り組んでいる都道府県に対し、さらなる財政支援を行うこと、この3点が要望をなされました。
 これに対して、できれば3つに分けて、それぞれ詳しく現在の状況をお尋ねしたいのですが、その背景は、私自身が仕入れている情報では、11月1日頃、少なくともこの合併特例債の期間延長は閣議決定がなされるというふうに聞き及んでいました。それから1箇月経って、現在何も情報が得られておりません。このことについてお伺いをいたします。
○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。
◎企画振興部長(永川重幸君) 今お尋ねがございました、まず、合併特例債の関係でございます。
 合併特例債につきましては、11月1日に参議院の方に予備審査議案の受理がなされたということで、現在、衆議院で審議中というお話をお伺いしております。できるだけ早い時期に、この法案が国会を通過するということを期待いたしております。
 これが通過いたしますと、今、合併特例債は、合併後10年でございますが、それが長崎県などにおいては5年間延長になります。
 ちなみに、東日本大震災の関係で、8月に、被災地域におかれては5年間の延長が既に決まっておりますが、これをさらに10年に延ばすというのが、この法案の内容でございまして、被災地については10年、そして、その他の日本全国の合併地域について、いわゆる長崎県については5年間延ばすということで、法案が国会で審議されておるというのが今の状況でございます。
 あと、普通交付税の関係、それと県への支援関係についても、国の方に政府施策要望で、今年の7月に要望いたしておるところでございます。今後も引き続き頑張ってまいります。
○議長(宮内雪夫君) 溝口議員−43番。
     〔関連質問〕
◆43番(溝口芙美雄君) 同僚坂本議員のアジア・国際戦略について、関連質問をさせていただきます。
 知事は、今回の知事説明の中で、中国との交流を、今後、上海航路復活を機に進めていこうという、そういうアジア・国際戦略を考えておりますけれども、先ほど坂本議員から、韓国との交流も積極的に進めていく必要があるんじゃないかという、そういう趣旨の質問がございました。その中で、知事といたしましては、「ハンナ会」との協力を進めながら、人脈の再構築に向けて進んでいきたいと。
 そして、坂本議員におかれましては、ぜひ長崎県のソウル事務所を復活させていただきたいという旨の質問がされたわけですけれども、知事として、積極的に進めていこうという、そういう機運はものすごく感じたわけでございますけれども、もう一歩、坂本議員の詰めですね、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいという、そういう質問があったんですけれども、そのことについて知事の答弁を少し聞かせていただきたいと思います。
○議長(宮内雪夫君) 知事。
◎知事(中村法道君) 先ほども思いの一端を述べさせていただいたつもりでありますけれども、アジアとの交流軸を考えた時に、中国だけではやっぱり足らざるところがあると考えております。全く変わらない歴史的なゆかりを持って、韓半島とも熱心な交流関係を構築して、先ほど申し上げたように、長崎が大切な役割を果たしてきた事実があるわけであります。
 特に、これまでは、歴史的な認識の違い等がありまして、ややもすると、ぎくしゃくした関係でありましたけれども、今日ほとんどそういった障壁はございません。若い人たちを含めて経済的な側面、文化的な側面、さらに大きく拡大していけるチャンスだと思っております。
 実を申しますと、12月の10日、11日でありますが、韓国の1市3道、そして九州・山口を含めた4県の知事サミットを実は長崎で開催する計画となっております。
 こうした機会も積極的にとらえながら、これから具体的にどういった分野の交流に力を注いでいけばいいのか、それぞれの首長の皆さん方とも十分意見交換を重ね、チャンスを実現してまいりたいと考えているところでございます。
○議長(宮内雪夫君) 溝口議員−43番。
◆43番(溝口芙美雄君) 積極的な答弁、ありがとうございました。
 特に、今回、日本海側拠点港ということで、長崎港と佐世保港が国際定期旅客の拠点港としての指定を受けたわけです。佐世保といたしましても、拠点港として釜山との航路を開設していきたいということで今進めているわけですけれども、そのことが韓国との交流にもかなり力を入れていくことになるんじゃないかと思うのです。そのことについて、県として、佐世保市に対し、どのような支援策を考えていこうとしているのか、聞かせていただきたいと思っております。
○議長(宮内雪夫君) 文化観光物産局長。
◎文化観光物産局長(坂越健一君) 佐世保〜釜山航路につきましては、従来から非常に力を入れているところで、佐世保の三浦岸壁の整備を待つ必要があるということで、平成26年度ということを目標にしておりますが、三浦岸壁から入ってきますと、例えばハウステンボスに行く時にも佐世保市街を通るということで、市の活性化にも非常に資するということで、観光客の誘客が市街の活性化にも資する施策ではないかというふうに考えております。
 先般、私も韓国の方に出張に行ってきて、釜関フェリーなり、いろんな会社を訪問しまして、現在の状況等も確認してきたところでございまして、今後とも積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
○議長(宮内雪夫君) 溝口議員−43番。
◆43番(溝口芙美雄君) 先ほど坂本議員も言われましたように、対馬だけの問題ではなく、また、長崎県全般として、韓国との交流について真剣に取り組んでいく必要があるんじゃないかと思うんですね。その中の一つが、佐世保〜釜山航路の開設ではないかと、このように考えておりますので、県といたしましても、佐世保市と一体になって、この開設に向けてぜひ努力をしていただくよう要望しておきたいと思います。
○議長(宮内雪夫君) これより、しばらく休憩いたします。