平成22年  9月 定例会 - 10月05日−05号

◆28番(溝口芙美雄君) (拍手)〔登壇〕自由民主党の溝口芙美雄でございます。
 会派を代表いたしまして、第88号議案「平成22年度長崎県一般会計補正予算(第3号)」について、賛成の立場で意見を申し述べ、議員各位のご賛同を得たいと存じます。(発言する者あり)
 今回の補正予算は、総額で約16億円と、それほど大きな規模ではありませんが、その内容を見てみますと、子育て家庭や市町からの強い要望を踏まえ、知事ご自身も選挙公約の一つに掲げておられた乳幼児医療費助成における現物給付の実現のための予算が計上されております。
 また、有明海や橘湾、佐世保市において発生した赤潮による大規模な養殖業被害に機動的に対応し、事業再開に必要な中間魚購入経費の一部を助成する予算も措置されており、人を大切にする中村県政の考え方が色濃くあらわれております。
 さらに、「アジア・国際戦略」の先行プロジェクトとして来年の「辛亥革命100周年」を機に、孫文と本県出身の梅屋庄吉、そして長崎県との関係を顕在化させる取り組みをはじめ、長崎空港発着のチャーター便誘致を促進するなど、中国をはじめとする東アジア地域からの誘客拡大に向け、戦略的に取り組もうとされております。
 そのほか、県庁舎が仮に移転する場合の跡地活用について、その検討に必要となる埋蔵文化財等の調査経費を計上するなど、今回の予算案は、子育て支援や交流人口の拡大のほか、緊急に取り組むべき県政の諸課題について的確に対応しているものと大いに評価するところであります。(発言する者あり)
 一方で、この県庁舎跡地活用検討経費に対して、魚市跡地への移転を前提にした予算であると反対する意見があるわけですが、このことは、私にはとても理解しがたいことであります。
 そもそもこの跡地活用については、昨年5月に県議会で「県庁舎整備に関する意見書」を可決する際の委員長報告で、「跡地活用についても県庁舎の整備構想とあわせて議論すべき」と示されたことを受けて、各界の有識者からなる「長崎県県庁舎跡地活用懇話会」が設置され、今回1月に知事へ提言がなされたという経過があるわけであります。
 その提言の中で今後の検討に当たっての留意点として、埋蔵文化財や石垣、第3別館の調査実施に関する必要性が指摘され、その後の県議会の県庁舎整備特別委員会においても、仮に県庁舎の移転整備を進めるとなった場合に、跡地活用に空白期間が生じないように調査を行うべきであるとの議論があり、早急な調査の実施を求めていたものであります。(発言する者あり)
 今回の予算は、こうした県議会における議論等の経緯を十分踏まえるとともに、現在地が周知の埋蔵文化財包蔵地に位置づけられていることからも、こうした調査は必要であり、決して無駄にはならないとの前提で計上されているものであります。(発言する者あり)
 このようなことについては、県からもきちんと説明がなされているところであり、今後の検討のために必要となる調査予算にすら反対するとの考えは到底受け入れられものではありません。(発言する者あり)
 どうか知事におかれましては、予算成立後、直ちに事業に着手され、当該調査はもちろんのこと、その他の事業についても早期に効果が発現するよう、しっかりと取り組んでいただきたいと強くお願いする次第であります。
 以上、第88号議案について賛成意見を申し述べ、議員各位のご賛同を賜りますようお願いいたしまして、賛成の討論とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手・発言する者あり)
◎知事(中村法道君) 〔登壇〕閉会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 このたびの議会は、去る9月13日から本日までの23日間にわたり開かれましたが、議員の皆様には、本会議及び各委員会を通じ、終始ご熱心にご審議をいただくとともに、それぞれ適正なご決定を賜り、厚くお礼を申し上げます。
 また、本議会から常任委員会及び予算特別委員会各分科会において、議会審議の活性化等を目的とした質問事項の事前通告制度が試行されたところであります。
 議員の皆様方の議会活性化への取り組みに対しましては、心から敬意を表しますとともに、今後ともご尽力を賜りますようお願いを申し上げます。
 この際、会期中の主な動きについて、ご報告申し上げます。
 去る9月26日から27日にかけてジョン・ルース駐日米国大使が長崎原爆資料館と平和公園の訪問及び長崎日米協会創立40周年記念レセプションへの出席などのため来県されました。
 ルース大使は、26日、長崎原爆資料館の視察後、「深く心を打たれました。核兵器なき世界の平和と安全を求め、すべての国とともに働くというオバマ大統領の決意の重要性を今回の訪問はさらに認識させてくれました」と記帳し、そのメッセージを読み上げられ、原爆落下中心地では献花をされました。
 私も翌27日に県庁でお会いし、世界平和の実現に向けた被爆県としての本県の責務や取り組み、被爆者の皆様の思いなどをお伝えし、ご支援とご協力をお願いいたしました。
 ルース大使は、「オバマ大統領が掲げる核兵器廃絶の目標に向けて役に立ちたい」と述べられるとともに、日米間双方の留学生による教育交流の促進などにも、共に協力していきたいと述べられ、有意義な意見交換を行うことができました。
 今後とも、アメリカとの友好関係を深めるとともに、被爆県の知事として核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて、努めてまいります。
 今議会において、ご審議いただいた「辛亥革命100周年」を契機とする「孫文・梅屋庄吉と長崎」の取り組みについては、中国における巡回展の延期などの状況を踏まえ、私から李 文亮中華人民共和国駐長崎総領事に対し、長崎県と中国は特別の関係にあることを改めて確認するとともに、今後の取り組みへのお力添えをお願いしたところであります。
 これに対し、李総領事からは、辛亥革命100周年は中国にとっても大きなことであり、着実に取り組んでいく、孫文と梅屋庄吉の事業はすばらしい取り組みであり、協力したい旨の話をいただいたところであります。
 県としては、長年築いてきた中国とのこうした交流の絆を大切にしながら、今後とも友好親善はもとより、観光や物産等の経済交流など幅広い分野での交流促進に努めてまいります。
 我が国の経済・雇用環境は、円高等により依然として厳しい状況にあることから、9月10日に「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」が閣議決定されたところであり、そのうち「平成22年度経済危機対応・地域活性化予備費」の使用に対応する補正予算案について、先ほど可決いただいたところであります。
 このほか国においては、去る9月24日に新卒者に対するきめ細かな就職支援を実施するため、ハローワーク、地方公共団体、労働界、産業界、学校等の関係者を構成委員とする「新卒者就職応援本部」を全都道府県労働局に設置するとともに、新卒者や卒業後3年以内の既卒者の就職を専門に支援する「長崎新卒応援ハローワーク」を設置されました。
 県としても、長崎労働局等と一層連携を図り、新卒者等の就職支援に取り組んでまいります。
 また、中小企業者に一つの窓口で必要な各種サービスを紹介するワンストップサービスデーが全国で開催されることとなっております。本県においても、九州経済産業局を中心に県をはじめ、県内の商工関係団体などが合同で相談に応じることとしており、10月18日に佐世保市で、11月19日には長崎市で開催されることとなっております。
 中小企業者の経営相談をはじめ、年末の資金需要に対応するための融資の相談など、関係機関と連携して適切に対応してまいります。
 現在、国においては、さらに補正予算による追加経済対策も検討されているところであり、今後ともその動向を注視しながら、経済雇用対策の推進に努めてまいります。
 このほか会期中、皆様からお寄せいただきました数々の貴重なご意見、ご提言などについては、今後の県政に積極的に反映させてまいりたいと存じます。
 さて、すがすがしい秋を迎えましたが、皆様方には何かとご多用のことと存じます。どうか健康には一段とご留意の上、ますますご活躍されますことをお祈り申し上げます。
 最後になりますが、報道関係の方々におかれましては、県議会の広報についてご協力を賜り、ありがとうございました。
 この機会にお礼を申し上げまして、閉会のごあいさつといたします。
 ありがとうございました。